10.29 19:03

明治安田J1 第31節 vs. 浦和レッズ
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
1
浦和レッズ 浦和
  • 後半43分
    オウンゴール
0
前半
0
1
後半
1
  • 後半30分
    岩波拓也

試合の見どころ

 頂へ向けたラストスパートだ。リーグ戦も残すところ、あと5試合。前節・清水戦の勝利で2連勝を飾った4位・サンフレッチェは、首位・鹿島との勝点差を「8」から「6」へと縮めてタイトルへの可能性を十分に残している。ラスト5試合での大逆転には他力が必要な状況ではあるが、目の前の相手に勝ち続ければ何が起こるか分からない。特に2013年に残り2試合で勝点差5だった状況をひっくり返して逆転優勝した経験を持つ紫軍団とあれば、身をもって諦めない大切さを知っている。
 そんな重要な“ラスト5”の初戦は浦和となった。本来ならば次節は11月2日(土)の第30節・川崎F戦の予定だったが、浦和がACLの決勝に進出したことで日程が変更となり第31節を前倒しして10月29日(火)に開催。平日のナイトゲームで浦和をホームに迎え撃つことになった。
 相手は言わずもがなの強豪だ。リーグ戦では9勝8分12敗の12位とまさかの中位に苦しんでいるが、ACLではグループステージを2位で突破すると、決勝ラウンドでは韓国リーグ首位の蔚山現代や中国のビッグクラブである上海上港、広州恒大といったアジアの強豪クラブを次々と撃破。ACL制覇を果たした2017年に続き、2年ぶりのファイナル進出を決めている。
 やはり浦和は各ポジションにタレントが揃っている。守護神・西川周作は敵地での広州恒大との準決勝第2戦で安定したセービングを見せていたし、対人に強い槙野智章や岩波拓也が揃う3バックはそう簡単に崩れはしない。中盤ではベテラン・阿部勇樹が落ち着きをもたらし、海外クラブでプレーしていた関根貴大の突破力は健在だ。さらに力のあるファブリシオやエヴェルトンといったブラジル人の個も警戒であり、繊細な左足を持つプレーメーカー・柏木陽介がケガから復帰してベンチに入っている。そして何より、日本屈指のストライカーである興梠慎三は「警戒し過ぎて、し過ぎることはない」と城福監督も認めるほど絶好調だ。国内リーグでは苦戦が続いているとはいえ、勢いに乗ればJ随一の力を発揮するビッグクラブ相手にサンフレッチェはいかにここまで築き上げてきたチーム力で対抗するか。
 ポイントは前節・清水戦の後半に見せた戦いだ。組織的かつハードな守備で相手を封じることはもちろん、2得点を奪った全員で根気強くパスをつないで敵守備陣を崩していく攻撃は浦和と言えど簡単に止めることはできないだろう。また、同じ日本勢として浦和の2年ぶりのACL優勝は願っているし、アジアでの強さには敬意を表すしかないが、広州恒大との準決勝第2戦をTVで見届けたという城福監督は「我々があの場に立っていた可能性があったことを考えると悔しい思いがある」。残すタイトルはリーグ戦のみとなったサンフレッチェにとって、敗退したカップ戦の悔しさを晴らすには残り5試合で勝ち続けるしかない。
 浦和撃破へ。ここで勝利できれば、Jリーグの最終盤はもっともっと面白くなる。

監督 試合前日コメント

浦和との前回対戦では最終的には多くのチャンスを作り、それにふさわしい点差で勝ったが、一番最初に打たれたシュートがポストに当たっている。我々は確か6分に得点を取ったと思うが、それまでは攻められっぱなしだった。最初のチャンスで先制点を奪うことができた。その後も7割を超えるポゼッション率を相手に与えて、我々は2割台だった。その中でCKから2点目を取って相手の足が止まり、我々らしさが出せた。ただ、前回対戦の4-0の結果は、気が付いたら4点入っていたという試合ではない。やはり試合の入りは非常に気を付けないといけない。また、浦和はACLでファイナルに行くという最高のリカバリーの結果を得ている。(ACL準決勝第2戦を終えてから)日数的にもしっかりリカバリーされていると思うので、ベストな布陣でくると思う。ましてや彼らからしたら、ホームで0-4で負けた相手にダブルを食らうわけにはいかないという思いもあるはず。相当、厳しい試合の入りになると思っている。
(浦和の布陣が読めないが)我々は常にそういう(相手のメンバーが分からない)状況。どの相手に対しても我々は全部(練習を)オープンにし、相手は分からない。どうってことはない。
前節は簡単にスローインからスタートさせ、サイドからクロスを簡単に上げさせるシーンが何回もあった。そして最後の最後に(先制点となる)FKを取られる場面まで4、5回シュートチャンスを作られている。一人ひとりの球際のところや守るのであれば割り切って中をしっかり固めるとか、そこからもう一度押し返すなど、そういうことをやらないでフワッと試合に入ってしまうと、あるいは自分たちが普通にボールを繋げると思って試合に入ってしまうと、我々としては入られなくないスペースに入られて最初に崩されることはあり得る。明日は試合の入りが90分の中で一つの肝になると思っている。時間が経てば自分たちらしいサッカーができるのは、みんな自信を持てている。相手がフレッシュな時にどういう耐え方をして、どういう自分たちの試合運びをするのか。そのメリハリを大事にしたい。
(相手のサイドである関根貴大は警戒だが)前回対戦と一つ象徴的に違うのは、相手の両ウイングバックが二人とも違うと思う。今はそれが一つの武器になっているのは間違いない。両サイドから簡単にクロスを上げさせたり、1対1で厳しさがなかったりしたら、我々はやられてしまう。そこの厳しさを出せれば、チームとして我々の両サイドの攻撃の良さも出せると思う。まずは厳しい1対1からスタートしたい。

