3.30 13:00

明治安田J1 第5節 vs. ガンバ大阪
HOMEエディオンピースウイング広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
1
ガンバ大阪 G大阪
0
前半
0
1
後半
1
  • 後半31分
    ウェルトン

試合の見どころ

 好スタートを切ったチーム同士の激突だ。開幕から2勝2分と負け知らずで突き進む2位・広島がホームに迎える相手は、こまで2勝1分と同じく無敗の5位・G大阪。消化ゲームがG大阪のほうが1試合少ないことを考えると、ほぼ同じ勝点であり、序盤戦でどちらが上に行けるかを占う重要なゲームとなる。『エディオンピースウイング広島』のこけら落としとなった2月10日のプレシーズンマッチから約1カ月半、1-2で敗れた広島としては、そのリベンジマッチにもなる。
 今季のG大阪は、やはり昨季とは一味違うようだ。ダニエル・ポヤトス監督が就任して1年目の昨季、最後はリーグ戦7連敗で終了するなど、18チーム中16位と苦しい結果となってしまったが、指揮官の戦術も浸透し始めている今季は、「昨年までのG大阪でないのは我々も分かっている」(ミヒャエル・スキッベ監督)。GKを含めた後方からのビルドアップはより磨きがかかり、宇佐美貴史を筆頭としたスピーディーな攻撃もかなりの脅威だ。また、守備面でも攻守の切り替えが速く、中谷進之介を中心としたDF陣も堅い。そして、チーム力をワンランク上げている外国籍選手もそれぞれ個性があって、なかなか強烈だ。前節は出場していないサイドアタッカーのファン・アラーノとイッサム・ジェバリが今節出場してくるかは不透明だが、前節先発した3人はかなりのインパクトを残した。ダワンはボランチとして攻守で安定したプレーを見せるだけでなく、機を見た飛び出しで決勝点をマーク。その彼とコンビを組むネタ・ラヴィは中盤でのパスの配給役としてG大阪のポゼッションの中心となった。そして、左ウイングに入ったウェルトンは、器用に両足を使いながら持ち味の推進力を生かして何度もサイドを突破。パワフルさと技術の両方を持った背番号97は、一人で局面を打開できる力を持つ難敵だ。
「日本人のクオリティーも高いが、外国籍選手も含めて、各個人のクオリティーは高い」。スキッベ監督もそう警戒するG大阪に対し、広島はいかに上回るか。指揮官が選手に求めるのは、やはり自分たちのスタイルの追求だ。G大阪の特長は頭に入れつつも、クオリティーを最大限発揮することを求めるスキッベ監督は、「100%の力で自分たちのサッカーをすること。それができたなら、自分たちが相手にとってやりづらいチームになるのではないか」と話す。これまで同様、相手のサッカーに合わせるのではなく、自分たち主導の攻撃サッカーでG大阪のペースを乱していく。アグレッシブに勇敢に戦い抜くのは、どこが相手だろうと同じだ。強敵・G大阪相手に勝利できれば、さらに自信を得られるのは間違いなし。サンフレッチェのサッカーを示す戦いとなる。

監督 試合前日コメント

──G大阪の監督や選手のコメントを見ると、かなり広島を意識しているようです。「広島に勝てば自信にもなる」というようなコメントもありました。
「2月のプレシーズンマッチで、彼らは自分たちに勝っていますし、昨年までのG大阪でないのは我々も分かっています。彼らは彼らで今季は良いスタートを切っているので、自信を持ってきている表れだと思います」

──今日の練習前の円陣では、監督の口からもG大阪を意識するような言葉がありました。この試合は広島にとっても大きなポイントになりますか?
「我々もここまで良いスタートを切れているので、今回のホームゲームでもしっかり見せていきたい。サッカーの内容面やフィジカル、結果を含めて全部で上回りたいと思っています」

──プレシーズンマッチでは、G大阪の外国籍選手の能力の高さが目立っていました。ケガをしていた選手たちも戻ってくるという情報もあります。
「ダワンに関しては昨年から自分のクオリティーを見せていましたし、ネタ・ラヴィもそうです。ファン・アラーノのドリブルにも気を付けないといけません。イッサム・ジェバリはすごく体が強い。それから、新しいウイングの選手(ウェルトン)はすごく速い。日本人のクオリティーも高いですが、外国籍選手も含めて、各個人のクオリティーは高いと思っています」

──そんなG大阪ですが、これまでスキッベ監督が積み上げてきた広島のサッカーを彼らはリスペクトしている感じがしますが?
「もちろん相手をリスペクトしているのは我々もそうです。その中で100%の力で自分たちのサッカーをすること。それができたなら、自分たちが相手にとってやりづらいチームになるのではないかと思っています」

