5.5 14:03

ルヴァンカップ 第5節 vs. 横浜F・マリノス
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
1
横浜F・マリノス 横浜FM
  • 後半45+6分
    鮎川
0
前半
1
1
後半
0
  • 前半28分
    レオセアラ

試合の見どころ

 サンフレッチェが目指すのは勝利のみだ。ルヴァンカップ・グループステージ4試合で1勝1分2敗の3位につける広島が、3勝1分で首位に立つ横浜FMに臨む一戦。相手は引き分け以上だと自力でプレーオフステージ進出が決まるが、広島としては引き分け以下だと他会場の清水vs.仙台の結果次第で突破へ黄色信号が灯る追い込まれた状況だ。逆を言えば、勝てば突破に向けて大きく前進できる戦い。17連戦の10試合目に向けてチームは疲労に加えてケガ人続出の苦しい状況だが、当然ながら何も諦めてはいない。「この状況でもルヴァンも諦めない。リーグも絶対に勝点を取るという覚悟を選手に伝えたし、選手もその腹の括り方をしてくれたと思う」(城福浩監督)。まさに目の前の試合にすべてを注ぐ覚悟だ。
 グループステージ突破へ最大の関門がこの一戦だ。ルヴァンカップだけでなく、リーグ戦も好調の横浜FMは、今季ここまで公式戦10勝4分1敗(リーグ戦は7勝3分1敗)。唯一の敗戦はリーグ開幕の川崎F戦であり、そこからは無敗を貫いている。就任4年目を迎えたアンジェ・ポステコグルー監督の攻撃的スタイルはより研ぎ澄まされ、どのチームも横浜FM攻撃陣に手を焼いている印象だ。実際、広島もリーグ第2節で戦った時には3-3の打ち合いとなり、ルヴァンカップ第2節では0-5の大敗。前線からアグレッシブに来るハードなプレッシングや両サイドを生かしたスピーディーな攻撃には大いに苦しめられた。直近のリーグ戦でもFC東京を3-0で倒している横浜FMは、疲労を考慮して今回はメンバーを大きく変えてくる可能性が高いが、ルヴァンカップ第4節ではターンオーバーしながらも仙台を5-2で撃破するなど選手層の厚さも見せ付けた。広島にとって正念場の一戦は、まさに強者との戦いだ。
 紫軍団はこの横浜FM戦からどう立ち上がれるかも注目である。直近のリーグ・神戸戦は良いところなく0-3の完敗。直近のリーグ戦5試合は1分4敗と苦しい状況が続いている。だが、ここで強豪・横浜FMを倒すことができれば、チームは自信を取り戻し、今後のルヴァンだけでなくリーグ戦にも良い流れを繋げそうなだけに、何としても勝利を奪いたいところだ。指揮官は言う。「もちろん、横浜FMがどういう立ち位置でやってくるか確認はしたが、大事なのは自分たちを取り戻すこと。守備がうまく機能している時、奪い方が良い時はどういう時だったのか。そこのメリハリ。また、攻撃は相手にとって怖い攻撃をするために出る選手が全員意識して表現してくれれば、自ずとリーグ戦にも繋がってくると思う」。広島は原点を思い起こし、横浜FM撃破を狙う。

監督 試合前日コメント

──横浜FM戦に向けて、どのあたりを準備したか?
「もちろん、横浜FMがどういう立ち位置でやってくるか確認はしたが、大事なのは自分たちを取り戻すこと。守備がうまく機能している時、奪い方が良い時はどういう時だったのか。そこのメリハリ。また、攻撃は相手にとって怖い攻撃をするために出る選手が全員意識して表現してくれれば、自ずとリーグ戦にも繋がってくると思う」

──立ち上がりから積極的に攻めたい。
「メリハリが大事。前からアグレッシブに行く時とどうやってコンパクトに後ろを基準に守るのか。そのメリハリをしっかりできれば、我々らしく戦える。攻撃では、横浜FMは前から奪いに来るチームなので、我々は自ずとどこにスペースが空くか認識しながらやれば、スペースは突ける。実際に横浜FMとの対戦を見直すと、リーグ戦でのアウェイの試合は、そういうゲームができていた。アクシデントが多少あっても、我々の攻守におけるコレクティブな連動は失わないようにしたい」

試合前情報

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本日のスターティングイレブンです。朝から降り続いていた雨は上がり、まぶしいほどの太陽の光が差し込む中、キックオフ! グループリーグ突破に向けて、勝利あるのみです!

