5.1 15:03

明治安田J1 第12節 vs. ヴィッセル神戸
AWAYノエビアスタジアム神戸

試合終了

ヴィッセル神戸 神戸
3
0
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半11分
    古橋亨梧
  • 前半25分
    古橋亨梧
  • 前半31分
    中坂勇哉
3
前半
0
0
後半
0

試合の見どころ

 勝利の流れを繋げたいゲームだ。直近の公式戦5試合で1分4敗と苦しんでいた広島は、敵地で戦った28日のルヴァンカップで清水を倒し6試合ぶりの勝利。リーグ戦から多くのメンバーを入れ替えた中での試合とはいえ、「我々は人数が潤沢にいるわけではない中で、ケガ人もいて、ギリギリで選手を回している。だからこそ、この中で勝点3を取ることが全員の成長に繋がると捉えていた。次に繋がる勝ちだと思う」(城福浩監督)。過酷な17連戦を戦っている最中のチームは、総力戦で1試合1試合に臨んでいる。そこで得る勝利はまさにチーム全員で掴んだモノだ。9連戦目となる今節は中2日での戦いとなるが、再び団結して勝利を目指すことになる。
 その相手となる神戸は、昨季までのイメージを拭い去ったほうがいい。リーグ戦で敗れたのは6年前の2015年、2018年からの城福体制でも5勝1分と圧倒的な相性の良さを誇る今季の神戸はやや毛色が違う。昨年9月に就任した三浦淳寛監督の色なのだろう。どちらかと言えば、“攻撃色”の強かったスター軍団だが、今季はインテンシティーの高さと確かな守備組織をベースに堅いゲームを繰り広げている。
 実際にその戦いはハマっており、ここまでリーグ戦5勝5分1敗の6位。名古屋には唯一敗れているが、首位・川崎Fには1-1で引き分け、5勝の内の4勝を1点差で勝ち切る勝負強さを見せている。しかも現在は世界的プレーヤーのイニエスタが開幕からケガで離脱しており、さらに得点源のドウグラスや守備の柱であるトーマス・フェルマーレンも3月17日の川崎F戦を最後に欠場中だ。攻撃を司るセルジ・サンペールは健在だが、日本人を主体にした現在の神戸は、主力を欠きながらも手堅いチームへと変貌を遂げている。
 警戒すべき選手は、やはり3月に日本代表へ初選出された古橋亨梧だ。カウンターから背後を突くスピードはJ随一であり、ここまでリーグ戦7得点とノリに乗っている。身長は170cmと上背があるほうではないが、シュートセンスも併せ持つストライカーは絶えず注意が必要だ。また、前節・鹿島戦で初先発となったケニア代表のアユブ・マシカが身体能力の高さと柔らかなプレーでアシストを記録し、ブラジルの将来を担う逸材と言われる20歳のストライカーであるリンコンもJデビューを飾った。ともにまだ合流したばかりとあって、状態を上げている段階だが、隙を与えると危険な存在と言える。
 その中で広島としては、いかに堅い神戸を切り崩していくか。「相手が前にかかってくるということは、我々もショートパスと相手がかかってきたスペースをミドルパスやスペースへのボールで剥がしやすくなるということ」と城福監督。もちろん足下への細かなパスも必要だが、相手のハードプレスを剥がすためにはロングフィードも有効な武器となる。まずはインテンシティーの高さで負けず、長短のパスを使い分けた柔軟な攻撃を仕掛けて得点を奪い、リーグ戦5試合ぶりの勝利といきたいところだ。

監督 試合前日コメント

──中2日での試合となるが、選手の状態は?
「もちろん、まだ今日の時点でもコンディションに差があるので、全体でのトレーニングはやめたほうがいいと思った。回復するだけの選手と少し体に刺激を入れる選手に分けた。頭の中だけはミニマムの時間で統一した」

──神戸の印象は?
「戦い方がまったく変わったと思う。前に早い選手を置いて、ダイレクトにゴールを狙ってくる。そういう長いパスを駆使して、特に古橋のスピードを前面に押し出したサッカーをしている。守備も前線から追った中でボランチも果敢に前へ潰しにかかる。インテンシティーの高い[4-4-2]システムを標榜しているのが今年の神戸。手堅いし、どのゲームも今年はロースコアになっている。それが神戸が今の順位にいる要因だと思う」

──練習でも「鹿島のような強さがある」と選手に言っていたが?
「前に来る勢いや縦への早さ、人に厳しくかかってくるところは、今まで戦ってきた神戸とはまったく違うという意味を込めてそういう表現にした」

──イニエスタ選手が出てくるかどうかで、相手の戦い方も変わりそうだが?
「先発で出てくる可能性もあれば、ベンチで途中で流れを変えるプランでくることもある。どのパターンもある。今のスピード感とインテンシティーを大事にしている神戸の中で、違いを見せられる選手が入るとリズムは急に変わる。そこは警戒しないといけない」

──堅い神戸の守備を崩すには?
「相手が前にかかってくるということは、我々もショートパスと相手がかかってきたスペースをミドルパスやスペースへのボールで剥がしやすくなるということ。それをやりながら、サイドで相手陣へ押し込む。最初から足下、足下になると、あれだけの前からの強いプレッシャーに引っかかってしまう。特に切り替わった瞬間の古橋の裏は、そのままゴールに繋がっている。そこはボールの失い方も含めて頭に入れながらやらないといけない」

──ルヴァンカップ・清水戦の勝利がチームに良い刺激になったのでは?
「自信にもなったし、我々らしく戦えたシーンが多かった。これをリーグ戦でも維持していければと思っている」

──今回はリモートマッチとなるが?
「逆に声がよく通る。ベンチもそうだが、選手同士が声でプレーするところが、さらに大事になる。リモートマッチはより遠くの選手にも声が届く。そこを使えるようにしたい」

試合前情報

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本日のスターティングイレブンです! 直近の清水戦から先発9人が入れ替わりました。今日もチームの総合力で戦い抜きます!

