広報について(広報部長 杉原寛和)

 サンフレッチェファミリーの皆さま、いつも当クラブを応援いただき、誠にありがとうございます。このたび、当クラブへ多くのご意見をいただき、ありがとうございます。いただいたご意見を受けまして、クラブ広報の取り組みについてお伝えいたします。

 まず、広報の全体的な話である「メディア戦略」についてお話しします。メディアには、テレビ、ラジオ、新聞といった外部メディアと、オウンドメディアといわれるホームページ、SNS、YouTubeなどの自社内部メディアがございます。

 時代はテレビなどよりもインターネットという声も世の中にはありますが、インターネットを利用したオウンドメディアの発信については、当クラブに関心がない方々へ情報を届けることの難しさを感じています。これまで当クラブと接点がなかった方々へ、関心を持ってもらうきっかけ作りのためにテレビの力は、この今の時代においても強力であると認識しています。

 どのようにテレビの露出を増やしていくかを考えたときに、テレビ局もビジネスでやられているので、放送されるものについては、テレビ局(会社)として、またテレビ局で働かれている職員の方々の都合もあり、そういった都合を考慮せず情報提供を行っても、放送される確率はかなり低くなります。よって、テレビ局の方々へ頻繁にアプローチし、テレビ局側の都合を理解し、それに合わせで、どのような切り口やタイミングで情報を提供すれば放送してもらえるのかを粘り強く擦り合わせます。

 例えば、県民の皆さんの生活に関わる重大な案件がある日は、ニュースの放送枠の大部分がその情報に費やされます。そのような日に一方的に当クラブの情報を投げかけても放送はされません。あらかじめそういったテレビ局の予定が分かっていれば、こちらからの情報発信の日をずらして、テレビ局側が放送しやすい日を選ぶということをやる必要があります。

 例えば、テレビ局も働き方改革で人員の手配が難しく、また撮影に出向くコストも削減されているので、ディレクターの方や撮影クルーの方が練習取材に行きたくてもいけないという状況もあります。そういった場合は、クラブが自社で撮影した映像をテレビ局へ提供し、番組内で放送してもらうなどの対応も行います。

 このような取り組みは2019年の夏あたりから試行錯誤で始めており、2019年シーズン終盤や2020年シーズン開幕前の選手のテレビ生出演などの形でその成果が表れ始めておりました。

 2020年シーズンは新型コロナウィルスの影響や、それによる過密日程の影響もあり、選手がテレビ局のスタジオに出向くことが難しく、思い描いていたようなテレビへの露出がなかなかできない面もありましたが、そういったなかでもテレビ局との連携、情報共有の下地ができつつありましたので、選手のリモート出演や当クラブからの提供映像を放送してもらうなど、チームの活動休止期間でもテレビの露出が全くない状況になることは避けることができました。

 今後は、競技としてのサッカーや試合情報に関わる部分の報道だけでなく、選手の素晴らしい人間性、愛されるべきキャラクターなど、なかなかニュース報道では伝わらない部分をテレビで取り扱ってもらい、選手のことが好きになったので応援しようと思われる方を1人でも増やすことができればと思います。

 新型コロナウィルスの影響で、選手のテレビ出演に関しては今後も様々な制約が続き、また、競技(サッカー)における選手のコンディションとのバランスも十分に配慮することが必要ですが、当クラブの選手たちはメディアに出演することに対して前向きに、やる気になってくれていますので、手を替え品を替え地道に取り組んで行きたいと考えています。

 ホームページ、SNS、YouTubeと言ったオウンドメディアの中では、2020年シーズンはYouTubeに力を入れました。

 YouTubeのクラブ公式チャンネルでは、例年に比べて公開する動画の数を大幅に増やしましたし、外部の力も借りて、これまでにない内容や編集手法の動画も作成しました。動画に寄せられるコメントも「面白い」「もっと見たい」など好意的なものが多く、我々スタッフのモチベーションにもなっております。ただ、視聴された方からは高評価のお言葉をいただく半面、視聴回数やチャンネル登録者数が想定より伸び悩んでいます。

 動画編集をされたことがある方ならお分かりだと思いますが、編集にこわだった動画を作成する場合は、1つの動画を仕上げて公開するまでに膨大な時間と労力がかかります。15分程度の動画を仕上げるには、撮影から編集(カット、文字入れ、映像加工、中間チェック、修正)を経て、最終チェックでまた隅々まで気を付けて確認するとなると数十時間を要します。

 膨大な労力を使っても視聴回数やチャンネル登録者数が伸びないことに、心が折れそうになることもありますが、YouTubeはオウンドメディアのなかで数少ない収益が発生するものなので、将来的にクラブの大きな収益源として育てたいという志がありますし、また、ある程度のチャンネル登録者数を超えると、加速度的にチャンネル登録者数や視聴回数が伸びていくというYouTubeの特性にも期待し、そして、視聴いただいている方々からは高評価のお言葉をいただいておりますので、作成動画の方向性は間違ってないと信じて、ここはひとつ頑張っていきたいと考えています。

