5.8 14:03

明治安田J1 第13節 vs. サガン鳥栖
AWAY駅前不動産スタジアム

試合終了

サガン鳥栖 鳥栖
0
0
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
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後半
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試合の見どころ

 執念の勝点1を上昇へのキッカケにしたいところだ。
 5日のルヴァンカップ・グループステージ第5節・横浜FM戦では、0-1のまま敗れれば予選敗退が決まるところだったが、時計の針が90+6分まで進んだラストワンプレーで鮎川峻が同点弾を叩き込んで1-1のドローに持ち込んだ。プレーオフステージ進出には最終節で広島が仙台に勝ち、清水が横浜FMに敗れることが条件の他力が必要な状況だが、行方はまだまだ分からなくなった。「このみんなの頑張りを、ギリギリのところで回してみんなで繋いで取った勝点1を、土曜日のJリーグにも繋げていきたい」(城福浩監督)。チームは17連戦の10試合を消化し、疲労はもちろんのこと、ケガ人も続出する苦しい状態は続いているが、横浜FM戦で見せた全員の献身的なハードワークや最後まで諦めない粘り強さをベースにして、5試合連続で勝利のない(1分4敗)リーグ戦へ繋げたいところとなる。
 その意味でも、今節は勝利を掴めば自信を得られる強敵との対戦だ。現在リーグ戦で3位につける鳥栖は、今季のJ1でサプライズを起こしているチームと言えるが、その快進撃は決してまぐれではない。昨季は7勝15分12敗の13位で終わった中でも、金明輝監督はクラブ生え抜きの松岡大起や樋口雄太など若手を積極起用するなど経験を積ませて成長を促した他、鳥栖の現在のストロングとなっているGK朴一圭も加えた後方からのポゼッションスタイルを徹底して根付かせた。そこに本来の武器である全員の献身的なハードワークがミックスされた今季の鳥栖は、確かな組織力を備えた強力なチームへと変貌を遂げている。一人ひとりを見れば、ワールドクラスのタレントがいるわけではない。だが、チームトップの6得点を挙げている山下敬大と林大地の2トップをはじめ、攻撃を司る仙頭啓矢、快足アタッカー・小屋松知哉、対人能力の高いCBエドゥアルド、元広島戦士のファン・ソッコなど、チームのために献身的にプレーできる実力者は揃っている。今季、川崎Fには敗れているが、名古屋に初黒星を付けたのは鳥栖である。広島にとって、今節はまさに一つの山場だ。
 では、そんな鳥栖をどう攻略していくか。城福監督は、先日の横浜FM戦にヒントがあると言う。「繋ぐところと相手の嫌なところを突く攻撃のバランスは横浜FM戦で少しつかめた。鳥栖も前から来るチーム。だからこそ、我々はどういうことを意識しながらゲームに入らないといけないか。そこは対戦相手がどうであれ、継続してやることが勝点3に近付いてくると思う」。相手のパススタイルを封じるために、全員が横浜FM戦同様のハードワークをすることは最低限だ。その上で、攻撃に移ればいかにメリハリをつけた攻めを見せられるか。我慢強く、根気強く試合を進めて、6試合ぶりの勝利を掴みたいところだ。

監督 試合前日コメント

──中2日での試合だが、選手の状態は?
「各々で違うと思うが、土曜日の試合を強く強く意識した上で水曜日は(横浜FMと)戦った。自分たちの今の陣容でやるべきことはやったと思っているし、選手もやるべき準備はしてくれたと思う」

──魂を見せた横浜FM戦から今回の鳥栖戦はどのように繋がってほしいか?
「会見でも言ったが、ともすれば『水曜日は捨てて、土曜日に臨むんだな』と選手がそう感じるのが一番嫌だった。いくら人数が足りなくてもプロの選手だけで戦わないことはビッグリスクだったし、自分の覚悟を選手に伝えた。高校生に期待しているだけで、簡単にできるものではない。選手は今回の水曜日と土曜日のゲームの大切さを感じながら戦ってくれた。それでも0-1で終わっていたら、おそらく違う角度から言われていたのは間違いない。我々がどういうつもりで戦ったか、少しでも結果として反映できたという意味では良かった。それに尽きる」

