試合の見どころ
継続が一つのカギになるだろう。前節・鳥栖戦は序盤から前線での高い守備意識と押し込まれた際の粘り強い守りを披露して無失点に抑えスコアレスドロー。これでリーグ戦は6試合連続で勝利がない(2分4敗)状況となったが、鳥栖戦前まで5試合連続で先制点を許す苦しい試合展開になっていたことを思えば、無失点は一つの進歩だ。鳥栖戦後、城福浩監督は言った。「今日のような崩れない守備をベースにしていきたいと思う。攻撃のところはやはり自分たちが主導権を握る時間をもっともっと増やさないといけない」。今後も前節の強度の高い守備を最低限とし、あとは攻撃に肉付けをしていくだけだ。
今節も“我慢”の戦いが必要となる。チーム内での新型コロナウイルスのクラスターで出遅れたG大阪は、ここまで1勝4分4敗と苦しんでいるが、堅い守備力は健在だ。9試合で奪った得点数はわずか「2」と攻撃に課題を抱えているものの、失点数は1試合平均1点台を割る「7」。守護神・東口順昭は相変わらずの安定感を見せており、三浦弦太&昌子源という日本屈指のCBコンビも盤石だ。中盤にもボールハンターの井手口陽介といった実力者もいる。約1カ月前の前回対戦では相手の2倍のシュートを放ちながらスコアレスドローで終わったように、ここまで9試合中4試合で無失点に抑えているG大阪の粘り強い守備組織の攻略は決して簡単ではない。
一方、得点力不足とはいえ、攻撃陣にタレントがいないわけではなく、むしろ警戒すべき選手が多いのがG大阪だ。FWには広島にもお馴染みのレアンドロ・ペレイラやパトリックというパワフル系ストライカーがおり、さらに宇佐美貴史やチアゴ・アウベス、倉田秋など個で打開できるアタッカー陣も豊富。隙を与えてしまえばゴールを奪える実力者は多く揃っており、「もともと個のレベルは高いチーム。一回、火が付くと得点を取れる要素はセットプレーも含めてたくさんある」(城福監督)。広島としては90分を通して守備の集中は必要であり、前節・鳥栖戦と同じく無失点で試合を進めなければ難しい試合になるのは必至だ。
その上で広島としては忍耐強くゴールに向かいたい。「失点ゼロに近い状況であれば、いくつか作っているチャンスにもうひと頑張りすれば、取れるようになる。とにかく、点を取る、点を取る、点を取るだけでなく、自分たちの守備が緩むと、それは難しい試合になる」と指揮官。もちろん7試合ぶりの勝利を掴むために得点は必要だが、その思考ばかりで守備が疎かになってしまえば元も子もない。まずは組織をしっかりセットし、“良い守備からの良い攻撃”を仕掛けたいところだ。
今節も“我慢”の戦いが必要となる。チーム内での新型コロナウイルスのクラスターで出遅れたG大阪は、ここまで1勝4分4敗と苦しんでいるが、堅い守備力は健在だ。9試合で奪った得点数はわずか「2」と攻撃に課題を抱えているものの、失点数は1試合平均1点台を割る「7」。守護神・東口順昭は相変わらずの安定感を見せており、三浦弦太&昌子源という日本屈指のCBコンビも盤石だ。中盤にもボールハンターの井手口陽介といった実力者もいる。約1カ月前の前回対戦では相手の2倍のシュートを放ちながらスコアレスドローで終わったように、ここまで9試合中4試合で無失点に抑えているG大阪の粘り強い守備組織の攻略は決して簡単ではない。
一方、得点力不足とはいえ、攻撃陣にタレントがいないわけではなく、むしろ警戒すべき選手が多いのがG大阪だ。FWには広島にもお馴染みのレアンドロ・ペレイラやパトリックというパワフル系ストライカーがおり、さらに宇佐美貴史やチアゴ・アウベス、倉田秋など個で打開できるアタッカー陣も豊富。隙を与えてしまえばゴールを奪える実力者は多く揃っており、「もともと個のレベルは高いチーム。一回、火が付くと得点を取れる要素はセットプレーも含めてたくさんある」(城福監督)。広島としては90分を通して守備の集中は必要であり、前節・鳥栖戦と同じく無失点で試合を進めなければ難しい試合になるのは必至だ。
その上で広島としては忍耐強くゴールに向かいたい。「失点ゼロに近い状況であれば、いくつか作っているチャンスにもうひと頑張りすれば、取れるようになる。とにかく、点を取る、点を取る、点を取るだけでなく、自分たちの守備が緩むと、それは難しい試合になる」と指揮官。もちろん7試合ぶりの勝利を掴むために得点は必要だが、その思考ばかりで守備が疎かになってしまえば元も子もない。まずは組織をしっかりセットし、“良い守備からの良い攻撃”を仕掛けたいところだ。
監督 試合前日コメント
──G大阪の印象について。
「もともと個のレベルは高いチーム。一回、火が付くと得点を取れる要素はセットプレーも含めてたくさんある。足下もある、高さもある、コンビネーションもある、セットプレーもある。そういう意味では、彼らのやりたいことをやらせないことが大事になる」
──前線からどう守備をしていくか。
「メリハリが大事になる。全部行けるわけではないし、過密日程に加えて暑さも増してくる。行ける時と行けない時の意思統一を全員でしっかり声をかけながらやることが大事。両方行ける状況だったら、もちろん前から行ったほうがいい。その姿勢は変わらない。ただ、無理な時にしっかり後ろで合わせるメリハリをつけること。それは誰が出ようがやらないといけない。G大阪は間のポジションでボールを繋いでスピードアップしてくるスキルはJリーグの中でも有数のものがある。前と後ろの選手の志向が変わらないように意思統一することが大事」
──得点を奪うためにどうするか?
