6.1 18:30

天皇杯 2回戦 vs. ホンダロックSC
OTHER福山通運ローズスタジアム

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
2
0
ホンダロックSC ホンダロックSC
  • 前半32分
    満田
  • 後半7分
    佐々木
1
前半
0
1
後半
0

試合の見どころ

 昨年の悪夢を払拭する戦いだ。今から約1年前、地域リーグ所属のおこしやす京都ACと戦った天皇杯2回戦で1-5の大敗を喫した一戦は、広島にとって忘れもできない屈辱的な試合。カップ戦で下のカテゴリーのチームがトップカテゴリーのクラブを倒す“ジャイアントキリング”は日本だけでなく、「ドイツでもあること」(ミヒャエル・スキッべ監督)と世界中のどこでも起きうることだが、当然ながら負けた時の悔しさは相当なもの。今季から指揮を執るスキッべ監督は、そのおこしやす京都戦を例に出して選手に隙の排除を求め、「天皇杯も獲りに行こう」と全員と共有。初戦となる2回戦・ホンダロックSC戦へいつもどおり全力で臨む覚悟を示した。
 今回も油断は大敵だ。相手のホンダロックは、J3より一つ下の実質日本4部リーグのJFLに所属するチーム。今年になって三浦知良が鈴鹿ポイントゲッターズに加入して話題となっているとおり、JFLには元J戦士も多くおり、レベルは決して低くない。その中でホンダロックは九州や関西の強豪大学の選手を中心に集めており、主力は20代前半のエネルギッシュなプレーヤーたち。現在はリーグ戦5勝2分2敗の2位と好調で、スキッべ監督も「良い選手が揃っている」と警戒。関西リーグ1部に所属していたおこしやす京都よりも実力は上だろう。
 だからこそ、指揮官はホンダロック戦に向けて「いつもどおり、前からのプレッシングを仕掛けていきたい」とリーグ戦同様のスタイルで戦うようだ。どこが相手だろうと、ハイプレス・ハイラインのアグレッシブな戦いを貫き、相手を敵陣地へ押し込み続けること。隙なく、油断なく試合に入ることができれば、ゲームの主導権は必ずサンフレッチェのモノとなる。「自分たちのベストを尽くすのは天皇杯でも変わりなくやっていかないといけない。それがしっかりできた時、我々が勝つチャンスは高くなると思っている」(スキッべ監督)。心身両面でリーグ戦と変わらぬ準備を整えた広島の選手たち。あとはピッチで100%の力を出し、全力でホンダロックを倒すだけだ。

監督 試合前日コメント

──一発勝負のトーナメントでは、どこが大事になるか?
「100%の集中力が必要になる。それはJリーグだろうが、ルヴァンカップだろうが、天皇杯だろうが、全部同じこと」

──連戦となるが、メンバー編成をどう考えているのか?
「連戦だが、土曜日の試合からそれなりの時間はあったので、しっかり回復できている。そのままいこうと思っている」

──昨年は地域リーグのチームに敗れている。集中力とともにカテゴリーが下のチームに勝利するために必要なことは?
「まずは相手をリスペクトすることが非常に重要。ここまで勝ち残っているわけだから、それなりの実力はある。それと同時に自分たちのベストを尽くすのは天皇杯でも変わりなくやっていかないといけない。それがしっかりできた時、我々が勝つチャンスは高くなると思っている」

監督 ハーフタイムコメント

・ゲームは支配できている。やり続けること。
・相手のロングボールはしっかり封じること。
・このままチャンスを作り続けよう!

