11.23 14:03

明治安田J1 第32節 vs. 鹿島アントラーズ
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
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鹿島アントラーズ 鹿島
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前半
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試合の見どころ

 来季へ向けて、とにかく勝つのみだ。
 前節の他会場の結果により今季は優勝の可能性が消滅してしまったサンフレッチェだが、ACL出場権獲得の道はまだ途絶えていない。プレーオフからの出場となる3位・鹿島との勝点差は「8」であり、その鹿島が天皇杯で優勝すれば繰り上げで出場となる4位・川崎Fとの差は「6」だ。川崎Fがすでに1試合消化が多いことなどを考えれば、まだまだ4位以内に入れる可能性は十分。「我々はとにかく勝つしかない」(城福監督)。残り3試合、すべて勝てば何が起きるか分からない状況だ。
 その意味でも今節の鹿島戦は激闘の予感が漂う。相手は首位との勝点差が「3」とまだ優勝を狙える位置につけており、タイトルのためにも負けられない一戦となる。一方のサンフレッチェは来季のACL出場権のために勝利のみを目指す戦いだ。目標が違えど、この試合に懸ける思いはお互いに大きく、リーグ終盤戦ならではの緊迫したゲームとなるだろう。勝点3を奪うために両チームの意地とプライドがぶつかり合う厳しい戦いとなるのは必至である。
 今季3度の対戦でも熱戦を演じてきた。ホーム&アウェイ方式で戦ったACLラウンド16では、ホームチームがそれぞれ1点差で勝利したが、アウェイゴールの差で鹿島が次のラウンドへ駒を進めた。そして、そのACLから5日後に行われた敵地でのリーグ戦では、サンフレッチェが2度のリードを許す展開ながらも、柏好文の2得点により2-2で引き分けた。ACLで倒せなかったことを考えれば今季は鹿島が優位に思えるが、3度の対戦成績は1勝1分1敗とまったくの五分。お互いに苦手意識はない中で臨むことができるだろう。
 今回ホームで戦うサンフレッチェの勝利のポイントはやはり“得点力”だ。1-1で引き分けた前々節・浦和戦、そして1-2で敗れた前節・川崎F戦の2試合で勝点1に終わっているが、2試合ともに内容は悲観するものではなく、むしろ勝利してもおかしくないゲームだった。今季築き上げているボールをつなぐサッカーで決定機を作り出しながらも決め切れず、相手に一瞬の隙を突かれて失点する。その悪循環によって勝点3を逃しているが、鹿島戦までに空いた3週間の中断期間では「決定機を多く作ること、決定力を上げること」(城福監督)に取り組んでチームのレベルアップを図った。また、ケガ人も続々と復帰しており、まさに離脱者なしのベストメンバーで臨める今回の鹿島戦。「相手の特長は選手の頭の中に入れるが、今年は鹿島と3試合戦っているので、その中で持っているイメージと自分たちが何を成長させてきたのかが我々の明日の勝負だと思っている」(城福監督)。今季みんなで築き上げてきたサッカーを最大限発揮し、勝利をもぎ取りたいところだ。

