8.31 19:04

明治安田J1 第25節 vs. ジュビロ磐田
AWAYヤマハスタジアム(磐田)

試合終了

ジュビロ磐田 磐田
0
2
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
0
0
後半
2
  • 後半2分
    レアンドロペレイラ
  • 後半24分
    好文

試合の見どころ

 サンフレッチェは自分たちのスタイルを出し切れるかどうかが勝利へのポイントだ。
 リーグで最下位と苦しむ磐田のホームへ乗り込む一戦。相手はすでに2度の監督交代を経ており、前節からはスペイン人のフェルナンド・フベロ監督が指揮しているが、新指揮官の下ではたった1試合しか戦っていないとあっては「システムも含めて、どうくるか分からない」(城福監督)。元々、磐田は3バックと4バックの両方のシステムを使い分けるチームではあるが、第22節・湘南戦まで主に3バックだったシステムを前々節・G大阪戦から4バックへ変更しており、サンフレッチェとのゲームでどの形にしてくるかは不透明だ。さらに相手は今週水曜日から試合前日までトレーニングを完全非公開。情報が一切ない中で磐田と戦わなくてはならない。
 だからこそ、城福監督はより自分たちのスタイルを研ぎ澄ますことに注力する。「磐田は外国籍枠をフルに活用してくる可能性がある。試合を見ると、例えば相手のスローインの時に前に3枚が張ったりとか、いろんなことを駆使してくる。そういう頭の準備はしないといけないが、あまりそこに縛られず、自分たちが主導権を握ってやりたい。『相手がどうしてくるだろう』というところにエネルギーをかけるよりは我々自身にエネルギーをかけたいと思っている」。現在は最下位とはいえ、磐田には絶対的守護神のカミンスキーや強靭な肉体を備えるCBのファビオ、ボランチのムサエフ、力強い突破が武器のアダイウトン、そして夏に加わったブラジル人のルキアンという新戦力ストライカーもいる。それぞれ力のある助っ人たちであり、彼らが勢ぞろいすれば厄介な相手ではあるが、サンフレッチェは分からない情報に力を割くのではなく、自分たちの力を発揮することにエネルギーをかけるのみだ。
 前節・大分戦でも相手のストロングであるポゼッションサッカーを封じるのではなく、自分たちのスタイルを出し切ることでボール支配率では56.1%と大分を上回り、シュート数も相手の5倍以上となる17本を放った。その中で無得点のドローに終わったのは大きな反省点だが、磐田戦では継続してパスサッカーの質を高めつつ、大分戦で足りなかったゴールを目指すことになる。
 リーグ戦は残り10試合。頂に向けて諦めないサンフレッチェは、相手がどこであろうとまずは目の前の1試合1試合にすべてを懸ける。
「最終節になった時に『まだ可能性があるじゃないか』というぐらいにはもっていきたいと思っている。自分たちがそれを信じてやらなかったら、他は誰も信じてくれないと思う。そのためにも目の前の勝点を重ねたい」(城福監督)。
 紫軍団はここまで積み上げてきたサッカーをさらに進化させ、磐田撃破を狙う。

