10.5 19:30

天皇杯 準決勝 vs. 京都サンガF.C.
OTHERサンガスタジアム by KYOCERA

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
2
1
京都サンガF.C. 京都
  • 前半40分
    ドウグラスヴィエイラ
  • 延長前半5分
    ナッシムベンカリファ
1
前半
0
0
後半
1
1
延長前半
0
0
延長後半
0
  • 後半34分
    イスマイラ

試合の見どころ

 2013年以来のファイナル進出を懸けた一戦を迎える。相手は熱血漢・曺貴裁監督が率いるハードワークが売りの難敵・京都。準決勝の相手に不足なし。敵のホーム「サンガスタジアム by KYOCERA」で19時30分のキックオフとなる。
「アウェイで戦う京都は簡単な相手ではない」。ミヒャエル・スキッべ監督がそう警戒するとおり、今回も難しい戦いになるのは必至だ。同じく敵地で戦ったリーグでの前回対戦は1-1のドロー。広島が先に先制に成功し、ゲームを優位に運んでいたが、一瞬の隙を突かれて同点に追い付かれる悔しい一戦だった。今回の天皇杯準決勝は、リーグ戦の合間の水曜日に開催されるため、J1残留争いの渦中にいる京都がベストメンバーを送り込んでくるかどうかは当日まで分からない。ただし、誰が出てこようとも曺監督のサッカーを体現できるのが京都だ。直近のリーグ・鳥栖戦で決勝点を挙げた豊川雄太や松田天馬、福岡慎平などに代表されるように、体は大きくなくとも、攻守でハードワークし、体を張り、チームのために戦うことのできる集団である。また、その鳥栖戦ではピーター・ウタカや宮吉拓実、武富孝介ら、攻撃陣の実力者もサブに控えていた。選手層も決して薄いわけではない。
 ポイントとなるのは、やはり京都のハイプレスをいかにかいくぐってゲームを運べるかだ。ポゼッションスタイルに秀でた鳥栖でさえ、直近の戦いでは京都の前線からのハードなプレスに大苦戦したことが敗因となった。後方から着実にボールを繋ぎたい広島としても、京都の網を抜け出せなければ苦戦は必至。相手のハイプレスの状況を踏まえた上で、ボールを繋いでチャレンジする部分とロングボールの使い分けは必要だろう。また、豊富な運動量を誇る京都を上回る走力も勝利へ重要な要素となる。
「90分、120分、もしくはPK戦まで行く激しい試合になるかもしれないが、しっかりモノにして次に進みたいと思っている」。スキッべ監督もタフな戦いを覚悟する一戦。まさにタフに粘り強くゲームを進め、どんな内容でも勝利を掴み取りたいところだ。

監督 試合前日コメント

──京都はリーグ戦では難しい状況にいるが?
「危険なチームだと思っている。リーグ戦では残留争いをしているかもしれないが、そこには7~8チームが入っているし、その中では良いところにいる。(リーグ戦の成績は)あまり関係ないと思っている」

──京都の危険なところとは?
「クリエイティブなセットプレーをしてくるところは危険だし、カウンターにも気を付けないといけない」

──広島は今のチーム状況に自信を持っているのでは?
「自信を持って京都に行くつもりだし、今のチームは良い状態にもある。最後の1カ月をしっかり締めくくりたいという気持ちもあるので、自信を持ちながら、相手へのリスペクトも欠かさず戦いたい」

──互いにアグレッシブなチーム同士だが、カギになりそうなエリアは?
「どこのエリアというのはない。全体において我々が相手を上回っていく、我々の強みをどんどん見せていくことが重要になる」

