WEリーグ参入記者会見を行いました!

レジーナ

 本日、広島市内にて、WEリーグ参入記者会見を行いました!

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代表取締役会長 久保允誉 挨拶

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 本日はお忙しい中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。また、日頃より、サンフレッチェ広島の報道に対し、格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。
 本日、12時ごろ、WEリーグの岡島チェアより、サンフレッチェ広島が正式にWEリーグに承認されたとの電話をいただきました。
 2021年9月より開幕予定のWEリーグにスタート時から加盟できることを、心よりうれしく思います。

 WEリーグは「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する。」を理念に掲げており、我々も大変共感しています。
 「WEリーグ」の誕生によりこれまでなかった女子サッカー選手という職業が確立されます。子どもたちの夢の選択肢が広がり、生き方に多様性が生まれることは、これは本当に素晴らしいことです。
 我々も、最高峰の女子サッカープロリーグ「WEリーグ」誕生とともに歩んでいけることに誇りをもち、様々な活動を通して女性がさらに輝く場を創出し、「女性の元気を広島の元気に」を合言葉に、競技に臨んでいく姿をお見せすることで地域の皆さまに勇気を与えられる存在になることを目指して参ります。

 チームに関しては、他の参入クラブがベースとなる女子チームを既に持っている状況に対して、当クラブは選手も監督もコーチもいないゼロからのスタートです。しかしながら、フロントスタッフには女子サッカーで大学日本一を経験した者や他にも数名女子サッカー経験者が所属しています。さらに、男子チームで確立したノウハウもありますので、それらをフルに活用して、日本最高峰のリーグで戦えるチーム創りをしていきます。

 男子チームとともに、より一層、広島の街を盛り上げていけるよう、フロントスタッフも全力を尽くして参ります。当社の力だけでなく、地元の皆様と共に、地域に根差したチームの運営を行ってまいりますので、ぜひ一緒に応援いただけますと幸いです。

 報道関係者の皆さまにおかれましても、引き続き、サンフレッチェ広島の報道にご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

代表取締役社長 仙田信吾 挨拶

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 日頃は、私どもサンフレッチェ広島の報道に際し、ご協力いただき心より感謝申し上げます。
 まずは本日、WEリーグへの正式加入が承認されたことに対しまして、これまで地元・広島での女子サッカーの普及発展にご尽力賜りました広島県サッカー協会女子委員会の皆さま、各種別の指導者、選手、活動を支えていただいた保護者の皆さま、多くの関係者の皆さまに心より感謝を申し上げます。また、9年間にわたって女子サッカーの発展に大変なご苦労をされてきたアンジュヴィオレ広島の皆さまと、それを支え続けていらっしゃった横川地区の皆さまに、感謝と敬意を改めて表します。

 改めまして、参入に至るまでの経緯を申し上げます。
 今年の初め、女子のプロサッカーリーグに手を挙げてほしいとのお話を、アンジュヴィオレ広島様からいただきました。私どもはその時点で、参入する意思がないことをお伝えしておりました。そして、このコロナ禍です。女子サッカーのプロ化そのものがどうなるのかと、私どもも心配しながら見守っておりました。
 それが今年6月、新しいリーグが立ち上がることが決まりました。来年秋の開幕を目指す、そのうえで申請は7月末が締め切りという、大変きつい日程が示されました。私たちは、アンジュヴィオレ広島様が女子プロサッカーに手を挙げない場合、トップリーグに広島の名前がなくなることを大変危惧いたしました。
 もう1つは、先ほど、久保会長もおっしゃった通り、男子もJリーグのオリジナル10として、最初から参加しており、その歴史を大変重く捉えました。

 先ほど、WEリーグ全体の記者会見でも申し上げましたが、女子サッカーについて、私自身にもイベントに関わった鮮烈なイメージがあります。被爆70年の5年前、エディオンスタジアム広島で、あの戦禍にあったアフガニスタンの女子サッカーチームが、アンジュヴィオレ広島様と親善試合を行い、14-0でアンジュヴィオレが圧倒しました。アフガニスタンの選手たちは、自国でサッカーをすることそのものが、まさに命がけです。そういった選手たちが満面の笑みを浮かべて、懸命にボールに食らいついていく。その姿勢こそが、平和都市である広島に必要であり、求められているサッカーの女子の姿であると感じました。
 これから3年数か月後には、平和公園、平和資料館、慰霊碑、原爆ドーム、といういわゆる丹下ラインの延長上に、サッカースタジアムを建設いただくこととなっております。そこには、女子のサッカーの力も絶対に必要です。平和の象徴としてのサッカーは、男子も女子もサンフレッチェ広島が担っていきたいと、強く思っています。

 誠に困難な道ですが、女子サッカーのプロリーグに手を挙げると決めてアンジュヴィオレ様にご報告に伺ったときも大変、喜んでいただきました。
 私どもは今後、今日はまだ公にできない、チームの名称、監督、選手などが決まり次第、チーム情報を皆さまに詳しくお伝えして参ります。男子同様、サンフレッチェ女子をどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

