7.18 19:03

明治安田J1 第5節 vs. セレッソ大阪
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
2
セレッソ大阪 C大阪
  • 後半8分
    ドウグラスヴィエイラ
0
前半
1
1
後半
1
  • 前半20分
    オウンゴール
  • 後半5分
    藤田直之

試合の見どころ

 1点が勝負を占う緊迫した攻防となるだろう。
 エディオンスタジアム広島ではリーグ再開後初めて制限付き(5,000人以下)ではあるが、有観客となる一戦。相手は関西の雄・C大阪だ。スペインの知将・ロティーナ監督が就任して1年目の昨季からサンフレッチェより一つ上の順位の5位でフィニッシュした力のある難敵である。元日本代表の清武弘嗣や柿谷曜一朗らを擁すなど、C大阪と言えば前線のタレントに目が行きがちだが、ロティーナ監督のサッカーで特に際立っているのが、昨季はリーグ最少の25失点に抑えた“堅守”だ。「守備のやるべきことが整理されているチーム。どこかにすごく穴があるとかではなく、チームとしてやるべきことをみんなが認識しながらやっている。穴がなかなか開かない」と城福監督も相手の堅い守備を認める。実際、昨季の対戦成績はリーグ戦1勝1分とサンフレッチェが勝ち越したが、スコアは1-0、1-1と最少得点で終わった。今季ここまでもC大阪は、前節・名古屋戦こそ0-2で敗れているが、それまでは大分、G大阪、清水を手堅い戦いで破って3連勝を飾っており、手強い相手なのは変わらない。
 この試合のサンフレッチェのポイントは、やはり、いかに堅守を攻略するかだ。リーグ再開後の第2節・神戸戦こそ3得点を奪ったが、その後の大分、鳥栖戦で挙げた得点はわずか「1」。特に最近の課題となっているのが、ボールポゼッションであり、スコアレスドローに終わった鳥栖戦では相手に支配率で上回られた。もちろん、ボールを保持するからと言って勝負に勝てるわけでもないが、城福サッカーが目指すスタイルは前線からの迫力ある守備で相手を押し込み、ボールを握り、自分たち主導でゲームをコントロールすることにある。鳥栖戦までの課題を踏まえて、城福監督はC大阪戦に向けて力強く言う。
「我々が目指す『主導権を握ること』に対してもう一度強い意識を持ちたい」
 鳥栖戦の終盤にチームとして盛り返すことができたのも、選手交代によって出てきたフレッシュな選手たちが高い位置から守備で圧力をかけ続けたからこそだった。そうして敵陣へ押し込めれば、前線でのコンビネーションプレーがより機能し、今季の大きな武器であるショートカウンターもさらに威力を発揮する。「同じ疲弊ならリアクションではなく、アクションでしたい」(城福監督)。ただでさえ、体力の消耗が激しいこの夏場の時期、自分たち主導のサッカーで相手をより疲弊させ、勝点3を奪う戦いを見せたいところだ。

監督 試合前日コメント

(ホームでは再開後初の有観客の試合だが?)人数の制限はあるが、我々の試合を開催するためにご尽力いただいて、待っていてくださった方々に「待っていて良かったな」と思ってもらえるように試合をお見せしたい。何よりも我々は勝点3が欲しい状況。来てくださった方の力をいただきながら、一緒に勝点3を勝ち取りたいと思っている。
(ここまで4試合で2失点の守備について)基本的に守備が崩壊してやられた2失点ではない。もちろん、我々からしたらどうにかしたかった思いはあるし、反省材料ではあるが、組織を見直さないといけない失点ではない。守備に関しては、ある程度、自信は持っている。前節も危ないシーンがゼロではないが、ああいう難しい試合をゼロで抑えた。今シーズンここまでの試合では、みんながハードワークしてくれている。頭の中を含めてみんながそこにエネルギーを向けているが、そこにかけるエリアをもう少し前にしたい思いはある。我々の目指す方向にもっと向かいたいという思いをみんなで強く持って次の試合に臨みたい。
(選手の疲労度は?)ガッツリ休んでしまうと体がダルくなってしまう。少しの刺激を入れながらも今週は強度を気にしたつもり。頭の中はC大阪戦に向かいながらも、試合に近い強度で確認する時間は少なくした。3連戦の疲労はゼロではないが、だいぶ抜けてきた状況でC大阪戦を迎えられると思う。

試合前情報

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今日のスターティングイレブンです! バックスタンド指定席は完売! サポーターの皆さんの声援を受けてともに戦います!

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17:25頃、チームバスがスタジアム入り。エディオンスタジアムで久しぶりにお客様を迎えての試合に、選手たちも気合十分です!

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ロッカールームの様子です。永井龍選手が、広島移籍後、公式戦初スタメンとなりました! 古巣・セレッソ大阪相手へ恩返しゴールにご期待ください!

