11.30 14:03

明治安田J1 第33節 vs. 湘南ベルマーレ
AWAYShonan BMW スタジアム平塚

試合終了

湘南ベルマーレ 湘南
1
0
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半9分
    オウンゴール
1
前半
0
0
後半
0

試合の見どころ

 自分たちの“進化”を示す戦いだ。
 長かった2019年のリーグ戦もいよいよ残り2試合。今季はリーグを制することができなかったが、サンフレッチェには常に高い志がある。「我々には成長していくという高い目標がある」(城福監督)。単純に勝点の上積みだけを求めて戦うのではなく、チームとして成長しながら勝ちにこだわるサッカーだ。その意味では、タイトルという目標がなくなったとはいえ、残り2試合でチームのモチベーションが下がることはない。自分たちが成長を実感し、ファン・サポーターには成長の跡を見せ、そして勝利を掴むことが今季の最終的な目標となる。
 今季ここまで築き上げてきた力をぶつける相手として不足はない。サンフレッチェが敵地に乗り込む相手はハードワークが武器の湘南。リーグ第22節まで指揮を執っていた曺貴裁監督が退任して以降、騒動の影響からか10試合連続で勝利がなく(3分7敗)、J1昇格プレーオフ圏となる16位まで順位を下げてしまったが、敵地で戦った前節は首位・FC東京相手に意地を見せて連敗を「6」で止めた。試合は後半アディショナルタイムにミドルシュートで追い付かれて1-1のドローに終わったとはいえ、全体を通してのハードワークや厳しい球際、素早い攻守の切り替えなど、実に湘南らしいアグレッシブさがみなぎっていた。湘南は15位・清水との勝点差が「4」とまだまだ残留圏に浮上するチャンスは十分に残っており、そのためにもサンフレッチェとのゲームではFC東京戦同様にハードに気持ちを込めて戦ってくることは必至。そんなモチベーションの高い相手を自分たちのサッカーで倒してこそ、紫軍団は成長した姿を見せることができる。
 この試合の一つのポイントとして城福監督が挙げたのが“ショートカウンター”だ。「相手は引いた時には10人で守りを固める」と指揮官が言うように、湘南の守備時には前線に一人を残して守りに徹し、自慢のカウンターを狙ってくる。そんな強固な守備網を攻略するのはどのチームでも簡単ではなく、難しい戦いになるだろう。もちろん、サンフレッチェとしては今季積み上げているコンビネーションサッカーで湘南の堅陣を崩せれば理想だが、そのつなぐスタイルを発揮しながら、相手がボールを持った時には組織的な守備で封じ、そこからのスピーディーなショートカウンターでゴールを狙うのは有効な手段となる。遅攻と速攻を柔軟に使い分け、難敵・湘南を退けたいところだ。

監督 試合前日コメント

(湘南は)ここ数試合と直近の2試合では明らかに変わっている。(前々節・)C大阪戦も負けてはいるが、決定機はおそらく湘南のほうが多かった。それが湘南らしさなのかは私には分からないが、全員がハードワークする中でチャンスを作っていくという意味では、かつての湘南の良い状況に戻ったと思う。(前節・)FC東京戦も最後は守る状況になったかもしれないが、湘南としたらやるべきことをやり切った、1-0で終わってもおかしくなゲームだったと思う。
良い守備から切り替える選手の数が多いのは、おそらく湘南の一番良い状況のレベルにあると思う。一人や二人ではなく、四人目や五人目ぐらいまで走り込んでいく切り替えのところや距離、あるいはシンプルに放り込んだ後のセカンドボールを拾う集中力もポジションに関係なくみんながセカンドアクション、サードアクションをしてくる。それは我々から見たら厄介だと思っている。
また、守備の強いFC東京とC大阪があれだけ湘南にチャンスを作られたのは、オーガナイズした守備を崩されるというよりは、スクランブルからの切り替えの速さの人数が多いから。いくらオーガナイズしても切り替えのところはオーガナイズとは別の次元の話になるので、そこは注意しないといけない。
湘南のメンバーがどうなるか分からないが、松田天馬や山田直輝という質があって動ける選手を配置して山崎凌吾か指宿洋史といった大きい選手、ポストプレーヤーとの特長を併せ持たせるところは新監督になってだいぶ整理されてきたと思っている。
我々はいつもそうだが、悩ましいということも含めて選手みんなが良くやってくれている。最後の最後までどういうメンバーでどういうプランで戦うかは、相手チームを何試合か見て決めるだけであればラクだが、自分たちの目の前の息遣いや心身のコンディションを合わせて最後はゲームプランを考えるので、その合わせ技になると本当に悩ましい。それはポジティブなこと。

試合前情報

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この日は遠い平塚でのゲームにも関わらず、約1,400名もの方にお越しいただきました。最後まで熱い後押し、ありがとうございました!