代表質問

Q)WEリーグへの参入決定の一報を聞いた、率直な感想を教えてください。
仙田社長「ずっと電話口で待っていました。もちろんうれしいですが、これからのことを考えると、1からクラブを作っていくという、大変険しい道が待っています。それを思うと、身の引き締まる思い、というのが本音です」

久保会長「ゼロからのスタートになります。今からどのような運営、組織にしていくのか、予算組をどうしていくのか、今から課題を解決するために大きな決定が必要になってきます。まだスポンサーも集まっていない状況です。今から1つ1つ、2021年の開幕に向けて、スピードを上げてやっていきたいと思っています」

Q)参入が決まった理由の説明はありましたか? もしくは、自分たちでここは他チームに負けない、というアピールポイントはありますか。
仙田社長「なぜ広島が選ばれたのか、WEリーグ・岡島チェアからの説明はいただいておりません。『決まりました』ということだけです。ただ、エリア的に関東に集中している傾向があるため、西日本のチームが必要とされるのではないか、という期待感はありました。私どものアピールポイントとしては、新スタジアムができること。そこでぜひ、女子の活躍を見ていただきたい、ということは強くアピールしました」

Q)チームの名称は、「サンフレッチェ広島」ですか?
仙田社長「サンフレッチェ広島FCの後に、男子と区別化するために、相性、呼称をつける予定です。楽しみにしていただければと思います」

Q)チームのユニフォームは男子と同一ですか?
仙田社長「現時点で申し上げられるのは、リーグ側と調整中、ということのみです」

Q)チームの規模として、どの程度を考えていますか? スタッフなどについては、いかがでしょうか?
仙田社長「経営、収支はかなり厳しいものになると思います。そういったなかで、女子プロリーグ参入にご賛同いただけるスポンサー様にご協力をいただいて、女子チームの収支を赤字にすることなく、男子チームの経営を圧迫しないことが私どもの役割だと思っています。このコロナ禍が懸念材料ではありますが、一生懸命に努力するしかありません。
 スタッフについては、社内に女子チームの専門部門を作っております。このセクションは専任、このセクションは兼任でもいいというリーグの基準があり、強化、運営、広報、マーケティングなど、それぞれ専任と兼任でチームを作っています」

Q)現段階で、監督や選手について、ある程度、決まっているのでしょうか? もしゼロの状態であるならば、これから選考をどのようにやっていくのかを教えていただけますか?
仙田社長「監督、選手のリサーチは進めていますが、例えばなでしこリーグ所属の選手たちに正式なオファーをするのは、時期的に制限がある状況です。ただ、来年の2~3月くらいがプレシーズンマッチがあり、来年9月に開幕いたしますので、それに向けての日程は非常にタイトな中、進めることになります」

Q)どんな人材を求めたいですか?
仙田社長「できれば広島に関わりがあり、育成型クラブというクラブの哲学をよくご理解いただける方に的を絞っていきたい、ということはスタッフで話をしています」

Q)新スタジアムができるまでの間、練習場は男子と共有になりますか? それとも別で探していますか?
仙田社長「男子との共有を含めて、調整しております。他県と比較して、サッカーのグラウンド、スタジアムが多くはありませんが、プロの試合をお見せする場所ですから、限定された会場の中で、鋭意あたっているところです」

Q)広島にはアンジュヴィオレ広島というチームがあります。今後の関係性はどのようになるのでしょうか?
仙田社長「アンジュヴィオレ広島様が手弁当で横川地区を中心に、女子サッカーの文化を作るために、そして育成、普及をしていくために奮闘しておられたことに対して、心より敬意を表し、リスペクトしております。女子プロサッカーリーグにアンジュヴィオレ様ではなく、サンフレッチェに手を挙げてほしいというご要望に対して、我々はずっと悩んでおりましたが、6月の時点で『受けます』ということを申し伝えました。その際、アンジュヴィオレ様には、本当に喜んでいただきました。その際に、トップチームの監督、コーチ、選手、アカデミーのコーチにつきまして、『申し訳ないですが我々は引き受けることはできない』というお話もしております。女子のプロサッカーリーグは日本代表クラスが参加してくるトップリーグです。そこに我々がチャレンジしていくために、1からチームを作る必要があることは、ご理解いただきました。
 また、アカデミーは、男子のユースがそうであるように、プロを目指す選手たちのチームになります。ユースの選手たちは非常に厳しい規律の中で、吉田高校に通い、勉学に励みながらプロを目指している。その前提となるジュニアユースも含めて、やはり1からやっていく必要があると思っています。一方で普及の部分、サッカースクールについては、アンジュヴィオレ様も大変頑張っておられ、その部分は引き継がせていただきます、と申し上げております」

Q)どのくらいの来場者を見込んでいますか?
仙田社長「新型コロナウイルスが収束しているという前提で申し上げますと、1試合5,000人を目指したい。なでしこ1部の平均入場者数が1,500人で、5,000人は大変な高望みですが、そういう目標で頑張っていきたいと思っています」