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本日はホーム・セレッソ大阪戦! リーグ再開後初の有観客でのゲームとなります。相手はスペインの知将・ロティーナ監督率いる強豪ですが、チーム全員の力を合わせて勝利を目指しますので、熱いご声援をよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・プレスに行く時のマークをハッキリすること。
・辛抱強くボールを動かして攻撃していこう。
・アグレッシブに行くぞ!

ゲームレポート

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エディオンスタジアム広島では約5カ月ぶりに有観客でのゲームとなった一戦。5,000人以下の制限付きの中、この日は3,084人の観衆を迎え入れての戦いとなった。
この試合のサンフレッチェの注目ポイントは、“2トップ”へのシステム変更だった。昨季から一貫して[3-4-2-1]システムで戦ってきたが、C大阪戦ではFWレアンドロ・ペレイラの相方として永井龍を今季初先発させて[3-5-2]システムへチェンジ。前線を2枚にすることで、高い位置からのアグレッシブな守備で相手を押し込み、攻撃を繰り出す狙いを持って臨んだ。
だが、前半は慣れないシステムの影響からか、相手に主導権を握られてしまう。C大阪のパスワークの狙いどころを絞れずに守備の時間が多くなると、20分にはサンフレッチェの左サイドを攻略されてオウンゴールで先制点を献上。「2トップの守り方のところで前からのアグレッシブさを出す前に失点したのは反省しないといけない」と試合後の城福監督が語ったように、2トップの特長を出す前に失点する苦しい展開となってしまった。
その後もC大阪ペースが続く中で、前半の終盤にはようやく前からのプレスがハマり出し、広島がペースをつかんで後半を迎えたが、この日は次の失点が痛かった。ハーフタイムに、ドウグラス・ヴィエイラと藤井智也を同時投入して攻撃への勢いを加速させに行ったが、50分、後方からのビルドアップをC大阪に狙われると、相手にショートカウンターを許して2失点目。それでも下を向かずにすぐ反撃に出たサンフレッチェは、3分後にドウグラスがPKを獲得し、それを自ら決めて早くも1点差に追い詰める。
そこからさらに同点に追い付こうと、交代枠を使いながら怒涛の攻撃を繰り出していった広島は、何度もC大阪ゴールへ肉薄。レアンドロが強烈なシュートを放って相手を脅かすなど、後半は主導権を握り続けて猛反撃を見せたが、最後までゴールを奪えず。チャンスを作り出しながらも2点目が遠かった広島はホームで手痛い黒星となった。
この試合の2トップシステムについて城福監督は、「相手も違うし、やり方も特長も違うので、すべてが次につながるかどうかは別だが、我々に目を向けた時に共通意識としてアグレッシブに守備をするところ、ボールを奪った後のクオリティーのところは、今日は手応えと課題が見えた」。この日は痛い授業料だったが、C大阪戦での経験を生かして次節こそは勝点3奪取を目指す。

監督 試合後コメント

久しぶりにファン・サポーターに入っていただいたゲームで、皆さん本当に待ちわびていたと思うし、声援もピッチに届いていたが、期待に応えられなくて残念。ゲームについては、今日の我々は2トップで臨んだが、2トップの守り方のところで前からのアグレッシブさを出す前に失点したのは反省しないといけない。ただ、途中からは慣れてきて、我々らしく前からボールを奪って相手陣地でプレーすることは前半の最後のほうから出せ始めた。後半も確信はあったが、2失点目が早かったと思う。あれは痛かったし、あそこで堪えていれば我々の時間が増えてくるだろうと。そうすれば勝点が取れる可能性がもっと高まったと思う。前半と後半の入りのところは、反省して、次のゲームに生かして勝点3を取れるように良い準備をしたいと思う。
(交代5枚の意図は?)ビハインドだったので、戦術的なところもそうだが、プレーヤーとしてもエネルギッシュな選手を入れたかった。より攻撃的になるような選手を送り出していった。もちろん、良い守備からの良い攻撃のレベルが上がるようなイメージを持ってすべての選手を送り出したし、ハイネルのクオリティーを中央で出してほしかったので、そこもそういう交代になった。
(新しいシステムで今後につながる手応えは?)相手も違うし、やり方も特長も違うので、すべてが次につながるかどうかは別だが、我々に目を向けた時に共通意識としてアグレッシブに守備をするところ、ボールを奪った後のクオリティーのところは、今日は手応えと課題が見えた。しっかりそれを積み上げていけたらと思う。もちろん、1トップも2トップも両方ポジティブに考えているので、選手の特長をしっかり引き出せるように、選手が躍動するような立ち位置と役割を整理して次につなげたいと思う。
(ハイネル選手を中央でプレーさせたのは技術とフィジカルを期待したのか?)技術と判断のところで、ビハインドの中でどういうアグレッシブさを出すか。穴を開けっ放しだと点を取られるので、そこはどういう蓋をしないといけないかという判断のところも含めて、彼は非常に高い判断基準を持っている.
特にオープンになった時には、状況に応じてプレーができるし、ボールにも絡める。彼がより中でボールに関わる頻度を高い状況で出してほしかった。ある程度はやってくれたと思う。

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