中村伸 女子プロチーム初代監督就任会見を行いました!

レジーナ

 本日、広島市内にて、女子プロチーム 中村伸監督の就任会見を行いました。

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久保雅義 WEリーグ準備室長 あいさつ

「始めまして。WEリーグ準備室長の久保と申します。よろしくお願いいたします。
本日は、年末のお忙しい中、急なご案内にもかかわらず、ご来場いただき誠にありがとうございます。また、日頃より当クラブに対し、格別のご高配を賜り、心から感謝申し上げます。
 10月15日のWEリーグ参入決定時に、スタッフがまだ確定していなかったため、この場をお借りして、皆さまにご挨拶させていただきます。
現在、WEリーグ準備室のスタッフは、来秋の開幕に向けて準備を進めている段階です。ゼロからのスタートになりますが、常にチャレンジし、WEリーグを盛り上げていけるように努めて参ります。
 会長の久保が参入決定時に申しておりましたが、多くの市民・県民の皆さまに愛されるように、地元の皆さまとともに『女性の元気を、広島の元気に』を合言葉に、地域に根差した運営を行って参りますので、女子プロチーム、男子プロチームともども、応援いただきますようよろしくお願いいたします。
それでは初代監督の紹介に先駆けて、強化担当の雨野を紹介します。
 雨野について、すでにご存じの方もいらっしゃると思いますが、2005年から2010年まで、サンフレッチェ広島ユースのコーチを務め、その後、ガイナーレ鳥取にてジュニアユース監督、アカデミーダイレクター、強化部を歴任。2019年からは再び、サンフレッチェ広島の強化担当となりました。今後は、女子チーム専任の強化スタッフとして、チーム管理・強化に携わり、チームスタートに向けて準備を進めて参ります。サンフレッチェ広島での経験のみでなく、他クラブの様々なセクションを経験しており、この新しくスタートする女子チームにおいて、適任であると判断し、雨野氏を任命いたしました。
 監督につきましては、この後、雨野よりご紹介いたします」

雨野裕介 強化担当 あいさつ

「皆さま、こんにちは。サンフレッチェ女子チームの強化担当を務めさせていただきます、雨野と申します。私からは、監督のプロフィールと就任の経緯をご説明いたします。
 中村監督は、鳥栖や仙台でプレーしたのちに、2003~2013年まで、仙台でアカデミーのコーチや監督とトップチームのコーチを歴任し、2014年に森保監督の時代にコーチとして広島に来ました。2015年の3度目の優勝や、2017年の降格危機などを経験し、チームが輝かしいときも苦しいときも、監督や選手をサポートしています。また、2018~19年は、城福監督の下、ヘッドコーチとして監督とチームを支えました。長い指導キャリアのなかで、ジュニアユースからトップチームまで、幅広い指導をされてきたことが、監督の就任をお願いした理由です。
 また、10月15日に仙田社長から、広島の哲学を持った方に監督をお願いしたいという話がありました。我々が考えいている広島の哲学とは、理念でもある育成型クラブであるということです。その育成についても、選手を育てるだけでなく、人として育てる人という意味も含みます。それができる人であること条件としてリストアップするなかで、中村監督にお願いしたいと思いました。今までクラブが大切にしてきた目的やゴールに向かって団結し、一体感をもって、犠牲心をもって日々一緒に成長できるグループをつくっていくことができるのは、中村監督ではないかと思っています。
 どのようなチームを作っていくかについては、今現在、編成中です。クラブの想いに賛同してくれる選手が集まったなかで、すりあわせていきます。男子チームのサッカーで培い、積み上げてきた攻守両面で積極的にボールを保持し、ゴールから逆算できるサッカーを目指しながら、女子サッカー特有のひたむきさ、真面目さも加え、感動を共有していきたいと思っています。
まだまだこれからのチームで、0がやっと1になりつつある状況です。皆さまにご協力いただきながら、一緒に進んでいきたいと思います」