──鳥栖は今季好調だが?
「とにかく全員がハードワークするチーム。選手の特長を踏まえながらゲーム中でも形を変えている。全員がかなり無理をしているので、形を変えても歪が出ない。それぐらい前線から最終ラインまでがハードワークしているのが今の成績に反映されていると思う。鳥栖をどういうふうに対策するというよりは、まずはあのハードワークに負けないことが大前提になる。そこで上回れれば、我々のやろうとしているクオリティーをしっかり出せれば、結果として勝点3を取れる可能性は十分にある」

──鳥栖戦ではどう点を取っていくか。
「鳥栖は失点も少ない。守備は最終ラインが5枚になって堅い。そこにステイして何か生まれるかと言ったら、おそらく生まれない。自分たちでモビリティーを出して、ボールを動かして、人が動いて、相手を動かさないとゴールは奪えない。とにかく良い守備からの良い攻撃と、遅攻になった時に我々から相手を動かす仕掛けができれば、我々のボランチにはパサーはいるので、そこからボールは引き出せると思っている」

──チームとして失点が続いているが?
「横浜FM戦は本当に良い守備をしてくれたと思う。良い守備をした中で失点した中で崩れなかったことが大事。そこは確実に神戸戦とは違う状況が作れている。これは自信を持ったまま継続できればと思っている」

──青山敏弘選手が明日の試合に出場すれば、J1通算400試合出場となるが。
「ケガもありながら、あるいはJ2を経験しながら、一つのクラブで400試合というのは偉大な数字だと思うし、尊敬に値することだと思う。彼が歩んできた平坦ではない道のこの400という数字の重さは一緒に戦っているが故に分かる。それを勝点3でみんなで祝えればと思っているし、何よりも今はチームがリーグ戦において絶対に勝点3が欲しい状況。彼の力の助けを借りながら勝点3を取って帰れればと思っている」

試合前情報

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本日は鳥栖でのゲームとなりましたが、約500名もの方にお越しいただきました。皆さまの後押しがあったらこそ、連敗を止めることができました。応援、ありがとうございました!

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本日のスターティングイレブンです! 直近の横浜FM戦から先発10人が入れ替わりました。総力戦で鳥栖に挑んでいきます!

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本日でJ1通算400試合出場となる青山敏弘選手。節目の一戦を勝利で飾るべく戦います!

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選手を乗せたバスがスタジアムに到着しました。前節・神戸戦は欠場した佐々木翔選手は先発復帰。頼れるキャプテンのハードな守備に注目です!

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「駅前不動産スタジアム」のロッカールームです! リーグ戦はJ1第5節・清水戦以来、2度目の先発となった鮎川峻選手。5日(水)の横浜FM戦に続いてのゴールに期待です!

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本日はアウェイ・サガン鳥栖戦! 相手は現在3位につけるなど、今季のJ1で旋風を巻き起こしている強豪です。敵地での難しい戦いが予想されますが、リーグ戦6試合ぶりの勝利を掴むべく、チーム一丸となって戦い抜きますので、後押しをよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・マイボールになった後のパスを確実に繋ぐこと。
・攻撃はやり直しながらチャンスを狙うこと。
・後半もみんなで繋いでいこう!

ゲームレポート

好調・鳥栖のホームに乗り込んだ一戦は我慢の90分となった。
序盤の広島の出来は良かった。今季リーグ戦2度目の先発となった鮎川峻と浅野雄也の2トップが前線から巧みなプレスをかけて鳥栖のポゼッションを許さずに押し込むと、広島が主導権を掌握。立て続けに2本のCKを獲得して攻め立てた他、10分にエリア内での仕掛けから浅野が左足シュートを放てば、12分には相手最終ラインの背後に抜け出した鮎川が決定機を迎える。背番号23のシュートはGKに弾かれてしまったが、いつ得点が生まれてもおかしくない攻撃はできていた。
ただし、現在リーグ3位につける鳥栖はやはり甘くはなかった。「前半の最後のほうから組織が崩れたというよりも、奪った瞬間のパスがズレて、精度が落ちてきて、そこで押し返された」(城福浩監督)。次第にボールを奪っても効果的な攻撃が仕掛けられなくなった広島は、相手にポゼッションを許す展開へ移行。すると、樋口雄太のミドルシュートや相手FW林大地のポスト直撃弾を浴びながら0-0で前半を終えた。
仕切り直しの後半も流れは変わらなかった。鳥栖の後方からのビルドアップに対して受けに回る時間が続いて広島はなかなか攻めに転じられず。ただし、その苦しい展開でもこの日は守備の集中が素晴らしかった。「魂を持ってゴール前は集中して防いでくれたと思う。組織を大きく崩さず90分間戦ってくれた」と指揮官が称えたように、攻め込まれる中でもゴール前で佐々木翔&荒木隼人のCBを中心に何度も何度もクロスを跳ね返し続ける。結果的に鳥栖にボールを持たれ続けた中でも後半のシュート数は4本に抑えるなど、堅い組織を崩さずに戦い抜き0-0のスコアレスドローに終わった。
試合後、「今日のような崩れない守備をベースにしていきたいと思う」と0-3で敗れた前節・神戸戦からの守備の成長を評価した城福監督は「攻撃のところはやはり自分たちが主導権を握る時間をもっともっと増やさないといけない」と攻撃へ課題解決を誓った。

