試合の見どころ
仕切り直しの一戦だ。連敗脱出を懸けて戦うはずだった7月26日(日)のJ1第7節・名古屋戦は、相手数名に新型コロナウイルス感染症の陽性が出たことで急遽、延期に。今季は過密日程での戦いが続いているが、週末に試合がなくなったことで、今節・横浜FC戦まで約1週間半の準備期間を経て戦うことになった。
「我々がするべきことは次の横浜FC戦に向けて気持ちを切り替えること」(城福監督)。思わぬ試合延期を受けて、そう前を向いて臨む今節の戦い。相手である横浜FCには、今季の公式戦初戦となった2月のJリーグYBCルヴァンカップ・グループステージ初戦で2-0の勝利を収めているが、約5カ月前とは別のチームと考えたほうがいいだろう。当時とは戦い方がまったく変わっている。
特に大きな変化がポゼッションサッカーへの進化だ。前回対戦でもそうだったように、横浜FCは約4カ月間のリーグ中断前までは堅い守備をベースにカウンターを狙うスタイルで戦っていたが、現在はGKを含めて最後尾からじっくりとボールをつないで攻撃を組み立てる戦いへシフトチェンジ。直近の試合では、川崎F、横浜FM、浦和に敗れてリーグ戦3連敗中と結果こそ出ていないものの、その3つの“ビッグクラブ”が「苦労している」(城福監督)と語るように、パススタイルの内容は決して悪くなく、0-4で敗れた前々節・横浜FM戦の前半などは相手を圧倒するほどだった。メンバーもボールを保持できる選手を揃え、さらには20代前半の若くて勢いのある選手を活用したカウンターも破壊力抜群。左ワイドの23歳・松尾佑介の推進力は脅威であり、18歳とは思えない存在感を示しているFW斉藤光毅の密集地帯でも挑むキレのあるドリブル突破は敵にとってかなり厄介だ。そこに大ベテラン・中村俊輔や佐藤謙介といったパスの配給役がチームをしっかりと落ち着かせている。恐れることなく自分たちの戦い方を徹底して挑んでくる横浜FCは、まさに力のある難敵だ。
そんな横浜FC戦のサンフレッチェの勝利のポイントは、敵を上回るポゼッション力だ。「内容では悪くなかったし、チャンスも作り出していた。ただ、得点はゼロだった」(城福監督)と振り返ったJ1第6節・G大阪戦(0●1)の課題を踏まえ、この1週間半は自分たちに目を向けてトレーニングに力を注いだ。2試合連続で失点している守備にももちろん厳しい目を向けているが、「もっとボールを失わずにやれるはず。もっとみんなでボールを触って相手陣地に行けるはずだ」と指揮官は言う。ボールを握って主導権を握るスタイルはサンフレッチェも目指す道である。アクションサッカーを追求して、5試合ぶりの勝利をもぎ取りたいところだ。
「我々がするべきことは次の横浜FC戦に向けて気持ちを切り替えること」(城福監督)。思わぬ試合延期を受けて、そう前を向いて臨む今節の戦い。相手である横浜FCには、今季の公式戦初戦となった2月のJリーグYBCルヴァンカップ・グループステージ初戦で2-0の勝利を収めているが、約5カ月前とは別のチームと考えたほうがいいだろう。当時とは戦い方がまったく変わっている。
特に大きな変化がポゼッションサッカーへの進化だ。前回対戦でもそうだったように、横浜FCは約4カ月間のリーグ中断前までは堅い守備をベースにカウンターを狙うスタイルで戦っていたが、現在はGKを含めて最後尾からじっくりとボールをつないで攻撃を組み立てる戦いへシフトチェンジ。直近の試合では、川崎F、横浜FM、浦和に敗れてリーグ戦3連敗中と結果こそ出ていないものの、その3つの“ビッグクラブ”が「苦労している」(城福監督)と語るように、パススタイルの内容は決して悪くなく、0-4で敗れた前々節・横浜FM戦の前半などは相手を圧倒するほどだった。メンバーもボールを保持できる選手を揃え、さらには20代前半の若くて勢いのある選手を活用したカウンターも破壊力抜群。左ワイドの23歳・松尾佑介の推進力は脅威であり、18歳とは思えない存在感を示しているFW斉藤光毅の密集地帯でも挑むキレのあるドリブル突破は敵にとってかなり厄介だ。そこに大ベテラン・中村俊輔や佐藤謙介といったパスの配給役がチームをしっかりと落ち着かせている。恐れることなく自分たちの戦い方を徹底して挑んでくる横浜FCは、まさに力のある難敵だ。