監督 試合前日コメント

(鹿島の印象は)勝負強いチーム。勝負の分かれ目が分かっていると言うか、そういう意味ではカウンター、リスタートなど、流れの中というよりは、その二つに関しての集中力やスキルの高さはJリーグの中でもトップレベルだと思っている。明日の鹿島はほぼベストメンバーで来ると思う。相手の特長は選手の頭の中に入れるが、今年は鹿島と3試合戦っているので、その中で持っているイメージと自分たちが何を成長させてきたのかが我々の明日の勝負だと思っている。
(6月の鹿島との3連戦から成長した部分を見せたいか)それは(成長を見せることは)ずっとやってきているつもり。結果として見せたい思いはあるが、あの3連戦はすべて我々が追いかける状況だった。3試合とも見直したが、「我々がこれだけボールを握っているではないか」とは思っていない。それは全部追いかけている状況だったから。そうなると鹿島はプレー時間を極力少なくしてくる。時間を使いながらサッカーをやらない。そういうゲーム展開にさせてしまった3連戦だった。我々が成長を見せる勝点3の中に彼らに先に点を取らせないことは非常に大事になると思っている。
(土居聖真に点を取られているが)過去3試合で言えば、おそらくミーティングでもロッカールームでも土居聖真の名前が一番出ていた。それでもやられたのは彼を抑えきれないということではなく、我々のいろんな場面での対処が最終的に彼の良さを引き出させてしまったということ。
我々の崩しに関しては、ずっとやってきたことがある。自分たちがボールを握るところ、目指すスペース、奪われた瞬間に取り戻してのショートカウンターというところは、我々のベストを見せたい。何よりも攻撃の時間が長ければ守備の集中力が上がる。そういう試合をしたい。もう一つは、0-0の状況であればイーブンと言えるのか。おそらく点を取って勝点3ということを意識して焦れるのは今回のケースでは鹿島が先だと思っている。我々は0-0でいいのではなく、辛抱すべきところは辛抱して、むしろ鹿島の焦れやバランスを崩すところを見逃さないこと。目指すサッカープラスしたたかさも併せ持って見せられればと思っている。
(残り3試合に向けて)我々には重圧という言葉は常にあるが、今の我々の立ち位置からするとやり切って結果を出したいという思いはものすごく強い。だからこそ、このシチュエーションは絶対にいいサッカーができるはずだと思っている。そして最後の喜び合える状況をつかみ取る。この3試合の終わり方は自分たちが今年、いい事も苦しい事も苦労してきた事でこんなチームになったと見せられるような試合にしたいと思っている。

試合前情報

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本日のスターティングイレブンは、こちら! 試合前には柏好文選手のJ1通算250試合出場のセレモニーも行われました。ウィングバックとして異例の2桁得点達成に向け、今日もキレキレカッシーのプレーにご注目ください!

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選手がピッチに登場! 今日は、レアンドロ・ペレイラ選手が1トップに入ります!! ここまでリーグ戦6試合3得点を挙げている高い得点力にご期待ください!

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チームバスがスタジアム到着しました! サポーターの方の大声援で迎えられ、城福浩監督も引き締まった表情でロッカールームに入っていきました!

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本日のロッカールームです。今は、誰もおらずとても静かですが、まもなく選手バスが到着。キックオフ前、選手たちはここで気持ちを高めてから、ピッチに向かいます!

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本日はホーム・鹿島アントラーズ戦です! リーグ戦も残すところあと3試合。これからはACL出場権獲得を目指して戦います。相手はリーグ屈指の強豪ですが、チーム一丸となって戦い抜きますので、熱いご声援をよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・相手のカウンターに気をつけること。
・連動しながらボールを動かしていこう。
・残り45分はプレーに集中すること。

ゲームレポート

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photo11月後半とは思えない暖かな気温の中で開催された上位直接対決は、互いに譲らない一進一退の攻防となった。
6位・サンフレッチェはACL出場権獲得のために、3位・鹿島は優勝のために勝点3を目指して戦った一戦。序盤から両チームのこの試合に懸ける思いが伝わるバトルが繰り広げられた。ボールを握って主導権を掌握するために至るところで激しい球際の戦いが勃発。両チームともに鋭いプレスで相手の攻撃に自由を与えない集中した守備が目立つゲーム展開となり、なかなか互いに決定機を作れないジリジリとした我慢の試合となった。
その中でサンフレッチェは根気強く戦い抜いた。前半の終盤にようやく落ち着いてボールを握れるようになると、相手の陣地で何度もセットプレーを獲得。終了間際にはCKから野上結貴が決定機を迎えるなど、どちらかと言えば、サンフレッチェが押し気味で前半を終えた。
迎えた勝負の後半は城福監督のプランどおりに進んだ。序盤からサンフレッチェがボールを保持する展開となり、途中から鹿島に押し込まれる時間帯が生まれたが、「特に後半の25分か30分ぐらいに少し10分間ぐらいオープンになって相手がボールを握る時間が長くなった時があった。そこをよく我慢したと思う。あそこをゼロで抑えたら、必ず相手はバランスを崩して攻めてくると思っていた」(城福監督)。その狙いは見事にハマった。守備陣を中心に鹿島の時間帯を根気強く守り抜くと、攻撃では途中から入ったドウグラス・ヴィエイラや東俊希が攻撃を活性化してカウンターを中心に鹿島ゴールへ強襲。さらに衰えない体力を見せた柏好文が何度も相手守備陣を脅かすなど、最後の10分間は怒涛の猛攻を見せたがゴールを奪えず。「自分の中で描いていたプランの一つのように動いていた」(城福監督)ゲームだったが、1点が遠く悔しいドローに終わった。

