2.19 14:00

明治安田J1 第1節 vs. サガン鳥栖
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
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サガン鳥栖 鳥栖
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前半
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後半
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試合の見どころ

 いよいよ2022シーズンがスタートする。新型コロナウイルスの猛威はいまだ収まらず、その影響によりミヒャエル・スキッべ監督が来日できていない不測の事態となっているが、難しい6週間のプレシーズンをサンフレッチェはチーム一丸となって乗り越えてきた。その中心にいた迫井深也ヘッドコーチは「勝負の世界なので、何を持って乗り越えたかと言うと難しい。ただ、何よりも選手たちが、この難しい状況の中でグラウンド内に集中して、落ち着いて、すべてのことに真摯に向き合ってやってくれたことに感謝している」。困難な状況でもできる限りの準備をしてきた自負はチーム全員にある。
 開幕戦は新たなスタイルを披露する場でもある。監督が不在でも、リモートで密にコミュニケーションを取ってきたスタッフ陣が念入りに戦術を落とし込み、選手もそれを体現。映像を確認したスキッべ監督が「スタッフが良い仕事をしてくれている。今年は新しい要素が組み込まれた。その一つがプレッシングだ。選手も積極的に取り組んでくれたし、その回数も増えた。(今季は)新しいサンフレッチェを見せられるのではないか」と語るなど、新たなスタイルは着実に習得している。“前線からの強度の高い守備”、“ボールを奪ったら縦へ早く”というキャンプからチャレンジし続けた二つのベースを持って、鳥栖との開幕戦に挑むことになる。
 相手は不気味な存在だが、自分たちのスタイルを貫くのみだ。監督が代わっても選手がほとんど入れ替わらなかった広島とは反対に、鳥栖は新たに川井健太監督が就任しただけでなく、選手も大幅にチェンジした。エドゥアルドや樋口雄太ら多くの主力がチームを離れた一方で、徳島のエースだった垣田裕暉やテクニシャン・堀米勇輝、2019年までの7年間所属していた福田晃斗などを新たに補強。「(鳥栖は)正直、分からない部分は多い」と佐々木翔は語るが、「相手もこっちの監督が代わってどういう戦いをするか分からないと思う。開幕戦は自分たちが取り組んでいるサッカーを表現することが大事」と言い切る。情報の少ない相手に多くのパワーを割くよりも、まずは自分たちに目を向け、スタイルを発揮することが今の広島の勝利への大きなポイントだ。
「明日に関しては、開幕戦プラス両チームとも新しい監督の下でスタートするという意味では、お互いがチャレンジする戦いになると思う。その中で勇気を持って一歩を踏み出せるかどうかの戦いになってくる」(迫井深也ヘッドコーチ)。 “新生サンフレッチェ”の船出。まずはチャレンジャー精神で上回り、勝利を掴み取りたいところだ。

監督 試合前日コメント

──いよいよ明日は今季開幕戦だが?
「今はワクワクしている。選手は難しい状況の中、これだけ頑張ってくれて、グラウンドで戦ってくれた。私自身の気持ちで言うと、最後まで(練習で)ピッチに残っている選手が(メンバーに入れない)厳しい状況の中でも最後までファイトしてくれたことが、このクラブのすべてを物語っている。明日はメンバーに入った選手、スタートで選ばれた選手は思い切ってやってもらえたらと思う」

──監督不在での難しい状況のプレシーズンとなったが、乗り越えたという気持ちで明日を迎えられるか?
「勝負の世界なので、何を持って乗り越えたかと言うと難しい。ただ、何よりも選手たちが、この難しい状況の中でグラウンド内に集中して、落ち着いて、すべてのことに真摯に向き合ってやってくれたことに感謝している。その姿勢が可能ならば、結果として表れてほしいのが私の願い。そのためにも明日はギリギリまで準備することがこちらの仕事になる」

──メンバー選考は相当悩んだのでは?
「全選手がサンフレッチェ広島というクラブのフィロソフィーの中にある、フェアでひた向きに、粘り強く最後まで戦ってくれた。その姿勢に私は本当に心を打たれた。本当に難しい作業だが、ここからも続くこと。彼らと全員で最後まで戦うことは変わらない。先ほども全員で集まった時に『明日から始まるけど、全員で最後まで戦おう』という話はした」