中村伸 監督 代表質問

「皆さん、こんにちは。来年WEリーグに参入するサンフレッチェ広島 女子プロチームの監督をさせていただくことになりました中村伸です。クラブから初代監督のオファーをいただき、このクラブの監督をさせていただくことに対して、非常にうれしく思っておりますし、大きな期待も感じています。大きな可能性を信じて取り組んでいきますので、よろしくお願いいたします」
Q)就任会見に臨む今の率直な気持ちはいかがでしょうか。「率直に言わせていただくと、緊張しています」

Q)監督のオファーを受けたのはいつ頃でしょうか。また、そのときはどういったお気持ちでしたか。
「オファーいただいたのは、参入が決まった1週間後くらいです。事務所で話をする機会を設けてもらいました。私自身、女子チームは未知の世界です。言い方があっているのかわかりませんが、『そうきたか!』というのが最初の心境でした。ただ、同時にクラブからは、サンフレッチェ広島がここまでつないできたもの、広島・中国地域とともに築き上げてきたことを女子チームでもやっていく、という話もいただきました。その部分に関しては、昨年までトップチームのコーチを務めるなかで、私自身が共感している部分もたくさんあります。オファーを受けてから返事をするまでの時間、すでにいろんなシミュレーションをし始めている自分もいて、胸が熱くなっているなと気づきました。これはやるべきだと自分のなかでも感じたため、クラブの方にも(オファーを受けるという)返事をさせてもらいました」

Q)具体的にどんな部分をシミュレーションされていたのでしょうか。
「もし自分がやるのであればこういったサッカーがしたい、というイメージを持ちながら、数多くの試合を見させてもらいました。『こういうサッカーをするなら、こういった選手がここにいたら面白いな』『こういう選手がここでプレーしたら、もう少しよくなるのでは』などとすり合わせをしながら、自分のなかでイメージをしているところがありました」

Q)オファーを受けることした、最大の決め手を教えてください。
「このクラブで仕事をさせてもらうなかで、サンフレッチェが積み上げてきたものや、地域の方と手を取り合ってやってきたことは非常に共感でき、自分自身でも強く大事だと思っている部分でもあります。自分もそういったことができるのであれば、輪を広げていきたいという想いが強くなり、オファーを受けることにしました」

Q)女子サッカーのイメージ、印象は?
「数多くの映像を拝見し、現場にも何試合か見に行かせてもらい、今までイメージしていた以上に、女子選手の能力や可能性を感じることができました。今、いろいろなシミュレーションをしているなかで、今後の楽しみがさらに強くなっているところです」

Q)長年の指導歴を通じた、ご自身の信念や理念を教えてください。
「これまでもカテゴリーや男女関係なく、選手としっかり向き合って全力で選手をサポートしてきました。これからもそこは大事にしたいと思っています」

Q)理想とする監督像はありますか。
「今までの話と重複する部分はありますが、選手としっかり向き合いながら、選手個々が成長するような形をとっていきたいと思っています。最後まであきらめずに犠牲心をもって、フォアザチームの精神で戦い抜く、サンフレッチェのスタイルをつなげて、広げていきたいです」

Q)就任時のプレスリリースのコメントで「一体感と躍動感のあるチーム作り」とありましたが、具体的にどのようなアプローチをとっていきたいと思っていらっしゃいますか?
「まずは選手が積極的にトレーニングに取り組める環境を作っていきたいと思っています。そのなかで切磋琢磨することによって、高いレベルの競争や、意識のすり合わせができていくはずです。共感、共有できるところを増やすことにもつながるため、そこをアプローチしていけたらと思います」

Q)選手獲得について、監督も動いていらっしゃいいますか?
中「高いレベルでトレーニングできる選手を中心にリストアップさせてもらい、一緒にやる環境を作っていきたいと思います」

Q)広島という地域で活動するプロチームとして、今後、女子チームをどんな存在にしたいと思っていますか。
「女子サッカーのすそ野を広げて、根付かせていかなければいけません。そのためにはプレーはもちろん、人間性も含めて応援したくなるような姿勢や言動をしっかりと見ていただき、広島、中国地域で女子サッカーの憧れの存在、憧れの星になれるような取り組みをしていきたいと思っています」

