10.5 16:03

明治安田J1 第28節 vs. ヴィッセル神戸
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試合終了

サンフレッチェ広島 広島
6
2
ヴィッセル神戸 神戸
  • 前半5分
    稲垣
  • 前半39分
    稲垣
  • 後半21分
    森島
  • 後半39分
    川辺駿
  • 後半45+1分
    ドウグラスヴィエイラ
  • 後半45+2分
    森島
2
前半
1
4
後半
1
  • 前半19分
    古橋亨梧
  • 後半32分
    田中順也

試合の見どころ

 調子を上げてきた“スター軍団”との対戦だ。
 スペインの至宝であるアンドレス・イニエスタや元スペイン代表ストライカーのダビド・ビジャといった世界で活躍してきたビッグプレーヤーを擁する神戸との一戦。彼ら二人以外にもバルセロナ生え抜きのMFセルジ・サンペールや元ドイツ代表のルーカス・ポドルスキ、ブラジル人ストライカーのウェリントンなど力のある外国籍選手に加えて、C大阪の山口蛍や鹿島の西大伍といった日本トップクラスのプレーヤーを獲得して今シーズンをスタートした神戸は、序盤戦に7連敗を喫したほか、2度の監督交代を経るなど途中までは非常に苦しい時期を過ごしていた。だが、6月15日のJ1第15節・FC東京戦から指揮を執ることになったドイツ人のトルステン・フィンク監督の下でチームは再生。さらに夏の移籍期間で再び“大型補強”を敢行すると、神戸はよりスケールアップした。
 この夏、DFにはバルセロナからの移籍加入としては3人目となるトーマス・フェルメーレンを加え、サイドには元日本代表でドイツの名門・ハンブルガーSVで主将を務めたほどの実力者・酒井高徳を補強。ストライカーにも大分のエースとして君臨していた藤本憲明を獲得するなど、各ポジションにより厚みを加えた。すると、夏の新戦力と既存の戦力がフィンク監督の戦術の中でうまく融合。7月こそ3連敗を喫したが、8月2日の第21節・G大阪戦から前節までの7試合で4勝2分1敗と結果が付くようになった。その好調さを裏付けるように、前節は王者・川崎Fを相手にアウェイながらも2-1でしっかり勝利。「クオリティーはピカ一」と城福監督が話すように、世界的プレーヤーが織りなす攻撃精度の高さ、そしてチームの勢いが今はうまくマッチしている印象だ。
 そんな強力な相手をホームに迎え撃つサンフレッチェ。神戸の短所と思われていた守備が「組織的な構えの中から良い奪い方ができている」(城福監督)としっかり組織化されている中で、注意すべきはやはり豊富なタレントがいる攻撃だ。「そこからのサンペールやイニエスタのワンタッチの精度、長いボールを含めて非常に精度の高いボールが出る。それを信じて走る前線の選手たちがいる。そのスピード感もある。そして最後は決定力もある。そういう場面を多く作らせると危ないシーンになってしまう」と指揮官は警戒する。これまで同様、サンフレッチェは相手に合わせたサッカーをするつもりはないが、神戸のストロングポイントを確実に消し、自分たちのスタイルを出し尽くすことが勝利への大きなポイントとなる。
 リーグ戦は残り7試合。頂へ向けて「我々は何も諦めていない」(城福監督)のならば、まず目の前の相手から勝利を奪わなければ道は切り開けない。今季最多となる多くの観衆が予想される一戦で紫軍団の意地を見せ、シーズン終盤へ勢いをつける勝点3をもぎ取りたいところだ。

