11.25 19:33

明治安田J1 第29節 vs. 湘南ベルマーレ
AWAYShonan BMW スタジアム平塚

試合終了

湘南ベルマーレ 湘南
1
1
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半8分
    岡本拓也
1
前半
0
0
後半
1
  • 後半21分
    川辺駿

試合の見どころ

 シーズン最終盤に向けてチーム状態は良好だ。1-0で勝利した前節・C大阪戦では、レアンドロ・ペレイラが62分に退場して10人になったことで後半のほとんどは押し込まれる苦しい戦いとなったが、リードを奪った前半の内容は「あれぐらいの試合を基準にしたい」と城福浩監督も納得する素晴らしい出来だった。前線からの効果的なプレスで相手の自由を奪い、ロングボールに対してもDF陣が厳しく対応。セカンドボールへの寄せも早く、相手にチャンスをまったく作らせない圧倒した展開だった。組織的かつ選手個々の豊富な運動量や激しい球際が融合されたこのアグレッシブなスタイルをどのゲームでも発揮することができれば、リーグ戦残り5試合も多くの勝点が取れるはずだ。
 6戦連続負けなし(3勝3分)と結果も付いてきた中で迎える今節。相手の特長を考えれば、より前節の戦いを継続することが重要となる。相手である湘南の最大のストロングポイントは、もはや伝統とも言える堅守速攻だ。前線からの鋭いプレスや中盤でのハードな守備、そしてボールを奪った際のスピーディーに多くの選手が飛び出していく迫力あるカウンターは健在であり、最近ではより研ぎ澄まされてきた。今季はなかなか結果が付いてこずに6連敗を2度も経験し、第22節終了時点で2勝3分16敗と苦しんでいたが、第23節で柏に逆転勝利してからは6戦負けなし(4勝2分)と完全復活。前節は名古屋に1-3で敗れているものの、全体でのハードな守備に加え、鋭いカウンターで脅威を与えていた。前節の先発メンバーの平均年齢は23.91歳。日本代表に選出されるようなビッグネームはいないが、全体的に若くて勢いのあるフレッシュな湘南を攻略するのはやはり簡単ではない。広島としては、C大阪戦で見せた前半の“基準”で試合に入ることは最低限のミッションとなる。
 また、湘南戦は総力戦の戦いでもある。今回は前節から中3日であり、湘南戦が終われば今度は中2日で札幌戦が待ち受けている。疲労を考えれば、すべて同じ顔ぶれで戦うのは難しく、多少のメンバー変更はあるだろう。そこでいかにチーム力を見せられるか。振り返れば、多くのメンバーを入れ替えた第25節・仙台戦や第27節・横浜FC戦はともにドローに終わった。悪くはない内容だが、勝ち切れてもいない。この殻を破ることができれば、チームはさらに勢い付くことができるだけに、欲しいのはまさに勝点3。「今回は(勝点3を取りたいという思いが)一番強いメンバーと言えると思う。全員で準備してきた自負もある。今回それを証明したい」(城福監督)。確立されてきた戦術に加え、選手層の厚さも示したいところだ。

監督 試合前日コメント

湘南は[5-3-2]システムのコンパクトさがすごく整備されている。逆に攻め込まれても中を締めていればやられないという自信のようなものを感じる。もう一つは、少しリスクを冒さなくなったと言うか、シンプルに前線へボールを供給して、そこで収まった時に機動力を生かす戦い方にシフトしてきている。途中でボールを奪われてカウンターを受けるシーンが今の湘南は少なくなっていると思う。
(お互いのセットプレーについて)キッカーもいるし、高さでは我々は負けていないと思っている。しっかりデザインして、みんなが役割を遂行すれば、決める人間のところにボールが合うと思う。
(FKも武器になるのでは?)まずはそういうところまで押し込んでFKやCKを取ることが大事になる。我々には右も左もいろんなバリエーションのキッカーがいる。後から入ってくる選手も含めて、押し込むことでセットプレーの回数が多くなればと思っている。そのためには我々らしく90分集中したい。
(勝ち続ければ上位も狙えるが?)試合の消化数が違うので、我々のターゲットになるチームは二つか三つだと思う。そういう大枠は認識しながら、我々が勝ち続けるしかないのは事実。とにかく勝点3を強く意識したい。それは、3点取ろうが、1点で抑えようが、失点ゼロだろうが、勝点3が取れれば一番いい。勝点3を取るために、その執念を見せる。そういうゲームを続けたい。今回は(勝点3を取りたいという思いが)一番強いメンバーと言えると思う。全員で準備してきた自負もある。今回それを証明したい。

試合前情報

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本日は遠い平塚でのゲームとなりましたが、約300名もの方にお越しいただきました。最後まで熱い応援、ありがとうございました!

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本日のスターティングイレブンです! 前節から先発11人すべてが変わりました。まさにチームの総合力で勝利を目指します!

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今季リーグ戦初先発となった松本大弥選手。攻守におけるハードなプレーでチームに貢献します!

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選手を乗せたバスがスタジアムに到着しました。それぞれ引き締まった表情でロッカーへ入っていきました!

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「Shonan BMW スタジアム平塚」のロッカールームです。櫛引一紀選手は今季2度目の先発出場。持ち味の対人の強さを生かして湘南攻撃陣を封じにかかります!

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本日はアウェイ・湘南ベルマーレ戦! 相手はここまで6勝5分17敗で16位に甘んじておりますが、若くて勢いのある難敵です。今日もハードな戦いが予想されますが、チームの総合力を駆使して勝利を目指しますので、熱い後押しをよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・攻撃はテンポよくボールを動かすこと。
・ボールを奪われた時には前からいくこと。
・勝点3を取って帰るぞ!

