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「本日はお忙しい中お越しいただき、ありがとうございます。今シーズンを持って引退することを決断しました。 今日は今の思いをできるだけ素直にお話ししたいと思いますので、よろしくお願いします」 Q)引退会見を迎えて今の率直な気持ちをお聞かせください。 「気持ちとしてはスッキリしています。僕の周りで気にかけてくれる方もたくさんいましたし、自分自身としてもできるだけ早く報告したかった。今は本当にスッキリしています」 Q)引退の一番の理由を教えてください。 「一つはサンフレッチェの選手としてJ1でやっていく力がなくなったことです。今年だけでなく、過去を振り返ってもチームに迷惑をかけてきました。そういった思いもあります。また、心身ともに疲れたというのが正直なところです」 Q)引退を決断した時期はいつ頃ですか。 「今年は休んでからそのことばかり考えていました。今年はずっと考えている中で少し前に足立強化部長と話しをしました。その話をした後に自分の中で決断できました」 Q)今年1年間はどういう気持ちでプレーしていましたか。 「ずっと休んでいて苦しかったですが、周りの人が本当に助けてくれました。チームに戻ってからは、チームメートとできるだけサッカーを楽しみながらやれればと思って今日を迎えました」 Q)シーズン残り4試合のタイミングで引退を発表した理由を教えてください。 「いろんなことを考えていました。チームがいま優勝争いしている中で苦しんでいますし、その中で僕のこの決断がいいキッカケになればという思いもあります。ただ、一番の思いは、これまでずっと僕の傍で応援してくれたサポーターのために、早めに決断することで試合を見に来てくれる方もいると思うし、練習場に来てくれる方もいると思いました。それが一番大きな理由です」 Q)引退を相談した相手はいましたか。 「それは一切しませんでした。(家族に)報告はしましたが、相談は一切しませんでした」 Q)弟の浩司アンバサダーとは話をしましたか。 「浩司とは今年の休んでいる時、春ぐらいだと思いますが、復帰の目処もたっていない中で『もう限界かな』という話はしました」 Q)その時の浩司アンバサダーの反応は。 「ハッキリと覚えてはいないですが、納得はしていたと思います」 Q)浩司アンバサダーが先に引退し、それからの時間をどう過ごしてきましたか。 「小学校からずっと一緒にやってきましたし、先に浩司が引退して、浩司の分までという気持ちもありました。今までずっと一緒にサッカーをしてきた分、自分一人でも何とか活躍したい思いもありました。もう少し頑張りたかったですが、結果的には今年もそうですし、昨年も自分の力をなかなか発揮できなかった。そういった意味では、一人ではできなかったと思います」 Q)小学校時代からずっと一緒にプレーしてきた弟・浩司アンバサダーはどういう存在ですか。 「家族であり、弟でもあり、親友でもあるという感じです。いなくてはいけない存在だったと思います」 Q)今、声をかけるとしたら。 「今は思いつかないです」 Q)自身の今後についてはどう考えていますか。 「特にこれというのは今のところは考えていませんが、サッカーしかしてこなかったので、サッカーの勉強はもちろんのこと、その他の部分でも勉強していきたいと思っています」 Q)プロ選手としてどんな19年間でしたか。 「過ぎてしまえば、やはり早かったという思いもあります。ここ数年は、チームの成績も比較的良いですが、やはり思い出すのは、入団した時はずっとチームは中位以下でした。そこからよくここまでチームがこられたなと思います。それはサンフレッチェに関わるすべての人のおかげだと感謝しています」 Q)リーグ3度の優勝など経験してきましたが、今までで記憶に残っている試合や場面を教えてください。 「やはり一番思い出に残っているのは初優勝のセレッソ大阪戦です」 Q)初優勝の瞬間はどんな気持ちでしたか。 「たくさんの方に来ていただいて、スタジアムの雰囲気も素晴らしかったです。試合が終わり、優勝が決まって、サポーターのほうを見ると、たくさんの方が喜んでくれていました。