監督 試合前日コメント

(明日は多くの来場者予定だが)相手はビッグネームがいて、Jリーグを盛り上げているチーム。動機はどうであれ、スタジアムまで足を運んでいただく方が多くいるということ。その中で喜んでもらえる、感動を与えられるようなゲームをすれば、また足を運んでもらえると思う。何と言っても我々は残り7試合何も諦めていない。負けられない状況でもある。その志をしっかり見せられる試合をして、多くの皆さんと喜び合える、そんな終わり方をしたいと思っている。
(対戦相手の神戸について)彼らのボールを奪われた時の帰陣する意識、どこに戻るか、どのように戻るかが非常に整理されてきている。ボールの奪い方も、もともと個の強い選手がいるが、組織的な構えの中から良い奪い方ができている。そこからのサンペールやイニエスタのワンタッチの精度、長いボールを含めて非常に精度の高いボールが出る。それを信じて走る前線の選手たちがいる。そのスピード感もある。そして最後は決定力もある。そういう場面を多く作らせると危ないシーンになってしまうと思う。
 自分たちがボールを運んで相手陣地でサッカーをしようとすればするほど、ああいうシーン(前節・川崎F戦の先制点となったカウンター)が出る可能性がある。我々は恐れて出ないのではなく、後ろの準備をしっかりすること。もう一つは、ボールの失い方。どういう攻撃の終わり方をするか。そういうところがすごく大事になる。
(神戸はサイドにも強力な選手がいるが)外のバトルで負けると、今度は中が後手後手になる。ハードワークを含めて、まずは外のバトルで負けないこと。彼らの裏を我々のほうが多く突けるような状況になれば、相手のインサイドハーフの山口蛍とイニエスタへの圧力がかけられるようになると思う。逆にサイドが引っ張られてしまうと、今度は中が薄くなる。まず、ウイングバックのバトルのところはすごく大事な要素になると思っている。
(今後に向けて勝点3は重要だが)ここ数試合は勝てていない。内容を見ると、皆さんから「決定力」という単語を言われるような悔しい内容と結果になっている。しっかり内容と結果が一致できるようにしたい。それには最後、泥臭い得点も必要だし、失点しないことも大事。みんなで泥臭く戦いたい。

試合前情報

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本日のスターティングイレブンは、こちら! ドウグラス・ヴィエイラ選手が先発に復帰しました! ほぼ満員のスタンドから力強い後押しを受けて、必ず勝利をつかみとります!!

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選手がピッチに登場! 今日は早い時間からたくさんの方にお越しいただき、ウォーミングアップをご覧いただいています。このあとも応援をよろしくお願いします!!

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選手がスタジアムに到着! 本当にたくさんの方にバスをお迎えいただき、ありがとうございます! 熱いエールを受け、選手たちも一層、引き締まった表情でロッカー入りしました!

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本日のロッカールームです。サンフレッチェのハンガーにユニフォームがかけられ、ロッカーに入った選手が、自分の場所をすぐに確認できるように並べられています!

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本日はホーム・ヴィッセル神戸戦! 相手は元スペイン代表のアンドレス・イニエスタ選手やダビド・ビジャ選手といった世界的なビッグプレーヤーを擁する強豪ですが、今日もチーム全員の力で戦い抜き、勝利を目指しますので、熱いご声援をよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・守備はマークの受け渡しをハッキリすること。
・攻撃は相手の嫌なところを突いていこう。
・ここからが勝負だぞ!