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ウォーミングアップ直前、ジュニオール・サントス選手は、古巣との対決。顔なじみのスタッフを見つけて、笑顔で挨拶していました。

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チームバスがスタジアム到着しました! 長沼洋一選手は、前節のルヴァンカップ・清水エスパルス戦でゴールを決め、チームの勝利に大きく貢献。今日の試合も得点に絡むプレーに期待です!

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本日のロッカールームです。永井龍選手が、今季初スタメン! ユースの棚田遼選手もスタメンに入り、FWは「Wリョウ」コンビが誕生しました!

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本日はホームの横浜F・マリノス戦! ルヴァンカップ・グループステージ第5節は強豪との対戦となりました。広島は引き分け以下だとプレーオフステージ進出へ黄色信号が灯る可能性もあるだけに、勝利が必須の一戦。タフな連戦は続いていますが、チームの総合力で勝利を目指しますので、熱い後押しをよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・守備はよく我慢できている。これを続けること。
・攻撃は蹴るところと繋ぐところのメリハリをつけること。
・後半も最初からエネルギーを出し切ろう!

ゲームレポート

最後の最後で望みが繋がる魂のゲームとなった。
引き分け以上で自力でのグループステージ突破が決まる首位・横浜FMに対し、負ければ予選敗退の危機に陥ってしまう3位・広島が激突した一戦。序盤から広島の守備の集中力は高かった。いつもどおり前線から圧力のあるプレッシングを仕掛けてきた横浜FMに屈することなく立ち向かった紫軍団は、攻め込まれた時間帯でもゴール前では組織的かつ粘り強い守りでしっかりと封鎖。相手にシュートまで持ち込ませずにゲームを進めると、高い位置でボールを奪った際にはスピーディーなショートカウンターを発動させる。15分には、先発に抜擢された広島ユース所属のFW棚田遼が前線で巧みな組み立てを見せて、左SB・藤井智也へラストパス。エリア付近でボールを持った背番号15は、果敢な仕掛けから右足でポスト直撃のシュートを放つなど、広島は効果的に攻め込んでいった。
だが、やはり試合はそう簡単に進まない。横浜FMの攻撃をミドルシュート1本に抑えるなど内容は良かった広島だが、28分、一瞬の隙を突かれてしまった。自陣左サイドで起点を作られると、天野純の左足アーリークロスをレオ・セアラに頭で決められて失点。勝利が欲しいサンフレッチェに重い1点がのしかかってしまった。
その後は後半に入っても一進一退の攻防が続く中、広島は同点を目指して攻めへの姿勢を強めた。60分、ベンチに温存していたジュニオール・サントスと森島司を同時投入して攻撃への迫力をより強めていくと、60分には前線のプレスからサントスがチャンスを迎えた他、61分には右サイドの藤井のクロスから永井龍がフリーでヘディングを放つ。得点の匂いをさせながらもなかなかゴールを奪えずに時計の針が進み、それからは横浜FMのカウンターも浴びながら0-0で推移。ゴールへの気迫を見せながら90分が経過し、もう敗戦かと思われたアディショナルタイム、広島の諦めない気持ちがついに実を結んだ。
左サイドの敵陣深くでボールを持った藤井が中央へクロスを送ると、これに飛び込んだのは途中出場・鮎川峻。ヘディングでゴールへ突き刺し、土壇場で広島がドローに持ち込むゲームとなった。
この結果、負けていれば広島のグループステージ敗退が決まっていたが、1-1で引き分けたことで、最終節まで分からない状況に。今節でプレーオフステージ進出を決めた横浜FMが次節で清水に勝利し、広島が仙台に勝てばグループステージ突破が決まる重要な最終決戦となった。他力が必要な状況だが、城福浩監督は「我々が信じないと誰も信じてくれないと思う。我々がグループステージを突破する、我々の手で突破する。もちろん、他力本願ではあるが、それを信じて準備し、まず勝点3を取ることは絶対条件なので、そこに向けて万全の準備をしたい」と“奇跡”を起こすべく前を向いてスタジアムを後にした。

