11.2 15:05

明治安田J1 第30節 vs. 川崎フロンターレ
AWAY等々力陸上競技場

試合終了

川崎フロンターレ 川崎F
2
1
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半21分
    田中
  • 後半39分
    マギーニョ
1
前半
0
1
後半
1
  • 後半37分
    レアンドロペレイラ

試合の見どころ

 前節の“勝点1”を生かせるかどうかは、まさに自分たち次第だ。
 浦和のACL決勝進出によって日程を前倒しして開催された10月29日(火)のJ1第31節。ホームにJ屈指のビッグクラブを迎え撃ったサンフレッチェは、相手に先制を許しながらもオウンゴールで何とか追い付いて1-1で引き分けた。「本来ならば負けゲーム」(城福監督)。全体的に浦和を圧倒しながらも一瞬の隙を突かれて失点して敗れてしまうサッカーの世界でよく見られる苦いゲームになりそうだったが、選手たちの諦めない気持ちが同点弾を呼び込み勝点1を引き寄せた。だからこそ、城福監督はその「勝点1を意味のあるものに」と前を向く。敗れてもおかしくなかったゲームでドローに持ち込めたのは必ず意味がある。リーグ戦は残り4試合。浦和戦で得た勝点1がどんな意味をもたらすかは、自分たちに懸かっている。
 前節から中3日で戦う今節も強豪との戦いだ。敵地で臨む相手はリーグ2連覇中の王者・川崎F。現在は1試合消化の多い4位・サンフレッチェが6位・川崎Fを勝点差3で上回っているが、相手は先週土曜日にJリーグYBCルヴァンカップ初制覇を成し遂げるなど、今季もやはり強さは健在だ。今節は守備の中心である谷口彰悟と車屋紳太郎、昨季のリーグMVPであるアタッカー・家長昭博が出場停止となるだけでなく、日本代表に選出経験のあるボランチ・守田英正と元サンフレッチェの馬渡和彰がケガで離脱中と台所事情は苦しいが、「川崎Fは選手層の厚いチーム。特に攻撃陣は相変わらず強烈」と城福監督は警戒する。川崎Fの代名詞でもある強力攻撃陣の顔ぶれは、リーグ連覇へ導いた小林悠や阿部浩之、中村憲剛、大島僚太といった面々に加え、今季から加入した元ブラジル代表でロンドン五輪得点王でもあるレアンドロ・ダミアンと多士済々だ。家長が不在だろうとリーグ随一のアタッカー陣が揃う相手にサンフレッチェはいかに立ち向かっていくか。
 勝負のポイントは3-2で勝利した前回対戦と同じだろう。ボールポゼッションに長けた川崎Fに対し、サンフレッチェは受けに回るのではなく、序盤から相手以上のパスワークを見せて3得点を重ねた。川崎Fは多彩なコンビネーションで敵守備陣をこじ開ける力は持っているが、逆にボールを持たれることには慣れていない。今季の紫軍団は城福監督の下で“つなぐスタイル”を積み上げており、それを実行して見せたのが前回対戦だった。
 今節は同じ轍を踏まないよう、川崎Fも相当な圧力をかけてくるだろう。残りのリーグ戦を占う意味でも「お互いが負けられない」(城福監督)という強い気持ちを見せて激しいバトルが繰り広げられるはずだ。だが、サンフレッチェのスタンスは変わらない。「自信を持って、顔を上げて、残り4試合をやり切ること」(城福監督)。前節・浦和戦も失点以外は見事な内容だった。川崎F戦もその戦いを持続するだけだ。

監督 試合前日コメント

昨日まではしっかりリカバリーをしないといけない状況だったが、明日になれば全員同じようなコンディションに戻ってくると思う。それだけのトレーニングを我々は今年ずっとやってきたので、中3日はまったく問題ないと思っている。
(川崎Fは出場停止もケガ人も多いが)層は厚い。出てくる選手はJリーグで実績のある選手が多いし、カードもある。技術の高さも相変わらずある。
(FWはレアンドロ・ダミアンか小林悠か分からないが)両方の良さを(チームで)共有した。レアンドロ・ダミアンが出てきた時には、早めのクロスがあるし、彼の背負ってからシュートに持っていく力も含めて注意を払うこと。また、小林悠は飛び出しがある。両方とも警戒しないといけないし、両方ともボールの出どころがあるので、そこはしっかり抑えたい。
両チームともここで勝たないと最後の上位争いのサバイバルから落ちることになる。相当、球際を含めて厳しい試合になると思う。何より川崎Fは自分たちの良さをふんだんに出してくると思う。明日はお互いの良さの出し合いになると思っている。ただ、オープンなゲームにはしたくない。
この試合の重要性を考えたら、ここを落とせない、あるいは勝点3を取って帰ることがいかに重要かはみんな分かっている。キックオフから試合終了のホイッスルが鳴るまで、倒れるまでやりたい。

試合前情報

photo
この日は遠い川崎でのゲームにも関わらず、約2,500名もの方にお越しいただきました。非常に悔しい敗戦となりましたが、最後まで熱いご声援をお送りいただき、ありがとうございました!

photo
本日のスターティングイレブンです! 前節・浦和戦から先発一人が変わりました。今日もチーム一丸となって勝利を目指します!

photo
リーグ戦では5月26日のJ1第13節・浦和戦以来の先発出場となったエミル・サロモンソン選手。ようやく巡ってきた出番に気合い十分です!

photo
「等々力陸上競技場」のロッカールームです。今日は3rdユニフォームの白で戦いに臨みます!

photo
本日はアウェイ・川崎フロンターレ戦! 相手はリーグ2連覇中の王者であり、先週にはJリーグYBCルヴァンカップも制したJ屈指の強豪です。敵地での熱く激しい攻防が予想されますが、勝利のために全力で戦い抜きますので、熱いご声援をよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・焦れずにボールを回し続けよう。
・後半は失点ゼロで試合を進めること。
・辛抱して2点取るぞ!