ゲームレポート

互いに無敗同士の戦いは、最後までもつれる激闘となった。
 どちらかと言えば前半に相手を上回っていたのは広島だった。序盤こそ攻守の入れ替わりが激しいスピーディーな展開となり、G大阪の両ワイドアタッカーであるウェルトン、ファン・アラーノの鋭い突破に手を焼いてピンチも招いたが、25分を過ぎたあたりから徐々に広島ペースへ。細かなパスの連係やカウンター、サイド攻撃がハマり出し、前半の終盤には次々と決定機を作り出していった。39分、荒木隼人のフィードに抜け出した加藤陸次樹が惜しいシュートを放てば、40分には右サイド・中野就斗も積極的にミドルレンジから狙っていく。さらに加藤は41分、44分とクロスからビッグチャンスを迎えるなど、広島のほうが得点の匂いが漂う前半の戦いとなった。
「もっと簡単に丁寧にサッカーをしよう!」
 前半を0-0で終えて迎えたハーフタイム、何とか先制点をもぎ取るべく、ミヒャエル・スキッベ監督からは攻撃の精度向上の指示を受けて紫軍団は後半のピッチへ向かった。
 後半も広島は攻め手を緩めなかった。前半から何度も縦に飛び出して好機を演出していたボランチ・松本泰志が後半も勢いを持続。62分、その背番号14が右サイドを攻略して柔らかなクロスを送り込むと、中央へ走り込んだ大橋祐紀がヘディングでポスト直撃のシュートを放つ。続く65分にも右サイドのCKから広島が決定機を迎えるなど、怒涛の攻撃でG大阪ゴールへ迫り続けた。
 だが、やはりチャンスをモノにできなければ試合は苦しくなる。76分、G大阪に一瞬の隙を突かれてカウンターから先制点を許してしまった中、ピンチの広島を救ったのは、3月21日に加入が発表されたばかりの新戦力・新井直人。失点からわずか2分後、左サイド・東俊希がドリブルで中へ切れ込むと、こぼれ球を新井が左足で豪快に振り抜いて同点に追い付いた。
 その後も選手交代を活用しながら勝ち越しゴールを目指した広島だったが、この日は結局、最後の精度が足りず。互いに勝ち越し点を奪えず、痛み分けに終わった。「今日の試合結果に関しては少し残念に思っています。というのも、我々は勝ちに値するゲームをしたと思います。それと同時に勝てなかったのはありますが、負けなかったということ。同点に追い付いて勝点1を取れたのは良かった」とスキッベ監督はこの日の激闘を振り返った。

監督 試合後コメント

「今日はJリーグの中でも面白い試合だったと思います。特に前半の相手のカウンターは脅威でした。我々はセットプレーがうまくいかず、セカンドボールの対応があまり良くなかったところからカウンターを受けていました。ただ、前半は最後の最後まで諦めずに守り切った結果、最後の最後で止めることができました。
 後半は我々のほうが多くの良いチャンスがあったと思っています。ファンタスティックなゲーム展開を見せられたと思いますが、最後の部分で少し運が足りなかったと思います。そこまで鋭くサッカーができていた中で、後半の唯一と言っていいカウンターを許した場面から失点してしまいました。ただ、そういう状況にありながらも、我々は勇敢にアグレッシブにサッカーを続けました。そこから早い時間で新井直人の素晴らしいゴールが決まり、同点に追い付くことができました。その後も3、4つ、良いシーンがあったと思います。ただ、ポストに当たったり、GKのファインセーブがあったり、最後に相手DFに体で止められたりと、ゴールを阻まれてしまいました。
 今日の試合結果に関しては少し残念に思っています。というのも、我々は勝ちに値するゲームをしたと思います。それと同時に勝てなかったのはありますが、負けなかったということ。同点に追い付いて勝点1を取れたのは良かったと思っています」

──ゴールを決めた新井直人選手を途中で起用した理由と得点シーンについて。
「交代する前からチームは良い状況にあったのですが、さらに新しいフレッシュな選手を入れることによって、相手を揺さぶるといったことができると思いました。直人にしても、(小原)基樹にしても、良い活躍を見せたと思いますし、特に基樹については相手を困らせる良いプレーがたくさんありました。また、直人についても、自分の持っている才能を見せてくれました。両足で蹴れることやスピードなどは存分に発揮していたと思います」

──J1デビューとなった中島洋太朗選手を投入した時は1-1の厳しい時間帯だったと思います。起用した理由と今後に期待することは?
「まずは今日、柴﨑晃誠という素晴らしい選手とお別れしました。そして今日、おそらく新しい柴﨑晃誠になる選手に初めて出会えたと思います。サッカー面では本当に才能を持った選手です。洋太朗に関しては継続的にメンバーに入れたいと思っています。今日のプレー時間は短かったですが、クリエイティブさなど、サッカー選手に必要なモノはすべて持っているところは見せられたと思います」

──今季初先発となった松本泰志選手と川村拓夢選手との縦関係が機能していましたが、この形をこれからも続けていくのか、それともG大阪が相手だからこの形になったのでしょうか?
「今日の形に関しては、これからもやっていくだろうと思います。今日の(松本泰志の)起用の理由に関しては、ピエロス(・ソティリウ)がいないので、大橋(祐紀)が一つ前に上がりました。そのため、中盤のポジションが空き、泰志を起用しました。彼は期待に応えるだけのパフォーマンスを見せてくれましたし、これからもこの形で出場していく機会はあると思います」

──前節・神戸戦ではサイドからの攻撃がなかなかできませんでしたが、今日はサイドから良い形を作っていました。前節から修正したところはありますか?
「今日のG大阪と神戸では守り方の違いがあったと思います。神戸はサイドをしっかりと抑えていましたが、今日のG大阪はむしろ、しっかりと真ん中を守るチームでした。その中で攻撃の違いは出ると思いますが、相手の弱いところを突いていきたいと思っています」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

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