監督 試合後コメント

「今日負ければ、我々のルヴァンカップは終わるので、どうしても勝ちたかった試合だった。選手は魂を持って戦ってくれたと思う。最後の最後の勝点1を取って、最終節は他力本願ではあるが、我々も(グループステージ突破の)可能性があると聞いた。ルヴァンカップに関しては、ここからミラクルを起こしたい。それを信じて、グループステージ最後の試合に臨みたい。このみんなの頑張りを、ギリギリのところで回してみんなで繋いで取った勝点1を土曜日のJリーグにも繋げていきたいと思う。今日は本当に多くのファミリーの方に後押しをしてもらい、満足ではないが、勝点1を取れた。これを転機にチームを上向きにさせたい。横浜FMとの今季3回の対戦の中でも今日は一番手応えのあるゲームができたと思う。もちろん結果には満足していないが、我々は神戸戦の1失点したところから崩れたのも修正できたし、対横浜FMという意味でも手応えを掴めた。ここから自分たちの進歩を皆さんにお見せできる、そういうチームになりたいと思っている」

──得点を決めた鮎川峻選手とアシストの藤井智也選手の出来について。
「勝点1を取れたのは最後にあのシーンがあったからだが、私の記憶では前半の横浜FMのチャンスはあのシーン(失点場面)だけだった。おそらく、神戸戦のようなメンタリティーであれば、我々はあれで崩れた可能性があるが、あそこからチーム全員が踏ん張った。我々らしく横浜FMの攻撃を意識しながら、我慢しながら攻め続けたことが最後のシーンに繋がったと思う。もちろん、あの二人が大きい仕事をしてくれたことは自信にしてほしいが、0-1のまま我慢しながら推移したことは全員が評価できる」

──先発した2種登録の棚田遼選手について。
「ずっと考えていたが、昨日の練習前の朝8時過ぎに決め、(広島ユースの)寮から彼を含めた数人を(練習に)呼び寄せた。彼のことを何と呼ぶかは今日の朝にみんなに周知した。それぐらいの状況だった。このチームは(ケガ人が出ていることで)プロの選手だけで紅白戦はずっとできず、この連戦の中では本当に厳しい状況だった。ともすれば、彼を起用することで、『ルヴァンカップを諦めたのか』と言われる可能性があった。それぐらい、彼は一緒に練習していなかった。ただ、広島ユースの何人かの選手を借りて、5対5や6対6の練習はやっていた。彼らがプロの選手とやることに慣れていたこと、ユースが元々インテンシティーの高い環境で練習をやらせていたこと。そして何よりも名前の呼び方がよく分からないユースの選手と戦っても『これで我々のルヴァンカップを終わらせるわけにはいかない』という選手全員の気持ちが彼をイキイキとプレーさせたと思う。最後は彼とも話したが、出て満足ではなく、悔しいと思えたことが彼にとって大きな成長の1日になったのではないかと思っている」

──ミラクルを起こしたいと言われたが、ルヴァンカップの次節・仙台戦はまず勝利が求められるが?
「我々が信じないと誰も信じてくれないと思う。我々がグループステージを突破する、我々の手で突破する。もちろん、他力本願ではあるが、それを信じて準備し、まず勝点3を取ることは絶対条件なので、そこに向けて万全の準備をしたいと思っている」

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