──鳥栖は昨季から監督が代わり、選手も大きく入れ替わったが、どういう印象を持っているか?
「鳥栖はこれまでの歴史の中でもハードワークは間違いなくしてくる作業だと思う。そこをベースに新たな監督のエッセンスが入っている。明日に関しては、開幕戦プラス両チームとも新しい監督の下でスタートするという意味では、お互いがチャレンジする戦いになると思う。その中で勇気を持って一歩を踏み出せるかどうかの戦いになってくる。お互いがチャレンジする中で、より一歩を踏み出す勝負になると感じている」

──ミヒャエル・スキッべ監督が3月上旬には入国できそうだが?
「クラブも選手もスタッフも全員が待ち望んでいたことだと思う。ただ、選手、スタッフ一同はまず明日の開幕戦に向けてグラウンド内に集中したい。より良い結果、内容で監督を迎えられたらという気持ちでいる。同時に事実としては、まだ監督は来ていない。事実に向き合うとするならば、我々は明日、今いる選手、スタッフ全員で開幕戦に全力で向かうこと」

試合前情報

photo本日のスターティングイレブンです! 激しいポジション争いを制して1トップに入ったのは鮎川峻選手! 前線からの守備&ゴールでチームに貢献するプレーに注目です! photo 選手がピッチに登場! 川村拓夢選手にとっては、4年ぶりとなるエディオンスタジアム! サンフレッチェ・ファミリーの皆さんに成長した姿を見せてくれるはずです! photoチームバスがスタジアムに到着しました! 2月17日の誕生日に結婚を発表した浅野雄也選手がスタメン! 今季の目標に「2桁得点」を掲げる浅野選手。開幕戦ゴールにも期待が高まります! photoスターティングイレブン発表! 仙波大志選手が、クラブ史上2人目となるルーキーでの開幕スタメンを飾りました! ピッチでの躍動にご期待ください! photo本日はいよいよJ1開幕となるサガン鳥栖戦です! 今季から指揮を執るミヒャエル・スキッべ監督はいまだ来日できておりませんが、迫井深也ヘッドコーチを中心に一つになって練習に励んできました。その成果を発揮して皆さまと勝利の喜びを分かち合うべく戦いますので、熱い後押しをよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・攻撃の時は逆サイドを意識しよう。
・守備は大きく破綻していない。スライドをしっかりすること。
・前半45分は問題ない。90分トータルで勝ち切ろう!

ゲームレポート

 試合前に雪が降り積もる極寒の開幕戦は、堅いゲームとなった。
 前半は我慢の時間が続いた。序盤こそ今季取り組んでいる前線からの強度の高いプレッシングを発動させて相手の自由を奪っていたが、20分を過ぎた頃から押し込まれる展開に終始。前線からプレスを仕掛けようとしても、鳥栖のGKを含めた後方からのビルドアップに何度も剥がされ、自陣に進出されては巧みなコンビネーションプレーからシュートまで持ち込まれてしまう。また、広島がボールを保持したとしても前線との呼吸がなかなか噛み合わず、効果的な攻撃を作り出せない苦しい時間が続いた。それでも守備では相手を無失点に抑えて0-0で前半は終了。アディショナルタイムにCKから野上結貴がヘディングシュートを放ったのが前半唯一の決定機だった。
「ボールを持たれているけど、守備は大きく破綻していない。90分トータルで勝ち切ろう!」
 迫井深也ヘッドコーチの指示を受けて臨んだ後半、次第に攻撃の時間を増やしていった広島はより勢いを付けるべく、早々に動いた。56分、浅野雄也と藤井智也を下げてベテラン・柴﨑晃誠と特別指定の大学生プレーヤー・中野就斗を同時投入。経験豊富な柴﨑の落ち着きと推進力のある中野の若い力を加えて勝利を目指した。
 そして次第に前線からの守備が機能し始めると、相手のビルドアップミスを立て続けに誘発。70分には相手GKが攻め上がっていた隙を突いて塩谷司がミドルシュートを放つも枠を外れ、74分には途中出場のジュニオール・サントスサントスも決定機を迎えるが、ゴールを仕留めることができなかった。80分以降はよりボールをつないで相手を押し込む展開となり、後半アディショナルタイムには野上が左足で決定的なシュートを放つも、今度はゴールバー直撃。後半に盛り返した広島だったが、開幕戦はスコアレスドローに終わった。
 ミヒャエル・スキッべ監督がいまだ来日できていない難しい舵取りの中で指揮を執った迫井ヘッドコーチは、「ベンチワークもそうだが、すべてのスタッフと選手がすごく協力してくれた。難しい状況だったと思うが、うまくみんなでコントロールできたと思っている」とコメント。良い時間も悪い時間もあった中、チーム一つになって最低限の結果をつかんだ。