監督 試合前日コメント

磐田は外国籍枠をフルに活用してくる可能性がある。試合を見ると、例えば相手のスローインの時に前に3枚が張ったりとか、いろんなことを駆使してくる。そういう頭の準備はしないといけないが、あまりそこに縛られず、自分たちが主導権を握ってやりたい。「相手がどうしてくるだろう」というところにエネルギーをかけるよりは我々自身にエネルギーをかけたいと思っている。
(昨年の磐田での試合は)非常に良い内容だったと思う。ただ最後のところであのような(逆転される)展開になってしまった。今回も厳しい戦いになると思うが、我々はここ数試合、そういう悔しい思いを学んできている。また、昨年の思いを考えたら、どういう笛が鳴るかは私たちにはコントロールできないが、そうではないところで我々がゲームをコントロールするという強い思いがある。
(現在はFC東京と並んでリーグ最少失点だが)今は焦れなくなったと思っている。「こんな展開なのに得点が入らないか」という時に、「逆にこういう試合内容ほど一発でやられる」とか「セットプレーでやられるんだ」という悔しい思いが肥やしになっている。そういう時にみんなが声をかけ合っている。例えば相手のセットプレーの時にヘディングでクリアをし、セカンドボールを相手に拾われて、そのセカンドボールのクロスを自由にやらせないとかそこで足に当てるとか。見ている人があまり気付かないような一歩の寄せが、このチームらしく全員が共有できている。
(残り10試合)我々は1試合1試合、とにかく勝点を取り続けるしかない。他のことを気にしても、我々のコントロール外にある。最終節になった時に「まだ可能性があるじゃないか」というぐらいにはもっていきたいと思っている。自分たちがそれを信じてやらなかったら、他は誰も信じてくれないと思う。そのためにも目の前の勝点を重ねたい。

試合前情報

photoこの日は遠い磐田でのゲームにも関わらず、約800名もの方にお越しいただきました。最後まで熱いご声援、ありがとうございました! photo本日のスターティングイレブンです! 前節・大分戦から先発一人が入れ替わりました。今日もチーム全員の力を合わせて勝利を目指します!photoかつて所属した磐田との対戦となる川辺駿選手。今日はサンフレッチェの勝利のために戦い抜きます!photoサンフレッチェ加入後初の先発出場となったレアンドロ・ペレイラ選手。攻撃の核として期待です!photo「ヤマハスタジアム」のロッカールームです。本日は3rdユニフォームの白で戦いに挑みます!photo本日はアウェイ・ジュビロ磐田戦! 相手はリーグ最下位と苦しんでいますが、力のあるチームです。今日も敵地での難しい戦いが予想されますが、全員の力を結集して勝利を目指しますので、熱いご声援をよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・守備は相手とうまくかけ引きをしながら守ること。
・攻撃は辛抱強く、やり直しながら攻めていこう。
・ここからが勝負だぞ!

ゲームレポート

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photo 我慢の守備が勝利を呼び込んだ。
前半はまさに磐田のペースだった。最下位に苦しむ相手は、残り10試合で巻き返すべく今日のゲームで5人の外国籍枠をすべて活用。するとホームの大声援を力に変え、その助っ人たちが序盤から勢いある攻撃を仕掛けてきた。今年の夏に加入したばかりのFWルキアンが肉体の強さを生かして前線で起点となり攻撃をけん引すれば、サイドアタッカーのアダイウトンも持ち味の馬力ある突破を何度も発揮。磐田の圧力に押されてしまったサンフレッチェは、今季志向しているポゼッションスタイルをなかなか出せず、ピンチを招く時間が長く続いた。
だが、昨年のこの地で2点リードから3点を奪われて逆転負けした苦い思いを持っていた紫軍団は、「今日はどんなに良い内容でも絶対に失点ゼロで終わるという強い思いを持って試合に臨んだ」(城福監督)。なかなか攻撃に行けない苦しい時間帯でもゴール前では集中した執念の守りを披露。相手にペナルティーエリア内へ進出されても何人もの選手が体を張ったシュートブロックを繰り出すなど、無失点で前半を終えることができた。
すると、その頑張りが実ったのが後半開始直後だった。「後半は我々の時間が来ると思っていた」との城福監督の言葉どおり、後半はスムーズに試合に入ると、チャンスは早くもやってきた。47分、川辺駿から東俊希へとパスがつながり、最後はレアンドロ・ペレイラへラストパス。サンフレッチェ加入後初の先発出場となったブラジル人ストライカーは、これを冷静に右足でゴールへ流し込み、待望の先制点を奪った。
これで落ち着いたゲーム運びを見せるようになった紫軍団は、同点に追い付こうと前がかりになった磐田の背後をカウンターで突いて何度もチャンスを創出。それを決め切ることができず、なかなか追加点を奪うことができなかったが、勝負を決定付けたのは今季乗りに乗っている背番号18だった。敵陣地で相手からボールを奪った柏好文が右足でミドルシュートを突き刺して追加点。自身のキャリアハイをさらに更新する今季8点目は、勝負を決する貴重なゴールとなった。
その後も相手の攻撃を最後まで封じて無失点で終えたサンフレッチェが2-0で勝利。昨年の“大逆転負け”のリベンジを果たすとともに、11試合連続無敗(6勝5分)というクラブ記録に並んだ。