うれし涙も流してくれていました。今まで頑張ってきて良かったと思いました」 Q)J2降格も味わった中で、それを乗り越えての初優勝は思い出に残っていますか。 「2回もクラブを降格させてしまい、それからはサポーターに対して、信頼を取り戻したい一身でやってきました。1度目の優勝で何とか少しは取り戻せたという思いになれました。それは良かったです。終わってみて本当に全部信頼を取り戻せたかどうかは分からないですが、一緒に喜べたのは僕にとって宝物になりました」 Q)3度優勝しましたが、サンフレッチェ広島というチームはどのように強くなっていきましたか。 「やはり優勝してみないと分からないことはたくさんあります。初優勝した時に思ったのは、もう一度味わいたいなと思いましたし、それからはさらに貪欲に勝利を目指すようになりました。僕個人もそうですし、チームもそうなっていきました。それは本当に良い経験です。だからこそ、今シーズンは優勝を経験したことのない選手に味わってもらいたい。だから一緒に頑張って最後まで一緒に戦いたいと思います」 Q)出場試合数はクラブ最多ですが、誇れるものを教えてください。 「ユースからこのクラブ一筋でやってこられたことが僕の中で誇れるものです。トップに上がってからは、このクラブで引退したいと思っていました。それが実現できて、今日はこういう場を設けていただいて、ここで話せることが本当に良かったと思っています」 Q)森崎選手にとって、このサンフレッチェ広島はどんなクラブですか。 「僕にとっては本当に人生のすべてでした。僕の命と同じぐらい価値があるものだと思っています」 Q)クラブ一筋でやってきましたが、これまで頑張れた原動力はなんでしょうか。 「やはりサポーターと家族の存在が大きかったと思います。家族は一番僕を近くで見て、何があったかをずっと見てくれていました。その中でいろんなことをサポートしてくれて、僕がサッカーをできる環境を常に作ってくれていました。本当に感謝しています。サポーターは、特に苦しい時ほど、僕の傍にいてくれて、助けてくれて、支えてくれて、その存在がなければここまで長くできなかったと思います。本当に感謝しています」 Q)チームメートにはどんな思いでいますか。 「今年だけではなく、僕が休んで戻ってきた時には、いつも優しく接してくれました。年齢を重ねてからは、僕が本当は支えないといけない立場だったのですが、いつも支えてくれました。チームメートがいなければ、サッカーを続けられなかった一つの要因だと思います。本当にありがとうと言いたいです」 Q)感謝している方を一人挙げるとすれば。 「一人挙げるのは難しいです。僕に関わってくれた監督、コーチ、選手、すべての人が本当にいい人ばかりでした」 Q)残りシーズン4試合はどういう気持ちで戦っていきますか。 「今年はチームの頑張りのおかげで優勝争いができています。最後までしびれる戦いができる。その中で僕も選手として最後まで勝負できる環境を作ってくれたのは本当にありがたいです。引退の日は決まったので、一日一日、悔いのないように過ごしていきたいです」 Q)思いをどうピッチで表現していきたいですか。 「その時ピッチに立たないと分からないですが、引退するからといって特別なプレーではなく、今までやってきたことをそのまま出せるように、チームの勝利に貢献できるようなプレーをやれたらと思っています」 Q)チーム、仲間のためにプレーできる考えになったのはいつぐらいですか。 「チームのためにという思いは小学校の時からありました。そしてサンフレッチェに入ってからはその思いがより強くなりました。それは僕の先輩方がそういう歴史を作ってこられていましたし、それは受け継いでいかないといけない。そういう思いでプレーしていました。また、自分自身は特別な能力があるわけではないので、自分が活きるためでもありましたし、何とかチームのためになればと思い、プレーした結果です。僕にとっては特別な意識はなかったです」 Q)大変な症状に何度も襲われながら必ず戻ってきました。そして離脱する前よりも素晴らしいプレーで優勝に貢献しました。 「休んでいる時は、本当に生きた心地がしなかったというか生きる希望がなかなか見つけられなかったです。