7.10 18:00

明治安田J1 第21節 vs. 湘南ベルマーレ
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
1
湘南ベルマーレ 湘南
  • 後半22分
    野上結貴
0
前半
0
1
後半
1
  • 後半7分
    池田昌生

試合の見どころ

 総力戦で戦うゲームだ。中3日や中2日の戦いが続く9連戦の6試合目となった前節の首位・横浜FM戦は、0-3の大敗。「自分たちのチームがここまで良いサッカーを見せられたところは、称賛したい」と試合後のミヒャエル・スキッべ監督が選手を称えたように、まさに内容は互角だったが、相手の高い決定力に屈する結果となった。4位に位置する広島は、これで首位との勝点差が「10」へと広がってしまったが、当然ながらまだ諦める状況ではない。中3日でやってくる7連戦目はホームでの戦い。「疲労が見える選手もいる」と語るスキッべ監督は、先発メンバーの変更を加えながら勝利を目指すことになる。
 今節も厄介なチームとの対戦だ。相手は勢いが出てきた13位・湘南。4月に戦った前回対戦では互いに降格圏に沈む中での戦いとなったが、「お互いに前回対戦の時からは良くなっているし、進歩している」(スキッべ監督)。特に湘南と言えば、J1第15節で王者・川崎F相手に4-0で大勝したことが記憶に新しいが、その後も好調を維持。第16節こそC大阪に敗れたが、第17節から前節までの4試合で3勝1分と無敗を貫き、その間の失点は何と「0」。堅い守備をベースに勝点を積み重ね、一気に中位まで順位を上げてきた。
 スタイルも伝統の“ハードワーク”は健在だ。スピーディーな攻守の切り替え、粘り強い球際はやはり相手にとっては厄介で、ボールを奪った際の人が湧き出て行くカウンターも相変わらずの脅威である。今節の広島としても相手のカウンターを封じるのはもちろんのこと、「湘南のここ数試合を見ると、点を取られていない。そこを崩していくことが我々にとって重要になる」とスキッべ監督は“堅守攻略”をポイントに挙げた。前回対戦でも根気強く戦い続けた結果、後半の満田誠のゴールで1-0で勝利しただけに、今節も焦れずにゲームを進めながら湘南ゴールを目指すことが大きなポイントとなる。
「素晴らしいパフォーマンスを期待している。彼自体は記念すべき日になるが、残りの10人も引き連れていけるようなパフォーマンスを求めている」。湘南戦に向け、スキッべ監督はベテラン・青山敏弘の先発起用を示唆した。森﨑和幸(現C.R.M)と並んでクラブ歴代最多となるJ1リーグ430試合に出場している青山は、このゲームに出れば単独トップとなる記念すべき一戦だ。長きに渡りサンフレッチェ広島をけん引してきた背番号6のメモリアルを勝利で飾るべく、チーム全員で湘南に立ち向かう。

監督 試合前日コメント

──明日の相手である湘南は好調だが?
「神戸もそうだが、どこのチームも状態は良い。リーグ戦だけでなくカップ戦でも、どこと対戦しても難しさある」

──湘南の警戒すべきところは?
「すべて気を付けないといけない。前回は17位と18位の状況で戦い、今回は4位と13位での対戦となる。お互いに前回対戦の時からは良くなっているし、進歩している。湘南のここ数試合を見ると、点を取られていない。そこを崩していくことが我々にとって重要になる」

──明日は青山敏弘選手が出場すれば、クラブ最多のJ1出場数となるが?
「素晴らしいパフォーマンスを期待している。彼自体は記念すべき日になるが、残りの10人も引き連れていけるようなパフォーマンスを求めている。ボランチとして、ゲームをしっかりコントロールしてほしいし、経験ある選手として周りの選手を引っ張ってほしい」

──青山選手を起用しようと思った決め手は?
「まず彼は非常に良い状態にある。次の試合に対して常に準備ができているし、フィットしている。彼の記念すべき日になるのだから、残り2分だけの出場にするよりは、最初から出ることでクラブ全体やファン・サポーターにとっても素晴らしいことになると思った」

