6.4 14:00

ルヴァンカップ プレーオフステージ第1戦 vs. 北海道コンサドーレ札幌
AWAY札幌ドーム

試合終了

北海道コンサドーレ札幌 札幌
0
3
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
1
0
後半
2
  • 前半24分
    俊希
  • 後半20分
    ジュニオールサントス
  • 後半42分
    ジュニオールサントス

試合の見どころ

 総力戦で挑む戦いだ。敵地へ乗り込むルヴァンカップ・プレーオフステージ第1戦。2-0で勝利した天皇杯2回戦・ホンダロックSC戦から中2日でのゲームであり、北海道への移動も重なるタイトな日程となる。しかも、そのホンダロック戦でほぼ主力が出場した広島に対し、来週水曜日(8日)に天皇杯が入っている札幌は直近のリーグ戦から5日間の間隔が空いており、コンディションの差は明白だ。「(ホンダロック戦は)途中で多くの選手を交代して使うことができた。それにより、次の試合に向けて(力を)少し温存することができた。次のルヴァンカップ・札幌戦は良い試合ができると思っている」とミヒャエル・スキッべ監督は前を向く中で、このゲームをどう乗り越えていくか。まさにチーム力が問われている。
 相手もなかなかの強敵だ。現在はリーグ戦2試合連続で大敗(柏戦:1●6、神戸戦:1●4)している札幌だが、相手と力の差があったわけでは決してない。柏戦は試合開始早々に選手の一発退場で数的不利となったことが大きく、神戸戦も拮抗した戦いを続けながらセットプレーから3失点を喫した。特に神戸戦は「前半は完全にゲームを支配していた」とスキッべ監督も認める内容だ。広島との戦いを振り返っても2月26日のリーグ第2節は1-1のドロー。ゴール前の攻防が多くなるスリリングな試合展開で、どちらが勝利してもおかしくなかった。現在は興梠慎三や小柏剛、高嶺朋樹、田中駿汰など攻守の主力をケガで欠く苦しいチーム編成となっているものの、MFの駒井善成を前線に置く“ゼロトップシステム”を採用するなど、名将・ペトロヴィッチ監督は今いるメンバーでも攻撃サッカーを貫いている。特に今回は札幌のホームとあっては、より攻勢を仕掛けてくるのは間違いない。
 そうなると、やはり勝負の肝は“運動量”だろう。互いに前線から激しくプレスを仕掛ける中、どちらが敵のパスワークを封じて押し込んでサッカーを展開できるか。主導権を握るために相手に攻撃をさせない守備の活動量は重要なポイントだ。また、万が一、押し込まれた場合でもスピーディーなカウンターは有効な武器となる。
 攻撃的な両チームがぶつかる一戦。スキッべ監督も「すごく楽しみ」と語るなど、観衆を魅了するような攻防が予想される中、重要なアウェイゴールを奪って勝利を掴み、広島での第2戦に繋げることが一番の理想だ。

監督 試合前日コメント

──連戦が続くが、選手のコンディションは?
「(シーズン前の)準備期に1年を通してやっていけるように磯部(峰一)フィジカルコーチを中心に基礎からしっかりやってきている。コンディションは大崩れしないと思っている」

──札幌も攻撃的なチームだが、明日はオープンな展開になるのでは?
「すごく楽しみにしている。直近のリーグ戦で札幌は1-4で神戸に負けているが、前半は完全にゲームを支配していた。そういった面でも楽しみ」

──札幌にペースを握らせないために、どこが重要になるか?
「アグレッシブに前から行くこと。リスクを負い過ぎたらダメだが、それなりのリスクを負いながらサッカーを展開したい」

──スキッべ監督が来日する前に対戦した2月の対戦では、プレスがハマらず攻め込まれることも多かったが?
「当時よりは自分たちも成長している部分がある。全体でプレスを仕掛けることは、改善できている。今回は相手に(プレスを)ひっくり返されることはあまりないと思っている。前からアグレッシブに行くことはやめたくない」

──監督自身、ホーム&アウェイの戦いは多く経験してきたと思うが、勝ち上がるために大切なことは?
「同じ相手とすぐに対戦できるこのルールはすごく良いと思う。第1戦でできるだけ良い結果で終わりたい。そうすることで、第2戦はどういうふうに戦うかが見えてくる。第1戦は大事」