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本日のスターティングイレブンです! 前節・鹿島戦と同じ顔ぶれとなりました。今日も全力で戦い、4試合ぶりの勝利を目指します!

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前節・鹿島戦でJ1通算150試合出場を達成した稲垣祥選手。サンフレッチェが誇るハードワーカーは今日もチームのために走り抜きます!

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「Shonan BMW スタジアム平塚」のロッカールームです。今日は2ndユニフォームで戦いに臨みます!

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本日はアウェイ・湘南ベルマーレ戦! 相手はJ1昇格プレーオフ圏の16位に位置していますが、全員がハードワークして戦てくる難敵です。今日も敵地での難しい戦いが予想されますが、勝利のためにチーム一丸となって戦い抜きますので、熱いご声援をよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・守備は簡単に相手に走らせないこと。
・攻撃はどこかで強いアクションを入れていこう。
・絶対に2点目を取られるな。ここからだぞ!

ゲームレポート

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「試合の入りに圧力を少し受けてしまったことでゲームを苦しくしてしまったと思う」。試合後、城福監督がそうこぼしたように、序盤の悪い流れが最後まで響く結果となった。
湘南の敵地に乗り込んだサンフレッチェは、試合の入りからもろに相手の勢いを受けてしまった。最終ラインからボールを保持しようと試みた紫軍団だったが、湘南の持ち味である鋭いプレスかつハードな球際に大苦戦。なかなかボールをつなげず相手のショートカウンターを受け続けてピンチを招くと、いきなりゴールをこじ開けられてしまった。9分、自陣右サイドをパス交換で攻略されると、最後は荒木隼人の足に当たってオウンゴール。苦しい立ち上がりそのままに、湘南に先制を許す苦しい展開となってしまった。その後もなかなかスムーズに攻撃を繰り出せずに前半を終えたサンフレッチェは、後半の頭から稲垣祥に変えてドウグラス・ヴィエイラを投入。シャドーの川辺駿をボランチに下げて、ドウグラスを前線に配置し攻撃姿勢を強めていった。
だが、この日はJ1残留を目指す16位・湘南の守備の集中力が高かった。サンフレッチェはFWのレアンドロ・ペレイラとドウグラスのパワーを前面に出して圧力を強めていったが、「最後は相手の守備の集中力が上がって時間が経過していく状況になったのは湘南の思い描いたゲームになってしまった」(城福監督)。前半よりは相手をシュートで脅かす場面は格段に増えたが、相手の体を張った守備や敵GKのビッグセーブもあってゴールを奪えない。最終的にはDF荒木隼人も前線に残してパワープレーにも徹したが、ゴール前を固める湘南守備陣を最後まで攻略することはできず。0-1で敗れる悔しい結果に終わった。

監督 試合後コメント

関東のサポーターと広島から来ていただいたサポーターに残念な思いをさせてしまった。気迫で負けないような試合の入りをしたかったし、相手が圧力をかけてくるのは分かっていたので、そこを我々らしく裏返して自分たちのペースにしたかった。試合の入りに圧力を少し受けてしまったことでゲームを苦しくしてしまったと思う。その後も我々らしく攻めようとしたが、シュートまでが遠い感じだったので(後半の頭から)ドウグラス・ヴィエイラを入れた。ただ、最後は相手の守備の集中力が上がって時間が経過していく状況になったのは湘南の思い描いたゲームになってしまった。そうしてしまったのは反省したいし、それはホーム最終戦で生かさないといけない。
(今季ホーム最終戦に向けて)気迫がないわけではないが、もっともっと見ている方々に伝わるようにしたい。試合の入りから我々が今年目指してきたサッカーもお見せできるようなゲームをして最後は勝って終わりたいと思っている。

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