4.24 14:03

明治安田J1 第11節 vs. アビスパ福岡
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
2
アビスパ福岡 福岡
  • 前半28分
    俊希
1
前半
1
0
後半
1
  • 前半9分
    オウンゴール
  • 後半13分
    寛之

試合の見どころ

 上昇へのキッカケを掴みたい一戦だ。前節・川崎F戦では執念の戦いを見せて1-1で引き分け、連敗を「2」で止めた広島だが、中2日で臨んだ21日(水)のルヴァンカップはホームで仙台に0-1の敗戦。現在は公式戦4試合連続で勝利がない状況(1分3敗)であり、その間の得点はわずか「1」と攻撃がやや停滞気味だ。特に4月のホームゲーム3試合(G大阪、湘南、仙台)はすべて無得点とあって、そろそろ沈黙を打ち破るゴールが欲しいところとなる。
 その意味では、今節は絶好の腕試しだ。相手となる福岡は2016年以来となるJ1復帰を果たした昇格組だが、ここまでリーグ戦3勝4分4敗の11位とまずまずのスタートをきっている。その内容も上々であり、勝利したのは同じ昇格組の徳島だけでなく、鹿島、FC東京と力のあるクラブからだ。特に1-0で勝利した前節・FC東京戦の戦いぶりは現在の福岡の真骨頂と言える確かな組織力を発揮したゲーム。オーソドックスな[4-4-2]システムはきっちりとオーガナイズされており、かつタフに激しく闘ってくる。そして攻撃に移れば、縦に早くサイドを有効に使いながら攻め込んでくるのが特長だ。「(福岡は)相当、インテンシティーが高いチームだと思っている。縦に早い中でセカンドボールを拾い、その後のゴールに直結するような動きやパスを繰り返せるチーム。最後はエミルというクロスのスペシャリストもいる。ピンポイントで『このチャンスだけ』というように選手は中に入ってくる。彼らの良さをもろに受けると、苦しい戦いになる」と城福浩監督も警戒する。
 前線では昨季までC大阪に所属していたブラジル人ストライカーのブルーノ・メンデスや山岸祐也、さらに元広島の渡大生といった面々が献身的に体を張ってくる。中盤でも前寛之を中心に攻守でハードワークし、最終ラインではドウグラス・グローリを筆頭に前に激しく潰してくる。そして今の福岡のキーマンとなっているのがエミル・サロモンソンだ。得意の右SBで躍動する元サンフレッチェ戦士は、今季ここまで直接FKの2ゴールを含む3得点3アシスト。広島時代から定評のあった精度の高いキックは好調で、その右足は福岡の大きな得点源となっている。自陣ゴール前のセットプレーはもちろんのこと、後方から果敢に攻め上がってくるエミルの攻撃力はやはり注意が必要だ。
 そんな福岡に対し、広島の勝利のポイントは、やはりアグレッシブさだ。「我々はまず縦、縦に来るのに対して受けっぱなしにならないこと。自分たちのボールにするために圧力をかけることは大事になる」(城福監督)。もちろん時には引かざるを得ない時もあるだろう。だが、基本としては前節・川崎F戦で見せた強度の高い守備で相手に襲い掛かり、ショートカウンターやコンビネーションを駆使してチャンスを作り続けること。得点が取れなければ一つでも多く決定的なシーンを全員で作るのみだ。福岡の堅い守備を何とかこじ開け、リーグ戦4試合ぶりの勝利を掴み取りたい。

監督 試合前日コメント

──直近の試合から中2日だが、選手たちの状態は?
「一昨日のルヴァンカップももちろん全員で目指したが、土曜日のJリーグもかなり意識したので、極端にコンディションが悪い選手がいないような状況は作れていると思う」

──福岡の印象は?
「相当、インテンシティーが高いチームだと思っている。縦に早い中でセカンドボールを拾い、その後のゴールに直結するような動きやパスを繰り返せるチーム。最後はエミルというクロスのスペシャリストもいる。ピンポイントで『このチャンスだけ』というように選手は中に入ってくる。彼らの良さをもろに受けると、苦しい戦いになる。また、そこで引いてしまうと、相手が意外とボールを繋ぐ。我々はまず縦、縦に来るのに対して受けっぱなしにならないこと。自分たちのボールにするために圧力をかけることは大事になる」

