8.15 19:03

明治安田J1 第10節 vs. 浦和レッズ
AWAY埼玉スタジアム2002

試合終了

浦和レッズ 浦和
1
0
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半5分
    レオナルド
1
前半
0
0
後半
0

試合の見どころ

 仕切り直しの一戦だ。8月12日(水)に予定されていたJリーグYBCルヴァンカップ・グループリーグ最終節・鳥栖戦は、相手チームに新型コロナウイルス感染症の陽性者が数名出たことで急遽、中止に。そして、当日の他会場の結果により、鳥栖に勝ったとしても勝点で上位に届かなくなったサンフレッチェのグループステージ敗退が決まる不運の1日となってしまった。広島にとっては新型コロナウイルスによる試合中止は名古屋戦に続いて2度目の出来事。不測の事態がチームを襲っているが、「我々にできることは浦和戦に向けて切り替えること」(城福監督)。ルヴァンカップ敗退の悔しさを含めて、浦和戦にエネルギーを注ぐことが今は重要だ。
 連戦のはずが、1週間の準備期間で臨むことになった今節。その持て余すことになったパワーをぶつけるには最高の相手だ。日本有数のビッグクラブである浦和は、今季ここまでリーグ戦4勝2分3敗の勝点14でサンフレッチェより一つ上の順位の7位とまずまずの位置につけている。ただし、今節はより集中力を研ぎ澄まして臨んでくるのは確実だ。前節・名古屋戦では、相手のスピーディーな攻撃を止めることができず守備が崩壊して前半だけで5失点を喫した。後半はメンバー交代などで持ち直したとはいえ、結果的には2-6で敗れる大敗。“浦和”というブランド力のあるクラブがそんな試合をしてしまえば、プライドに懸けても今節に向けて相当な勝利への執念を持って戦ってくることは必至である。
 もともと、各ポジションにタレントは揃っている。守備陣に目を向ければ、GK西川周作は健在であり、CBにもオーストラリア代表のトーマス・デンや鈴木大輔、槙野智章といった実力者が集う。前線には、J3の鳥取、J2の新潟と結果を残して今季J1へ成り上がってきたブラジル人ストライカー・レオナルドが得点ランク2位タイとなる6得点を挙げて決定力の高さを示している。ここ数試合、その相方を務めている187cmの大型FW杉本健勇も状態は決して悪くない。絶対的エース・興梠慎三が直近の2試合はケガで戦列を離れているとはいえ、武藤雄樹や関根貴大、長澤和輝、武富孝介など攻撃力の高いアタッカーが十分に揃っている。
 そんな相手にサンフレッチェはどう勝利をもぎ取るか。直近のリーグ戦2試合で無失点に抑えている堅守を維持することはもちろん、ポイントはやはり攻撃だ。前節・湘南戦ではサイドを起点に相手を押し込み続け、流れるようなコンビネーションから何度もチャンスを作る好内容を披露した。ただし、「チャンスを多く作りながらも1点しか取れていない。改善したところを浦和戦で見せたい」と城福監督はさらなる攻撃の上積みを誓った。相手は前節の課題を踏まえ守備を整備してくるだろう。だが、それを上回れるだけの攻撃力を紫軍団は備えている。敵地・埼玉スタジアム2002で力を示したいところだ。

監督 試合前日コメント

浦和はもともと個の力のあるチーム。それが名古屋戦で大敗をして、彼らの闘争心などを呼び覚ますような状況になっていると思う。大敗をしたからこそ、「次は絶対に負けられない」という思いを持ってチーム一丸となって戦ってくるだろうし、個のレベルの高さとチームのコレクティブな戦いの両方を備えてくるのではないかと思っている。
いずれにしても浦和は今現在で考えられるベストメンバーで臨んでくるのは間違いないだろうが、相手メンバーの予測云々よりも我々のやるべきことをより高いレベルでこなせるように集中したい。
相手は良いキッカーがいるし、ヘディングが強い選手もいる。セカンドボールを含めて集中しないといけない。ただし、我々は押し込みながら、ボールを奪い返した後のショートカウンターというサイクルの中で得たセットプレーはゲームを運んでいく上で大きなファクターになると思っている。まずは我々らしく戦った上でのセットプレーは大事にしたい。我々のキッカーの精度は上がってきている。誰か一発決めて欲しいと思っている。
(浦和の)出る可能性のある選手を考えても全員がJリーグの大きな実績を持っている選手。そこはあまり予測しても仕方ない。それぐらい、どのチームに行ってもレギュラーを張れるような選手がいる。自分たちとしては、我々らしく前から行くところと、コンパクトに守るところ、サイドで押し込むところを精度を持って、継続性を持ってやることが重要になる。
(昨年は埼玉スタジアム2002で大勝したが?)ただ、直近の名古屋戦の結果、あるいは昨年の我々とのゲームを考えたら、相当、堅い試合になる。そんな簡単にやらせてくれないと思っている。

試合前情報

photo
本日のスターティングイレブンです! 前節・湘南戦と同じ顔ぶれとなりました。今日もチーム一丸となって勝利を目指します!

photo
今日の試合に出場すればJ1通算100試合出場となる野上結貴選手。いまやサンフレッチェ守備陣の要です!

photo
選手を乗せたバスがスタジアムに到着しました。それぞれ、気合いがみなぎっています!

photo
「埼玉スタジアム2002」のロッカールームです。ドウグラス・ヴィエイラ選手がリーグ戦2試合ぶりのメンバー入りとなりました!

photo
本日はアウェイ・浦和レッズ戦! 相手は前節・名古屋戦で2-6の大敗を喫しておりますが、各ポジションにタレントを擁すJ屈指の強豪に変わりはありません。リーグ戦3連勝を目指すサンフレッチェとしては、そんな浦和を上回る気持ちのある戦いを見せますので、熱いご声援をよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・守備はスライドをしっかりすること。
・攻撃は何回もやり続けること。
・勝負はここからだぞ!

