8.14 19:03

天皇杯 3回戦 vs. ツエーゲン金沢
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
2
1
ツエーゲン金沢 金沢
  • 後半14分
    俊希
  • 後半29分
    大生
0
前半
1
2
後半
0
  • 前半27分
    金子昌広

試合の見どころ

 真夏のハードな連戦となる。
 敵地でG大阪と戦った直近のリーグ戦から中3日で臨むのは天皇杯3回戦vs.ツエーゲン金沢。カテゴリーが一つ下のJ2所属のクラブが相手となるが、なかなか侮れないチームだ。かつては磐田や札幌、新潟などを率いていた経験豊富な柳下正明監督が指揮を執って3年目を迎える金沢は、いまでは指揮官の戦術がチームに浸透してJ2で上位をうかがっている。ここまでリーグ戦27試合を消化し、順位は9勝13分5敗の勝点40でリーグ8位。首位とは勝点差15とやや離れているが、J1参入プレーオフ圏の6位とは勝点差5と十分に狙える位置だ。
 スタイルは柳下監督が新潟などでも見せていた代名詞の“堅守速攻”。堅い守りからスピーディーにゴールへ迫る戦いで勝点を積み重ねており、J2での失点数22は1試合平均1点台を切るリーグ4位タイの少ない数字だ。その組織的な4バックシステムで相手攻撃陣を封じ、攻撃では鹿島から期限付き移籍している186cmの大型ストライカー・垣田裕暉と6月にC大阪から期限付き移籍したばかりのサンフレッチェユース出身のアタッカー・山根永遠の2トップが前線で流動的に動いてゴールを狙う。20歳台前半の選手が先発の大半を占める若いクラブだが、そのぶん、全体的にハードワークも厭わない活動量の多いチームだ。さらに明日は上のカテゴリーであるサンフレッチェとの対戦とあっては、“ジャイアントキリング”を狙うべく「相手は最高のモチベーションで来る」(城福監督)のは間違いないだろう。
 その金沢をホームスタジアムで迎え撃つ紫軍団はどんな戦いを見せるのか。疲労が溜まりやすい夏の連戦となれば、ずっと同じメンバーで戦うのは難しく、やはり問われるのはチームの総合力。常々、積み上げとチーム内の競争を大事にする城福監督は、こういう連戦だからこそ、特に「全員で準備してきていることを証明する場」と語る。リーグ戦に出ているメンバーだけが準備してきているわけではない。サンフレッチェに所属するメンバー全員が日頃の練習場から勝利のために多くの汗をかき、レギュラーを奪うべく仲間としのぎを削り、チームとして目指すスタイルを積み上げてきている。明日の先発がどんな顔ぶれになるかはメンバー発表まで分からないが、チャンスを与えられた選手はここまでチームで培ってきたものを発揮するのみ。サンフレッチェは全員の力を結集して金沢撃破を狙う。

監督 試合前日コメント

金沢は直近のリーグ戦で非常に良い勝ち方をしている。柳下監督はよく存じ上げているが、本当に粘り強いチームを作っている。相手の嫌なところに入っていく迫力もあるし、対人の守備も非常に厳しい。簡単な試合にはならないと思っている。セットプレーも精度が高いし、得点も取っている。全員が足が止まらないという意味でも注意しないといけない。
相手は基本的には[4-4-2]システムでくると思うが、コンパクトで球際に厳しいところなど、彼らの良さを出させてしまうと攻め切るのは難しいと思う。もちろん手数をかけて、人数をかけて攻めたいが、ボールを奪われた後の準備を事前にしておかないといけない。相手はカウンターが武器だし、スピードのある選手が前線には数多くいる。それを発動させない準備をしながら、辛抱強くサイドを揺さぶりながら崩していきたい。
基本的にシステムでサッカーが変わることはない。ただ、立ち位置が違うことで選手個人の役割が多少違ってくる。その最大値がどちらのシステムだと多く出るのかということ。これに尽きる。いま調子の良い選手、いま使いたい選手、それを掛け合わせた時の最大値がどういう立ち位置で出せるのか。ただ、二つのシステムのチョイスを持つということは少なくとも守備の破綻がない状況を作らないといけない。その準備はずっと怠りなくやってきた。試合の最初からなのか、後半からなのか、途中なのか。両方のチョイスができるような状況になればと思っている。

試合前情報

photo本日のスターティングイレブンです! 前節のリーグ戦からメンバー9人が変更となりました!photo本日のロッカールームです。レアンドロ・ペレイラ選手が加入後初の先発メンバーに名を連ねました!photo選手がスタジアムに到着しました。それぞれ気合い十分です!photo本日は天皇杯3回戦・ツエーゲン金沢戦! 相手はカテゴリーが一つ下のJ2に所属するクラブですが、高い組織力を備える難敵です。難しい戦いが予想されますが、チームの総合力で戦いますので、今日も熱いご声援をよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・ボールの動かし方を工夫すること。
・2点目を与えずに得点を取りにいこう。
・ここからだぞ!