そんな横浜FC戦のサンフレッチェの勝利のポイントは、敵を上回るポゼッション力だ。「内容では悪くなかったし、チャンスも作り出していた。ただ、得点はゼロだった」(城福監督)と振り返ったJ1第6節・G大阪戦(0●1)の課題を踏まえ、この1週間半は自分たちに目を向けてトレーニングに力を注いだ。2試合連続で失点している守備にももちろん厳しい目を向けているが、「もっとボールを失わずにやれるはず。もっとみんなでボールを触って相手陣地に行けるはずだ」と指揮官は言う。ボールを握って主導権を握るスタイルはサンフレッチェも目指す道である。アクションサッカーを追求して、5試合ぶりの勝利をもぎ取りたいところだ。
監督 試合前日コメント
(横浜FCは)リスクを負ってボールをつなぐ意識が高くなっている。そして最後までつなぎきるというよりは、前線につないだ時に大きいボールを前の選手が収めて2次カウンターのような感じになる。最近の志向は少し大分に似ている印象。
(相手は失点が多いが)我々はまったくそう思っていないが、今年はリスクを冒してもいいレギュレーションになっていることを存分に使っていると思う。通常のシーズンだと、おそらく「このままでは、ちょっと…」となるところでも、今年のシーズン特有の状況になっている。だからこそ、そういう積み上げ方もできるし、そういう選択をしてくるチームは絶対に出てくる。ある程度、リラックスして恐れずにやってくるチームを相手にすることがどれだけ厄介なのか。逆に言えば、プレッシャーがかかった状況でいろんなものを背負ってやると言う意味では、我々はそれを背負ってやっている。
(再び連戦となるが)我々は積み上げてきたものをどの試合でもしっかりと出すこと。あるいは、今年さらに積み上げようとしている、いい守備からのショートカウンターなどをさらに出していきたい。その思いは強い。ただ、直近の試合であるG大阪戦では、チャンスは作っているけど、我々から見たら前線のモビリティーが足りない。誰が前線で出てもモビリティーをもう少し出したい。そうすれば、G大阪戦よりももっと多くのチャンスが作れると思っている。そこは目指したい。
(相手は失点が多いが)我々はまったくそう思っていないが、今年はリスクを冒してもいいレギュレーションになっていることを存分に使っていると思う。通常のシーズンだと、おそらく「このままでは、ちょっと…」となるところでも、今年のシーズン特有の状況になっている。だからこそ、そういう積み上げ方もできるし、そういう選択をしてくるチームは絶対に出てくる。ある程度、リラックスして恐れずにやってくるチームを相手にすることがどれだけ厄介なのか。逆に言えば、プレッシャーがかかった状況でいろんなものを背負ってやると言う意味では、我々はそれを背負ってやっている。
(再び連戦となるが)我々は積み上げてきたものをどの試合でもしっかりと出すこと。あるいは、今年さらに積み上げようとしている、いい守備からのショートカウンターなどをさらに出していきたい。その思いは強い。ただ、直近の試合であるG大阪戦では、チャンスは作っているけど、我々から見たら前線のモビリティーが足りない。誰が前線で出てもモビリティーをもう少し出したい。そうすれば、G大阪戦よりももっと多くのチャンスが作れると思っている。そこは目指したい。
試合前情報

本日のスターティングイレブンです! チーム全員の力を合わせて横浜FC撃破を狙います!

約1カ月ぶりのメンバー入りとなった柏好文選手。頼もしい男が帰ってきました!

選手を乗せたバスがスタジアムに到着しました。エゼキエウ選手はJ1第2節・神戸戦以来のメンバー入りとなりました!

「ニッパツ三ツ沢球技場」のロッカールームです。藤井智也選手がリーグ戦初先発となりました!

本日はアウェイ・横浜FC戦! 相手は3連敗中と結果こそ出ていないものの、勢いのある若い選手が多く躍動しており、上々の内容を見せています。敵地に乗り込むサンフレッチェとしては、そんな相手を上回るアクションサッカーで5試合ぶりの勝利を目指しますので、熱いご声援をよろしくお願いします!