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先発は4月18日のJ1第10節・川崎F戦以来となった今津佑太選手。持ち前のハードな守備を生かして神戸を封じにかかります!

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選手を乗せたバスがスタジアムに到着しました。それぞれ勝利に向けて気合い十分です!

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「ノエビアスタジアム神戸」のロッカールームです! 昨年はこの地でサンフレッチェ初ゴールを奪った浅野雄也選手。今日も勝利に繋がる得点に期待です!

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本日はアウェイ・ヴィッセル神戸戦! 相手はリーグ戦5勝5分1敗と確かな組織力で勝点を積み上げている強豪です。本日は新型コロナウイルスの影響でリモートマッチとなりますが、敵地で何とか勝利を掴むべく戦い抜きますので、DAZNでの後押しをよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・もう一度、守備をセットして臨むこと。
・前線から守備でハードワークすること。
・キックオフからみんなで魂を見せて戦うぞ!

ゲームレポート

昨年に続いてリモートマッチとなった神戸での一戦は、力の差を見せ付けられる結果となった。
まさに前半がすべてだった。開始早々の11分、広島のポゼッションから相手にボールを奪われると、最終ラインの背後を警戒していた古橋亨梧のスピードで引き裂かれ先制点を献上。その後もなかなか攻撃でリズムの出ない広島は、単発でエゼキエウの突破からジュニオール・サントスがシュートを放つ場面を作ったものの、その流れに乗ることができず、今度は25分の出来事だった。自陣で相手のパスワークに揺さぶられると、最後は再び古橋に背後を取られて2失点目。ここで踏ん張ることができれば、まだ試合の行方は分からなかったが、さらに神戸の攻撃を受けたサンフレッチェは31分、CKから中坂勇哉に決められ、前半だけで3点のリードを奪われてしまった。「前半が本当によくなかった。我々らしく試合に入ることができず、警戒していた古橋選手の裏で2点を取られた。ここは大いに反省しないといけない」とは試合後の城福浩監督。ハーフタイムには細かな戦術の指示だけでなく、「魂を見せろ!」と活を飛ばして選手を後半のピッチへ送り出した。
その後半は、やはり3点のリードを追いかけるには難しかった。引いてカウンターを狙う神戸に対して広島は前半以上に攻め込んでいったが、中央を固める相手守備陣をなかなか攻略できず。54分、55分とサントスや浅野雄也がシュートを放って相手を脅かし、さらに柏好文やハイネル、鮎川峻、長沼洋一と選手交代を積極的に活用しながらゴールを目指したが、集中した神戸の守備も堅く無得点。前半で勝負を決められた広島は0-3で敗れてリーグ2連敗となった。
「前線からの守備を含めて、少し我々がイメージしていたのと違う状況になってしまった。その原因を冷静に分析し、広島らしくゲームに入るということはどういうことかを共有し、それをやりうる選手で次のゲームに臨みたいと思っている」。試合後、悔しさを噛みしめた城福監督は、そう述べて次節からの反撃を誓った。

監督 試合後コメント

「リモートで応援してくださっている広島のファミリーの方には残念な思いをさせてしまった。前半が本当によくなかった。我々らしく試合に入ることができず、警戒していた古橋選手の裏で2点を取られた。ここは大いに反省しないといけない。最終ラインの問題だけではなかったと思う。前線からの守備を含めて、少し我々がイメージしていたのと違う状況になってしまった。その原因を冷静に分析し、広島らしくゲームに入るということはどういうことかを共有し、それをやりうる選手で次のゲームに臨みたいと思っている」

──前半途中からジュニオール・サントス選手が左サイドに張っていたが?
「あの時間帯は[4-3-3]システムにした。(狙いは)我々は失点しているので、前からプレッシャーをかけたかった。もう一つは中盤のところでうまくプレッシャーがかからず穴が空いて、そこを使われていたので中盤を一人増やした。サイドから崩すこともそうだが、まずは良い形でボールを奪わないといけない。メンタル的に立て直す時間はなかったので、立ち位置で少し変化を付けたということ」

──0-3で折り返したハーフタイムで選手にどんな声をかけたか?
「もちろん、そのままでは終われないし、我々らしく戦うことはどういうことか、もう一度確認した。相手は3点を取っているので少し引き気味になっていたかもしれないが、なぜ前半から前線から献身的にプレッシャーをかけて、相手陣地でサッカーをやることができなかったかはしっかり検証したい」

──今後修正していくのはシステムなのか、人なのか?
「最終的にシステムになっているかもしれないが、それは最初の順位ではない。我々らしいサッカーを具現化できる、そういう共有をすること。あるいは、それをやりうる選手を揃えること。それが一番大事だと思っている」

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