その中で、たくさんの方がそういった時期に助けようとしてくれました。最後は単純に人として“生きたいな”という思いで復帰しました。復帰してからは、休んだ分、迷惑をかけた分、取り返したいという気持ちだけでやっていました」 Q)サンフレッチェ広島ではクラブの歴史を感じたことや先輩方の教えで学んだことはありますか。 「僕は広島で生まれ、広島に育ててもらいました。地元のサンフレッチェ広島に入って活躍したいと、このクラブができてから思っていました。その道をクラブが作ってくれたので、僕はその道をただ歩くだけでした。その中で、自分のせいで脇道にそれたり、迷ったりもありましたが、最後にこうやってこの道に戻ってこられて本当に良かったと思います。生まれ変わったとしても、またサンフレッチェでやりたい思いが強いです。僕がサンフレッチェの歴史を作ったのではなく、僕の先輩方が本当に苦しい時期を乗り越えてくれて、つないできてくれたからこそ、僕もそれをしっかりとやらないといけないと思いました。今度は後輩たちに受け継いでもらいたいと思います」 Q)引退後の夢はありますか。 「サンフレッチェに携わる携わらないは別にして、どちらにしてもサンフレッチェ広島に育てていただきました。たくさん迷惑をかけてきた中で、また恩返ししたい気持ちはあります。どういう形であれ、何か力になれればと思っています」 Q)サンフレッチェ広島が今後はどういうクラブになってほしいですか。 「僕自身がアカデミー出身です。ユース時代からプロ意識を植え付けてもらいましたし、サンフレッチェに対してもすごく気持ちが強くなりました。元々ここは育成型クラブで、僕もそうやって育ててもらった経緯があるので、ぜひそういうクラブになってもらいたいと思います」 Q)サポーターの応援歌にある「俺たちの誇り」というフレーズはどう届いていましたか。 「正直、最初はその意味を分からずにただ聞いていた部分もありました。ただ、何度も聞いたり、その意味を考えるようになってからは、すごく重いものになりました。そう言ってもらえるサポーターに対して、恥だけはかかせたくないという思いでここまできました」 Q)やり残したことはありますか。 「やはり最後に優勝を勝ち取りたいです。また、ずっと前から言ってきましたが、広島にサッカー専用スタジアムができて、そこでプレーすることが一つの夢でした。それは実現しませんでしたが、スタジアムをサンフレッチェのためだけではなく、広島の街のためにも作っていただけたらありがたいです」 Q)浩司アンバサダーは引退セレモニーのある試合でゴールを決めました。カズ選手はどういうプレーを見せたいですか。 「浩司みたいに、あれ以上を求められると困ります。最後はピッチに立てるかどうかは分からないですが、ピッチに立てたとしたら完全燃焼したいと思います」 Q)今年は地元の矢野地区が「平成30年7月豪雨」で被害を受けました。ピッチの外でどのような貢献活動を考えていますか。 「まだハッキリと自分の中でこれだというのが浮かんでいないので、これから考えたいと思います。今年休んでいる時に広島は災害にあい、それを家のテレビで目の当たりにしました。何とか自分も力になりたいと毎日を過ごしていましたが、なかなか自分の力不足で力になれませんでした。これから少しでも何か力になれることがあれば、手伝いたいですし、力になれればと思っています」 Q)この場にサポーターがいるとしたら、どんなメッセージを贈りますか。 「サポーターに対しては、ホーム最終戦の引退セレモニーの時に思いを伝えられればと思っています。今、言えるとしたら、チームは優勝争いをしていて、どの選手も本当に頑張っています。最後まで一緒に戦ってほしいですし、僕自身も戦いたいと思います」 Q)「谷間の世代」と言われてプレーしてきましたが、長くプレーしている選手もいます。同世代への思いを教えてください。 「やはり、同世代に関しては特別な思いがあります。おそらく来年もまだ現役でやる選手は何人かいるので、純粋にサッカーを楽しんでほしいです。僕が言うのもおかしな話かもしれませんが、僕らのやめていった選手の分まで頑張ってほしいと思います」 |
LAST UPDATE:2018/10/29