ゲームレポート

 紫軍団が根気強く相手を攻略した。
 JFLに所属するホンダロックと激突した天皇杯2回戦。プロチームを倒そうとモチベーション高く戦ってくるカテゴリーが下のチームに対し、広島は直近のリーグ戦から中3日にも関わらず先発5人の変更のみで対抗。「100%の集中力が必要になる」(ミヒャエル・スキッべ監督)との言葉どおり、試合は序盤からサンフレッチェが相手を圧倒した。
 もっとも、やはりゲームはそう簡単には進まなかった。ハイプレス・ハイラインのいつもどおりのスタイルでホンダロックを自陣へ釘付けにし、サイドを中心に攻撃を繰り出すが、ゴール前で人数をかけて集中力高く守る相手をなかなか攻略できない。開始早々のCKから荒木隼人がヘディングシュートを放ったのを皮切りに、ジュニオール・サントスと永井龍の2トップや満田誠、野津田岳人のMF陣も果敢にシュートを放っていく。だが、完璧に相手DFを崩すまでに至らず、攻め込みながらも0-0の時間帯が続く中、何とかこじ開けたのは32分だった。中央でサントスのパスを受けた満田が右足を振り抜くと、相手DFに当たったボールは柔らかい軌道を描いて相手GKの頭上を越えゴールイン。「あの時間帯に(32分)1-0にできたのは重要なポイントだった」(スキッべ監督)。前半の内にリードを奪うことに成功した。
 これで広島は試合を優位に進めることができた。ハーフタイム、指揮官から「このままチャンスを作り続けよう」との指示を受けた選手たちは、再びアグレッシブな試合の入りで相手ゴールへ強襲。すると、試合を決定付ける2点目が生まれたのは52分だった。敵陣でのFK、茶島雄介のキックに頭で合わせたのは佐々木翔。後半開始早々に相手の意気を下げる貴重な追加点を突き刺し、試合は完全に広島のモノとなった。
 その後は相手に攻め込まれる時間帯もあったが、5枚の交代枠を使うなど、中2日でやってくるルヴァンカップ・札幌戦に向けて選手を温存させながらゲームを進めた広島。相手に得点は許さず、きっちりと2-0で試合を締めて2回戦進出を決めた。
 昨年は同じく2回戦で地域リーグのおこしやす京都に不覚を取ったが、「昨年の反省を生かし、今年は集中して試合に入ろうと確認した。我々の選手は90分間、集中してやってくれたと思っている」と、難しい天皇杯初戦での勝利にスキッべ監督は笑顔で会場を後にした。

監督 試合後コメント

「我々にとっての天皇杯初戦に勝てて嬉しく思っている。昨年の反省を生かし、今年は集中して試合に入ろうと確認した。我々の選手は90分間、集中してやってくれたと思っている。前半も後半も全体的に見たら我々のほうがチャンスを作っていたし、場合によってはもっと大差で勝てたかもしれない。ただ、相手も良いチャンスを作っていたので失点する可能性もあった。ホンダロックも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。それに対し、『おめでとう』と言いたい。今日は途中で多くの選手を交代して使うことができた。それにより、次の試合に向けて(力を)少し温存することができた。次のルヴァンカップ・札幌戦は良い試合ができると思っている」

──負傷交代したジュニオール・サントス選手のケガの状況は?
「ものすごく痛いケガだったが、たいしたことはない。問題なく次の試合はできると思う」

──中2日でルヴァンカップ・札幌戦も控える中、今日はリーグ戦のメンバーを多く起用した。それだけ勝利にこだわっていたのか?
「非常に重要な試合だったと思っている。ただ、直近のリーグ戦から5人を代えて、今日の試合の中でも早い時間帯で5人交代できた。次の試合に向けて準備しやすい部分もあると思っている」

──次は中2日での札幌戦で難しい戦いが予想されるが?
「次の試合は難しい状況になるが、重要なのは2日間でしっかり回復すること。新型コロナウイルスで離脱していた選手やスタッフが週末にどんどん戻ってくる。チームはまた良い波に乗っていけると思う」

──今季は引いた相手に苦労しているが、先制点の満田誠選手のゴールをどう見ているか。
「取れた時間帯が良かった。あの時間帯に(32分)1-0にできたのは重要なポイントだった。その前にもチャンスはあったが、相手も体を張ってきて、ギリギリのところで防がれていた。後半も非常に良い時間帯で2点目が取れたので、ゲームを進める上ではやりやすくなったと思っている」

──今後も引いた相手が出てくると思うが、改善点は?
「相手が引いてきても焦れずに自分たちのサッカーをすること。裏を狙うことは変わりなく、続けてやっていくことが重要だと思う。天皇杯は次は順当に行けば横浜FCになると思うが、彼らは昨年までJ1にいたクラブ。相手に合わせるわけではなく、自分たちのサッカーをしっかりやっていきたい」

フォト

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