5.3 14:00

明治安田J1 第11節 vs. 柏レイソル
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
2
柏レイソル
  • 前半13分
    ジュニオールサントス
1
前半
0
0
後半
2
  • 後半25分
    海渡
  • 後半42分
    海渡

試合の見どころ

 上位へ食らい付くための重要な連戦だ。敵地で戦った前節・清水戦は2-2のドローに終わり、4月の公式戦を5勝2分の無敗で過ごした広島だが、ここからのゴールデンウィークは3日(火・祝)に5位・柏、7日(土)に首位・鹿島と強豪との対戦が続く。特にこの2連戦はホームで戦えるとあって、勝点を一つでも多く稼ぎたいところ。現時点で首位との勝点差は「8」の8位。まだまだ上位へ浮上するチャンスは十分にあるだけに、ここから再び連勝街道を目指したい。
 5月初戦のレイソル戦だが、険しい戦いが待っているのは必至だ。開幕からの7試合を5勝1分1敗の好成績で駆け抜けたレイソルだが、一転して現在はリーグ戦3連敗中。特に前節・鳥栖戦では、1-4の大敗を喫するなど調子を落としているものの、ミヒャエル・スキッべ監督は相手の力を警戒する。「それでも良いチームだと思っている。彼らは走ることやテクニックに優れている。そこは我々と似たようなタイプだと思っている」。ブラジルの名将・ネルシーニョ監督が現在ベースとしているのは、広島と同じ[3-4-2-1]システム。相手の長所を消す戦いや試合中のシステム変更など勝利に徹する策略家だが、前線からのハードなプレスやコンパクトな陣形は確かに広島と似た部分もある。とりわけ、ネルシーニョ監督が率いている時のレイソルとはいつも“ミラーゲーム”の様相を呈しており、システムも噛み合う中でいかに上回っていくか。20歳の若きストライカー・細谷真大やブラジル人アタッカーのマテウス・サヴィオら個の能力の高い選手も要所に揃っており、まずはどのポジションでも目の前の相手に負けない1対1の攻防は一つのカギとなる。
 その上で指揮官が強調したのは、「自分たちのスタイルを貫き通すことが重要になる」。ともに2-2のドローに終わった前節・清水戦、前々節・磐田戦では、前半にアグレッシブさを欠いてリードを許す展開となった。それが勝ち切れない一つの原因となっているだけに、序盤からパワーを持って戦うことは必須だ。「前節も前々節も前半は少しアグレッシブさが足りない部分があった。それを最初からできるようにしたいと思っている」(スキッべ監督)。リーグ戦で先制した試合は3戦全勝。反対に先制された試合は4分2敗。その数字を見ても分かるとおり、課題は明白だ。最初から力を出し尽くして先制点を奪い、レイソル撃破といきたい。

監督 試合前日コメント

──日本サッカー界に大きな影響を与えたイビチャ・オシム氏がお亡くなりになったが?
「ご家族や関係者にご冥福をお祈りしたい。ヨーロッパだけでなく日本でも名の通った良い監督というのは知っている。ドイツでも有名な監督だった。世界中のどこに行っても成功したのは素晴らしい。監督が集まるカンファレンスなどで会っているが、いろんな話を多く聞けたし、親しみやすい方だった」

──明日はアキレス腱の手術をした柏レイソルのネルシーニョ監督は、問題なく広島に来られそうだが?
「ネルシーニョ監督は前節もベンチに入っていたし、こちらからメッセージを送ったら『広島で会うのを楽しみにしている』とのことだった。こちらも会うのを楽しみにしている」

──ネルシーニョ監督とは知り合いだった?
「会ったことはないので、初めて会うのを楽しみにしている。(会ったことがないのにメッセージを送った?)そういうこと(笑)」

──最近の柏レイソルは結果が出ていないが?
「それでも良いチームだと思っている。彼らは走ることやテクニックに優れている。そこは我々と似たようなタイプだと思っている。明日は楽しみだし、良い試合ができるのではないか」

──最近は複数得点を取れている中で失点も続いており、勝ち切るために必要なことは?
「自分たちのスタイルを貫き通すことが重要になる。前節も前々節も前半は少しアグレッシブさが足りない部分があった。それを最初からできるようにしたいと思っている。ただ、相手もあることなので、気を付けながら、自分たちのサッカーを最初から貫くことが大事になる」

監督 ハーフタイムコメント

・ミスを減らしていくこと。
・サイドを効果的に使うこと。
・ここからよりパワーを出していこう!

