川辺駿選手 グラスホッパー移籍合意会見を行いました!

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本日、広島市内にて、グラスホッパー・クラブ・チューリッヒ(スイス・スーパーリーグ)に移籍することになった川辺駿選手の会見が行われました。

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「スイスのグラスホッパー・クラブ・チューリッヒに移籍することになりました、川辺駿です。今日はお忙しいなか、お集まりいただき、ありがとうございます。広島で育ち、アカデミーで成長させてもらい、このサンフレッチェ広島でプロになれたことを、本当に感謝申し上げます。スイスでの活躍が、広島にも届くように頑張ります。今日は、よろしくお願いいたします」

Q)改めて移籍が決まり、今の気持ちは?
「年齢的にもラストチャンスで、とてもいいチャレンジができると思っています。自分が今までやってきたこと、広島で成長させてもらったことを存分に発揮できる機会だと思うので、どこまでできるか楽しみです。スイスに行きますが、上には上のチームがたくさんあります。そういったところを目指しながらも、今年、日本代表に選ばれてW杯に出場するという目標もできたので、1日1日を大事にし、スイスに行っても成長できるように頑張ります」

Q)海外移籍への思いはいつ頃から?
「小さい頃からW杯やチャンピオンズリーグなどを見て、自分も大きな舞台に立ちたいと思っていました。年代別の日本代表で海外の選手とたくさん対戦したように、日本代表の対戦相手も、やはり海外の選手になります。そういった意味では、海外の選手との対戦を経験すればするほど、大舞台で活躍しやすいはずです。今はまだスタートラインですが、小さい頃からの夢、そして目標としていたことをかなえられてうれしいです」

Q)移籍の話を初めて聞いたのはいつ?
「一番最初に聞いたのは、代表から帰ってきて、柏戦の試合後だったと思います。代理人の方から電話をいただき、『オファーが来ている』と聞いたときは、素直にうれしかったです。ただ、広島でタイトルも獲れていないし、自分は8番をつけている。考える時間が何日かあったので、いろいろ悩みました。ただ、年齢的にはラストチャンスですし、日本代表に入って、海外組の選手からいろいろと刺激を受けていたこともあり、やはり行かなければいけないと感じました。スイスに行って成長することが広島にとってもいいことだと思い、決断しました」

Q)スイス・スーパーリーグのイメージは?
「ヤングボーイズやバーゼルという有名なチームがあります。リーグで1位になればチャンピオンズリーグの予選、2、3位になればヨーロッパリーグの予選と、大きな舞台が待っていて、自分次第、チームの結果次第では、夢に近づくことができる、これ以上ないリーグだと思います。欧州の5大リーグに行くことが1つの目標なので、まずはグラスホッパーでしっかりと活躍して、その活躍を認めてもらってステップアップしたいです。もちろんグラスホッパーでチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグに出ることができれば、素晴らしい。常にチャレンジすることと、今のチームの環境で結果を出すことが重要だと思っています」

Q)スイスでは、どういった持ち味を発揮していきたい?
「広島でやっていることが評価されてオファーをもらったと思っています。今までと変わらず、昨日のようなプレーをしていきたいですし、よりシビアにゴールやアシストという結果が求められると思うので、そういう部分でもチームに貢献したいです。日本と海外ではまったく別のサッカーで、自分に足りないものがヨーロッパにあると思っています。それを自分でつかみとりたいですし、日本代表に選ばれ続けるためにも成長し続けなければいけません。成長すればするほど、日本代表に定着し、W杯が近づくと思うので、1日1日、成長することに目を向けて頑張りたいです」

Q)スーパーリーグの開幕は7月25日。そこまでにどういった準備をしたい?
「まずはできるだけ早くチームになじむこと。自分がどういうプレーヤーなのか、日本よりも全然、知られていないため、1からのアピールです。練習試合もあると思うので、そこでアピールしたいと思っています。開幕戦では強いチームと当たるので、そこでアピールできれば一気にチャンスが広がってくる。ただ、日本で半年、スイスで1シーズン通しでのプレーとなり、1年半のシーズンになるので、ケガには気を付けたいです」

Q)語学の準備は?
「少しずつしてはいました。まだまだですが、(現地に)行って、いろいろコミュニケーションがとれればいいと思っています。みんなと話すのが一番の勉強になると思うので、最初は難しい部分がありますが、徐々に慣れていきたいです」

Q)昨日の試合は、エディオンスタジアムでのラストゲームでした。広島でのプレーを改めて振り返っていかがですか。
「小さい頃から試合を見に行っていたスタジアムでした。自分が8番をつけてプレーし、ゴールを決めたりするのは、不思議な感覚があります。それを広島というチームでできたことが何よりうれしいですし、広島がどれだけいいチームかということは、ジュニアユース、ユースのときからずっと感じていました。このチームでタイトルを獲れなかったことは心残りですが、スイスでもまれてこちらに帰ってきたとき、その目標を達成できればと思います。広島は若い選手、自分と年が近い選手も多く、これからのチームです。ヨーロッパでも広島の結果や試合は常にチェックします。これから上の順位に行ってくれることを心から応援しています」

