2.26 15:00

明治安田J1 第2節 vs. 北海道コンサドーレ札幌
AWAY札幌ドーム

試合終了

北海道コンサドーレ札幌 札幌
1
1
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半11分
    興梠慎三
1
前半
0
0
後半
1
  • 後半9分
    森島

試合の見どころ

 ルヴァンカップの成果を継続することが重要だ。23日に敵地で戦ったグループステージ初戦の徳島戦、紫軍団はまさに今季目指す戦いを体現した。
「前へ! 前へ! 前へ!」
 試合前、迫井深也ヘッドコーチからそう強い活を入れられて臨んだ選手たちは、序盤から強度の高い前線でのプレスとコンパクトな陣形を保ち続けて徳島を圧倒。攻守で主導権を握り続けるスタイルは今季取り組んでいる戦い方であり、チームの目指す道だ。19日のJ1開幕戦では、そのプレスがハマらず引いて守備ブロックを形成する時間帯が多くなってのドロー発進だっただけに、徳島戦は一つの成果を得たことになる。鳥栖戦からは先発メンバー9人が入れ替わっていたが、「全員で同じ戦い方ができるように」(迫井コーチ)キャンプから練習に励んできた。中2日でやってくる今節・札幌戦もどんな顔ぶれで臨もうが、徳島戦の戦いをぶつけるのみだ。
 広島のハイプレスを試すにはうってつけの相手だろう。就任5年目を迎えたペトロヴィッチ監督が率いる札幌は、まさに熟練された攻撃的なチーム。名将の教えが浸透していることはもちろんだが、昨季の主力で移籍したのはチャナティップぐらいで、その他は残留した。また、浦和から指揮官の教え子でもあった興梠慎三を獲得してセンターFWの核に据え、さらに昨季まで名古屋に在籍していたテクニシャンのガブリエル・シャビエルを補強。興梠、シャビエル、そして伸び盛りのアタッカー・小柏剛が組む1トップ2シャドーは強烈であり、敵としてはかなり厄介だ。個で突破できる両サイドの金子拓郎、ルーカス・フェルナンデスも含めて、彼らを自陣で自由にプレーさせないために今節の広島のプレッシングは一つのカギとなる。
「シュートを決めた選手は評価されるべきだが、私自身は攻撃の1点と守備でプレッシングをかけるのは同じ価値だと思っている。同じようにプレッシングをかけた選手、後ろでカバーしている選手、バランスを取った選手もすべて同じ価値だと伝えている」(迫井コーチ)。まさに“全員攻撃”、“全員守備”の価値観でスタイルを追求している今季の広島。徳島戦に続き、札幌戦でもその戦いで結果を得られれば、より大きな自信となる。リーグ初勝利へ。紫軍団はチーム全員の力でぶつかっていく。

監督 試合前日コメント

──札幌戦は直近の試合から中2日だが?
「選手にとってはゲームがあることが一番。開幕からのルヴァンカップで我々の目指すべきところがワンランク上がった。また次でワンランク上げられればと思っている。そういった意味でゲームがあるのは良いこと」

──メンバー選考について。
「監督が来日できない中でずっと言ってきたのは、とにかく全員で戦うということ。そう伝え続けてきた。昨季から監督が代わるということは目線が変わり、見る目が変わる。そこは競争が生まれる。開幕戦のメンバーが悪かったわけではなく、ルヴァンカップがすごく良かったわけでもない。単純に次の札幌戦に向けて、90分で勝つための最大値をどう出せるかを考えた結果。最後に選手に話してきたが、(メンバーに入れなかった)他の選手もプロフェッショナルとして最高の準備をし続けるしかない。チャンスを掴み取るため。それをみんながしてきたから、今がある。ここからの準備がまた次の試合に繋がっていく。(札幌戦のメンバーは)難しい決断ではあったが、出る選手はやってくれると思うし、そこに入れなかった選手は最高の準備をしてくれると思う」

──札幌戦は公式戦で2引き分けスタートだが?
「相手の対策を考えられる余裕が私にあればいいが、正直、今は自分たちのブラッシュアップの連続ばかり。もちろんサッカーは相手あってのスポーツではあるが、『もっと自分たちがやれることがあるだろう』、『もっとみんなが輝ける方法があるのではないか』というのをやっている段階。札幌の試合は見ているが、2引き分けというのも、そうだったなと(笑)」

──明日もこれまでやってきたことを出していく。
「開幕戦で基準ができたし、ルヴァンカップで基準ができた。私としては基準が上がってきていると思っている。また全員でその基準をどんどん上げていくことが一番大事。全員がその基準を満たしながら、みんなが特長を生かして、みんなが良い部分を出しながらゲームに臨んでいきたい」

──基準とはルヴァンカップで見せた形か?
「それも一つ。開幕戦でなかなか前から行けなかったのも一つ。ただ、前から奪うとか、前でサッカーをするという部分で、徳島戦は分かりやすい、目に見える形として良かった。同時にそれをやるために、他の選手たちがみんなの目が行き届かない場所にもこだわってやってくれていた。そこはみんなと頭を揃えることができた。それがあって初めて、前線からのプレッシャーができるということをみんなで頭を揃えることができた」

