第33節 vs. ベガルタ仙台
HOME広島ビッグアーチ

皆さんが見たとおり、厳しい試合だった。試合前に神戸の勝利が決まり、仙台は（Ｊ１残留のために）どうしても勝ち点がとりたい状況になった。

今日は両チームにとって互角な試合ができたと思う。我々は立ち上がりから我慢をして、攻撃を仕掛けて多くの時間でボールを支配しながら試合を進めた。チャンスをたくさんつくったが、決められない時間が長く続いた。選手たちからは今日の試合にどうしても勝ちたい、という気持ちが出ていたと思う。今シーズンのホームゲーム最終戦で、ファンに勝利をプレゼントしたいと思っていた。彼らのその強い気持ちが、最後のゴールにつながったのだろう。

今シーズン、ＡＣＬでは際どいところで予選敗退となり、ナビスコカップではほぼカップを手中に収めながら手からすり抜けてしまった。リーグ戦でも最後までＡＣＬ出場圏内を争うことができた。残念ながら目標は達成できなかったが、ケガ人が多くいる中で全力で戦ってくれたと思う。彼らの頑張りは見に来てくれた人たちに喜びと感動を与えたのではないか。

サンフレッチェは素晴らしいチームだと思う。攻撃的なサッカーで見ているたくさんの人を魅了することができる。日本の中でも注目集める存在になったのではないか。彼らを率いていることを誇りに思う。

大崎はここのところ、トレーニングでも素晴らしいパフォーマンスを見せていた。今日もスタートから使おうかと思っていたくらいだ。彼はクラブの将来を担う選手になるだろう。あの場面では、彼の力が発揮できると思い、投入した。頭で入れたのか肩に当たったのか分からないが、ゴールを決めたことでよしとしよう。１９歳の若者が最後の最後でチームに勝利をもたらした。喜びを与えることができたのは素晴らしい。

下田がクラブを離れることを悲しく思う。昨日の試合前のミーティングで、私が３５年間サッカー界で働いてきた中でも、下田ほど素晴らしい選手は稀にしか見たことがないと話した。ＧＫとして素晴らしいのは誰もが知っているが、彼は人間性も素晴らしい。みんなの見本となる人間性を持ったスポーツ選手だと思う。若い選手たちは彼から多くのことを学んでくれたのではないか。しかし、サッカーはハードな仕事でもある。どの選手もいつかそのキャリアを終える。サンフレッチェは素晴らしい選手を必要としている。どんな形になるか分からないが、彼に扉は開かれている。下田とともに仕事ができたことを誇りに思う。私も彼から学んだことはたくさんある。