監督 試合後コメント

「試合の序盤に関しては、我々の目指しているプレッシングで相手にプレッシャーをかけていけたと思うが、時間が経つにつれて、プレッシャーをかけにいったところで相手のセンターFWに長いボールを入れられるようになった。そこから少しずつボールへのプレッシャーにいけなくなったと思っている。ただ、よくゲームをコントロールしながら勝点1を取ったと思う」

──試合前に雪が降ったことでピッチにも影響はあったと思うが、天候の影響は?
「本来ならば、鳥栖も下からボールを丁寧につないでくるチームだと思っていた。我々も相手に対してよりプレッシャーをかけられる展開に持っていけると思ったが、天候の影響もあり、相手も最初は高い位置を取ってこなくて、長いボールが多かったと感じている。天候も踏まえてサッカーだが、相手がもう少し下から丁寧につないできていたら、我々の目指していることの回数が増えたと思う」

──前半の途中からプレッシャーに行けなくなったとのことだが、ピッチ内でのコントロールなのか、ベンチからの指示なのか。
「ピッチ内のコントロールは間違いなくあったと思う。プレッシャーに行った中で垣田選手に長いボールを入れられて、収められる回数やセカンドボールの回数が増えてきた部分があった。どうしても前と後ろが広がってきたところがあって、思った以上にプレッシャーがかからない部分があった。選手内で『コントロールしよう』という声はかかっていたと思う」

──後半の選手交代の意図は?
「ボールを奪った後にもう少しボールを収めたいと思ったのが一つ。また、サイドで主導権を握りたいというのがあったので、収めながらサイドで相手を高い位置で押し込んでいくことをやっていけたらと思って交代した」

──サイドで相手を押し込む回数が少なかったか?
「相手のコンパクトなディフェンスが間違いなくあった。我々としては同時に考え方があり、サイドでボールを回してもなかなか高い位置が取れない中で、相手のボランチの脇でどうにかボールを受けながら怖がらずに前に進んで行こうという話をしていた。少しスペースがあったが、なかなかそこでボールが収まる機会がなかった。シャドーのところでボールを受けながらと同時に相手のCBがプレッシャーをかけてくるので、スペースが空くのも見えていた。そこも踏まえて、中からボールを受けに行くのと、サイドで高く進んで相手を押し込んで行けたらと思っていた」

──キャンプでの成果を発揮できたか?
「今日に関しては開幕戦だということが一つある。もちろん選手の中ではもっともっとチャレンジしたい部分はあったと思うが、開幕戦ということでまずは慎重に戦うということがあったと思う。他の会場のスコアを見ても堅い試合が多かったと思うが、そこはバランスを取りながらと同時に今日のミーティングでも話したが、すべてが行けるわけではない。90分を通して良い時も悪い時もあるので、『そこをゲームコントロールしていこう』と話していた。ピッチ内で感じる空気が一番正しいと思っている。そういった意味では、逆にうまくゲームコントロールできたゲームだと感じている」

──迫井ヘッドコーチにとっては初采配となったが、振り返って。
「ベンチワークもそうだが、すべてのスタッフと選手がすごく協力してくれた。難しい状況だったと思うが、うまくみんなでコントロールできたと思っている」

──次はルヴァンカップで連戦が続くが、どのように戦っていくか?
「今日も全員に話したが、『相手に目を向けるのではなく、まずは自分たちに目を向けてサッカーをしていこう』と。我々はまだどんどんチャレンジしていく部分があると思っているので、自分たちに目を向けてここからも続けていきたい。先ほども選手と話してきたが、『もう2テンポぐらい相手に早くプレッシャーをかけられるタイミングもあった』と確認した。そこをもう少しお互いで共有しながら、やっていく作業ができたらと思っている」

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