ゲームレポート

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photoアンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャといった世界的ビッグプレーヤーを一目見ようと今季最多となる29,666人を記録したこの試合。多くの観衆が見守る注目の一戦でサンフレッチェが序盤から躍動した。
試合開始から大観衆の声援を背に紫軍団が攻め込んでいくと、開始早々に森島司の3人抜きドリブルから川辺駿が決定的チャンスを迎えた。ゴール前、完全フリーで放ったシュートは枠を捉えることができなかったが、それでも立て続けにサンフレッチェがリズムをつかんで神戸陣地へ侵入。すると5分、さっそく猛攻が結実した。再び森島が左サイドを攻略して抜け出すと、折り返しのパスに詰めたのは稲垣祥。右足で豪快にゴールネットを揺らして早くも先制点を奪った。その後、息を吹き返した神戸の攻撃の時間が長く続き、19分に一瞬の隙を突かれて古橋亨梧の同点ゴールを許したが、今日のサンフレッチェはここで立ち止まらなかった。相手の攻勢をしのいで再び主導権を掌握すると次々とチャンスを演出。神戸ゴールへ肉薄すると、迎えた39分だった。今度はドウグラス・ヴィエイラが右サイドを攻略して中央へパスを送り込むと、ゴール前へ勢いよく入ってきたのは再び稲垣。右足でしっかりとゴールへ突き刺して勝ち越しに成功した。
1点リードで迎えた後半は、サンフレッチェが怒涛のゴールラッシュを見せた。65分に相手DFの背後へ抜け出したドウグラスを倒した大崎玲央が一発退場となると、そのゴール前のFKを森島が直接決めて3-1。そこから10人の神戸にゴールを許し、再び1点差に迫られたのは反省点だが、84分、カウンターから川辺が決めて4-2とリードを広げると、後半アディショナルタイムにはドウグラスと森島が次々と得点を重ねて6-2の大勝。「これだけ多くのサポーターが来てくれて、その人たちの前で喜び合えた非常に意味のある1勝だったと思うし、今日のスタジアムは本当に背中を押してくれた。だからこそ6得点を取れたと思っている」(城福監督)。多くのサポーターの前でサンフレッチェがスター軍団を大量得点で退ける圧巻のゲームとなった。

監督 試合後コメント

ここ数試合、天皇杯もリーグ戦もサポーターにすごく悔しい思いをさせていたし、我々も内容に手応えはあるもののそれに相応しい結果、勝点につなげられずにいた。今日はどうしても勝ちたかった。今年のリーグ戦は我々は何も諦めていないので、ここで勝点3を取れないようでは目標を切り替えないといけないと思っていた。そういう意味では、今日は取らなければならない勝点3を取れたことは非常に良かった。これだけ多くのサポーターが来てくれて、その人たちの前で喜び合えた非常に意味のある1勝だったと思うし、今日のスタジアムは本当に背中を押してくれた。だからこそ6得点を取れたと思っている。
(1トップ2シャドーの活躍の手応えは)重要なのはそこまでボールを運ぶということと、彼らが点を取れるようなところで彼らがゴールに迫っていることが大事。今日は20数本のシュートを打っている。その内の6本が得点だとしたら、もう6本ぐらい決定機があったと思う。それぐらいボールを運んで、ペナルティーエリアの中に人数がいる。この状況が大事で、それを続ければ点を取れることもある。今まではそういうシーンがあってもなかなか点を取れないこともあった。そういう意味では、我々はやり続けて決定機を作り続ける。チームとしてウイングバックもボランチも含め、効率的な関わりをしながら決定機を多く作ること。今日はたまたま多くの点が取れたということだが、やはり続けていくしかないとあらためて思った。
(青山敏弘選手のプレーについて)彼は7、8カ月ぐらい、ピッチに立つまで本当に苦しい思いをしてきた。本人の努力とメディカルのサポートの中で今年プレーをすることさえ危ぶまれていた状況で復活しつつあったが、我々は相当慎重にしていた。少しずつゲームに出しながら、「キックオフから行けるのか?」というのは、かなりリバウンドを見たり、本人のコンディションも見ながら慎重にやってきた。ただ、ルヴァンカップも含めてここ数試合は頭から出しているが、彼自身は自分が出始めてなかなか勝てない状況だった。彼特有の責任感の強さを感じていたように思う。結果については私が責任を負うのであって、青山が負うものではない。彼のパフォーマンスをフェアにジャッジすれば、自ずとスイッチの役割なのか先発なのか、私の中で物差しがある。彼の責任感の強さを違う方向でエネルギーを使ってほしくなかった。そういう意味では、今日はほぼ90分やり切ってくれた。その中でチームの結果を得たことが一番大きい。パフォーマンスが良くなっているのは私は手応えを感じていたし、お互いに共通意識はあると思っている。
(今日は走り勝ったイメージだが)我々は結果から逆算して言われる。もちろん勝点を取れなければ「魂がなかった」、「頑張っていなかった」、「走っていなかった」と言われるのが我々の世界。我々は常に姿勢は同じ。魂も同じ。だから勝つしかない。

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