サポーターズ・カンファレンス議事録

サッカースタジアム建設について(スタジアム総合戦略推進室長 信江雅美)

新スタジアムの建設について

 本日はお忙しい中、サポーターズカンファレンスに多数ご参加いただき、誠にありがとうございます。また日頃は当クラブに多大なるご支援と応援を賜り、厚く御礼申し上げます。

 私からはサッカースタジアムの建設について、お話しさせていただきます。

 去る2月6日、湯崎英彦広島県知事、松井一實広島市長、深山英樹広島商工会議所会頭、及び久保允誉弊社会長の4者トップ会談が開催され、建設場所や事業主体などサッカースタジアム建設にかかわる基本的事項に関して、4者で合意がなされました。ここに到るまで粘り強く取り組んでいただいた広島県、広島市、広島商工会議所の皆さまのご尽力に厚く感謝申し上げます。

 中央公園広場は、我々が目指している「まちなかスタジアム」の立地として、その条件を満たす場所です。多くの人々に愛される魅力あるスタジアムが建設され、それを契機に都心のまちづくりが進むことを期待しており、県・市・商工会議所とともに、私たちも精一杯協力していきたいと思います。

 合意の内容は10項目です。ちなみに、これは広島市と広島県のホームページに掲載されています。読ませていただきます。

  1. サッカースタジアムの必要性
    広域的な集客効果を高めるなど、広島市ひいては広島県全体の活性化につながるものであり、さらに、サッカーを通じた平和発信や国際交流も期待できることから、建設が必要である。
  2. サッカースタジアム建設の基本的姿勢
    広島県、広島市及び広島商工会議所は、本合意事項に基づき、互いに力を合わせてサッカースタジアムの建設の推進及びこれと連携した賑わいの創出に取り組む。
  3. サッカースタジアムの建設場所
    広島みなと公園、旧広島市民球場跡地、中央公園広場の3つの候補地について比較検討した結果、中央公園広場が建設場所として最も適している。
  4. 事業主体
    建設及び管理運営の主体は広島市とする。
  5. 建設資金の確保
    国の交付金を最大限に活用するほか、関係企業や個人からの寄付金、使用料収入などにより資金を確保しつつ、その他の資金の確保について広島県、広島市及び広島商工会議所が協力して検討する。
  6. 規模
    観客席3万人規模とする。
  7. 事業手法
    民間のアイデアやノウハウを活用した事業手法の導入により、事業効果の最大化、設計・施工や管理運営の効率化などを図る。
  8. 整備スケジュール
    2019年度として、基本計画策定、設計・施工の発注準備。2020年度~2023年度として、基本設計、実施設計、建設工事、開業準備。
  9. 周辺住民への配慮
    建設及び開業後の運営にあたっては、周辺住民の意見を聞きながら、地域の生活環境を確保するために必要な対策を講じる。
  10. 基本方針の策定等
    本合意事項を基に、広島県、広島市及び広島商工会議所において、サンフレッチェ広島の意見も聞きながら、速やかに、スタジアム建設の基本的事項をとりまとめた基本方針を策定する。また、スタジアム建設と連携した旧広島市民球場跡地を含む紙屋町エリアの賑わいの創出について検討する。

 以上の10項目が合意された内容です。この10項目に基づいて、これからスタジアム建設が具体的に進められていきます。私たちとしては、2024年2月のリーグ開幕を新スタジアムで迎えることを念頭に置いています。

新スタジアムのビジョン

 2018年7月1日、広島国際会議場・国際会議ホールにて、「広島を元気にする『まちなかスタジアム』シンポジウム」(略称「まちSTA!シンポジウム」)を開催いたしました。多くの方々にご来場いただき、盛況の内に終了いたしました。

 また、それに先立ち、「あなたの『まちSTA!』アイディア募集」と名付けて、中四国地方最大の人口を有し、政令指定都市である広島市の中心部にふさわしい「まちなかスタジアム」は、具体的にどのような施設であることが期待されるのか、その機能・役割・形状・経済効果など、多角的な観点から「まちなかスタジアム」について広くアイディアを募集し、様々なご意見をいただきました。

 現在、サンフレッチェでは、これまでに実施してきた国内外のスタジアム視察や情報収集に基づく研究、専門家からのアドバイスに加えて、この「『まちSTA!』アイディア募集」に寄せられたアイディアも参考にしながら、サンフレッチェとしてのスタジアムプランを作成しております。

 スタジアムの建設においては、施設全体の特性を規定する明確なビジョンと、そのビジョンに沿ったターゲット・施設・複合化までの一貫したコンセプトが大切です。

 私たちが考えるスタジアムの、中心になるビジョンは、ひとことでいえば「多くの市民に親しまれ、利用される多目的フットボールパーク」です。スタジアムをコストセンター(※費用を支出するだけで利益を生み出さない存在)ではなく、プロフィットセンター(※収益や利益を生み出す存在)にしていくために、最も重要な事業性の観点から、スタジアムを含むエリア一帯は試合日以外でも日常的に活用される施設である必要があり、サッカー観戦だけに特化した施設であってはならないと考えています。

