6.11 16:00

ルヴァンカップ プレーオフステージ第2戦 vs. 北海道コンサドーレ札幌
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
1
北海道コンサドーレ札幌 札幌
  • 後半42分
    満田
0
前半
1
1
後半
0
  • 前半34分
    青木亮太

試合の見どころ

 どんなアドバンテージがあろうとも、目指すのは勝利である。
 敵地で戦ったプレーオフステージ第1戦で3-0という最高の成績を収めて迎えるホームでの第2戦。もう後がない札幌は「前回対戦と同じく、どんどん前から来ると思う」とミヒャエル・スキッべ監督は警戒するが、続けて「札幌のように前からのアグレッシブな姿勢を見せていきたい」と自らのチームも攻めの姿勢を強調した。3点差の優位な状況でも受けに回るのではなく、広島はあくまで勝利を目指す。勝って準々決勝進出を決める覚悟だ。
 試合の入りから前回対戦の教訓を生かしたい。第1戦は結果的には3点差の勝利だったとはいえ、札幌の猛攻を受けた20分頃までは「サンフレッチェのサッカーがまったくできなかった」(スキッべ監督)。札幌の鋭いプレスを剥がせなかった序盤、ルーカス・フェルナンデスの決定的なシュートをGK川浪吾郎が防いでいなければ、結果はどうなっていたか分からない。第2戦も前回と同じか、それ以上のパワーを持って札幌は向かってくることが予想されるだけに、試合の入りは一つのカギだ。「プレッシングを受ける前に、1タッチ、2タッチでボールを早く動かすことが重要になってくると思う」(スキッべ監督)。慌てることなくボールを動かし、札幌の網をかいくぐること。相手が前がかりになればなるほど、後方のスペースは空く。1-0でリードして迎えた後半は、カウンターも有効な武器となっただけに、今回も素早いパスワークに加えて、空いているスペースをいかに有効に突いていくかが攻撃の肝となるだろう。
 また、得点が入らなくとも、無失点で試合を進めたい。0-0の時間が長ければ長いほど、焦れるのは第1戦を落とした札幌だ。攻撃姿勢を保ちながらもリスクマネジメントは怠らないこと。攻撃的なアグレッシブさだけでなく、相手の守備の時間を減らすアグレッシブな守備も必要な要素となる。
「相手に最大のリスペクトを持ちながら、もう一回、0-0で戦うという意識を植え付けることが非常に重要だと思っている」(スキッべ監督)。気持ちをリセットして臨む第2戦。紫軍団は一切の隙を排除し、チーム全員の力で準々決勝進出を掴み取る。

監督 試合前日コメント

──3点のアドバンテージで明日の試合を迎えるが、一番重要なことは?
「相手に最大のリスペクトを持ちながら、もう一回、0-0で戦うという意識を植え付けることが非常に重要だと思っている」

──札幌は前回対戦以上にプレッシングに来ると思うが、どう対処していくか?
「プレッシングを受ける前に、1タッチ、2タッチでボールを早く動かすことが重要になってくると思う」

──明日の戦いに向けて。
「全員に集中したパフォーマンスを求めている。ここまで進んでいるのは、ここ数年ないこと。守るわけではなく、アグレッシブに、オフェンシブにやっていきたい」

──選手のコンディションは?
「問題ないと思っている。これまでの練習でも暑い中でやってきたし、どんな天候でもズレずにやっていけると思う。コンディションに問題があるとしたら、我々ではなく、対戦相手でしょう」

監督 ハーフタイムコメント

・チャンスは作れている。確実に決めること。
・ズルズル下がり過ぎないこと。
・前から奪いに行く、自分たちの強みを出していこう!