ゲームレポート

 今季最多となる10,821人がエディオンスタジアム広島に集まった一戦は、目の離せない攻防となった。
 立ち上がりにCK2本を与えるなど、レイソルのパワーに押された序盤だったが、眠れるストライカーがようやく目を覚ます一撃を見舞った。13分、敵陣での野津田岳人のFKのこぼれ球をペナルティーエリア内で拾ったジュニオール・サントスが反転して左足シュート。これがネットに突き刺さり、11試合目で今季リーグ初得点を奪った。
 これで広島は優位に試合を進められるようになった。自陣では細かなパスワークを駆使してビルドアップを繰り返し、敵陣へ進出すればコンビネーションで相手DFを攻略しにかかる。安易にボールを奪われた際にはレイソルの武器であるスピーディーなカウンターから中村慶太に決定的チャンスを作られるなど、ゴールを脅かされる場面が何度かあったが、全体的にはボールを奪われても前線からのハードなプレスや素早い切り替えを続けて対抗。ゴール前へ行けば、サントスや柏好文、森島司らが積極的にシュートを放って追加点のチャンスを作り出す一進一退の攻防で前半を終えた。
「すごく良い戦いができている。我々もそうだし、相手も良いサッカーをしている。ミスを減らしていくこと」。そうミヒャエル・スキッべ監督の指示を受けて臨んだ後半も試合の構図は変わらなかった。ポゼッション率を高めて攻撃に出ようとする広島に対し、レイソルは隙を突いてのカウンターで応戦してきた。広島は前線での細かなパス交換から柏好文がゴールを狙えば、レイソルもFWのアンジェロッティを走らせてロングフィード一発で好機を伺うなど、互いが長所を出し合う激闘は後半も続いた。
 だが、60分以降から試合の主導権はレイソルへ。選手交代を含めて攻撃への圧力を強めてきた相手に押し込まれる時間帯が続くと、ついにゴールを割られてしまった。70分、中央でのパス交換を許して森海渡に抜け出されると、ゴール隅にシュートを突き刺され失点。試合は振り出しとなった。
 その後はナッシム・ベン・カリファや柴﨑晃誠、浅野雄也ら攻撃のカードを次々と投入して再び前へのパワーを出していったサンフレッチェだったが、リズムを取り戻せずに流れは停滞。すると、悔しい2失点目が生まれたのは87分だった。自陣右サイドを攻略されると、再び森にネットを揺らされて決勝点を献上。最後まで持ちこたえることができなかった広島は、今季初の逆転負けを喫することになった。

監督 試合後コメント

「試合終盤に(点を取られて)不運にも負けてしまったが、Jリーグの中でもすごく良いゲームだったでのはないか。前半で2-0にするチャンスはたくさんあったと思うが、そこをうまく活かせなかった。後半はレイソルが選手交代を含めて前によりパワーを持ってきた。後半の流れで運が我々に向いていれば勝てたかもしれないが、アンラッキーな場合は負けてしまう。今回は我々にとっても非常に残念な結果。次の試合に向けて切り替えて良い準備をしていきたい。次節は今日よりも良い結果を残したいと思っている」

──リーグ戦3試合連続で2失点だが、原因について。
「サッカーなので失点はあること。ただ、今日の2失点目は自分たちの不注意による形。集中が切れたり、一瞬で何か足りないモノがあったところから失点してしまった。そういったところは修正しないといけない」

──いつも後半は相手陣内でサッカーができていたが、今日は受けに回るシーンが多かった。疲れもあるのか?
「疲労だと後半の最後の最後でもう一度、盛り返すことはできなかったのではないか。なので、後半に押し込まれる時間帯が長かったのは疲労によるものでないと思っている。前半は比較的ボールを早く動かせたが、後半はうまくいかなくなった。ボールを保持してもスピードを上げて前に進むことができなくなったことが、後半は自陣でサッカーをしないといけなくなった原因だと思っている」

──後半はなぜスピードを上げて前に進むことができなくなったのか?
「一つ挙げるとすれば、今日のレイソルは前から来て、我々がやりたいサッカーをさせないようなパワーを持ってきた。それ以外のところはしっかり分析してからなら明確な答えが言えると思う」

フォト

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