5.28 14:00

明治安田J1 第16節 vs. 名古屋グランパス
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
0
名古屋グランパス 名古屋
  • 後半13分
    野津田岳人
0
前半
0
1
後半
0

試合の見どころ

 広島にとって仕切り直しの一戦だ。チームを襲った新型コロナウイルス感染症の影響で前節・G大阪戦が中止となり、直近のゲームから1週間の間隔が空いての一戦となる。ただし、25日(水)と26日(木)の2日間は検査の影響などでチームとして活動ができず、選手のコンディション的に「あまり良い状況でないのは間違いない」(ミヒャエル・スキッべ監督)。陽性になってしまった複数の選手も欠く難しい状況の中で明日のゲームに臨むことになる。
 さらに今回の相手は強豪だ。ホームに迎え撃つ名古屋にはルヴァンカップ・グループステージで2戦2勝と勝ち越しているが、当然ながら今節も勝利が約束されているわけではない。元々、選手層はリーグで随一であり、特に最近になって調子は右肩上がり。「3バックに変えてからのここ数試合は素晴らしい成績を収めている」(スキッべ監督)。4月13日のルヴァンカップ・広島戦から3バックシステムに変更した名古屋は、そこからのリーグ5試合で3分2敗と苦しんだが、浸透してきた今はC大阪、清水、福岡を破って3連勝中。大ケガから復帰した丸山祐市、日本代表の中谷進之介、藤井陽也が組む3バックは頑強であり、その前にはJ屈指のボールハンターである稲垣祥もいる。柿谷曜一朗やマテウス・カストロ、相馬勇紀ら攻撃陣にも豪華なタレントを擁しているが、昨季までの代名詞だった“堅守”も復活している現在の名古屋の攻略はなかなかの難題だ。
 もちろん、明日も難しい戦いが待ち受けているのは間違いないが、今季の広島は今回のような“試練”を乗り越えた経験がある。4月10日のJ1第8節・福岡戦、試合当日にチーム内で新型コロナウイルスの陽性者が出る不測の事態となったが、全員が一つになって戦い抜き、後半アディショナルタイムの柴﨑晃誠の決勝点で勝ち切った。「明日のピッチに立つ選手に関して言えば、高いモチベーションとコンディションで素晴らしいサッカーを展開してくれると思っている」と指揮官も福岡戦同様に選手に期待を寄せる。選手が何人欠けようが、自分たちが目指す魅力的で攻撃的なサッカーへの挑戦は変わらず、強敵相手でも「非常に良い試合になると思っている」(スキッべ監督)。まさに総合力で戦う一戦。2度目の試練で紫軍団がどんなプレーを見せてくれるのか楽しみだ。

監督 試合前日コメント

──G大阪戦当日からチームとして難しい状況が続いたと思うが、監督はどのように考えてチームを運営してきたか。
「まずは『大阪に行っただけ』という状況になってしまった。昨日も検査結果の関係から、(チームとして)何もできる状況ではなかった。2日間空いてしまって今日の前日練習となったが、今日に関しては選手の動きはよくて、良いトレーニングができた。ただ、昨日までの2日間空いてしまったことは、あまり良い状況でないのは間違いない」

──2日間のブランクがある中で、明日はどのように臨んでいくか?
「このようなことが起こってしまったが、前回のホームゲームではすごく良い試合を見せることができたし、引き続き名古屋に対してもやっていきたい」

──名古屋はルヴァンカップ・グループステージの2試合目で戦った時から3バックシステムを採用しているが?
「3バックに変えてからのここ数試合は素晴らしい成績を収めている。そこも含めて、非常に良い試合になると思っている。オープンな試合になるのではないか」

──第8節・福岡戦でも新型コロナウイルスの影響で複数の選手が出場できなくなり、チーム全体でピンチを乗り越えたが、明日もそうなると期待している。
「そのとおり。明日のピッチに立つ選手に関して言えば、高いモチベーションとコンディションで素晴らしいサッカーを展開してくれると思っている」

──こういう厳しい状況でも試合ができることを嬉しく思うのでは?また、明日は多くのお客さんが来てくれる中で良い試合がしたいのでは?
「我々の周りの人たちの努力を含めて、新型コロナウイルスがチーム内で拡散するのを抑えられた。また、1試合延期となってしまったが、チームとして長期間空くことなく、すぐに次のゲームの波に乗れたことは良かった」

──今日の前日練習でメニューに気を配った部分はあるのか?
「昨日までの2日間は何もできなかったので、心肺機能の負荷が懸かるトレーニングもやった。全体的なボリュームが多くなったのはある」

──名古屋と戦った前回のカップ戦から広島が成長している部分は?
「総合的にすごく良くなっていると思うが、それは他のクラブにも言えること。例えば、湘南も前節を見るとすごく成長している。ただ、それはチームとしてシーズンを通して必要になる部分。長い間、時間を共有していけばこのまま成長していけると思っている」

──名古屋はマテウス・カストロ選手の左足は脅威では?
「できるだけコンパクトに、自分たちが得意としているプレッシングを機能させて、マテウスに多くのプレー機会を与えないようにすることを心掛けていきたい」