Q)いよいよ来年秋から開幕します。1年目の目標をお願いします。
「プロリーグなので、高いところを目指していくことが大前提ですが、まずは目の前の試合に向けて最善の準備をし、全力で挑む意識を浸透させなければいけないと思っています。その積み重ねの先に結果や勝点がついてきます。背伸びするのではなく、半歩ずつしっかりと、確実に位置を高めながら前に進んでいけたら、そういうスタートの年にしなければいけないと考えています」

Q)WEリーグに期待している人も多いと思います。サポーターに向けて、メッセージをお願いします。
「大きな関心は感じています。WEリーグ元年、サンフレッチェ広島女子プロチーム立ち上げの元年でもあります。クラブの歴史を皆さんと一緒につくっていきたいと思っていますし、そう思っていただけるような一体感、躍動感あるサッカーを展開していきたいです。皆さんも一緒に、共感、共有してやっていきましょう!」

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中村伸 監督 質疑応答

Q)映像や実際の現場で選手のプレーを見られたとのことですが、現時点の段階で獲得したい選手や主力として考えたい選手は見つかっていますか?「選手はリストアップし、雨野強化担当にアプローチしてもらっています。そのリストアップした選手が前向きな返事をいただいていることも事実です。イメージしているサッカーに少し近付けているような現状ではあると思います」

Q)女子サッカーの監督就任は初めてで、数多くの映像を見たり現場に行ったとのことですが、そこで感じた男子との一番の違いについて教えてください。また、これから指導する上で意識するポイントはありますでしょうか?
「男子とはやはりフィジカルが違うと感じました。ただ、今まで女子に関わってきていない中でもそういう話は耳にしていましたし、それは想定内。そういうイメージで試合を見ていました。女子の選手を直接見たり、いろんな映像を見る中で、やはり能力が高い選手はいます。もっともっと伸びしろのありそうな選手もいました。ただ、いろんな人と話をする中で、指導をそこまで受けていない環境でここまで来ているという話も耳にします。そういう部分では、女子の指導経験がないところもうまく活用し、女子の世界ではこういうのはなかったけど、男子の世界だったらもっとこうすれば伸びるのではないかというのも織り交ぜていけたらと思っています。もっと成長してくれるのではないかなというイメージは試合を見させてもらいながら感じている部分ではあります」

Q)男子と女子を比べてもコーチングのレベルに差があるので、女子のほうが伸びしろは見られるのでしょうか?
「直接、トレーニングの現場までは見られていないですし、聞いた話だけの段階です。実際に何人かの選手と少し話をさせてもらったら、『年齢に関係なくうまくなりたい』、『もっといろいろ教えてもらいたい』と言う選手が本当に多い。女子選手のエネルギッシュな部分や向上心の強さをそういう部分からも感じることができた。そこはアプローチしてあげたいと思っています」

Q)サンフレッチェ広島のトップチームが築き上げてきた哲学や財産を女子の中にも伝えていきたいとのことですが、中村監督が今まで育ててきた男子のトップチームで哲学を体現している選手、女子チームのモデルになるような選手がいれば教えてください。
「年齢、経験に関係なく、サンフレッチェにいる選手たちはそういう部分を兼ね備えている選手が多かった。長い年月、サンフレッチェ広島でプレーしている選手はよりそういう部分も体現してくれています。新しく入ってきた選手や若い選手にしっかり伝えてくれています。例えて言えば、今では青山敏弘だったり、少し前だと森﨑兄弟だったり、水本裕貴だったり。経験があって、サンフレッチェでしっかり表現してきた選手は、私自身にそれを感じさせて、学ばせてくれた選手たちでもありました。彼らみたいな選手をこれから輩出していければと思っています」