ゲームレポート

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サンフレッチェが苦しみながらも次のラウンドへ駒を進めた。
ホームである「エディオンスタジアム広島」にJ2に所属するツエーゲン金沢を迎えた天皇杯3回戦。直近のリーグ戦から中3日での戦いとあって先発メンバー9人を入れ替えて臨んだ紫軍団だが、前半は相手のプレスに苦しむ展開となった。組織的かつコンパクトな陣形でサンフレッチェを封じにきた金沢のプレスを序盤から攻略することができず、なかなかチャンスを作り出すことができない。すると27分には、相手に少ない好機を確実にモノにされ先制点を許してしまった。この内容には城福監督も「試合の入りは良くなかったと思う。最初のシュートで点を取られて少し焦りもあったが、前半は相手のマークをうまく剥がすというよりは捕まったまま30分ほどを過ごしてしまった」。終始、リズムをつかむことができず、0-1で前半を折り返すことになった。
だが、後半に入ると、ようやくサンフレッチェが目を覚ます。城福監督はハーフタイムに野津田岳人に替えて青山敏弘を投入するなどチームに刺激を加えて選手をピッチへ送り出すと、前半とは一転してリズムよくパスが回り始める。相手を左右に揺さぶりながらボールを動かし、ゴール前ではコンビネーションが生まれて渡大生らが決定機を演出。すると59分、ついに金沢ゴールをこじ開ける。前線での見事なパスの連係から最後は東俊希が抜け出すと、相手GKの頭上を越す技ありのループシュートを突き刺して同点。これで勢いに乗った紫軍団は、その後も金沢ゴールに迫り続けると、迎えた74分だった。右サイドでフリーになった松本大弥のクロスをゴール前で渡が合わせて逆転に成功した。その後は同点に追い付こうと攻勢に出た金沢の猛反撃にあうも、ゴール前ではしっかりと体を張って得点を許さず逃げ切り勝ち。「天皇杯は、我々が失ったACLの負け方を考えたら絶対に勝ち取りたいタイトル。ここでつまずくわけにはいかなかった」(城福監督)と言うサンフレッチェが、J1の意地を見せてラウンド16進出を決めた

監督 試合後コメント

天皇杯は、我々が失ったACLの負け方を考えたら絶対に勝ち取りたいタイトル。ここでつまずくわけにはいかなかった。そういう気持ちを持って戦ったが、試合の入りは良くなかったと思う。最初のシュートで点を取られて少し焦りもあったが、前半は相手のマークをうまく剥がすというよりは捕まったまま30分ほどを過ごしてしまった。そこは反省が必要だが、誰を何分使うかを吟味しながら、ここはどうしても勝ち抜きたいという二つの目的のために交代を含めて工夫をした。その中で勝ち抜けたことは良かった。今日のような天気が良くない、台風が迫っている中でも来てくれたサポーターの方々には勝つことでお礼を言いたいと思っていた。それができて良かった。
(後半にパス回しが良くなった要因は)前半は最終ラインがボランチをうまく使えなかったと思う。ただ、ボランチのボールの受け方にも多少問題はあった。シャドーの受け方としても相手のプレッシャーをうまく利用するようなところで、逆にうまくハメられてしまった。ハーフタイムにはボランチをうまく見ながらボールを回すことを指示した。ボランチも自分たちがどうやってボールを引き込むか、呼び込むかを高く意識してくれた中で縦にクサビが入っていったという意味では、レアンドロの周りに選手が多くなっていったという現象が後半にあったと思う。
(得点を決めた東俊希について)まだまだミスもあるし、改善していく部分は多いが、苦しい中で得点に絡んだという意味では、非常に大きな仕事をしてくれた。これで満足せず、次のリーグ戦でも絡んでこれるように努力してほしい。最後、苦しくなって息が上がってきた時のクオリティーはもっともっと高いものを要求したいと思っている。
(松本泰志の出来について)彼自身がやろうとしていることは悪くなかったと思う。ただ、前半は彼にボールが入らなかった。そこは周りの協力も必要だったと思う。それでも彼にはもっともっと良くなってほしい。「90分やれたから良かった」ではなく、1タッチで前を向けるシーンを逆方向に向くシーンがいくつかあった。それは彼にとって一番大事なところ。そこは厳しいもの、高いものを要求していきたい。ただ、時間を追うごとにシュートシーンに顔を出していったという意味では、やはりああいう年代、松本泰志には時間を与えることが本来の松本泰志を取り戻すことになるとあらためて思った。続けてくれれば、リーグ戦を含めてチャンスはあると思っている。

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