 また、第2のビジョンとしては、「街の景観と一体化したフットボールパーク」であるべきと考えております。中央公園周辺には、原爆ドームや広島城など、広島を代表する歴史的ランドマーク施設が多数存在しています。街の景観を損ねないためにも、既存施設との調和を十分に考慮した、国際平和都市・広島にふさわしいデザインが望まれます。また、「環境に配慮した持続可能型スタジアム」であることも大切です。現代において、環境配慮型スタジアムであることはマストな要件だと思っています。

 さらにもう一つ、事業性の観点からいって、多数の人に利用される施設であるためには、幅広い層に利用される施設でなければなりません。

 2年ほど前からデータベースを整理していますが、現在私たちのクラブを主に支えてくださっているのは、40歳代以上のミドル・シニア層が中心になっています。サンフレッチェだけではなく、Jリーグ全体がそういう傾向にあるのですが、私たちがあまり獲得できていない20歳代、30歳代の独身層及びヤングファミリー層を含めて、メインターゲット層を広げ、3世代に支持されるクラブであり、スタジアムであることが重要です。サッカーファンのみならず多様な嗜好・ニーズを有する幅広い層をターゲットにした施設にしていきたいと考えています。

 また、中央公園は広島市中心部に位置していますので、インバウンドや国内旅行者を含む多様な人々が日常的に行き交う場所にしていきたいと考えており、インバウンドや国内旅行者もターゲットになり得ます。スタジアムを国内外のサッカーファンのみならず、広く観光客が訪れる場所にしていきたいと思います。

 また、施設のメイン・コンセプトとして、幅広いターゲットに訴求するために、スタジアムは試合観戦に訪れる人や公園利用者にとって、閉じた空間であってはならないと考えています。試合時の防音には十分配慮しながら、公園内にあって芝生広場や外に向かって開かれた「開放型スタジアム」であるべきと考えています。

 また、Jリーグのトップチームとして、選手・チームにとって最新・最高のサッカー環境を実現することはもちろんのこと、試合観戦される観客の皆さまに、一流の観戦環境を提供していかなければなりません。ピッチと観客席をできるだけ近づけ、試合と一体感のある観戦環境を実現するだけではなく、サブ・コンセプトとして、音と映像と光、さらにIoT(※あらゆるモノがインターネットに接続され、リアルタイムで情報交換をおこなう仕組み)といった最新技術を備えた、臨場感のあるプロフェッショナルスタジアムを考えています。

 複合化については、幅広いターゲットに日常的に利用してもらうために、特定の目的に偏った施設を配置するのではなく、様々なニーズに対応した幅の広い複合施設を配置する必要があるととともに、日常利用の促進のためには敷居の高い店舗ではなく、気軽に利用しやすく、コストパフォーマンスの高い性質の店舗を配置することが求められます。

 私たちが考えるサッカースタジアムは、平和記念資料館、原爆ドームといった平和祈念公園から旧市民球場跡地、広島城、ひいては紙屋町周辺に至る、中央公園全体を使った大きな周遊ルートの形成につながるものであります。そのことにより、広島市の中心部に新たな賑わいを生み出していきたいと思います。

 また、新しいスタジアムが中央公園広場に完成したあかつきには、地元住民の方々の生活環境に十分に配慮した運営に努めるとともに、選手による近隣の小中学校訪問や、クラブが地域社会の活性化への協力などに積極的に関与することで、地域社会の一員として、地元貢献を果たしていきたいと思います。

 サンフレッチェのクラブ理念は「サッカー事業を通じて、夢と感動を共有し、地域に貢献する」というものです。また経営方針として「広島を愛し、広島で一番愛されるプロスポーツクラブを目指す」と定めています。まさにクラブ理念と経営方針を具現化し、多くの市民、県民に親しまれ、利用される多目的フットボールパークとして、公園一体型の施設としてスタジアムを整備し、広島市中心部における新たなランドマーク施設となることを目指していきたいと考えております。

 先ほど紹介した10項目の合意事項の中にありましたように、今後速やかに、4者で「スタジアム建設の基本的事項をとりまとめた基本方針を策定する」ことになっています。いま申し上げたスタジアムコンセプトを含め、基本方針の中に私たちの考え方を盛り込んでいただけるように、精一杯努めて参りたいと思います。

 当クラブの久保会長が、エディオンの社長の立場で、総額30億円の寄付を表明しました。マツダ様も寄付のご意向と聞き及んでおります。広島商工会議所の深山会頭も、マツダスタジアムを整備したときと同様に、地元経済界が一体となり、できるだけの資金協力ができるよう、各経済団体傘下の企業からの寄付を募るなど、スタジアム建設に向けた取り組みを進めていきたいと仰っています。

 私たちサンフレッチェも、まもなく開始される募金活動においては、スポンサー企業やファン・サポーターの皆さま、市民・県民の皆さまに積極的に働きかけ、より多くの寄付金が集まるよう、選手も含めて一丸となって努力していきたいと思います。

 本日カンファレンスにご参加いただいた皆さまも、その際には、ぜひご協力のほど、よろしくお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答1