雨野裕介 強化担当 質疑応答

Q)何人ぐらいの選手構成で、前向きな返事をもらっている選手が何人ぐらいいるのでしょうか? また中村監督をサポートするコーチングスタッフの目途は立っていますか?「時系列でお話させていただくと、参入が決定した10月15日の1週間後である22日に中村監督に就任を要請しました。『早く決めてくれ」と言っていたのですが、5日ぐらいかかりました(笑)。最短で決めていただいて、そこからコーチングスタッフの編成を私の方からと中村監督のリクエストで埋め合わせていき、徐々に固まりつつあります。その中でどういうサッカーを中村監督がしていくのか、そのためにはどういう選手が必要なのか、どういう選手がいるのか。そこをグループミーティングの中で編成していきました。映像はなでしこリーグの1部と2部を見るのですが、その中で際立つ選手、ポジション的なもの、年齢的なもの、編成上でいろんな理由があります。そのなかでピックアップしている選手が『そこに行けって言う?』みたいな(笑)、レベルの高い選手にもお声掛けさせてもらっている段階です。12月15日までは既存のクラブ以外の他クラブ交渉ができないルールがあり、16日から解禁でした。ただしクラブ間の合意があれば、15日前から交渉ができるので、水面下で動いているところもあります。内定を貰っている選手がいるのも事実ですが、公表できる段階ではありません」

Q)参入が決まって1週間後には監督に就任要請をしたとのことですが、候補が複数人いたというよりは、中村監督にお願いした形でしょうか?
「私事ですが、7月に参入の申請をする時に社長から『強化担当をやってもらえないか?』という打診がありました。その時点で私が決断した上で最初のミッションが監督を決めることでした。女子の世界は私も知らないので、そこからいろんななでしこリーグの試合を見たり、女子界で監督をされている方や女性の監督、経験豊富な方など、皆さんが候補の一人でした。その中で広島の哲学があり、かつアカデミーの経験が豊富で個別に指導ができる指導者、細かいところにアプローチができる、強くさせることと一人ひとりをうまくさせることができる指導者は誰なのかとなった時には私の中では中村監督しか最終的には出てこなかったというのが事実です」

Q)来年の春にはプレシーズンマッチが始まる予定とのことで、短い期間で組織を作らないといけないと社長も話していました。その短い時間を考えると、内部を知っている方がポイントの一つになったのでしょうか?
「スケジュール感と監督はあまりリンクはしていません。どんな状況でも、どういう環境になったとしても、その環境をポジティブに捉えて取り組んでいただける方が中村監督です。これからも私が無理を言いながら(笑)、やってもらえる方だというのは間違いないです」

久保雅義 WEリーグ準備室長 質疑応答

Q)男子はすでにお客さんが観に来る環境ができているが、女子は1試合で1,000人を集めるのがやっとなのが実情だと思います。女子のチーム作りも大切だと思いますが、お客さんに対して普及していくのも男子と同じように力を注いでいくのでしょうか?「皆さんもご存知のように参画するのは11チームになっています。すると、1チームは必ず試合がない時が出てきます。岡島チェアも『その1チームは普及活動をその日にしてください』と話しています。今の女子サッカーが広島にどれだけ根付いているかというと、まだほとんど根付いていないのではないかというのは、私もひしひしと感じているところです。まず第一に普及活動は大事です。その中で、選手が地元の皆さまに顔と名前がすぐに分かるような状況を作っていかないといけない。選手にファンが付かないと、なかなかお客さんも増えていかない状況だと思います。今はアマチュアチームもありますし、大学や高校の女子チームもありますが、やはり県全体で女子のサッカーを盛り上げていかないといけない。そういうところといろいろ協力をし、女子のサッカーを盛り上げていくことが大事です。WEリーグに参画しているサンフレッチェとしては、やはり目標になるチームにならないといけない。その部分では非常に重責を感じています。中村監督、雨野強化担当とも普及に力を入れていくのは共通認識です。活動はいろいろとやっていきたいと考えています」

Q)チーム名やホームスタジアム、練習場、選手たちがチームとしていつぐらいに揃うのか、スケジュールがあれば教えてください。
「まだ発表できないことも多々ありますし、決まっていないこともあります。今後は体制が決まりましたら、2月以降に合同で記者会見をさせていただこうと思っています。その際にサンフレッチェ広島女子プロチームの呼称も同時に発表させていただくようなスケジュールで動ています。おそらく2月ぐらいには、ある程度の体制が固まってくると思いますので、決まりましたら、また皆さんにご報告させていただき、記者会見を実施しようと思っています」


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