試合の見どころ
後半戦へ向けた締めの一戦だ。今節・FC東京戦は2カ月間続いた過酷な17連戦のラストと同時にリーグで3番目に消化試合の多い広島にとっては前半戦最後のゲームとなる。これまでの18試合は6勝7分5敗の9位。近年稀に見る連戦があったとはいえ、タイトルが目標とあっては当然ながら今の結果は「満足していない」(佐々木翔)。ここから這い上がっていくためにも、このFC東京戦で勝利を掴み、後半戦の反撃へ繋げていきたいところとなる。
ただし、相手のFC東京も今節に向けて気持ちを入れ直してくるのは必至だ。一時は5連敗を喫するなど苦しい時期を過ごしていた青赤軍団は、その後2連勝を達成して持ち直したかに見えたが、前節・清水戦では0-3の大敗。CK2発を含む清水の効果的な攻撃にやられたとはいえ、FC東京が全体的にボールを保持して攻めるなど内容は悪くなかった。それだけに、今節は内容を結果に結び付けようと強いメンタリティーで臨んでくるのは間違いない。
タレントも相変わらず揃っている。前線には、高い得点能力と確かなポストプレーで起点となる万能型ストライカーのディエゴ・オリヴェイラが今季7得点と存在感を見せ、ワイドにもアダイウトンや田川亨介といった打開力のあるアタッカーが君臨する。また、中盤には広島にもお馴染みのファンタジスタ・髙萩洋次郎がトップ下の位置で好パフォーマンスを最近の試合で披露し、FC東京の連勝をけん引した。元日本代表の森重真人と渡辺剛のCBに加え、現役日本代表の左SB小川諒也がいる最終ラインも攻略は簡単ではない。そして「カウンターの威力はJリーグの中でも屈指だと思っている」(城福浩監督)。ハードな守備からボールを奪った際に繰り出す速攻は一番の警戒ポイントだ。
その上で、勝利のカギは先制点だ。直近のリーグ戦2試合で2得点ずつ奪っているとはいえ、どちらも先に失点したことで追いかけるパワーが必要になった。前々節からの3バックシステムへの変更によりポゼッション率が高まったが、やはり追う展開よりも先にリードした上で主導権を握った試合運びが理想だ。そのためにも、まずは守備で隙を見せずに強力・FC東京攻撃陣を封じながらゲームを進め、良い形でボールを奪った際には鋭いショートカウンターや直近の試合で見せているサイドを起点にしたコンビネーションサッカーでゴールを目指すこと。「足下、足下にならないことがすごく大事。特にFC東京の前への守備は強いし、そこから発動するカウンターを考えたら、自分たちのモビリティーがあれば、そのシーンが少なくなる。そういう意味では我々の良さも出るし、相手の対策にもなると思っている」(城福監督)。直近2試合では内容に手応えを掴みつつあるだけに、会心の勝利で前半戦を終えたいところだ。
ただし、相手のFC東京も今節に向けて気持ちを入れ直してくるのは必至だ。一時は5連敗を喫するなど苦しい時期を過ごしていた青赤軍団は、その後2連勝を達成して持ち直したかに見えたが、前節・清水戦では0-3の大敗。CK2発を含む清水の効果的な攻撃にやられたとはいえ、FC東京が全体的にボールを保持して攻めるなど内容は悪くなかった。それだけに、今節は内容を結果に結び付けようと強いメンタリティーで臨んでくるのは間違いない。
タレントも相変わらず揃っている。前線には、高い得点能力と確かなポストプレーで起点となる万能型ストライカーのディエゴ・オリヴェイラが今季7得点と存在感を見せ、ワイドにもアダイウトンや田川亨介といった打開力のあるアタッカーが君臨する。また、中盤には広島にもお馴染みのファンタジスタ・髙萩洋次郎がトップ下の位置で好パフォーマンスを最近の試合で披露し、FC東京の連勝をけん引した。元日本代表の森重真人と渡辺剛のCBに加え、現役日本代表の左SB小川諒也がいる最終ラインも攻略は簡単ではない。そして「カウンターの威力はJリーグの中でも屈指だと思っている」(城福浩監督)。ハードな守備からボールを奪った際に繰り出す速攻は一番の警戒ポイントだ。
その上で、勝利のカギは先制点だ。直近のリーグ戦2試合で2得点ずつ奪っているとはいえ、どちらも先に失点したことで追いかけるパワーが必要になった。前々節からの3バックシステムへの変更によりポゼッション率が高まったが、やはり追う展開よりも先にリードした上で主導権を握った試合運びが理想だ。そのためにも、まずは守備で隙を見せずに強力・FC東京攻撃陣を封じながらゲームを進め、良い形でボールを奪った際には鋭いショートカウンターや直近の試合で見せているサイドを起点にしたコンビネーションサッカーでゴールを目指すこと。「足下、足下にならないことがすごく大事。特にFC東京の前への守備は強いし、そこから発動するカウンターを考えたら、自分たちのモビリティーがあれば、そのシーンが少なくなる。そういう意味では我々の良さも出るし、相手の対策にもなると思っている」(城福監督)。直近2試合では内容に手応えを掴みつつあるだけに、会心の勝利で前半戦を終えたいところだ。
監督 試合前日コメント
──FC東京はなかなか結果が出ず苦しんでいる状況だが?