監督 試合後コメント

まずはサポーターに感謝したい。我々が優勝という単語を使えなくなり、世の中から見たら目標がなくなったようなチームに思われている状況の中で彼らが本当に我々の背中を押してくれた。彼らと一緒に喜び合いたかった。
内容については、我々はACLを含めて過去3試合の鹿島との試合で先制点を奪われていた。まずは先に点を取られないことはみんなで強く意識した。ただ、取られないというのは守備をするのではなく、ボールの失い方。失った時に何を意識するかはかなり強く意識してくれたと思う。私の記憶では、鹿島の攻めで我々が天を仰ぐシーンがあったかと言うと、なかったと思う。特に後半の25分か30分ぐらいに少し10分間ぐらいオープンになって相手がボールを握る時間が長くなった時があった。そこをよく我慢したと思う。あそこをゼロで抑えたら、必ず相手はバランスを崩して攻めてくると思っていた。もちろん、その前に我々が点を取れるチャンスがあったかもしれないが、最後の10分ぐらいで我々にビッグチャンスが絶対に来ると思っていた。ある意味、展開は自分の中で描いていたプランの一つのように動いていた。最後は1-0で勝ちたかったが、まずはゼロに抑えたこと。苦しい時にもみんなが一体感を持って我慢ができたところは次につながると思う。我々には成長していくという高い目標がある。数字の目標よりも成長しながら勝ちにこだわる志に関しては、少し皆さんに見せられたと思う。だからこそ、非常に悔しい思いがある。
(後半に2トップシステムにする考えは?)あった。おそらくビハインドになってしまえば我々が準備していた選択肢はあったと思う。ただ、それは我々のやり方を崩すということでもある。その中でどちらを取るか。おそらく相手はバランスを崩して点を取りに来るだろうという思いがあったので、このまま自分たちが崩さずに耐えれば、必ずチャンスがあると思っていた。そういう判断をした。
(2枚目、3枚目の交代の意図について)相手の2CBがレアンドロにかなり集中していた。1トップのレアンドロの動いた後のスペースを見れる、そこにボールを蹴れる選手として東俊希を置いた。セットプレーも含めて。ドウグラスもレアンドロの役割を受け継いでくれたと思うが、東にはウイングバックでキックだけを期待するよりはダイナミックさも出したいと思ったので、3枚目(清水航平)を入れた時に東をシャドーにして柏を本来の左に持っていった。また、相馬(勇紀)のドリブルも清水で抑えたかった。1-0で勝つプランが進行していたところだったので、すべてリスクを負うよりは自分たちの組織を作りながら最後に穴を突けると思って交代カードを使った。
(押し込まれた時間帯は3週間ぶりの試合の影響があったのか)私は見方が違う。それよりも注目すべきは、あの時間帯に鹿島がどんな決定機を作ったか。彼らは勝点3が絶対必要でリスクを冒して押し込んでくるのは当たり前。我々はあの時間帯で我慢ができれば、奪ったところで前線で数的同数になる。ビッグチャンスになる。それまでイーブンだったかは皆さんの判断に任せるが、あの7~8分の我慢の時間で鹿島に本当のチャンスを与えなかったことが重要。その後の10分で我々に必ずビッグチャンスが来ると思っていた。ゲームから遠ざかっていたというよりは、我々のプランどおりだった。

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