──セットプレーもポイントでは?
「直近の仙台戦もそこで痛い目にあっている。福岡にはキッカーがいて、長身の選手も揃えている。こぼれも狙っているので、そこのストロングポイントを出させないこと。また、我々もセットプレーでは可能性が増えてきている。そこで勝負を決められるようにしたい」

──明日も前から行きたい?
「気持ちとしては相手陣地でサッカーをやるアグレッシブさはずっと持っていたい。でも、引かざるを得ない、引いたほうが失点しない確率が高くなる場面もある。それは何のために引いているかと言うと、アグレッシブにやるため。その気持ちを忘れないことが大事。全部相手陣地でサッカーをやれるわけがない。今は何のために我慢をしてポジションを取っているのか、というのは共有したい」

試合前情報

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本日のスターティングイレブンです! 佐々木翔選手、川辺駿選手のキャプテン&副キャプテンが約1ヵ月ぶりにそろいました! 4月ホーム初勝利をかけて、全力で戦います!

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選手がピッチに登場しました! 今日のピッチインは、いつもより少し遅め。室内練習場で長めにウォーミングアップし、ファミリーの皆さまが待つピッチへと駆け出していきました!

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チームバスがスタジアム到着しました! 川辺駿選手は、公式戦3試合ぶりのベンチ入り! 中盤の要として、攻守にわたってチームを牽引します!

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本日のロッカールームです。4月24日はクラブの誕生日ですが、明日(25日)は森島司選手の誕生日! 23歳ラストデー&自らの24歳を祝う活躍に期待です!

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本日はホーム・アビスパ福岡戦! 相手は高い組織力を備える難敵です。今日もタフな戦いが予想されますが、チーム全員の力を結集して戦い抜きますので、熱い後押しをよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・ボールを繋ぐ時とロングフィードのメリハリをハッキリすること。
・クロスに対して積極的にゴール前へ入っていくこと。
・後半も全員で行くぞ!

ゲームレポート

紫軍団の力が試される一戦となった。
試合は早々に動いた。序盤から左サイドを起点に福岡を押し込むなど悪くない入りを見せた広島だったが、9分、一瞬の隙を突かれてしまった。自陣左サイドを崩されると、金森健志のクロスがDFに当たってしまいオウンゴールで失点。リーグ戦3試合連続で勝利のない広島にとって、早くも重い1点がのしかかってしまった。
その後、一度は勢いを取り戻したサンフレッチェ。後方からのショートパスだけでなく、ロングフィードも織り交ぜながら相手DFの背後を突いて攻撃を仕掛け続けると、ジュニオール・サントスやエゼキエウらが果敢にシュートを放っていく。そして福岡のカウンターも着実に潰して押し込んだ広島の攻撃が実ったのは28分だった。敵陣での細かなパス交換から青山敏弘のアーリークロスに飛び込んだのは、左SBの東俊希。ヘディングシュートを突き刺して同点に追い付くことに成功した。
だが、後半は一転してリズムに乗れない展開となってしまった。相手の強度の高い守備にあってリズムに乗れない広島はなかなかシュートまで持ち込むことができず。すると、指揮官が悔やんだ場面は58分だった。「おそらく後半は相手が圧力をかけた入りをしてきたと思うが、そこを丁寧なポジションで剥がしていったり、しっかり裏を取る引き出し方をするところで、失点場面もそうだが、中途半端になって相手に弾かれて、そのまま右サイドでクロスを入れられた」(城福浩監督)。エミル・サロモンソンのクロスのこぼれ球を前寛之に豪快に決められて勝ち越し点を奪われてしまった。
再び追いかける展開となった広島は、その後、柏好文や鮎川峻、ハイネル、藤井智也と攻撃的な選手を次々と投入して圧力を強め、同点を目指した。パワープレーを中心に福岡ゴールへ迫り、右SBの野上結貴が3本のシュートを放った他、84分には東がエリア内で決定機を迎えるなどあと一歩まで迫ったが、結局ゴールには届かず。1-2で敗れる悔しい結果となった。
特に後半は福岡ペースで進んだとあって、「もちろんチャンスは作れなくはなかったが、インテンシティーの高い、ある意味、蹴り合いのようなゲームになる中でもっともっと自分たちで主導的にペースを握れるチームになりたいと思う。バトルのところで負けてはいけない、そういう戦いではあったと思うが、ゲームそのものを自分たちのペースに持ち込むようなチームにみんなでなっていきたいと思っている」と反省を述べた城福監督は今後への成長を誓った。