ゲームレポート

photo photo
photo photo
photo「両チームともここで勝たないと最後の上位争いのサバイバルから落ちることになる」。城福監督が試合前にそう話したように、今季を占う川崎Fとの上位生き残りを懸けた一戦は、まさに壮絶な死闘となった。
試合は序盤から一進一退の攻防で続いた。互いのストロングポイントであるパスワークを出そうと両チームは最後尾からじっくりとボールをつないで攻撃を展開。ただ、どちらかがボールを持てば中盤では激しいバトルが繰り広げられ、その網をどうにかかいくぐったチームがゴール前へ進出してシュートを放つ。ボールを握って主導権を掌握しようとする両チームの激しい攻防はまさに見ごたえ十分だった。
その中でサンフレッチェは川崎Fに好機を生かされてしまった。21分、ペナルティーエリア内へ進出されると、一度はクリアしたものの、そのこぼれ球を拾った田中碧にミドルシュートを決められて失点。悪くないゲーム運びを見せていたが、早くも追いかける展開となってしまった。
そこからは紫軍団が同点に追い付こうとより攻勢を強めていった。シャドーの川辺駿、森島司の推進力を生かして敵陣地へ何度も侵入し、サイドからチャンスを演出。エミル・サロモンソンやドウグラス・ヴィエイラのクロスから相手守備陣を完璧に崩すシーンもあったが、GK新井章太のファインセーブもあって前半を0-1で折り返すことになった。
すると、後半開始直後からいきなり城福監督が動いた。エミルに代えてFWレアンドロ・ペレイラを投入し、1トップだったシステムをドウグラスとの2トップへ変更。前への姿勢を強めて同点を狙いにいくと、後半は怒涛の攻撃が続いた。ブラジル人2トップを起点に、サイドへ配置転換した森島や柏好文が持ち味のドリブルを生かして敵陣地へ果敢に進出。徐々に川崎Fを追い詰めていくと、迎えた82分だった。ロングボールから背後へ抜け出したレアンドロがGKを冷静にかわしてゴールへ流し込み、ついに同点に追い付くことに成功した。
だが、川崎Fの執念も消えてはいなかった。同点に追い付いた直後の84分、相手に押し込まれてしまうとシュートのこぼれ球をマギーニョに拾われ豪快に決められて万事休す。「選手は今持てる力をすべて出してくれたと思うし、内容も下を向くものではない」(城福監督)。まさに死力を尽くしたサンフレッチェだが、何とも悔しい敗戦となった。

監督 試合後コメント

我々に残された試合を考えたら、今日は勝点3を取らないといけない。そういう思いはチーム全体で持っていた。もちろん内容があって初めて結果があるが、我々としたら勝点3という結果を取れなかった、この悔しさ、現実を受け入れないといけない。選手は今持てる力をすべて出してくれたと思うし、内容も下を向くものではない。失点のところ、あるいはチャンスを決定的チャンスにするところ、そこはこのチームはまだまだ成長しないといけないし、伸びる要素はあると思う。あと3試合でそれを見せたい。今日は紫の感動的な塊が後押ししくれたが、彼らの期待に応えられなくて残念に思っている。
(後半開始からレアンドロ・ペレイラを投入したが)我々らしさでゲームを運んだ時間が多くあったことは認識している。ただ、現実として勝点3を取るためには2得点を取らないといけなかった。チャンスは作ったけれど、決定機で多くの割合でゴールネットを揺らせる選手をピッチに立たせることが私の決断だった。ここ数試合は決定機の数で上回っても勝点1で終わった試合が何試合もあった。2得点を取ることを考えたら、我々らしさを失ったわけではないけれども、彼らの決定力を引き出してやる。そういうゴール前になることは覚悟して投入した。おそらく、皆さんは最後の7、8分の印象でボールを蹴ったと思われるかもしれないが、我々は後半35分ぐらいまではしっかりボールをつないでいた。前半と大きくサッカーを変えたわけではない。ただ、彼らの良さを引き出すためにゴール前は少し形が変わった。最後の10分は、2点目を取られた時には、我々らしく相手を広げたかったが、最後にパワープレーの回数が多くなったのは選手を責められるものではない。
(チャンスを本物の決定機にするための過程で何が大事か)私が大事にしているのは決定機を多く作ること。決定的なシーンを作り続けない限り、それが5回で1点しか取れなかったら、それを10回作る。そういうサッカーをすることが大前提。もちろん、5回の決定機で3点取れる選手が存在すれば、そんないいことはない。我々の試合をご覧になっている方なら多少理解していただけると思うが、このチームは決定機をなかなか決められない。決定機の数は昨年より格段に多くなっているが、勝点1で終わった試合で相手の3倍のシュートを打っている、決定機をかなり多く作っている試合はある。ただ、だから良いと言えないのが、我々の世界。やはり勝点3を取らないといけない。そのためには決定機を作らないといけないこと。決定力のある選手の力を引き出すこと。この二つのバランスはずっと戦っている。今日はレアンドロ・ペレイラが1点を取ったが、彼は長期離脱をしていた。リリースで全治8週の8週目が今日だった。そういう意味では私の中ではかなり難しい選択をした。自分たちのサッカーが多少、最後の形が違うものになっても彼の決定力を引き出したかった。この評価は結果として自分が問われるものだと思っている。

試合情報をシェア!

x