5.21 13:00

明治安田J1 第14節 vs. 京都サンガF.C.
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試合終了

サンフレッチェ広島 広島
3
1
京都サンガF.C. 京都
  • 前半5分
    満田
  • 前半26分
    ジュニオールサントス
  • 後半21分
    ナッシムベンカリファ
2
前半
1
1
後半
0
  • 前半42分
    武富孝介

試合の見どころ

 険しい戦いになるのは必至だ。2010年に対戦して以来、12年ぶりとなる京都との一戦。「非常に良いチームだと思っている。ディフェンスも安定しているし、結果も出している」(ミヒャエル・スキッべ監督)。相手は今季、J2から昇格したばかりとはいえ、ここまで4勝5分4敗の9位と上々の成績を残している。倒したチームも浦和、神戸、柏、鳥栖。実力に疑いの余地はなく、強敵だ。
 まさに曺貴裁監督らしいチームと言える。湘南でハードワークの礎を築いた指揮官は、昨季から率いる京都でもアグレッシブなスタイルを構築。素早い攻守の切り替え、豊富な運動量、前線からのハードなプレスと、チームが一つになって戦い抜く力強いチームを作り上げている。
 その中で強烈な個性を発揮しているのが、広島にもお馴染みのストライカーであるピーター・ウタカだ。2016年に所属していた広島でJ1得点王に輝くなど、決定力の高さと抜群の攻撃センスを持つ元ナイジェリア代表FWは、今年で38歳を迎えても衰え知らず。2020年に京都で22得点を挙げてJ2得点王を獲得すると、昨季はリーグ2位となる21得点でJ1昇格に貢献。2017年以来のJ1となった今季も序盤からゴールを量産し、鹿島の上田綺世と並んでJ1トップの8得点を奪っている。ウタカがベルギーリーグでプレーしていた約20年前からその存在を知っていたというスキッべ監督は「すごく危険な選手だと思っている。今もスピードもあるし、裏に抜けるプレーが特長的だと思っている。シュートも危険なので、できるだけ彼には仕事をしてもらわないようにしないといけない」と警戒。京都は他にも元サンフレッチェの宮吉拓実や武富孝介など攻撃陣に実力者は揃っているが、最後の最後で相手を仕留めることができるウタカは、やはり警戒し続けなければならない。
 その上でサンフレッチェは、相手に負けないハードワークで京都を上回ることができるか。ここ数試合で見せている2トップシステムか、それとも慣れ親しんだ1トップかは、「もちろん相手の分析をした上で一番良い形で戦いたい」とスキッべ監督は策略を練っている。ただし、どのシステムで戦おうとも、前線からの強度の高いプレスを仕掛けるアグレッシブなスタイルは今季の広島の形だ。今節も京都相手に貫くのみ。それが勝利への一番の道となる。

監督 試合前日コメント

──大迫敬介選手が日本代表に選出されたが?
「彼にとってすごく良いことだと思う。ここまでリーグ戦に出ていた中で、特に浦和戦も多くのシュートストップがあったし、そういったパフォーマンスが評価されたと思う。彼にとっても良いことだし、我々のチームから出たということはチームにとってもすごく良いこと」

──明日の京都戦について。ピーター・ウタカ選手は警戒すべき選手だが、彼の特長をどう見ているか?
「すごく危険な選手だと思っている。彼のことはベルギーでプレーしていた20年ぐらい前から知っている。今もスピードもあるし、裏に抜けるプレーが特長的だと思っている。シュートも危険なので、できるだけ彼には仕事をしてもらわないようにしないといけない」

──京都の一番のストロングポイントは?
「非常に良いチームだと思っている。ディフェンスも安定しているし、J2から昇格してきたチームだが、結果も出している。ウタカをはじめとした速い攻撃だけでなく、セットプレーもいろんなバリエーションがある。明日は難しいハードなゲームになると思っている」

──明日はどういったプランで戦うつもりか?
「もちろん相手の分析をした上で一番良い形で戦いたい。今はまだ決まっていない部分もあるので、これからコーチ陣で話して決めていきたい」