監督 試合後コメント

各々のチーム、各々の選手にはストーリーがあると思う。昨年の我々はこの地で2-0でリードしながら、最後の最後で3点を取られて敗れ、リーグ戦の終焉を迎えたような経験があった。今日はどんなに良い内容でも絶対に失点ゼロで終わるという強い思いを持って試合に臨んだ。前半は少し相手のポジションチェンジを含めて戸惑ったし、ルキアンの背負うプレーに手を焼いたが、前半の最後のほうから修正はできた。後半はボールの回し方をもう一度確認し、思いのほか早く得点が取れたので落ち着きが出たと思う。その後は決定機がいくつかあり、2点目が取れなかった中で相手に決定機を与えないところは、今季の松本山雅戦や昨年のここでの経験が生きたと思う。焦れないでしっかり守りながらもう1点を取るところは、成長の跡が見られた45分だったと思う。昨年は苦い思いをしがたゆえに、サポーターと喜び合いたかったし、喜び合えて本当に良かった。
(後半にペースを押し戻せた要因は)90分、あのような(後半の)試合をやりたいという目標はあるが、相手がフレッシュな時、プレッシャーが強い時、あるいはポジションチェンジを頻繁にやる時に、まだ思うようにボールを回せないのは我々の課題だと認識している。前半のプレッシャーの中で滞りなくボールが回るようになれば、このチームはもっともっと上に行けると思っているし、そこをずっと目指している。ただ、試合中にしっかり修正ができるところは、このチームが成長しているところ。自分たちのペースでなくても、ゼロで抑えていれば我々の時間帯が必ず来る。その時間帯が残り30分からか、残り45分か、もっと言えば前半の最後のほうからと、段々時間が伸びてきているところは、対応力を含めてこのチームの成長を感じる。
(守備の自信は)昨年からずっと見ている方は感じているかもしれないが、我々は何にエネルギーを使っているか。そこのシフトチェンジは今年ずっとチャレンジしている。攻撃でボールを動かすこと、ポジションを取ること。多くの時間でそこにエネルギーを費やすことができるからこそ、ボールを奪われた瞬間にハンティングできる、サイドにボールを寄せられる、そういうエネルギーが残っている。逆にボールを動かされ続けたら、最後のところで寄せが甘くなると思うが、自分たちの攻撃にエネルギーを使えているので、いざ守備になった時に能動的な守備ができている。それは選手も感じているところだと思う。また、今は11試合負けがない状況を作れているが、我々は松本山雅戦のラストプレーで得点を取られたところや大分戦でほとんど押し込んでいるのに得点を取れなかったところ、その2試合で勝点4を失ったと思っている。勝点3に対する強い意識が全員が足を止めないところ、寄せの強さ、カバーリングの勤勉さ、そういうところに選手は表してくれていると思う。
(先制点を決めたレアンドロ・ペレイラについて)彼がこのチームで初めて先発で出場した中でまず考えないといけないのは、彼の良さを引き出すということで彼の足りないところを意識させないといけない。これはチーム全員で共有した。もちろん、攻守において彼はもっとやれる選手だと思うが、少なくとも今日の90分に関してはやれる範囲の中で彼の良さを引き出したと思うし、彼自身も最後まで本当によく走ってくれたと思う。得点した場面もそうだが、彼のキープから、彼が起点になったところから始まった。起点になるところ、チャンスメークになるところ、最後の決定力はこのチームにとって大きな戦力にもっともっとなっていくと思っている。

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