 当クラブのYouTube動画をまだご視聴されてない方におかれましては、お楽しみいただける動画をご用意しておりますし、皆様の動画視聴が当クラブの収益に確実につながっていきますので、ぜひともクラブ公式YouTubeチャンネルのご視聴、チャンネル登録、高評価をお願いいたします。また既にクラブ公式YouTubeチャンネルをお楽しみいただいている方は、ぜひとも周りの方々にお勧めいただければと思います。

 オウンドメディアについては、ギフティング(いわゆる投げ銭と呼ばれるもの)も含めて色々と手を広げすぎているのでもっと集約できないのか、効率的に整理できないのかといったご意見もいただいております。できる発信はどんな形であれなるべく多く発信しようとした結果、そのような印象を持たれることにつながったところもあるかと思いますし、別のご意見としていただいておりますオウンドメディアの誤植や訂正が多いというご指摘も、色々と手を広げすぎて人員体制的に無理が生じている部分もあるかもしれません。

 オウンドメディアにつきましては、いただいたご意見を参考にし、試行錯誤しながらサンフレッチェファミリーの皆さまへの正確、かつ有益な情報発信を効率的に目指していくとともに、こちらもまた、選手の素晴らしい人間性、愛されるべきキャラクターなどをしっかりと発信し、選手を応援していただける方を1人でも増やすことができればと考えております。

 次に、ご意見が多かった「SNS上での誹謗中傷、暴言」についての対応ですが、これは当クラブだけではなく、社会全体で問題になっています。法整備も進められていますが、現状では被害者側が相当な時間や労力、お金をかけて対応しても納得のいく結果を得るのは簡単ではなく、泣き寝入りする方が大多数という状況です。

 これまでいただいたご意見のなかには「Jリーグクラブは一般人と違うので、大きな力をもってして加害者を特定することなどの法的な対応は容易にできるのでは?」というものもございましたが、サンフレッチェ広島だから、Jリーグクラブだから何か特別な解決ルートがあるわけではなく、これに対応するにはサンフレッチェ広島であっても一般の方々と何ら変わらず、とても困難であるということをまずご理解いただきたいと思います。

 また「誹謗中傷、暴言」は、「厳しいご意見、批判的なご意見」との境目がグレーであるというところもございます。同じ発言でも、発言者本人は「厳しい意見」を言っているつもりが、周りから見ると「誹謗中傷、暴言」と捉えられることもありますし、線引きが曖昧なところがあります。そういったなかでも、明らかな差別発言については、顧問弁護士と相談しながら新たな法規制や刑事罰化も参考にしながら対応していきたいと思います。

 インターネット上の誹謗中傷、暴言には「高額な報酬をもらっている著名人は一般人とは違う、それゆえに批判を受けることもあるがしょうがない」という、いわゆる有名税的な考えが背景にあります。一般的には敬意を欠いた行為である「呼び捨て」を、著名人に対しては深く考えることなくしてしまう方が多いのも、この考えを無意識のうちに持たれているからだと思います。

 選手や監督もその著名人にあたるかもしれませんが、著名人である前に、1人の人間として懸命に日々を生きていますし、家族がいます。選手や監督を1人の人間として認識されていない最低限の敬意を欠いた発言、発信をインターネット上で見かけますと、とても残念な気持ちになります。インターネット上で発言する前に「同じ言葉をご自身が、ご自身のご両親が、ご自身のご兄弟が、ご自身のお子様が、ご自身のご家族が言われたらどう感じるだろうか?」と発信するすべての方々が考えること、また、対面で人と人が接するときと同じく、相手に対しての必要最低限の敬意をもってインターネット上でも交流が行われる社会になることを望みます。

 法務省は2021年から総務省及びSNS事業社団体と共同してSNS利用に関する人権啓発を実施します。そしてJリーグはこの活動に賛同し協力団体に名を連ねておりますので、Jリーグに所属する当クラブもこの人権啓発活動に積極的に協力して参ります。

 インターネット上における一般の方々の著作権や商標の侵害への対応についてのご意見もございました。こちらも現状の法律では、侵害された側が相当な時間や労力、お金をかけて対応しても納得のいく結果を得るのは簡単ではない状況です。被害者側がどれくらいの被害を被ったのか、金額等を理論的に算出、証明して、加害者側に損害賠償等の訴えを起こす必要があります。法律も含めてそのような難しい背景はありますが、クラブの経営に大きな損失を与えるものについては顧問弁護士と相談しながら対応していきたいと思います。

 広報関係でお伝えすることは以上でございます。クラブ広報として2021年シーズンは、個々の選手の魅力を発信することによって応援していただける方を1人でも増やすとともに、これまで以上にクラブ内の各部署との連携を深め、サンフレッチェファミリーの皆さまへの正確かつ有益な情報発信、観客動員に繋がる情報発信を目指して参りますので、何卒、よろしくお願いいたします。

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