ゲームレポート

 紫軍団がホームでしぶとく戦い抜いた。
 敵地で戦ったプレーオフステージ第1戦で3-0の勝利を収めて迎えた第2戦。2点差以内での敗戦でも準々決勝進出が決まる圧倒的優位な状況の中、広島は序盤から堅いゲーム運びを見せた。勝ち抜くには最低でも3得点が必要な札幌の勢いを受ける形となったが、自陣では堅牢な守備ブックを築いてチャンスを作らせず。敵陣へ押し返した時には、持ち味のハイプレスで札幌に立ち向かい、良い形でボールを奪えば好機を作り出した。9分に左サイド・東俊希のクロスからジュニオール・サントスが頭で決定的なシュートを放ったのを皮切りに、18分には満田誠のボールカットから再びサントスがエリア内でゴールを襲う。25分にも東のクロスから中央の森島司が頭で合わせる決定機を迎えるなど、ボール支配率は札幌のほうが高かったが、好機の数では広島が上回った。
 だが、悪くない展開の中で広島は一瞬の隙を突かれてしまった。34分、自陣左サイドで西大伍にアーリークロスを送り込まれると、エリア内中央で青木亮太に冷静に決められて失点。これで勢いを札幌に与えてしまうと、前半終了間際にもあわやのピンチを招くなど、何とか0-1で折り返すことになった。
「チャンスは作れている。確実に決めること」。そうミヒャエル・スキッべ監督の指示を受けて臨んだ後半も流れは悪くなかったが、やはり決めるべきところを逃せばゲームは難しくなる。青山敏弘のパスに抜け出したサントスが48分のチャンスを逃すと、66分に訪れたゴール正面のフリーのシュートも決めることができない。決定機を逃し続ける嫌な展開になる中、広島守備陣も集中を切らすことなく粘り強く対応。札幌の運動量が落ちた終盤にようやくボール保持率が高まると、勝負を決めるゴールが生まれたのは87分だった。高い位置でのプレスから森島が敵陣へ進出。一度は相手DFに防がれるが、東が奪い返してボールはエリア内の満田へ。背番号39は落ち着いて相手GKをかわしてシュートを決め、ついに同点に追い付くことに成功した。
 この結果、1-1のドローで試合を終えた広島が、2戦合計4-1で勝利し、プライムステージ(準々決勝)進出が決定。「今日は100%の確率で決められるゴールを何回も逃してしまった。そういう試合では相手がもう1点取っていたら、危なかった。ただ、全体的にはゲームの流れの中からシュートまで行けた部分などは満足いくパフォーマンスだったし、次のステージへ進めて良かった」(スキッべ監督)。難しい展開ながらも粘り強く1-1へ持ち込んだ広島がプレーオフステージを制す結果となった。

監督 試合後コメント

「ルヴァンカップで次のステージへ進めることを嬉しく思う。札幌は前から来たが、今日は我々のほうが良かったと思っている。今日は100%の確率で決められるゴールを何回も逃してしまった。そういう試合では相手がもう1点取っていたら、危なかった。ただ、全体的にはゲームの流れの中からシュートまで行けた部分などは満足いくパフォーマンスだったし、次のステージへ進めて良かった」

──今日は第1戦から先発数人を変更したが、その意図は?
「今日は今まで出続けていた選手を休ませるということと、出ていなかった選手たちにチャンスを与える二つの狙いがあった。青山(敏弘)に関しても良いパフォーマンスを見せていたし、茶島(雄介)も交代するまですごく良いパフォーマンスを見せたと思う。森島(司)も休みから戻ってきて良いパフォーマンスだったし、そこに関しては満足いく出来だった」

──先ほどもう1点取られたら危なかったと言われていたが、前半の最後に決定機を防いだ荒木隼人選手の貢献について。
「あのプレーに関しては、すごく助かった。0-2にされた場合には、もっと苦しい展開にされていたと思う。札幌はリーグ戦を見ても我々と勝点4しか変わらず、力が拮抗しているところもある。今日は全体的なパフォーマンスに満足しているし、運が良ければ5-1で勝てたと思う。ただ、もっと運がなかった場合には0-3という状況にもなっていたかもしれない」

──今日は1トップシステムにした意図は?
「今回は森島を起用することが目的の一つにあった。ナッシム(・ベン・カリファ)をサブに置いて、森島を使った。それに伴って1トップシステムになった」

──今日はジュニオール・サントス選手が多くの決定機を外していた中で、交代する時にどんな声をかけたのか? また、今回の経験を糧にするためには何が必要になるか?
「ジュニオール・サントスは発展途上の選手だが、我々のクラブで非常に重要なセンターFWでもある。Jリーグでも屈指のセンターFWだと思っている。今日の彼は何本か決定機を外している中、満田(誠)が一発で決めたことで『あのように決めるんだよ』という話をしようと思う。ただ、そこまで多くのチャンスを作れたことやシュートまで行けたことは評価できるポイント。そこはしっかり評価して、次の試合ではこれぐらいのチャンスがなかったとしても2点取れれば、それでいいと思っている」

フォト

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