監督 試合後コメント

「ファミリーの方に悔しい思いをさせてしまった。ホームでなかなか勝てていないこともあり、今日は勝点3を取るべくみんなで強い気持ちを持って臨んだが、結果として勝点ゼロで終わったのは残念。内容は細かなところはあるが、2失点したということは強く反省しないといけない。もちろんチャンスは作れなくはなかったが、インテンシティーの高い、ある意味、蹴り合いのようなゲームになる中でもっともっと自分たちで主導的にペースを握れるチームになりたいと思う。バトルのところで負けてはいけない、そういう戦いではあったと思うが、ゲームそのものを自分たちのペースに持ち込むようなチームにみんなでなっていきたいと思っている」

──前半は良いリズムで入れたと思うが、後半は入りからペースが上がらなかったが、疲れが原因か?
「疲れのせいにはしたくない。おそらく後半は相手が圧力をかけた入りをしてきたと思うが、そこを丁寧なポジションで剥がしていったり、しっかり裏を取る引き出し方をするところで、失点場面もそうだが、中途半端になって相手に弾かれて、そのまま右サイドでクロスを入れられた。ボールの出し手もそうだが、受け手も少しモビリティーが足りなかった後半になってしまったと思う」

──得点を決めた東俊希選手は失点にも絡んでしまったが、求めたいことは?
「攻守においてもクオリティーはもちろん高めていってほしい。DFとしては守備のところをもっと万全にしていってほしいと思っている。ただ、SBでありながらあそこ(ペナルティーエリア内)に入っていけるという意味では彼のストロングでもある。我々が引いた相手に点を取っていくには、彼だけでなくSBは一つのキーになってくる。前線と入れ替わりながらゴールに入っていくというのはもっともっとこれからも進めていきたい」

──ジュニオール・サントス選手は10試合ゴールから遠ざかっているが?
「彼が前線でどういう状況だと相手に脅威を与えられるかは、毎試合振り返りながら、彼と話をしながら、やってきている。当たり前だが彼へのマークは非常にキツいものがあって、彼にマークが集中した時には他が空く。他の選手が生きてくれば、彼が空く。そういうサイクルを作らないといけない。彼が点を取れないことだけにフォーカスすると、チームとしておかしくなると思う。彼に点を取ってほしいし、彼にチャンスを作ってほしいが、そのためには彼のマークに付いている選手が集中を他にそがれるような攻撃をしていかないと、彼になかなかチャンスは来ないと思う。そこはチーム全体でマイボールの時もそうだが、相手の裏を含めてもっともっとアグレッシブなサッカーができるようにメンバーもチョイスしていきたいし、チームとしても目指していきたいと思う」

──産みの苦しみのような状況か?
「もちろん、各々の選手には特長があるし、ジュニオール・サントスの特長も生かし切りたいと常々思っている。あるいは、彼も一つ納得のいくゴールができればノッてくるのもあるし、周りがもっともっと彼を信頼するところもあると思う。そのサイクルにいくまでは、やはり勝点を積み上げながら、自分たちの最大値を探れるようにしていかないと、上に離されてしまう。自分たちも危機感を持ってやっているので、全員でまずは目の前の勝点を取りながら、特長を生かし合うことは2場目に進めていきたいと思う」

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