監督 ハーフタイムコメント

・素晴らしい戦いができている。
・相手のカウンターには気を付けること。
・残り45分、全力を尽くして東京へ行こう。

ゲームレポート

2015年以来の準決勝の舞台に立った広島が死闘を制した。
 序盤からサンフレッチェは果敢に京都へ襲い掛かった。持ち前の前線からの鋭いプレスで圧力を加えて敵陣へ押し込み続けると、立て続けにシュートを連発。シャドーの森島司や右サイド・茶島雄介が果敢にゴールを狙えば、センターFWのドウグラス・ヴィエイラもペナルティーエリア内中央で決定機を迎える。どれも決め切ることはできなかったが、前半だけで5本のCKを獲得するなど、試合は開始から広島ペースで進む。30分にカウンターから京都に1本だけ決定機を作られた以外はほぼ主導権を掌握する充実の内容だった。すると、前半最大のビッグチャンスが訪れたのは40分だった。エリア内で相手のハンドによりPKを獲得。これをドウグラスが落ち着いて左隅に流し込み、広島がついに先制に成功した。
「素晴らしい戦いができている。決勝に行くのはオレたちだ。残り45分、全力で戦い、東京へ行こう!」。ハーフタイム、ミヒャエル・スキッべ監督からそう発破をかけられた広島の選手たちは、後半も自分たちの力を余すことなく相手へ立ち向かった。
 自陣へ引くことなく追加点を狙いに行った広島は、53分に柏好文が左サイドで抜け出し、中央へラストパス。これに飛び込んだ川村拓夢のシュートはDFに弾かれたが、前半同様にテンポよくゲームを進める。だが、この流れの良い時間帯で2点目を奪えなければやはり試合は難しくなる。次第に京都に攻め込まれる時間が増えると、79分だった。左サイドをイスマイラに攻略されると豪快なシュートを突き刺されて失点。試合終盤に振り出しに戻されてしまった。
 その後は互いに得点を求め合うシーソーゲームとなり、両ゴール前の攻防が多くなる肉弾戦で試合は推移。ただし、両チームとも決め手を欠いて90分のゲームは終了し、勝負は15分ハーフの延長戦へもつれることになった。
 そして、このハードな戦いを制したのは、「後半の残り、そして延長に入って相手が疲れてくる中で我々は自分たちのサッカーをやり続けることを示せた」(スキッべ監督)と語った広島だった。延長前半5分、住吉ジェラニレショーンの縦パスをエゼキエウがヒールパスで前線へ送り込むと、背後へ抜けたナッシム・ベン・カリファが右サイドから強烈なシュートを突き刺して、再び勝ち越し。その後は京都の猛攻をGK大迫敬介やディフェンスラインを中心に何とか跳ね返し続け逃げ切った広島が2013年以来となる決勝進出を決めた。
 クラブ史上初となる天皇杯制覇へあと一歩まで迫ったスキッべ監督は「もちろん決勝は勝ちに行きたい。歴史を塗り替えたい思いもある」とタイトルへの強い思いを語った。

監督 試合後コメント

「非常に長い試合だったし、闘った試合だった。京都もすべてを出し切ったと思っている。天皇杯準決勝にふさわしい試合だった。今日勝てたことは本当に嬉しく思っているし、勝ちに値する試合をしたと思っている。来週の決勝に進めることを非常に嬉しく思う。我々が多くのチャンスを作れたし、シュートもたくさん打てた。ただ、相手にも常にカウンターのチャンスがあった」

──決勝点は住吉ジェラニレーション選手からエゼキエウ選手、そしてナッシム・ベン・カリファ選手に繋がって生まれた。全員が途中出場の選手の得点となった。リーグ戦でもそうだが、交代選手が活躍できる秘密は?
「フレッシュな選手がどうすればチームのためになるのか、自分の役割をしっかりと理解して、全力を尽くしてくれる状況が生まれているからだと思う。特に攻撃のところの交代がうまくいっているのは今季ずっと見せ続けられているところだと思う」

──決勝はサンフレッチェの歴史上、すべて負けている。この歴史を塗り替えたいのでは?
「もちろん決勝は勝ちに行きたい。歴史を塗り替えたい思いもある。ただ、(甲府が)簡単な相手でないのも分かっている。今日は鹿島の地で鹿島とやって勝利している。ディフェンスラインが非常に強いチームだと思っているし、決勝ということで難しい試合になると思うが、必ず優勝したい」

──後半に京都に得点を奪われた時に相手はホームということで主導権を奪われてもおかしくなかったが、そこで耐えて、押し返せた。その差は?
「自分たちのクオリティーを最後まで示し続けようということ。後半の残り、そして延長に入って相手が疲れてくる中で我々は自分たちのサッカーをやり続けることを示せたことによって今日は勝ちに値するゲームができたと思っている」

──リーグ戦は3位でカップ戦は2つ決勝進出している。リーグ戦とカップ戦で戦い方に違いはあるのか?
「基本的に差はない。我々はすべての試合に勝ちに行こうと思っている。カップ戦はうまくいった部分が非常に多かったと思うが、リーグ戦は大敗した試合もあった。その中でも全部の試合で勝ちに行く姿勢を見せてきた。情熱を持って勇敢なサッカーをどの大会でも見せてきたと思っている」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は京都での平日ナイトゲームとなりましたが、約1,800名もの方にお越しいただきました。皆さまの力強い声援が2013年以来の決勝進出に繋がりました。ゴール裏を紫に染めていただき、ありがとうございました。

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