ゲームレポート

リーグ戦3連勝を目指して敵地「埼玉スタジアム2002」に乗り込んだ一戦。キックオフ時間が19時にも関わらず、気温33.1℃、湿度58%という蒸し暑いタフな気候での戦いは序盤の一手が勝負を分けることになった。
試合はいきなり動いた。開始早々の5分、サンフレッチェはペナルティーエリア内で背後を取られたハイネルが相手を倒してPKを献上。これをレオナルドに冷静に決められて早くもリードを許す展開となってしまった。すると、ここから試合の様相は完全に分かれた。自陣に引いて守る浦和に対し、広島はボールを保持して怒涛の攻撃を展開。相手にカウンターさえも許さずに浦和ゴールに迫り、いくつものチャンスを作り続けた。特に前半は1トップのレアンドロ・ペレイラに好機が集中。10分の右足でのシュートを皮切りに、17分にオーバーヘッド、21分にヘディング、35分には浅野雄也のパスから決定機を迎えたが、すべて浦和守護神・西川周作のファインセーブにあい、決め切ることができなかった。
仕切り直して迎えた後半も試合の情勢は変わらなかった。前半同様に自陣で守りを固める浦和に対して広島は猛反撃。開始早々から右サイドでのCKを立て続けに獲得してゴールを狙いに行き、51分にはハイネルの決定的なヘディングシュートもあったが、これも西川に防がれてしまう。その後も攻撃への圧力を強めるために前線の交代カードを切って試合を進めて行く広島は、東俊希や茶島雄介、ドウグラス・ヴィエイラ、藤井智也、野津田岳人と5枚の交代枠をフル活用。相手の攻撃をしっかり防ぎながら、両サイドを中心にクロスやショートパスを駆使して何度も何度も浦和ゴールへ迫った。だが、相手の集中した粘り強い守りを最後まで攻略することができず、結局、0-1で敗戦。シュート数はサンフレッチェが20本放ったのに対し、浦和を3本に抑え込む防戦一方の戦いを見せたが、内容と結果が一致しない何とも悔しいゲームとなった。
チャンスは多く作れていただけに「ネットを揺らせなかったことが本当に悔しい」と試合後に唇をかんだ城福監督。だが、「内容や我々がやろうとしている志向については変えずに次に向かっていければと思っている」と、この試合で見せた内容を継続しながら次節以降での反撃を誓った。

監督 試合後コメント

我々らしく戦って粘り強く勝点3を取るという強い思いを持って浦和に乗り込んだが、それがかなえられず残念。広島で応援してくださっている方たちにも、今日は勝点3を取って喜び合えるような内容だったと思うが、結果的に勝点ゼロだった。もちろん、決定機を決められない自分たちに問題があるし、セットプレーもあれだけあれば点を取りたかったが、取れなかったのはしっかり反省して次に向かいたい。ただ、内容や我々がやろうとしている志向については変えずに次に向かっていければと思っている。
(次節に向けて、このサッカーを続けて精度を上げるのみか?)もちろんゴールネットを揺らすことが一番大事なので、今日のゲームがすべて良しというわけではない。ただ、私の記憶では、前半はあの(失点のPKにつながった)スルーパスを入れられた以外でペナルティーエリア内に入れられたシーンはなかったと思う。そういうところで失点してはいけなかった。そういう隙を作ってはいけない。また、セットプレーもあれだけ取ったし、その中でビッグチャンスもあったが、ネットを揺らせなかったことは真摯に反省しないといけない。「内容が良かった」、「内容が良かった」でこのまま次に向かうわけにはいかないと思っている。
(次節・FC東京戦に向けて)まず最初に隙を作るチームになってはいけないということ。辛抱強く自分たちでボールを回して崩すところとゴール前の迫力、アイディアのところは精度を上げていかないといけない。
(失点で相手の守りが堅くなり難しくなったのか?)そうでなかったと言えないと思う。ただ、我々は相手が前から来ようが後ろに引こうが、我々らしいサッカーというのがどういうものか、どこを崩すのかは目指してやってきている。引かれたとしても、そこを崩し切るチームにならないといけない。崩し切ったけども最後は点を取れなかったというシーンもある。それぐらいビハインドになると相手の集中力も高まる。スペースを開けることが難しくなる中でも最低でも勝点を取れるチームになりたいと思っている。
(浦和が引いて守ってきたのは想定内だったのか?)浦和さんの前節が失点が多かったので、おそらく失点ゼロを意識して来るだろうと思っていた。我々の対策をしてくるだろうと思っていたし、自分たちは対策をされてもそれを上回るチームになるのが目標。取りに来ないことが意外ではなかったし、前から来るのと両方ありえると思っていた。そういう時にどうするか。どういう広げ方をして、どういう崩し方をするかは、年間を通じてやろうとしている。意外というよりは、ネットを揺らせなかったことが本当に悔しい。

試合情報をシェア!

x