8.3 19:00

明治安田J1 第21節 vs. 北海道コンサドーレ札幌
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
0
北海道コンサドーレ札幌 札幌
  • 後半4分
    稲垣
0
前半
0
1
後半
0

試合の見どころ

「ピースマッチとして主催できるチームは世界で一つしかないと思っている。その都市のホームチームとして、しっかり発信できるような魂のこもった試合をしたい」(城福監督)。 
 広島から世界へ“平和”を発信するピースマッチが昨年に続いて今年も開催されることになった。相手はサンフレッチェにもお馴染みのペトロヴィッチ監督が指揮を執る北海道コンサドーレ札幌。名将が率いる難敵との対戦だが、サンフレッチェは前節の勝利の勢いを持って戦いへ挑む。
 良い流れで臨める一戦だ。7月31日(水)、ホームに2連覇中の王者・川崎Fを迎えたサンフレッチェは、「75分まではパーフェクトなゲーム」(城福監督)を見せて3-2で勝利。開始早々にCKから佐々木翔が先制点を奪った後は、今季取り組んでいるGKを含めた最終ラインからのビルドアップで川崎Fのハイプレスを巧みにいなして主導権を握り、チャンスを作り出して52分までに3-0とリードを広げた。
 75分以降は相手の反撃にあい、2点を返されて最後はドタバタした部分は反省材料だが、前々節・松本山雅戦ではアディショナルタイムに同点ゴールを奪われて勝点1に終わったことを考えると、川崎F戦ではリードを最後まで守り切ったことは成長の証だ。まして相手は、サンフレッチェ戦前まで15試合連続無敗(10勝5分)という圧巻の成績を残していただけでなく、今季はわずか1敗しかしていなかったチームだ。その王者相手に75分までは今季志向するポゼッションスタイルを遺憾なく発揮する成功体験をつかみ、勝利したことはチームにとって大きな自信となったのは間違いない。
 その中で迎える今節の札幌戦。大きな敵はやはりコンディションだろう。2週間の準備期間を経て万全の状態で臨んでくる相手に対して、サンフレッチェは中2日。ただでさえ試合感覚が短い上に川崎Fとの激闘の影響もある。さらに日本列島を襲っている猛暑の影響で体の状態は決して良好とは言えない「ギリギリの状態」(城福監督)だ。札幌戦に向けては全体でトレーニングに励むというよりは、コンディションを整えることで精一杯であり、その中で状態の良い選手を城福監督は先発のピッチに送り出すことになる。
 決して簡単なシチュエーションではないが、だからこそ、サンフレッチェはこれまで築き上げてきたスタイルを発揮できるかが重要だ。時間的にも札幌戦に向けて特別なことはできない。であるならば、川崎F戦で見せた今季志向する“サンフレッチェスタイル”をぶつけるのみ。
 前節の勢いと自信を持って札幌撃破を目指したいところだ。

監督 試合前日コメント

(中2日での連戦だが)暑さは両方なので何とも思わない。選手の疲労は結果によって違うというのをあらためて思わされた。やはり川崎F戦が悔しい結果に終わっていたら、おそらく疲労回復はだいぶ違うと思う。人間はやはり気持ちでいろんなものが機能するだなというぐらい。反省はするんだけども勝点3で終われたことが最大の回復要因だと思う。明日は中2日なので万全かと言うとそうではないが、あと24時間あるので、選手はやってくれると思う。
(札幌の前線は)3人に前を向かせたら、パスもあるし、シュートもあるし、スピードもある。各々特長があるので、警戒しないといけない。それと同時に、札幌はつないでくるというよりは、バイタルエリアまで侵入してくる方法は、福森からのロングフィードが多い。ジェイに対してピンポイントで合わせてくる。そこから先はコンビネーションもあるが、バイタルエリアまで入ってくるのは、そのキック1本。そこは警戒したい。(湘南戦では)ジェイも(福森のキックから)得点を決めているし、そういう意味では彼の左足の精度は出させた後に気を付けるのか、出させる前にやらせないのか。我々がどういうふうに戦うかは最終的な準備をしてロッカーアウトさせたい。
(敵地で戦った前回対戦が)一つのキッカケでもあった。自分たちの時間を多く作ることと相手にやらせないスタンスから自分たちがやるというモードに変われた試合だった。そこからどういう進歩をしているのか見せられる試合になる。
(明日のゲームは)ピースマッチとして主催できるチームは世界で一つしかないと思っている。その都市のホームチームとして、しっかり発信できるような魂のこもった試合をしたい。何よりもその日に来ていただいたお客さんと喜び合える試合にしたい。

試合前情報

photo本日のスターティングイレブンです!前節・川崎フロンターレ戦から、2選手が入れ替わりました。photo選手がピッチに登場! 選手たちの表情にも気合が入っています!
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チームバスがスタジアムに到着!
野津田岳人選手は、9試合ぶりのスタメンです!