「苦しんでいるのは我々も同じだし、負けられない試合なのはお互い同じ。本当に厳しい試合になると思う。とにかく連戦をみんなで頑張ってきたので、良い形で終わりたい。その思いが強い」
──FC東京の今季の戦いについて。
「[4-3-3]システムでやっていた時期もあったが、原点回帰と言うか、縦への早さや球際の強さ、前への意識など、供給する方も走る方も、そういうところを見せられている試合は本当に強い。とにかくカウンターの威力はJリーグの中でも屈指だと思っている」
──攻撃のモビリティーが大事になる?
「足下、足下にならないことがすごく大事。特にFC東京の前への守備は強いし、そこから発動するカウンターを考えたら、自分たちのモビリティーがあれば、そのシーンが少なくなる。そういう意味では我々の良さも出るし、相手の対策にもなると思っている」
──17連戦の最後となるが?
「もちろんルヴァンカップも勝ちたかったので中断に入りたくなかったが、ここまで戦ってきたものの手応えを感じられるようにしたい。みんなで踏ん張ってきたのが良かったと思えるのはやはり結果。終わりよければすべて良しではないが、中断期の前はやはり勝ちたい思いが強い」
──17連戦の2カ月間は休みもなく大変だったのでは?
「メディカルスタッフをはじめ、選手のケアにオフはない。選手を含めてみんなで頑張ってきた。コロナに気を付けて試合の準備をしてきた。これが報われるのは結果だと思うので、みんなで結果を出して一息つきたい」
「苦しんでいるのは我々も同じだし、負けられない試合なのはお互い同じ。本当に厳しい試合になると思う。とにかく連戦をみんなで頑張ってきたので、良い形で終わりたい。その思いが強い」
──FC東京の今季の戦いについて。
「[4-3-3]システムでやっていた時期もあったが、原点回帰と言うか、縦への早さや球際の強さ、前への意識など、供給する方も走る方も、そういうところを見せられている試合は本当に強い。とにかくカウンターの威力はJリーグの中でも屈指だと思っている」
──攻撃のモビリティーが大事になる?
「足下、足下にならないことがすごく大事。特にFC東京の前への守備は強いし、そこから発動するカウンターを考えたら、自分たちのモビリティーがあれば、そのシーンが少なくなる。そういう意味では我々の良さも出るし、相手の対策にもなると思っている」
──17連戦の最後となるが?
「もちろんルヴァンカップも勝ちたかったので中断に入りたくなかったが、ここまで戦ってきたものの手応えを感じられるようにしたい。みんなで踏ん張ってきたのが良かったと思えるのはやはり結果。終わりよければすべて良しではないが、中断期の前はやはり勝ちたい思いが強い」
──17連戦の2カ月間は休みもなく大変だったのでは?
「メディカルスタッフをはじめ、選手のケアにオフはない。選手を含めてみんなで頑張ってきた。コロナに気を付けて試合の準備をしてきた。これが報われるのは結果だと思うので、みんなで結果を出して一息つきたい」
試合前情報
本日のスターティングイレブンです! 前節・浦和戦から先発5人が入れ替わりました。今日もチーム全員で繋ぎながら勝利を目指します!

この試合を終えた後に日本代表に合流する川辺駿選手。同点ゴールを奪った前節に続き、高い攻撃力に期待です!
選手を乗せたバスがスタジアムに到着しました。ここからさらに気持ちを高めていきます!
「味の素スタジアム」のロッカールームです! リーグ戦3試合連続の先発出場となった藤井智也選手。今季、スタメンで出た試合は7試合でわずか1敗。今日もサイドを積極的に駆け上がる快足に注目です!
本日はアウェイ・FC東京戦! 2か月間続いた17連戦は本日でラストとなります。相手は各ポジションに力のあるタレントを揃える強豪ですが、大型連戦を勝利で締めくくるべくチーム全員の力を合わせて戦いますので、後押しをよろしくお願いします!