監督 ハーフタイムコメント

・素晴らしいパフォーマンス。後半も集中し続けること。
・正確にパスを繋いでいくこと。
・背後を狙い続けること。

ゲームレポート

 互いにハイプレス・ハイラインを志向するアグレッシブなチーム同士の一戦。激闘が予想された戦いで広島が圧巻のパフォーマンスを披露した。
 序盤から広島はエンジン全開だった。試合を動かしたのは開始早々の5分、FWナッシム・ベン・カリファのハイプレスが相手GKのロングフィードを誘うと、ハーフライン付近でDF佐々木翔がヘディングで競り勝ったボールをジュニオール・サントスがスルー。背後から飛び出した満田誠がドリブルで持ち運び、冷静に右足で突き刺して早くも先制に成功した。
 その後も広島の攻撃が冴え渡った。予想どおり中盤での激しいバトルが繰り広げられる白熱の展開となったものの、広島は攻撃に移った際にナッシムとサントスが相手の浅い最終ラインの背後を狙う徹底した戦いぶり。相手GKのカバーなどもあり、何度かチャンスになりそうな場面で防がれていたが、貴重な追加点へと実らせたのは26分だった。センターサークル付近でパスを受けたナッシムからサントスへとボールが渡って独走。これを背番号37が確実に決めて2-0とリードを広げた。
 それからも広島のペースは変わらなかった。自陣へ押し込まれてもスピーディーなロングカウンターでチャンスを作り出し、敵陣でボールを持てばサイドを効果的に使ってシュートを浴びせる。ナッシムや森島司、サントスらが好機を迎える中で仕留められずにいると、42分、一瞬の隙を突かれてしまった。京都の素早いカウンターを受けると、ピーター・ウタカのラストパスを武富孝介に決められて2-1。好内容とは裏腹に1点差で前半を終えた。
「素晴らしいパフォーマンス。後半も集中し続けること」。ハーフタイムにミヒャエル・スキッべ監督からそう指示を受けた広島の選手たちは、後半も冷静にゲームを進めた。後半開始と同時に一気に3枚の交代カードを切ってきた京都のパワーに押されて守備の時間帯が続いたが、その流れを断ち切ったのはナッシムだった。66分、敵陣左サイドで細かくパスを繋いで好機をうかがう中、野津田岳人からのボールを受けた背番号13が左足を振り抜いて3-1。ナッシムの来日初ゴールは京都を再び突き放す貴重な追加点となった。
 これでより優位となった広島は、相手の攻撃を受け止めつつ、カウンターなどからチャンスを創出。試合終盤にはピンチもあったが、GK大迫敬介のビッグセーブで得点を許さずにゲームを締めて3-1の勝利。内容と結果が伴う会心の戦いにスキッべ監督も「素晴らしいゲームをした」と選手を称えた。

監督 試合後コメント

「素晴らしいゲームをしたと思っている。3-0にするのが理想的だったが、前半を2-1で折り返した。前半は特に多くのチャンスを作りゲームを支配したと言える。少しの不注意で失点してしまったが、後半は集中を切らさずに最後まで戦えたのが良かった。チャンスも数多く作ることができた。今日の勝利で順位的にも真ん中より上で戦っていけることに満足している」

──今日は2トップシステムで戦い、攻撃の機能性が見事だったが?
「よく機能したと思っている。体の強い2トップに、ボールを早く動かせるオフェンシブハーフの二人。そこはうまく機能したし、裏を狙っていく今日の狙いもうまくいった」

──後半は相手が3バックに変更した時に、広島は2ボランチに変えたと思うが、その意図は?
「今日のメンバーの中には複数のポジションをこなせる選手がいた。そのため、選手交代をせずにポジション変更をし、相手の動きに対応した」

──その中で満田誠選手を一列下げて、ボランチにした狙いは?
「先ほども話したように、ピッチで解決できる状況でもあったから。特にマコ(満田)が上がったとか下がったとかではなく、とにかく良いサッカーをやることが目的だった。今日のようなサッカーは外から見ていても楽しい試合だった」

──京都も強度の高いプレスを仕掛けてくるチームだったが、そこに対して試合前に選手にどんな指示を出したのか? また、今日は相手のプレスをうまく剥がせていたが、その評価を。
「相手がプレッシャーに来るのは分かっていた。それをひっくり返そうと。『空いているところに蹴っていこう』と試合前に話した。後ろの(佐々木)翔にしても、シオ(塩谷)にしても、テクニックに優れた中盤もできる選手なので、裏に蹴ることはできると思っていたし、(大迫)敬介もロングボールを一発で裏に入れることができた。それ以外にも(野津田)岳などコンセプトに対して忠実にやれる選手を揃えていたので、裏を狙う話をしていた」

──先制点を挙げた満田選手の評価と今後の期待について。
「走力に優れた意欲的な素晴らしいタレントだと思っている。いろんな場所からシュートを狙えるし、シュートの能力も非常に優れた選手。それに対する意欲もある。ここ1、2年でまだまだ伸びる選手だと思っているし、成長することを期待している」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

photo 今日のPLAYER OF THE MATCHは、ナッシム・ベン・カリファ選手!
ベン・カリファ選手には、ゲームスポンサーのフィットネスジムベースワン様より「山陰浜田 極味(きわみ)豪華海鮮セット」が贈られます!!

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