「自分たちが勝点3を取れない中でやらないといけないことはいくつかあるが、失点ゼロに近い状況であれば、いくつか作っているチャンスにもうひと頑張りすれば、取れるようになる。とにかく、点を取る、点を取る、点を取るだけでなく、自分たちの守備が緩むと、それは難しい試合になる。チームが簡単な状況ではない時こそ、立ち返るべきは、『このチームから点を取るのは大変だな』というチームになること。そこから、今日のトレーニングを含めて、どうやって我々の時間を増やしていくか。どうやって得点に近付けるかというのは、もちろんある。ただ、試合に臨むにあたっては、勝点3に近付くために失ってはいけないものは全員で意思統一したい」
「もともと個のレベルは高いチーム。一回、火が付くと得点を取れる要素はセットプレーも含めてたくさんある。足下もある、高さもある、コンビネーションもある、セットプレーもある。そういう意味では、彼らのやりたいことをやらせないことが大事になる」
──前線からどう守備をしていくか。
「メリハリが大事になる。全部行けるわけではないし、過密日程に加えて暑さも増してくる。行ける時と行けない時の意思統一を全員でしっかり声をかけながらやることが大事。両方行ける状況だったら、もちろん前から行ったほうがいい。その姿勢は変わらない。ただ、無理な時にしっかり後ろで合わせるメリハリをつけること。それは誰が出ようがやらないといけない。G大阪は間のポジションでボールを繋いでスピードアップしてくるスキルはJリーグの中でも有数のものがある。前と後ろの選手の志向が変わらないように意思統一することが大事」
──得点を奪うためにどうするか?
「自分たちが勝点3を取れない中でやらないといけないことはいくつかあるが、失点ゼロに近い状況であれば、いくつか作っているチャンスにもうひと頑張りすれば、取れるようになる。とにかく、点を取る、点を取る、点を取るだけでなく、自分たちの守備が緩むと、それは難しい試合になる。チームが簡単な状況ではない時こそ、立ち返るべきは、『このチームから点を取るのは大変だな』というチームになること。そこから、今日のトレーニングを含めて、どうやって我々の時間を増やしていくか。どうやって得点に近付けるかというのは、もちろんある。ただ、試合に臨むにあたっては、勝点3に近付くために失ってはいけないものは全員で意思統一したい」
試合前情報
本日のスターティングイレブンです! 前節からから先発4人が入れ替わりました。今日もチーム一つになって勝利を目指します!

4月18日のJ1第10節・川崎F戦以来、今季5度目の先発となった柏好文選手。経験豊富なアタッカーの躍動に期待です!
選手を乗せたバスがスタジアムに到着しました。ここから気持ちをさらに高めていきます!
「パナソニックスタジアム吹田」のロッカールームです! リーグ戦での先発は4月10日のJ1第9節・湘南戦以来となる藤井智也選手。持ち味のスピードに要注目です!
本日はアウェイ・ガンバ大阪戦! 相手はここまで1勝4分4敗と苦しんでいますが、地力のある強豪に変わりはありません。今日は敵地でのリモートマッチとなりますが、リーグ戦7試合ぶりの勝利を目指してチーム全員で戦いますので、後押しをよろしくお願いします!
監督 ハーフタイムコメント
・守備はメリハリがよくできている。続けること。
・攻撃はじれずにサイドでフットボールすること。
・入りから集中していこう!
・攻撃はじれずにサイドでフットボールすること。
・入りから集中していこう!