監督 ハーフタイムコメント
・非常にいい集中ができている。これを続けること。
・テンポよくボールを動かしながら攻めていこう。
・テンポよくボールを動かしながら攻めていこう。
ゲームレポート




試合は序盤から広島が主導権を握った。前線からの集中した組織的な守備で横浜FCの志向するポゼッションサッカーを封じると、攻撃では複数人が連動したコンビネーションサッカーで敵陣地へ果敢に進出。「我々のここ数試合の反省は、相手チームがどうこうではなく、自分たちがもっと前線でモビリティーを出すことだった」と指揮官が話したように、ドウグラス・ヴィエイラ、森島司、東俊希の前線3人が効果的に動きを作り出すことで相手DFを混乱させ、チャンスは何度も訪れた。8分、15分、17分と東が決定機を迎えるなど得点の匂いがし始めると、早くも試合を動かした。22分、東の浮き球パスに抜け出した森島が相手DFともつれながらも右足でゴールに流し込んで1-0。4試合ぶりとなる先制点を奪うことに成功した。その後も攻撃の手を緩めなかった広島は、左サイド・藤井智也のスピードを生かした突破や細かなパス交換を駆使して相手陣地で多くの時間を費やすと、理想的な時間帯で追加点が生まれた。37分、セットプレーの流れから青山敏弘の鋭いアーリークロスをドウグラスがゴール前で落ち着いて決めて横浜FCを突き放した。
後半は紫軍団の粘り強さが際立った。2点差を追いかける相手の圧力やシステム変更などによって押される時間帯が多くなったが、カウンターから3点目を狙いつつも、攻め込まれれば全員が体を張り続けてゴールを死守。さらに第2節・神戸戦で負傷した柏好文が途中出場で復帰した他、今季新加入のエゼキエウも74分から出場して“サンフレッチェデビュー”を飾らせるなど、最後まで攻撃姿勢も忘れずに戦い続けた。結局、3点目は奪えなかったものの、守備ではしっかりと無失点に抑えて2-0でサンフレッチェが完勝。「後から入った選手たちは攻撃的な選手ではありながらも2-0というスコアをしっかり意識しながらやってくれた。全員で勝ち取った勝点3だと思う」(城福監督)。攻守で強さを見せ付けた広島が5試合ぶりの勝利をつかみ取った。
監督 試合後コメント
直近の2試合は負けていたし、我々の今年の目標を考えたら今日は絶対に負けられない試合だった。自分たちが勝点3を取るためには失点ゼロは絶対条件だと思っていたので、選手たちは意識高くやってくれたと思う。前半から集中力高く相手にポゼッションをさせず、自分たちがある程度押し込めた。チャンス、あるいはチャンスの手前まで作りながら、しっかり2点を取れたという意味では、イメージどおりだった。後半にドウグラスが痛めて、退いたのは計算外だったが、後から入った選手たちは攻撃的な選手ではありながらも2-0というスコアをしっかり意識しながらやってくれた。全員で勝ち取った勝点3だと思う。広島のファン・サポーターの方には、しばらく勝利を届けられていなかったので、今日は本当に勝てて良かった。
(ショートカウンターとポゼッションの出来は?)前半は非常に良かったと思う。攻め込まれるシーンがゼロではなかったが、我々のイメージどおりの前からの守備と押し込むことをやれた。前線のモビリティーも前回の試合よりは出せたと思う。セットプレーからも点を取りたかったので、そこを含めて押し込んだ結果の得点だったと思う。ただ後半は、当たり前だが相手はリスクを負ってシステムを変えて攻めてきた。そこでもう少しクオリティー高くできるようになると、相手陣地で時間を費やせる。また、相手がリスクを背負ってきたところを逆にダメ押しの3点目が取れる。取れそうなシーンもあったが、そこのクオリティーはもっともっと高めていかないといけない。それでも今日は勝点3がどうしても欲しかったので、2-0になって重心が後ろになったのは、我々の勝点3への執念を考えたら、やむを得ない部分もあった。悪くなかったと思っている。
(先発した藤井智也選手と東俊希の出来は?)もちろん課題はある。東であれば決定機がいくつかあったし、本人が一番悔しい思いをしている。藤井も前半はやれたが、後半は少しトーンダウンしたところはあった。ただ、我々の中での若い選手が自分の持てる力をキックオフから出そうとしてくれたことは評価したいし、我々のチームの活力になると思う。もっともっと彼らにはクオリティーを上げてもらって、チームの底上げの一翼を担ってほしいと思っている。
(大迫敬介選手の出来と柏好文選手が復帰したが?)大迫については、大分戦で勝敗を左右するようなミスをした。ラスト8分のところで2点を取られて我々は負けたわけだが、勝負に対する厳しさを彼は学んでここ数試合はベンチで見ていたと思う。彼は昨年から試合に出ていて、今シーズンの2月の開幕戦も再開初戦の(第2節)神戸戦も出ていたが、その時にずっと良い準備をしていた林卓人がいた。ベンチになった時にどのような姿勢を見せないといけないのか傍で見ていたと思う。そして大迫がサブに回った時に林のようなひた向きさをずっと出してくれた。林の姿勢があったからこそ、大迫は出られなかった数試合、トレーニング場で非常に良いパフォーマンスを見せてくれていた。彼を今日のピッチに送り出した時には、絶対にやってくれると思っていた。