Q)昨日のセレモニーでは、磐田と広島、2つのクラブについてふれてましたが、改めて川辺選手にとってこの2チームの存在とは?
「どちらも自分にとっては重要なチームです。磐田に関しては3年間。キャリアからすると短い期間ですが、それでも一番重要な期間だったと思っています。名波さんをはじめ、たくさんの人に成長させてもらったので、引退するまでこの気持ちはずっと忘れません。こうやってヨーロッパに行くことができたのも、磐田で成長させてもらったからこそ。磐田と、もちろん広島にも本当に感謝しています。広島に帰ってきてから苦しい時間もありましたが、磐田で得た自信や確信が、広島に帰ってきてから活躍できた要因だと思っています。2つのクラブには、引退するまで、自分がサッカーを辞めるまで、感謝し続けないといけないです」

Q)チームメイトからどんな言葉をかけられましたか?
「チームに伝えてからは1週間くらいあったので、いろんな人に声をかけてもらいました。難しいシーズンの途中で離れることは非常に申し訳ないと思っていますが、監督からは『とても痛いけど駿ならできる』と言ってもらえました。いろんな人の気持ちを背負って、より一層、ヨーロッパで活躍したいという想いでいます」

Q)川辺選手からチームメイトに伝えたいことは?
「広島というチームで、このメンバーでプレーできたことを、とても誇りに思っています。だからこそ、優勝争いをしたかったですし、選手、チームスタッフを考えれば、上位を争ってもおかしくない。それができず悔いが残りますが、残りの半年でもっと上の順位狙えると思いますし、少しでも上の順位に行ってほしいです。自分と同じ年くらいの(浅野)雄也やモリシ(森島)、今津たちに活躍してもらって、これからも広島を背負ってもらいたいと思います」

Q)ファミリーの方に贈りたい言葉は?
「サンフレッチェファミリーの皆さんに、ここまで成長させてもらいました。それをヨーロッパでも発揮したいですし、新スタジアムでは自分の成長した姿を見せたいです。そこでまたお会いできることを楽しみにしています」

Q)今後の目標を教えてください。
「ヨーロッパで活躍すれば、上のステップに行けると思っています。まずはチームで自分のプレーを精一杯、発揮したいです。近い目標としては、チームで活躍してチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグという世界の大きな舞台でプレーすることです。それができれば日本代表にも継続して選ばれ、W杯も近づけると思っています。そういった部分を目標にしてプレーしたいです」

Q)トータルでは順風満帆なサッカー人生のように見えるかもしれませんが、苦しいときもあったと思います。2014年、天皇杯のG大阪戦で涙したとき、2018年にサイドハーフでポジションを奪えなかった時間が、今の自分にどういった影響を与えていると思いますか。
「挫折や苦しい思いもしました。高校3年のときにプロに昇格した頃は、チームが優勝を争ったり、実際に優勝していたりしていたこともあり、レベルの高さを感じていました。今も変わらず、あのときが一番、練習が難しかったです。レベルの高い環境に行ったことでなかなか自分のプレーができませんでした。ただ、そこでもがいたことが磐田での活躍につながったと思います。広島に帰ってきてサイドハーフでプレーしていましたが、ずっとサイドハーフでプレーすることはないだろうと感じていました。日本代表に入るためには、ボランチだったり、真ん中のゾーンでプレーしないといけないと感じていたので、サイドハーフにいながらも、中でプレーすることのイメージは常にもっていました。いつもそこは意識していて、あのときの自分は違うポジションでしたが、そのときのボランチの選手のプレーを参考にしながら、少しでも吸収したいと思っていたんです。そういった部分が、今の自分のプレーにつながっていると思います」

Q)ヨーロッパでの生活をどのように考えていますか? パートナーは?
「スイスのチューリッヒというところは、誰もが知っているような場所。ヨーロッパに行く入口として、そういったところに行けることはうれしいです。もともとシーズンオフにヨーロッパ旅行に行っていましたが、少しでも観光できればと思っています。サッカーではうまくいくときやいかないとき、ストレスがたまることもあると思います。そういった苦しさや、食事の部分、ヨーロッパでの楽しさなども含めて、共有してもらえる相手がいればいいですが、まだその予定はないので、1人で楽しみたいと思います(笑)」

Q)8番を背負ったことによる自分の想いは?
「8番をつける前は、あまり番号にこだわりはありませんでした。8番をつけてほしいと言われたときも、『自分でいいのかな』『自分で大丈夫かな』と思っていたのですが、番号がこれだけ自分を成長させてくれるんだと、改めて感じています。広島の8番は、偉大なる選手たちがつけてきた番号。そういった選手たちを引き継ぐ意味でも、自分が責任あるプレーをしないといけない。その意識が自分を成長させてくれたと思っています。今までのキャリアを見ても、8番を背負った期間が、一番成長した期間だと思っています」