監督 試合後コメント

「内容的には反省するところはあるが、今の我々は負けられない状況だった。そこは魂を持ってゴール前は集中して防いでくれたと思う。組織を大きく崩さず90分間戦ってくれた。もちろん、主導権はもっともっと握らないといけないし、カウンターももっと精度を上げたいと思っているが、来てくださったファミリーの方々と勝点1を持って帰れたという意味では、連敗していたので、そこは重要なことだったと思っている」

──前半30分ぐらいまでは良いリズムで試合を進めていたが?
「我々の狙いどおりにボールを奪えたシーンがいくつかあり、横に流せば(得点になりそうな)というシーンがいくつかあった。みんな今の状況を脱したいと思っているので、自分で点を取りたいという意識が強かったと思う。あと一つ、周りを使えればというシーンを作れたことは良かった。ただ、前半の最後のほうから組織が崩れたというよりも、奪った瞬間のパスがズレて、精度が落ちてきて、そこで押し返された。それが後半も続いたという印象がある。我々が組織を崩したわけではないところは評価したいが、息が上がった中でもう少しクオリティーを上げたい。あるいは、息を鎮めるためにサイドで我々がボールを保持する、主導権を握るところをもっと増やさないといけないという反省はしている」

──青山敏弘選手が400試合出場達成となったが?
「チームの状況としても、彼の400試合という節目という意味でも勝点3を取りたかった。それに向かって気持ちを持ってみんなで戦えたのは良かったと思う。できることなら、ケガは重症でないことを祈りたい」

──好調・鳥栖相手に無失点だったが、勝点1の価値は?
「連敗していたので、これを止めないといけないという思いはみんなにあった。リーグは過密日程が続けば続くほど流れは止められなくなる。その思いが失点ゼロに繋がったと思う。ただ、その思いが強すぎて、相手の対策を過剰にしたわけではないが、攻撃に少しエネルギーを割くことができなかったのは、これからもっともっと改善していかないといけない。また、後から入った選手がもっともっとチームにエネルギーを与えられるようなチームになっていかないといけない。これから暑くなるし、まだまだ過密日程は続くので、そこはもっともっとチームとして成長していきたいと思っている」

──過密日程の中で上位を狙う上で今のチームの課題は?
「一言ではなかなか言えないが、今日のような崩れない守備をベースにしていきたいと思う。攻撃のところはやはり自分たちが主導権を握る時間をもっともっと増やさないといけない。そのために何をしていくか、一つひとつ潰していきたいと思う。話は重なるが、過密日程であれば選手交代を効果的に使っていかないといけない。そういう選手たちのチームへの貢献をもっともっとできるように背中を押していきたい」

──前節・神戸戦から守備の意識が変わったのでは?
「FWとサイドハーフの4枚が献身的な守備を続けてくれたと思う。当たり前だが、彼らは攻撃的な選手。本来であれば攻撃でエネルギーを使い切って得点を取る、勝点3を取って行くという意味では、チームとして改善していかないといけないが、彼らが前線から献身的な追いをしてくれたからこそチームが崩れなかったのはある。今度は前線の選手がもっともっと攻撃できるような取り組みをチームとしてやっていきたいと思っている」

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