ゲームレポート






リーグ戦6試合連続で勝利のない(2分4敗)サンフレッチェがG大阪のホームに乗り込んだ一戦。「我々が今年目指すものを考えれば引き分けも苦しいと思っていた。どうしても勝点3が取りたかった」。そう城福浩監督が強い思いを示して臨んだ試合は、序盤から紫軍団が高い守備意識をベースに良いリズムでゲームを進めて行った。2トップに配置されたジュニオール・サントスと浅野雄也を筆頭に強度の高いプレッシングでG大阪攻撃陣に自由を許さず、ボールを奪えば鋭いカウンターで敵陣地へ果敢に進出。遅攻になった際にもサイドで細かなパス交換を繰り返しながら相手を揺さぶって攻撃を仕掛けると、17分には右SB野上結貴のオーバーラップからサントスがヘディングシュートを放てば、32分には中央でボールを持った森島司が左足でミドルシュートを放つ。相手にボールを持たれた際にも堅い守備ブロックを築いて封じていた広島にチャンスがやってきたのは36分だった。左SB藤井智也のクロスをサントスが頭で合わせた最大の決定機は相手GK東口順昭のビッグセーブにあってしまったが、その流れで獲得した左からのFK。森島のキックを頭で合わせたのは佐々木翔。頼れるキャプテンの今季初ゴールが決まって広島が7試合ぶりに先制点を奪うことに成功した。
その後、相手にシュートを打たせることなく試合を進めていた中、CKから一美和成に押し込まれて同点に追い付かれてしまったが、後半も堅い守備をベースにした粘り強い戦いがサンフレッチェに流れを呼び込んだ。G大阪にCKを立て続けに与える我慢の時間帯が続いていた65分、ハイネルのクリアを拾った柏好文からサントスへと繋がりロングカウンターを発動。すると、背番号37の絶妙なフィードに抜け出した川辺駿が豪快に右足を振り抜いてついに勝ち越し点を奪った。
そうなると、試合はもう広島のモノだった。G大阪は同点に追い付こうと5人の交代枠をすべて使って攻撃に圧力を強めてきた中で、サンフレッチェも選手交代を活用しながら守備に力を注ぐ。ゴール前でシュートを打たれても体を張って守り抜いた紫軍団が最後まで同点を許さず2-1の勝利。リーグ戦は4月7日の第8節・横浜FC戦以来となる7試合ぶりの勝点3となった。「後から出た選手も含めて全員で気持ちを繋いで勝利に対する執念を見せられた試合になったと思う」。指揮官も納得の気迫あふれるゲームとなった。
監督 試合後コメント
「Jリーグはしばらく勝っていなかったし、我々が今年目指すものを考えれば引き分けも苦しいと思っていた。どうしても勝点3が取りたかった。チームの雰囲気も変えたいと思っていたので、今日は勝点3を取れて少し空気は変えられたと思う。後から出た選手も含めて全員で気持ちを繋いで勝利に対する執念を見せられた試合になったと思う。広島でしばらく悔しい思いをさせてしまったファミリーの皆さんに我々の勝利に対する気持ちを伝えられたと思っている」
──決勝点をアシストしたジュニオール・サントス選手の出来について。
「守備も攻撃も彼に期待するところがあり、いろいろ整理しながら今季はやってきたが、なかなかうまくかみ合わず、彼にチーム戦術を理解させる私の力のなさも感じていたところだった。ただ、彼の成長=このチームの成長になると思っていた。今回も前節から中3日だったが、諦めずにアプローチをして、彼も理解してトライしてくれたと思う。もちろん、前節も彼は頭から出たかっただろうし、ここ数試合の自身のパフォーマンスにも満足はしていなかったと思う。それはひとえに監督である自分の責任とも思っていたので、何とかして彼に本来のパフォーマンスを取り戻してあげたいと思っていた。今日はその一端が見せられて良かったと思う。攻守において、貢献度が高かったと思っている」
──セットプレーから失点したが、流れの中は後半のパトリック選手の一つだけだった。守備のポイントは?
「今の(順位の)立ち位置は我々の望むところではない。我々の望むステージでリーグ戦を戦うために、何かミラクルレシピがあるわけではないと選手に伝えた。自分たちがやってきた守備、我々がやろうとしている攻撃のポジショニング、クオリティーを走りながらでも一つひとつクリアしていくことでしか我々が望むステージに立つことはできない、そこに到達できないと思っていた。それは選手に伝えていた。一つひとつクリアしていくことは、選手も意思統一してやれたと思う。特別なことをG大阪戦でやったわけではなく、今まで積み上げてきたこととは違うアプローチをしたわけでもない。やってきたことをさらに研ぎ澄ましていくことを確認して今日の試合に送り出した」
──カウンターから得点も取ったが、攻撃に対する評価は?