柏については、まだ100%ではないが、再受傷のリスクがないギリギリのところで今回は連れてきた。フィジカル的にはもっともっと上げていけると思うが、彼のボールを収めるところ、彼が起点になって他の選手を走らせるところは見せてくれたと思う。守備も最低限のところはやってくれた。もっと攻撃に絡みたかったと思うが、後から出た選手は全員攻撃的な選手の中で2-0のスコアを大事に感じながらプレーしてくれた。彼が帰ってきて勝点3を取れたのは非常に良かった。
(先制点の攻撃の形について)我々のここ数試合の反省は、相手チームがどうこうではなく、自分たちがもっと前線でモビリティーを出すことだった。その一つのキーが先制点のようなコンビネーションの動きだった。それには、ボールを出す選手をいかにフリーにするかというポゼッションのクオリティーを上げながら、ヘッドアップした時にスペースを作ってそこを使うのは今年目指しているところ。その部分で今日は少し成功体験を得られた。G大阪戦はあれだけ攻めて得点が取れなかったが、今日は我々はもっとモビリティーを出そうという部分で共通認識を持ってやってくれた結果の得点ができたのは良かった。
(ショートカウンターとポゼッションの出来は?)前半は非常に良かったと思う。攻め込まれるシーンがゼロではなかったが、我々のイメージどおりの前からの守備と押し込むことをやれた。前線のモビリティーも前回の試合よりは出せたと思う。セットプレーからも点を取りたかったので、そこを含めて押し込んだ結果の得点だったと思う。ただ後半は、当たり前だが相手はリスクを負ってシステムを変えて攻めてきた。そこでもう少しクオリティー高くできるようになると、相手陣地で時間を費やせる。また、相手がリスクを背負ってきたところを逆にダメ押しの3点目が取れる。取れそうなシーンもあったが、そこのクオリティーはもっともっと高めていかないといけない。それでも今日は勝点3がどうしても欲しかったので、2-0になって重心が後ろになったのは、我々の勝点3への執念を考えたら、やむを得ない部分もあった。悪くなかったと思っている。
(先発した藤井智也選手と東俊希の出来は?)もちろん課題はある。東であれば決定機がいくつかあったし、本人が一番悔しい思いをしている。藤井も前半はやれたが、後半は少しトーンダウンしたところはあった。ただ、我々の中での若い選手が自分の持てる力をキックオフから出そうとしてくれたことは評価したいし、我々のチームの活力になると思う。もっともっと彼らにはクオリティーを上げてもらって、チームの底上げの一翼を担ってほしいと思っている。
(大迫敬介選手の出来と柏好文選手が復帰したが?)大迫については、大分戦で勝敗を左右するようなミスをした。ラスト8分のところで2点を取られて我々は負けたわけだが、勝負に対する厳しさを彼は学んでここ数試合はベンチで見ていたと思う。彼は昨年から試合に出ていて、今シーズンの2月の開幕戦も再開初戦の(第2節)神戸戦も出ていたが、その時にずっと良い準備をしていた林卓人がいた。ベンチになった時にどのような姿勢を見せないといけないのか傍で見ていたと思う。そして大迫がサブに回った時に林のようなひた向きさをずっと出してくれた。林の姿勢があったからこそ、大迫は出られなかった数試合、トレーニング場で非常に良いパフォーマンスを見せてくれていた。彼を今日のピッチに送り出した時には、絶対にやってくれると思っていた。
柏については、まだ100%ではないが、再受傷のリスクがないギリギリのところで今回は連れてきた。フィジカル的にはもっともっと上げていけると思うが、彼のボールを収めるところ、彼が起点になって他の選手を走らせるところは見せてくれたと思う。守備も最低限のところはやってくれた。もっと攻撃に絡みたかったと思うが、後から出た選手は全員攻撃的な選手の中で2-0のスコアを大事に感じながらプレーしてくれた。彼が帰ってきて勝点3を取れたのは非常に良かった。
(先制点の攻撃の形について)我々のここ数試合の反省は、相手チームがどうこうではなく、自分たちがもっと前線でモビリティーを出すことだった。その一つのキーが先制点のようなコンビネーションの動きだった。それには、ボールを出す選手をいかにフリーにするかというポゼッションのクオリティーを上げながら、ヘッドアップした時にスペースを作ってそこを使うのは今年目指しているところ。その部分で今日は少し成功体験を得られた。G大阪戦はあれだけ攻めて得点が取れなかったが、今日は我々はもっとモビリティーを出そうという部分で共通認識を持ってやってくれた結果の得点ができたのは良かった。