試合前情報

photo 本日のスターティングイレブンです!前節・鳥栖戦から先発3人が入れ替わりました。今日もチームの総合力で勝利を目指します! photo 昨季終盤の手術を乗り越え、先発復帰となった森島司選手。攻撃の起点として期待が懸かります! photo 選手を乗せたバスがスタジアムに到着しました。ここから気持ちをより高めていきます! photo 「札幌ドーム」のロッカールームです。野津田岳人選手は今季リーグ戦初先発となりました! photo 本日はアウェイ・北海道コンサドーレ札幌戦!相手は名将・ペトロヴィッチ監督率いる強豪です。攻撃力の高いチームに対し、アグレッシブな守備をベースに戦っていきますので、後押しをよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・前からの守備を続けていくこと。
・焦れずに攻撃していこう。
・最初からやり切ること。

ゲームレポート

今季リーグ戦初勝利を目指して札幌に乗り込んだ一戦は、激しい激闘となった。
「消耗戦だった」。試合後にそう森島司が漏らした言葉が、この試合を物語っていた。序盤から前線からのハードプレスで札幌に襲い掛かった広島だったが、「ボールを奪った後に相手陣地へ押し込むという意味ではボールを失うのが早過ぎた」(迫井深也ヘッドコーチ)。早い段階から札幌のスピーディーなカウンターを受ける場面が何度も続出し、立て続けにピンチを招く。すると11分だった。自陣ゴール前の福森晃斗のシュートに対し藤井智也がシュートブロックに入ったものの、そのこぼれ球が中央へ流れ、興梠慎三に決められて失点。早い段階でリードを許す展開となってしまった。
 その後もリズムに乗れない広島は、なかなかシュートまで持ち込めずに札幌の攻撃を受ける時間が続いたが、試合の潮目が変わり始めたのは30分過ぎからだった。相手陣地へ攻め入る時間が徐々に増えていくと、チャンスも出てきた。柏好文と藤井の両サイドの突破を中心に相手ゴールへ迫ると、41分には森島のシュートがクロスバーに直撃するビッグチャンスも創出。試合の主導権を奪い返した中で前半を終えた。
 サンフレッチェの流れは、後半開始からも続いた。「焦れずに攻撃すること」。迫井ヘッドコーチのハーフタイムの指示どおり、相手を押し込みながら得点機会をうかがっていた広島は、ついに札幌ゴールをこじ開けることに成功した。塩谷司の縦パスを右サイド寄りで受けた森島司が中央へ切れ込んでいくと、「狙っていた」と左足で相手DFの股を通すシュートを突き刺して同点。早い段階で試合を振り出しに戻した。
 そして、ここからはより激しい“打ち合い”となった。互いに決勝点を奪いに行く中で、カウンターの応酬となり、ゴール前の攻防が続出。同点後、再び息を吹き返した札幌にチャンスを作られる回数は多くなったが、広島も最終ラインの3枚を中心に最後の場面では体を張って凌ぎ続ける。また、ボールを奪った後も素早い攻めで相手ゴールへ攻める姿勢は持ち続けたが、精度を欠いてあと一歩及ばず。互いに攻守の入れ替わりが激しい見応え十分の激戦は、1-1のドローに終わった。
「最初の失点はなかなかうまく入り切れなかった中での失点だったので残念だが、よくそこから盛り返しながら同点に追い付いたと思う。ただ、もう一歩というところで勝ち切りたかったのが正直な気持ち」(迫井コーチ)。勝つチャンスはあっただけに、悔しさの残るゲームとなった。

監督 試合後コメント

「大雪が残る中で160名のサンフレッチェファミリーの方々に来ていただいた。一緒に喜びを分かち合えれば良かったが、もう一歩のところで勝ち切れなかった。最初の失点はなかなかうまく入り切れなかった中での失点だったので残念だが、よくそこから盛り返しながら同点に追い付いたと思う。ただ、もう一歩というところで勝ち切りたかったのが正直な気持ち」

──失点はしたが、試合開始から攻守でチャレンジする姿勢が見られた。前節・鳥栖戦からの成長は?
「前節・鳥栖戦は相手とのミスマッチもあり後ろで重たくなってしまった。我々としてはどう相手陣地へ押し込みながらサッカーをするか。皆さんは守備のプレスを我々はチャレンジしていると思っていると思うが、同時に攻撃でも相手陣地へ押し込む形を狙っている。守備面では『プレッシングを最初からやっていこう』、『相手にプレッシャーをかけていこう』、『精神的にもプレッシャーをかけていこう』という意味では、トライできた部分はあった。ただ、ボールを奪った後に相手陣地へ押し込むという意味ではボールを失うのが早過ぎたと感じている」

──永井龍選手とともに昨年の手術から復帰した森島司選手を中2日で使った意図は? また、ボランチで素晴らしいプレーを見せた塩谷司選手について。
「ルヴァンカップで好調なプレーをしてくれたこと。その流れをそのままリーグ戦に持っていきたかったのが一つ。また、札幌に対して、彼らのプレーの特長がより生きてくるのではないかと。それと同時に90分を通してどう勝ち切るかを考えた時に彼らでスタートして戦えたらと思った。
 塩谷については、最初はミスマッチを作られたところで対応に苦しんでいたが、彼特有の球際や体の強さを生かしながら、展開力も有効に使いながら、ゲームをコントロールしてくれたと思う」

──森島選手の特長であるゴールや間に入る部分について。
「最初はボールを貰う場所で苦しんでいた感じはあったが、時間が経つにつれて他の選手が背後を取ってくれたことによって間が開いてきたのはある。その間のポジションでどんどん受けられるようになってチャンスが増えてきたと思う」

試合情報をシェア!

x