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本日のロッカールームです。
各選手のロッカーには、入場時に着用する「86」と自分の背番号、
2枚の平和祈念ユニフォームがかけられています。

監督 ハーフタイムコメント

・相手の裏を狙う一発に気をつけよう。
・ボールを動かす時のポジショニングを工夫すること。
・ここから先は自分たちがチャンスをモノにするぞ!

ゲームレポート

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「広島でのピースマッチという我々にとって特別な試合だった。戦う姿勢を見せてスポーツができる感動と喜びをどうしても伝えたかった」。試合後、城福監督がそう話したように、広島から世界に向けて平和を発信する特別な“ピースマッチ”でサンフレッチェが執念の勝利をつかんだ。
この試合に向けてコンディションの差は歴然だった。2週間の準備期間があった札幌に対し、サンフレッチェは前節・川崎F戦から中2日。「日本で一番暑いこの2~3週間での中2日での試合は我々にとっては本当に厳しかった」(城福監督)。今は日本列島を猛暑が襲い、各地でニュースになるほど過酷な環境。その状況での中2日の連戦はまさにチームのタフさが求められる厳しいシチュエーションだった。
その影響からか、前半はサンフレッチェがボールを保持するものの、失い方が悪くカウンターを浴び続けると、サイドを何度も攻略されてクロスから決定機を作られてしまう。190cmの大型FWジェイのヘディングが2度もポストに当たるなど運もあったが、ホームで意地を見せるサンフレッチェは最後の局面では体を張って0-0で前半を折り返した。
すると、その頑張りが後半になって実を結ぶ。49分、左サイドを抜け出した森島司のクロスをペナルティーエリアへ飛び込んできた稲垣祥が右足で合わせて先制。苦しみながらも無失点で耐えていたサンフレッチェがリードを奪うことに成功した。
その後は一進一退の攻防が続き、終盤に入ると同点に追い付こうと圧力を強めてきた札幌の猛攻にあったが、サンフレッチェも負けじと全員が集中した粘り強い守りで対応。途中にはケガで長期離脱していた青山敏弘を今季リーグ戦初投入するなど、選手交代を使いながら逃げ切りを図り、タフな連戦を制した紫軍団がリーグ2連勝を達成した。

監督 試合後コメント

広島でのピースマッチという我々にとって特別な試合だった。戦う姿勢を見せてスポーツができる感動と喜びをどうしても伝えたかったという意味では、選手は最後よく踏ん張ってくれて、来ていただいたサポーターと喜び合えたのは本当に良かった。内容については、前半はボールの失い方が悪いところがあり、3回、ひょっとしたら4回ぐらい決定的なシーンを作られてしまった。(途中には)飲水タイムがあったので、そこで修正し、後半はさらなる修正を選手がやってくれて、後半は自分たちのサッカーができるようになったし、前半とは全然違うゴール前の様子になったと思う。ボール保持率は前半も後半も札幌でのアウェイより格段に上がったと思うが、決定的シーンを作られたことは振り返って真摯に反省したい。
 今回、日本で一番暑いこの2~3週間での中2日での試合は我々にとっては本当に厳しかった。ただし、これを乗り切るだけのトレーニングは年間を通じてやってきているつもり。我々のサッカーをすれば、疲労する度合いはミニマムで済むだろうと思っていた。メンバーについては、変更はミニマムにした。相当悩んだが、我々は今、成長過程にあって自信を付けている状況でもあるので、変更をミニマムにした中でしっかりつないでいくところは選手はよくやってくれたと思う。
(青山敏弘がリーグ戦に戻ってきたが)ここに来るまで本当に難しい道のりだったと思う。1月の彼の状態を見れば、このピッチでプレーしていることが、ひょっとしたら奇跡という言葉を使ってもおかしくないぐらい大変な状況だった。あれだけ歩くことしかできなかった選手が、今ピッチに立てているということは、彼の努力、我々のメディカルスタッフの努力に尽きると思う。ただ1日2日見せただけではなかなか起用できるものではない。ここ数週間彼は見せ続けてくれていたし、リバウンドが出ても、すぐにリカバーするスタッフもいた。今日、ピッチに立てたということは、彼の努力とそれを支えた周りの人たちに感謝したい。
(青山の起用のタイミングは)ずっと悩んでいた。川辺駿もしっかりプレーできていた。ただ、チャナティップにバイタルエリアへ侵入される回数が少し増えていたので、中盤の強度を考えるか、マイボールの時間を増やす選択をするか、そこはかなり悩みながら見ていた。青山は経験があるので、ある程度の守備をやってくれると思っていたし、彼にできるだけ長い時間与えたい気持ちもあった。私の中では賭けの一つではあったが、期待に応えてくれたと思う。2点目が取れそうな場面の起点はほぼ青山だったと思う。これだけひさびさのゲームで、顔が上がった彼らしいプレーができたのは、やはり技術は嘘をつかない。これでリバウンドがなければチームの高い競争に入ってくる感じがした。

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