「カウンターの一番のポイントは奪う場所だと思っている。相手にボールを持たせるという言い方がいいかどうかは分からないが、我々のブロックの中に入らせない守備をした中で、バイタルエリアより前でボールを奪えるシーンがあった。ビッグチャンス、あるいはビッグチャンスの手前ぐらいになりそうな場面を多く作れたのは、みんながコレクティブにコンパクトに守備をしたからこそだと思っている。自陣深いところに入られてから奪っても、おそらくああいうカウンターはできない。非常にコレクティブな守備をしてくれたと思っている」
──G大阪は前節より走りの量が増えていたが、広島はしっかり対応できていたが?
「G大阪のフレッシュな時に近い距離感でポジションを取りながらパスワークしてくる早さはJリーグの中でも屈指だと思っている。ただ、一番深いところに簡単にボールを入れさせないこと。それは自分たちの裏とバイタルエリア。そこは最終ラインが深くなれば深くなるほど両方やられてしまうと思っていた。いかにラインを保つか。ラインを保つためにはボールに圧力をかけないといけない。そこはチーム全員が意識を持たないと、おそらく深いところにボールを入れられる、スプリントを何人にもされる。あるいは、かけ引きをされて、我々のディフェンスラインの裏にボールをもっと供給される。そこは、一番我々にとって嫌なことだった。ラインを保ちながら、裏に走られたら付いていく。ラインを保ちながらバイタルエリアでボールを刈り取っていく。あまり詳しくは言えないが、ベーシックなところで言えば、そこは意識した。G大阪だからということではなく、それは我々の守備のベースなので、そこは続けていきたいと思っている」
──決勝点をアシストしたジュニオール・サントス選手の出来について。
「守備も攻撃も彼に期待するところがあり、いろいろ整理しながら今季はやってきたが、なかなかうまくかみ合わず、彼にチーム戦術を理解させる私の力のなさも感じていたところだった。ただ、彼の成長=このチームの成長になると思っていた。今回も前節から中3日だったが、諦めずにアプローチをして、彼も理解してトライしてくれたと思う。もちろん、前節も彼は頭から出たかっただろうし、ここ数試合の自身のパフォーマンスにも満足はしていなかったと思う。それはひとえに監督である自分の責任とも思っていたので、何とかして彼に本来のパフォーマンスを取り戻してあげたいと思っていた。今日はその一端が見せられて良かったと思う。攻守において、貢献度が高かったと思っている」
──セットプレーから失点したが、流れの中は後半のパトリック選手の一つだけだった。守備のポイントは?
「今の(順位の)立ち位置は我々の望むところではない。我々の望むステージでリーグ戦を戦うために、何かミラクルレシピがあるわけではないと選手に伝えた。自分たちがやってきた守備、我々がやろうとしている攻撃のポジショニング、クオリティーを走りながらでも一つひとつクリアしていくことでしか我々が望むステージに立つことはできない、そこに到達できないと思っていた。それは選手に伝えていた。一つひとつクリアしていくことは、選手も意思統一してやれたと思う。特別なことをG大阪戦でやったわけではなく、今まで積み上げてきたこととは違うアプローチをしたわけでもない。やってきたことをさらに研ぎ澄ましていくことを確認して今日の試合に送り出した」
──カウンターから得点も取ったが、攻撃に対する評価は?
「カウンターの一番のポイントは奪う場所だと思っている。相手にボールを持たせるという言い方がいいかどうかは分からないが、我々のブロックの中に入らせない守備をした中で、バイタルエリアより前でボールを奪えるシーンがあった。ビッグチャンス、あるいはビッグチャンスの手前ぐらいになりそうな場面を多く作れたのは、みんながコレクティブにコンパクトに守備をしたからこそだと思っている。自陣深いところに入られてから奪っても、おそらくああいうカウンターはできない。非常にコレクティブな守備をしてくれたと思っている」
──G大阪は前節より走りの量が増えていたが、広島はしっかり対応できていたが?
「G大阪のフレッシュな時に近い距離感でポジションを取りながらパスワークしてくる早さはJリーグの中でも屈指だと思っている。ただ、一番深いところに簡単にボールを入れさせないこと。それは自分たちの裏とバイタルエリア。そこは最終ラインが深くなれば深くなるほど両方やられてしまうと思っていた。いかにラインを保つか。ラインを保つためにはボールに圧力をかけないといけない。そこはチーム全員が意識を持たないと、おそらく深いところにボールを入れられる、スプリントを何人にもされる。あるいは、かけ引きをされて、我々のディフェンスラインの裏にボールをもっと供給される。そこは、一番我々にとって嫌なことだった。ラインを保ちながら、裏に走られたら付いていく。ラインを保ちながらバイタルエリアでボールを刈り取っていく。あまり詳しくは言えないが、ベーシックなところで言えば、そこは意識した。G大阪だからということではなく、それは我々の守備のベースなので、そこは続けていきたいと思っている」