Q)このたびの代表での活躍が、移籍にあたってのターニングポイントになったのでは。
「広島でも手応えをつかんでいましたが、日本代表は1つの目標であり、そこで活躍するためにずっと準備をしてきました。そのなかで今回の代表では、対戦相手のこともありますが、自分をアピールできたと思っています。日本代表での活躍を見てもらい、ヨーロッパへの道が拓けたと思うので、選んでくれた森保監督にも感謝しなければいけません。今までやってきたことは間違っていなかった。そこを評価してもらえたことはうれしいです。日本代表に行ったからこそ、自分の足りないところも見えたので、そこをヨーロッパで成長させなければいけないと思っています。次に日本代表に選ばれたときには、成長した姿を練習やプレーから見せていきたいです」

Q)W杯への思いは強くなったのでは?
「今回、初めてというくらい、最終予選の組み合わせを気にしていました。それまであまり意識していませんでしたが、自分も最終予選を戦うかもしれない、という想いを初めて背負いました。この気持ちを大切にしたいです。最終予選は本当にピリピリした戦いが続くと聞いたので、少しでも日本のために、チームの力になれるように頑張りたいです。次は9月に代表の試合があるので、この2ヶ月でヨーロッパで成長した姿を少しでも出せるように、まずはチームで活躍し、代表に選ばれて最終予選に出場して、W杯を目標に頑張りたいです」

Q)森﨑和幸さんと青山選手は、加入したときから大きな壁だったと思います。2人はどんな存在でしたか?
「Jリーグのなかでも、今までの広島のなかでも、一番うまくて一番いいコンビで、いい選手たちだと改めて思っています。それを1年目から肌で感じられたことはよかったです。常にカズさんのプレーを真似したり、アオさんのプレーを真似したことが、今の自分につながっています。その両方を見て真似できたからこそ、2人のプレーを少しずつできるようになりました。2人のレベルまでいっているかはわかりませんが、2人を合わせたようなプレーを少しでもできるようになったのは、カズさんとアオさんのおかげです。2人が行かなかったヨーロッパで、自分が活躍すれば喜んでもらえると思っていますし、8番を背負って、6番の隣でプレーすることは、自分のなかでも素晴らしい経験になりました」

Q)ヨーロッパに持っていきたい自分のストロングポイント、そして足りないと感じている部分の両方を教えてください。
「自分のよさは、攻守両面でプレーできることだと思っています。自分がゴール前に上がった場面で、アシストしたり、ゴールに絡めること。そういった部分をこれからも出していきたいです。ヨーロッパで成長させないといけないのは、守備の強度。Jリーグと違ってインテンシティの高い試合が続くと思うので、プレーのクオリティやフィジカルの重要さを感じると思っています。まずはフィジカル面を向こうのレベルにあわせていかなければいけません。それが上がってくれば、より守備の部分でも1人で奪う力だったり、奪った後に出ていく力が磨かれると思うのので、意識して取り組んでいきたいです」

Q)名波さんからは何かメッセージをもらいましたか。
「ちょうど名波さんが松本山雅の監督に就任するタイミングだったので、忙しいだろうと思い、まだ連絡できていません。名波さんに成長させてもらって、日本代表にまでなれたと思っていますので、名波さんを目標に、日本代表でも活躍していきたいです。人間としても、サッカー選手としても、いろんな部分で成長させてもらいました。ヨーロッパで活躍すれば名波さんもうれしく思ってくれると思いますし、今まで出会ってきた監督や、育ててきてもらったコーチの方には感謝しないといけません」

Q)子どもたちが夢を実現するためのアドバイスをお願いします。
「小さな子どもたち、アカデミーの選手たちは、身近なお手本となる存在である、サンフレッチェのプロの選手を見て育ちます。そういった意味では、短い時間でしたが、僕のサンフレッチェでのプレーを少しでも見てもらえたと思いますし、ここからヨーロッパに行って、チャンピオンズリーグに出場したり、日本代表でも活躍することで、アカデミーや、今年できたレジーナの選手、広島の若い選手にとっても、夢やお手本になるはずです。そんな選手になれるように、まず自分が活躍したいです。
 自分もこれまで、近くにいる選手だったり、日本代表でもお手本となる選手から、なんでも吸収しようとしてきました。ミスが起こるスポーツですし、自分も何回もミスしてきましたが、次にうまくいくように練習を繰り返してきました。それは小学校から今も、まったく変わっていません。失敗と成功を繰り返すことで自信になっていくものだと思いますし、自信が得られれば、よりプロサッカー選手の道が拓けます。自分ももっと、それを繰り返して上を目指したいです」

Q)広島の選手として海外でプレーすることで意識することは?
「自分が活躍すればするほど、サンフレッチェというチームや広島の街が注目されると思っています。歴史的な被爆都市で、全世界から注目される要素はたくさん詰まってる街です。ヨーロッパの方に平和祈念資料館に来てもらったりして、広島のことを感じてもらえれば、それだけでもサッカーをやっている価値があります。自分が活躍して、広島のことをもっと知ってもらいたいですし、自分自身も広めていきたいです」

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