監督 ハーフタイムコメント

・早いパスを意識しよう。
・もっと相手の背後を突いていくこと。
・正確に、丁寧にプレーしよう。

ゲームレポート

 広島が逆境を乗り越える一戦となった。
 序盤から一進一退の戦いが続いた。互いに鋭いプレッシングを主体とするチームとあって、各所で1対1のバトルが繰り広げられる激しい攻防。展開としては広島がややポゼッション率で上回り、ジュニオール・サントスや満田誠らが果敢にシュートを放った他、22分には藤井智也の突破からナッシム・ベン・カリファが決定機を迎えるなど、いくつかのチャンスはあったが、名古屋もマテウス・カストロや相馬勇紀らのスピードを生かしたカウンターで応戦してきた。それでも前半は互いの守備の良さが際立ち、ゲームは拮抗。ゴール前の攻防よりも、球際での局地戦が目立つ前半となった。
「自分たちのスピードではない。もっと早くサッカーをしよう!」。0-0で迎えたハーフタイム、ミヒャエル・スキッべ監督からそう指示を受けて後半に向かった紫の選手たち。「前半はあまりよくなかったが、どんどんパフォーマンスが上がっていった」と指揮官が振り返ったように、後半は序盤から勢いを持って名古屋に襲い掛かると、待望の1点が生まれたのは58分だった。相手を押し込んで攻撃を仕掛ける中、ペナルティーエリア外の右よりで満田誠がファウルを受ける。この大きなチャンスでキッカーを託されたのは野津田岳人。短い助走から左足を振り抜くと、壁を越えたボールは鋭く落下してゴールネットを揺らした。サンフレッチェでは実に7年ぶりとなる背番号7の得点で、この試合は完全に紫軍団のモノとなった。
 その後も守りに入ることなく広島は攻め続けた。相手に攻撃の機会をほとんど与えることなく、敵陣地でサッカーを展開。ゴール直後にナッシムが決定機を迎えれば、66分には藤井のクロスからサントスがダイビングヘッドでゴールを襲う。さらに満田も強烈なミドルシュートを見舞うなど、果敢に追加点を狙いにいった。だが、この流れの中で得点を奪えず、終盤には逆に押し込まれる展開となってしまったが、守備陣の集中も切れずに完封。今週は新型コロナウイルスで離脱者を出す難しい状況だったが、チーム一つになって乗り越えた広島が1-0で勝利し、リーグ戦2連勝を飾った。
「ここ2、3日は新型コロナウイルスの影響で試合ができず、思うようにトレーニングができなかった中で、苦しい時を乗り越えて勝点3を取れた。よく頑張ってくれた」とスキッべ監督も選手の頑張りを称える価値ある勝利となった。

監督 試合後コメント

「今日の結果はすごく満足している。新型コロナウイルスの影響で(選手が欠けて)非常に苦しい状況になったが、選手、スタッフみんなで頑張ってきた。特に後半のパフォーマンスは満足いく出来だった。名古屋はやりづらい相手ではあったが、自分たちが作り出したチャンスは前半も後半も相手を上回っていたと思う。また、野津田岳人が練習後にいつも蹴っていたFKが今日は報われて非常に嬉しく思っている。また、ここ2、3日は新型コロナウイルスの影響で試合ができず、思うようにトレーニングができなかった中で、苦しい時を乗り越えて勝点3を取れた。よく頑張ってくれたと思う」

──(新型コロナウイルスの影響で)水曜日からチームとして苦しい日々だったと思うが、試合前は選手にどんな言葉をかけたのか?
「福岡戦も似たような経験をした。このような状況はサンフレッチェにだけ起こるのではなく、Jリーグやサッカークラブ全体で起こるようなこと。その中でも自分たちの気持ちを見失わず、ポジティブに持っていくことが重要。『自分たちのリミットまで行こう』と話した。前半はあまりエンジンがかからない部分があったが、後半の出来は素晴らしかったと思っている」

──前半はなかなかうまくいかなかったが、後半はビッグチャンスも作って勝利できた。この要因は?
「全体的にディフェンスがうまくいったことが要因として挙げられる。DFだけでなく、中盤や2トップなど、全員がタイトに付いていく部分などで頑張ってくれた。ナッシム(・ベン・カリファ)に関しても前線からボールを追いかけ続けてくれた。全体の守備の意識が高かったと思う」

──試合後はいつものように円陣を組み、選手も盛り上がっていたが、どのような声をかけたのか?
「この試合のフィードバックとして、『すごく良い試合ができた』と。前半はあまりよくなかったが、どんどんパフォーマンスが上がっていったところを褒めた。また、連戦が続くので、『明日はケアだけ』という話をした」

──今季リーグ戦6勝目だが、その内の5勝がホーム。このホームで勝てている要因は?
「ホームということで、ファミリーの後押しを含めて、いつもより力が多く出せる部分がある。アウェイだと逆に相手がそういう状況にあるので、難しいところがある。ホームではより我々に力が付くことが要因だと思っている」

──今日の後半アディショナルタイムでも手拍子などで後押ししてもらっていたが、それが力になったか?
「そういったことが非常に力になっている。試合を重ねるごとにファミリーの数が増えていると思っているし、すごく力強いサポートを受けていると感じている。ただ、アウェイにも力強いファミリーが付いてきてくれている。クラブとの関係性は非常に素晴らしいと思っている」

──野津田岳人選手が1ボランチになってから、その働きぶりをどう見ているか? またひさびさのゴールだったが、今後どういったプレーをしてもらいたいか。
「ボランチとして走れる、1対1が強い、それからボールを捌ける部分で非常に重要な選手になっている。満田誠もそうだが、限界まで走り続けるところも評価できる。我々の中盤にとって走れる能力は非常に重要なポイントになる」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

photo 今日のPLAYER OF THE MATCHは、野津田岳人 選手!
ゲームスポンサーのJAバンク広島様、JA共済様より、「サンフレッチェ応援米 1年分」が贈られます!

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