Q)今後のチームスケジュールについて、目途はありますか?
仙田社長「来年2月、もしくは3月からプレシーズンマッチが始まります。それまでには陣容を整えなければいけません。それがタイムリミットです。そして9月の開幕をきちんと迎えていくこと。大変タイトなスケジュールですが、立ち向かっていきたいと思っています」

質疑応答

Q)改めて、厳しい環境下の中でWEリーグ参入を決断した理由をお聞かせください。
久保会長「WEリーグ創設時から広島にもっとサッカー文化を広げたい、という観点で、私自身はもちろん、サンフレッチェのスタッフ、幹部ともWEリーグに参加する前提で準備を進めていました。このたび、サンフレッチェが承認されたことをうれしく思います。ただ、今からが正念場です。全体の予算もどういう形になるのか、大筋はありますが、まだお答えできる状況にありません。なるべく早く、できれば年末くらいには何かの形で皆さんに報道できればと思っています」

Q)監督、選手はまだこれからということですが、他のスタッフ、特に強化担当の責任者についてなどはいかがですか?
仙田社長「WEリーグの参入条件に、実行委員が必要であり、その実行委員は取締役でなければいけない、というものがありますが、これは取締役、株主総会にもかける案件となります。そういった事情があり、新しい実行委員のもとでスタッフが決まるため、現時点で固有名詞を挙げるのは控えさせてください」

Q)トップチームは何名くらいの選手をお考えですか? また、WEリーグとなでしこの関係性について、改めて教えていただけますでしょうか。
仙田社長「新たにトップリーグができたのは、なでしこジャパンをもう一度、世界一にするために、プロリーグが必要だろう、ということが最大の哲学だと捉えています。なでしこは仕事を持っている選手もたくさんいますが、専属でプレーする人たちも出てきます。トータルの人数として15人は必要、という規定になっています」

Q)WEリーグは、神戸より西にチームがいない状況です。九州、中四国のサッカーをやっている女子たちの期待をサンフレッチェが一心に負うことになるかもしれません。その点について、どのように感じていらっしゃいますか?
久保会長「WEリーグでは、サンフレッチェが一番西になります。九州や四国で女子サッカーをしている方が、夢をもって参加できるようなチームをしっかり作っていきたいと思っています。レベルを上げていくために、国内だけでなく、海外の選手を入れるかもしれませんが、これはどれくらいの予算組になるのか、という部分もあり、そこをトータルで考えていきます。サッカーは感動して、勝ち進んでいくことがみんなの励みになりますので、ゼロからのスタートですが、いろんな情報を入れながらチーム作りをしていきたい。ぜひ、皆さんが期待できるようなチーム作りをしていきたいと思っています」

Q)プロチームとしての目標を教えていただけますか?
仙田社長「実は、私はものすごく堅実です。まずはきっちりと体制を固めて、WEリーグに参入し、そこで見事に戦い抜く。男子のときは優勝を目指しますといろんなところで申し上げましたが、そこは控えておこうと思っています」
久保会長「常に優勝を狙えるチーム作りをしたい、というのは、どのチームも目指す方向性ではないでしょうか。全体の予算と組織などを考えながら、これからスピードを上げて取り組んでいきたいと思います」

Q)改めて確認させてください。スクールは引き継ぐ、ということでしたが、U-18、U-15などについては別で活動する、ということでよかったでしょうか?
仙田社長「サッカースクールは、アンジュヴィオレ様からお願いしたいという話があれば、引き継ぐことは可能です。そうアンジュヴィオレ様にも申し上げております。U-18のアカデミーも引き受けてくれないかという話はありましたが、U-18はプロチームの予備軍となります。プロを目指す心づもりでチームに入ってくる人たちを、我々は強くしていかなければいけません。そのため、既存のユースの選手をお預かりするのは非常に難しい、というのが社内の検討結果です。我々は9年奮闘されたアンジュヴィオレ様に、何らかの形で協力していきたいという気持ちは本当に強いのですが、その具体的なところの1つがスクールだろうと思っています。私どもが参入申請をした段階から、チームを丸ごと引き受けてほしいという話もなくはありませんが、強いトップチームを作っていくためにセレクションを行ったとしても、丸ごと引き受ける話はお断りして、ご納得をいただきました」

Q)参入の条件として、トップチームのコーチと、役員の方、少なくとも1人以上は女性を起用する、というものがあります。3年以内には50%以上などというものもありますが、目途は立っているのでしょうか? また、そういった条件があることをどう捉えていらっしゃいますか?
仙田社長「3年間の猶予があるという理解の下で申請書類を作っています。先ほど、久保会長からのお話にもあった通り、社内に女子のサッカー経験者は多く在籍します。そういったスタッフの力も借りながらになると思います。現場を預かる身としてはなかなか困難ですが、乗り越えていくハードルだとも思っています。WEリーグが目指す女子の活躍社会を作っていくことは、少子高齢化の日本で大切ですから」

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