監督 ハーフタイムコメント

・もっとスピーディーにボールを動かそう。
・早く決断すること。
・チームとしてコンパクトに戦うこと。

ゲームレポート

 このゲームでクラブ新記録となるJ1通算431試合出場達成となった青山敏弘のメモリアルマッチは、両チームとも力を出し尽くす激闘となった。
 広島は前節から大迫敬介とナッシム・ベン・カリファを除く先発9人を入れ替える“ターンオーバー”で臨んだ一戦。フレッシュな陣容だったが、前半からサンフレッチェは苦戦した。後方からじっくりとボールを繋いでビルドアップを繰り出そうと試みるも、4試合連続無失点中の“堅守”を誇る湘南のハードな守備をなかなか攻略できず。鋭い出足からボールを奪われては、果敢にシュートを狙う相手に押し込まれる展開となった。前半のシュート数は広島が3本で湘南が8本。数字に表れているように、広島は時に両サイドの藤井智也と長沼洋一の突破から何度かチャンスを作り出したが、効果的な攻撃は長続きせず、全体的には湘南ペースで前半を終えることとなった。
「少し慌てている。もっとスピーディーにボールを動かしていこう」。ミヒャエル・スキッべ監督からそう指示を受けて臨んだ後半、ナッシムに代わって入ったジュニオール・サントスの推進力を生かして攻めに出た広島だったが、一瞬の隙を突かれたのは52分だった。右サイドを攻略されると、クロスを池田昌生に冷静に決められて失点。開始早々にリードを許すと、ここから紫軍団の反撃が始まった。その10分後にスキッべ監督は野津田岳人と佐々木翔を投入してチームに活力を与え、猛攻を開始。チャンスを作りながらも堅陣を築く湘南守備陣をなかなかこじ開けることはできなかったが、ここで武器となったのがセットプレーだった。敵陣ゴール近くでのFKは相手に防がれたが、その流れで獲得したCK、野津田の左足から放たれたボールをサントスが触ると、最後は野上結貴が詰めて67分に同点。これで勢いに乗ると、湘南を押し込み続ける展開へと様相はチェンジした。
 72分に野津田がFKから強烈なキックでチャンスを作り出せば、73分に再び野上がCKからビッグチャンスを迎える。これはクロスバーに弾かれたが、逆転弾を目指して攻めに出続けた広島。後半は湘南のシュートを2本に抑え、逆にサンフレッチェは10本も放って勝利を目指したが、結局、あと一歩及ばず。前後半で試合の様相が激変した一戦は、1-1のドロー決着となった。
 試合後、「アオ(青山)は素晴らしいの一言に尽きる。今日はキャプテンとして素晴らしい役割をしてくれた」とクラブの記録更新を達成した背番号6を称えたスキッべ監督。結果は引き分けだったが、「今日は全員のパフォーマンスにすごく満足している」とチームにも前向きな言葉をかけて会場を後にした。

監督 試合後コメント

「多くのメンバーを入れ替えて戦った結果かもしれないが、最初はうまくゲームに入れなかったと思う。ただ、試合の中でどんどんパフォーマンスが上がっていき、後半に関しては全部の時間帯で我々がゲームを支配していたと思う。前半は相手に多くのチャンスがあったように思うが、後半は最後のほうになったら我々のペースでたくさんのチャンスが作れていた。今日の1-1の引き分けは満足しているが、もう少し頑張ればいけたという感触がある。ただ、我々のチームはどの試合でも最後の最後まで勝利を目指して戦う姿勢がある。それは称賛に値する」

──青山敏弘選手のクラブ新記録について。また、今日の90分間のプレーについて。
「今日の試合はアオ(青山)を語る前に(川村)拓夢とジェラ(住吉ジェラニレショーン)がJ1初スタメンを成し遂げた。それから、アオは素晴らしいの一言に尽きる。今日はキャプテンとして素晴らしい役割をしてくれた。最後のワンチャンスでもう1点取れていたら、もっと良い話になっていたのかもしれない。今回の記録に関して、また今日は90分以上プレーできたことに関して、彼は誇りに思うべきだし、次の試合に向けてまた一緒にやっていこうと思っている」

──後半からジュニオール・サントス選手が入って勢いが出た。以前に彼に話を聞いたら、悩んでいるようにも感じたが、今日のプレーについて。
「ジュニオールは後半から入って勇敢なプレーで火が付いた。前半はナッシム(・ベン・カリファ)と(柴﨑)晃誠と(浅野)雄也で出たが、いまいち前に行き切れなかったが、後半はジュニオールが出た途端に前からどんどん行けるようになった。今日の彼のパフォーマンスに関しては、すごく満足しているし、彼も上向きになってほしいと思っている」

──今日はターンオーバーで試合に臨んだが、結果的に後半に勢いが出たのはジュニオール選手や野津田岳人選手など主力が出てきてからのように見えた。前半からチャンスを与えた選手のプレーについて。
「今日は全員のパフォーマンスにすごく満足している。拓夢に関して言えば、それまで“B6(応援席)”で応援していたような選手だったが、今日のような(良い)パフォーマンスを見せてくれた。また、(長沼)洋一も左サイドで安定したプレーを見せてくれた。できていなかったという選手は一人もおらず、全員が満足できるパフォーマンスを見せてくれたと思っている。今日は途中から出たガク、(佐々木)翔、(東)俊希といった今まで出ていた選手が見せていたプレーも非常に素晴らしかった。今日の試合で休んだ選手も含めて、我々が全体的に強くなったところを見せられたと思う」

──今日のゲームで先発9人を入れ替えた意図は?
「横浜FMには0-3で負けたが、パフォーマンスは悪い出来ではなかったと思っている。4週間の中で9試合をこなしていかなければならないのは非常に苦しい状況だった。そのため、今まで安定したパフォーマンスを見せてきたメンバーに対しては、休みを与えるに値する時期だった。それと同時に練習で良いパフォーマンスを見せていたグループがあった。そこは試合に出るだけの準備ができていたことから、この先発になった。次の水曜日には天皇杯の群馬戦がある。そこですべてを出しきって、次のステージに進出したい」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

photo 今日のPLAYER OF THE MATCHは、青山敏弘選手!
ゲームスポンサーの明治安田生命様より、「キリン一番搾り 生ビール1年分」が贈られます!!

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