ゲームレポート

まさにチームの総合力が問われる戦いとなった。
前節から先発11人全員を入れ替えるフレッシュな陣容で臨んだサンフレッチェだったが、試合は立ち上がりから多いに苦しんだ。序盤から相手の勢いを受けて押し込まれてしまうと、CKを立て続けに与えてしまう。すると8分、そのCKから岡本拓也に押し込まれて失点。今季は先制されると一度も逆転できていない広島にとって、早くも重い1点がのしかかってしまった。
「テンポ! テンポ!」。そう城福浩監督の声がピッチに響き渡るなど、失点後もなかなか攻撃のリズムが出てこない広島。最終ラインからパスをつないで攻撃を組み立てようと試みるものの、相手の前線からの鋭いプレスに苦戦して押し込まれ、効果的な攻めを繰り出せずに前半を終えた。
だが、後半に入るとようやくサンフレッチェが息を吹き返した。前半終了間際に負傷したエゼキエウに代わって入っていた森島司だけでなく、ハーフタイムには浅野雄也と柏好文という推進力のあるアタッカーを同時投入。選手交代で攻撃への意識を強めると、流れを一気に変えて湘南を圧倒する展開となった。松本大弥の直接FKがクロスバーに当たる序盤の決定機を皮切りに、ドウグラス・ヴィエイラらが果敢に湘南ゴールを脅かしていく。敵を押し込み続け、得点の匂いが強まってきた中でさらに62分には攻撃能力の高いボランチ・川辺駿も入れてより厚みを加えていくと、攻勢が実ったのは66分だった。アタッキングサードでボールを持ったFWドウグラスのパスをペナルティーエリアへ飛び出していった川辺が受けると、強烈なシュートを突き刺してついに同点。後半の早い時間帯で試合を振り出しに戻すことに成功した。
その後も逆転弾を狙いに主導権を握ったのは広島だった。テンポ良くパスをつなぎながら湘南DF陣を揺さぶり続け、サイドを起点にチャンスを構築。立て続けに浅野、ドウグラス、川辺がビッグチャンスを迎えるなど、最後まで得点の予感を感じさせたが、結局あと一歩が届かず。「誰よりもピッチの上で勝点3の瞬間を味わいたいと思っていた選手たち」(城福監督)と言う試合に飢えたメンバーを送り出した広島だったが、またも逆転には届かない悔しいドローに終わった。

監督 試合後コメント

いろんな思いを持って今日の試合に出た選手たちと勝点3を取って喜び合いたかったし、ここまで来てくれたファン・サポーターと共に勝点3を持って帰りたかったが、それができずに本当に残念。誰よりもピッチの上で勝点3の瞬間を味わいたいと思っていた選手たちだったので、前半の入りは悔やまれるし、うまく試合に入らせてあげられなかったのは私の問題だと思っている。ただ、後半はしっかり押し返して、自分たちらしくボールを動かして追い付けた。逆転できる雰囲気を多く作れたので悔しさはあるが、この勝点1を次につなげないといけない。選手全員でチームを作ってきたので悔しい思いを持って広島に帰るが、これを次につなげないといけない。
(川崎Fが優勝したが、今季の悔やむ部分は?)まだ4試合残っているので総括するほど頭の整理はできていないが、今季はリーグ戦もJリーグYBCルヴァンカップも開幕は非常に良い形で入れた。ただ、そこで(新型コロナウイルスの影響で)シャットダウンしてしまった。そういう意味では、その流れをそのまま再開後につなげてあげられなかったのは、私の力がまだ足りないと思う。3カ月の中断が明けた時に、あの湿度と暑さの中で5枚交代を含めてどういうふうに選手の力を出させてあげられるか。どういうふうに選手層を厚くしていけるか。そこは自分たちとしては、非常に難しいシチュエーションだった。5人交代をうまく使いながら選手をもっと成長させてあげられたのではと自分自身では思っている。
(今日は立ち上がりが難しくなってしまった原因は?)前節からの11人替えは私が決めたこと。彼らを信じて送り出したので、うまく試合に入れなかったのは私の問題だと思っている。話は重なるが、勝点3を一番取りたかったのは、今日先発した選手たち。今季、彼らがどんな思いで練習場で過ごしてきたか、ずっと見てきた。自分たちがしないといけない前からの圧力を受けてしまう入りにしてしまったのは、彼らは耳で聞いてそういう準備をして試合に入ったと思うが、実際のプレーでそれができなかった、させてあげられなかったのは監督である自分の問題だと思っている。
(同点ゴールを決めた川辺駿の出来について)後半は自分たちらしくボールを動かして、テンポも出せた。あの(得点)シーンだけでなく、得点を取らないといけない場面はいくつかあった。そのチャンスメークの一つに、彼のスペースへのランニングは我々にとって大きな武器。そこはしっかり見せてくれた思う。ただ、今季は先に点を取られると逆転するまでに至らない課題が今日も出てしまった。もちろん先制点を取られたのは一番良くないが、今シーズン中にその課題克服に向けてチーム一丸となって頑張りたい。
(中2日の次節・札幌戦に向けて)今日のピッチに立った選手やここに来た18人、広島で今日の試合を見ていた選手も、みんなが悔しさを持っていると思う。逆に言えば今日は勝点ゼロで終わらずに勝点1の執念を見せたところをしっかり次につなげて必ず次節は勝点3で終わりたいと思う。

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