監督 ハーフタイムコメント

・守備時は陣形をコンパクトに保つこと。
・もっと相手の背後を狙っていこう。

ゲームレポート

 紫軍団が敵地で上々の結果を得ることに成功した。
 ホーム&アウェイ方式で戦うJリーグYBCルヴァンカップ・プレーオフステージ。第1戦で札幌の地へ乗り込んだ広島だったが、序盤は大いに苦戦した。「立ち上がりは札幌が鋭いプレッシングで我々に向かってきた。最初の20分ぐらいまではサンフレッチェのサッカーがまったくできなかった」とミヒャエル・スキッべ監督も振り返ったように、前線からアグレッシブなプレスを仕掛けてきた札幌をパスで剥がすことができず押し込まれる展開に。GK川浪吾郎のスーパーセーブで難を逃れたが、9分にはルーカス・フェルナンデスに抜け出されて決定的なシュートを打たれるなど、試合の主導権は完全に札幌のモノだった。
 だが、この嫌な流れを変えたのは東俊希だった。徐々に押し返せるようになった中で獲得したCK、相手DFのこぼれ球を背番号24がペナルティーエリアの外から豪快に左足を振り抜き先制。苦しみながらも広島が24分にリードを奪うことに成功した。
 そこからは、ようやくサンフレッチェも落ち着きを取り戻した。前半だけで9本のシュートを打たれるなど、相手に攻め込まれる時間も長かったが、組織的な守りで封じて前半を1-0で折り返すと、目を覚ました後半は「自分たちがゲームを支配できたと思っている」(スキッべ監督)。反撃に出てきた札幌に後半開始直後にチャンスを作られたものの、その後は持ち味のスピーディーなパスサッカーに加えて、鋭いカウンターでチャンスを創出。すると、貴重な追加点が生まれたのは65分だった。満田誠が自慢の推進力を生かして中央でドリブル突破を図ってゴール前までボールを運ぶと、パスを受けたジュニオール・サントスがきっちりと突き刺して2-0。さらに相手の攻撃を受け止めながら攻撃機会をうかがっていた広島は、87分にも相手DFの背後へ抜け出したサントスがGKとの1対1を冷静に決めて勝負あり。前半の苦しい時間帯を乗り越えた紫軍団が3-0の勝利を掴んだ。
 貴重なアウェイゴール3発が生まれた第1戦について「非常に嬉しく思う」と笑顔を見せた試合後のスキッべ監督だが、「今日の勝利で次のステージに向けて大きなアドバンテージになったと思うが、次の広島での第2戦は札幌が今日以上に素晴らしいサッカーをしてくると思う。ここで油断するのではなく、次の試合に向けてしっかり準備していきたい」と気を引き締めて広島への帰路についた。

監督 試合後コメント

「今日は札幌で3-0で勝てたことを非常に嬉しく思う。立ち上がりは札幌が鋭いプレッシングで我々に向かってきた。最初の20分ぐらいまではサンフレッチェのサッカーがまったくできなかった。ただ、そこからはパスが正確に繋がるようになり、自分たちのサッカーができるようになってきた。前半途中から後半にかけてはほとんど自分たちがゲームを支配できたと思っている。今日の勝利で次のステージに向けて大きなアドバンテージになったと思うが、次の広島での第2戦は札幌が今日以上に素晴らしいサッカーをしてくると思う。ここで油断するのではなく、次の試合に向けてしっかり準備していきたい」

──前半は札幌の出足にやられてパスがうまく繋がらなかったが、後半は札幌のビルドアップをかなりの頻度でインターセプトしていた。どう修正したのか?
「野津田岳人と東俊希が並ぶ形ではなく、試合途中から片方が前に出る形になった。そのあたりがうまくいったように思う。我々がプレッシャーをうまくかけられるようになったので、札幌はビルドアップが難しくなったと思う」

──前半の苦しい内容の中、チームを助けたのはルーカス・フェルナンデス選手のシュートを止めた川浪吾郎選手と東俊希選手のゴールだった。二人について。
「吾郎の今日のシュートストップは素晴らしかった。先週から試合に出だしているが、トレーニングでやっている素晴らしいパフォーマンスを見せてくれていると思っている。我々はJ1で通用するGKを3名揃えることができて嬉しく思う。俊希の今日のゴールに関しては、我々のセットプレーの時に札幌は一人前線に残っているが、『勇敢に後ろは1対1で(守る)』という話をしていた。そのため、俊希がこぼれ球から素晴らしいゴールを決めてくれた。チームは最初うまく機能していない部分があったが、そのゴールが決まったあたりから修正できて、うまくいったと思う」

──3-0の結果ほど、相手と差はなかったと思う。今日のゲームを踏まえて、第2戦に向けて修正する部分は?
「前半の最初に押し込まれたのはある。そこは反省して、次に生かしていきたい。札幌に関して言えば、今日の試合もその前のリーグ戦も敗れてはいるが、前半の最初からゲームを支配して押し込んでいた。それに対して、我々は後ろでリアクションするのではなく、札幌のように前からのアグレッシブな姿勢を見せていきたいと思っている。
(会見の最後に)札幌は今から20年前、(日韓ワールドカップのコーチをしていた)ドイツ対サウジアラビアの試合で初めて訪れた。その時からスタジアムの雰囲気と素晴らしさは何も変わらず、いまなお残っている。この素晴らしいスタジアムでサッカーができて、幸せに思った」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い札幌でのゲームとなりましたが、約120名の方にお越しいただきました。皆さまの後押しが勝利に繋がりました。最後まで熱いサポート、ありがとうございました。

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