試合前情報

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今日のスターティングイレブンです! 前節・清水エスパルス戦と同じメンバーで挑みます! ACLファイナリストを相手に、全力を尽くして勝利をもぎとりましょう!!

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選手がピッチに登場! 2戦連続でゴールを決めたドウグラス・ヴィエイラ選手。今日もゴールを狙い、チームを勝利に導きます!

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チームバスがスタジアムに到着しました! 今日から選手たちは新しい移動着を着用。こちらは後日、V-POINT、e-VPOINTでも販売します!

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本日のロッカールームです。アウェイ・浦和戦でJリーグ初得点を決めた森島司選手。今日の試合でも活躍が期待されます!

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本日はホーム・浦和レッズ戦! 相手はACLで決勝まで勝ち進んでいる強豪です。今日も難しい戦いが予想されますが、チーム全員の力を合わせて戦いますので、熱いご声援をよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・守備は悪くない。声をかけ合って守ること。
・攻撃はじれずにボールを動かしていこう。
・ここからだぞ!

ゲームレポート

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何とも悔しさの残る結果となった。
ACLでファイナル進出を決めた浦和をホームに迎えた一戦。序盤からゲームの主導権を握ったのはホームのサンフレッチェだった。最終ラインからテンポ良くパスをつなぐ組織的なサッカーで浦和を敵陣地へ押し込み続けると、前半から決定機を演出。1トップのドウグラス・ヴィエイラが前線で起点となるだけでなく、時には相手DFの背後へ抜け出してGKと1対1のビッグチャンスを迎えるなど、攻勢を強めていった。だが、浦和の守護神・西川周作のビッグセーブや相手DFの体を張った粘り強い守備にあい、前半に放った7本のシュートで仕留めることはできなかった。
「じれずにボールを動かしていこう」。主導権を握っていた前半の内容を受けて、城福監督がそう指示を出して迎えた後半もペースはサンフレッチェが掌握した。前半同様、1トップやシャドーの川辺駿、森島司が前線で巧みにパスを受けて攻撃を繰り出し、何度も相手ペナルティーエリア内へ進出。後半も序盤からドウグラスや川辺、森島らがゴール前であと一歩のところへ攻め込み、シュートを浴びせていったが、最後の一歩が足りなかった。すると、守備で耐え続けていた浦和に一瞬の隙を突かれてしまう。75分、サンフレッチェは自陣へ押し込まれてしまうと、攻め上がってきたDF岩波拓也にミドルシュートを決められて失点。試合終盤にまさかのリードを許してしまった。
だが、諦めないサンフレッチェの執念も負けていなかった。同点に追い付こうと最後まで攻撃に出た紫軍団は88分、川辺のドリブル突破からオウンゴールを誘発して同点。その後、逆転弾を奪うことはできなかったが、試合は1-1のドローで決着することになった。
内容では終始、浦和を圧倒していただけに城福監督は「最後に追い付けたことは良かったが、勝点1を受け入れるには難しいゲーム内容だったと思う」とコメント。サンフレッチェにとって悔しい勝点1となった。

監督 試合後コメント

勝点3を取りたかったゲームだった。最後に追い付けたことは良かったが、勝点1を受け入れるには難しいゲーム内容だったと思う。浦和さんがACLを勝ち抜いて、こういう日程になって、今日来ていただいたサポーターと喜びを分かち合いたかった。ただ、シュートがなかなか入らなかったことやあの失点シーンに関してだけは少しラインが下がり過ぎた。ボールを奪われたところは我々からしたらファウルにも見えるシーンで、そのストレスをすぐにプレーでエネルギーとして変えないといけなかったが、そのモヤモヤ感を引きずってしまった一瞬だったかもしれない。ジャッジについては私は何も言わないが、これもサッカー。隙のないサッカーをしてもあの1回の失点でゲームが苦しくなる。それはチームとして次に生かさないといけない。ただ、オウンゴールではあったが、諦めない気持ちが我々に勝点1をもたらした。今シーズンはまだまだ終わっていない。この勝点1が生きるように、次のゲームから勝点3を目指してやっていきたいと思う。
(レアンドロ・ペレイラの投入時間について)あれぐらいの時間であれば(ケガの)リスクは少なくて済むだろうと思った。決定機は作れていたし、彼が交代で入る前の10分ぐらいで、おそらく3、4回決定機はあったと思う。彼の決定力をもってすれば時間を与えれば決めてくれるという思いもあった。時間に関しては、あれがギリギリだと判断した。

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