監督 ハーフタイムコメント
・ボールを失った時には冷静な判断をすること。
・攻撃はクロスへの入りを工夫すること。
・みんなで戦うぞ!
・攻撃はクロスへの入りを工夫すること。
・みんなで戦うぞ!
ゲームレポート




FC東京のホームに乗り込んだ一戦は、まさに広島がほとんどの時間帯で主導権を握る展開となった。試合開始から敵陣地へ果敢に攻め込んだサンフレッチェは、サイドを起点にして相手ゴールへ肉薄。立ち上がりの浅野雄也のミドルシュートを皮切りに、13分には左ワイドの柏好文がエリア内で立て続けに好機を迎えた他、CKやゴール前でのFKを何本も獲得して佐々木翔らが頭で合わせるなど、いきなりの猛攻を見せた。開始15分までFC東京が1本もシュートを放てなかったのに対し、サンフレッチェは7本。試合の流れは完全に紫軍団が掴んでいた。
だが、この日はそこからの攻略が難しかった。1トップを残してGKを含めた10人が守備にパワーを割いてカウンターを狙ってきたFC東京の自陣エリア内での集中力は高く、広島のシュートに対しても体を張ったブロックを見せるなど、なかなかゴールを奪えなかった。
後半に入っても展開はほとんど変わらず。広島がピンチを迎えたのは開始直後の永井謙佑のクロスバー直撃のシュートぐらいで、その他の多くの時間帯では前半同様に広島が攻め込んだ。最終ラインからの確かなビルドアップで攻撃を組み立て、右サイド・藤井智也のスピーディーな突破や左サイド・柏のカットインからのクロスで相手エリア内へ進出。「サイドで崩すことはできていたので、そこから相手のCBを動かすような中の動きが足りなかった。そこは1トップのジュニオール・サントスを含めて、みんなで共有した。後半は良くなったと思うし、ああいうクロスの入りを前半からやってほしいと伝えていたが、もっともっと早くからやれるとよかった」(城福浩監督)。ハーフタイムにクロスへの入りを修正したことで、前半以上に後半はサイド攻撃から得点の匂いはしていたが、FC東京の堅い守りを最後までこじ開けることはできず。「内容は胸を張っていいものだと思うし、連戦の中、我々が求める守備からの攻撃というのは、ある程度は見せられたと思う。我々もやっている選手も手応えがあったがゆえに勝点1で終わったのは悔しい」と指揮官も悔やむスコアレスドローに終わった。
これで2カ月間続いた広島のハードな公式戦17連戦はようやく終了。結果は4勝6分7敗と勝ち越すことはできなかったが、「この連戦で紆余曲折あったものを肥やしにして、6月から勝点を積み上げられるように全員で良い準備をしたい」(城福監督)と最近掴んでいる手応えをベースに来月からの反撃を誓った。
監督 試合後コメント
「リモートで応援してくださっている広島のファミリーの方々に勝点3を届けたかったが、それができなくて残念。ただ、内容は胸を張っていいものだと思うし、連戦の中、我々が求める守備からの攻撃というのは、ある程度は見せられたと思う。我々もやっている選手も手応えがあったがゆえに勝点1で終わったのは悔しい。この連戦で紆余曲折あったものを肥やしにして、6月から勝点を積み上げられるように全員で良い準備をしたい。まずは、我々は2カ月間休みがなかったので、選手もスタッフもしっかりリセットしてほしいと思っている」
──チャンスの数も含めてFC東京を上回った試合だと思うが、そのサッカーをできた最大の要因は?
「4バックでも3バックでも我々が今年求めるものは変わらないという共通認識を持っていた。4バックでやっていた横ズレやラインの高さを意識しながら、中をしっかり堅くしながら、プレッシャーをかけることができたのが一つ。もう一つは、サイドでしっかりフットボールをして、辛抱強く繋ぎながら崩しを狙っていくところは、みんな共有できている。ここもある程度はやれたと思う。最後のシュートとクロスの精度、クロスの入りのところは、我々の宿題として6月のJリーグでお見せしたいと思うが、この内容は手応えがあったし、続けていければと思っている」
──83分に藤井智也選手を代えて、井林章選手を投入したのは、疲労なのか。それともアダイウトン選手の対策なのか?
「両方あった。相当、藤井も走っていたし、何か起こるとしたらアダイウトンのところだと思っていた。そこをしっかり蓋をしたかった。また、セットプレーも何回か取れると思っていたので、井林を入れてセットプレーの得点の可能性を高めたかったのはある」
──17連戦が終わり、次の試合までじっくりと調整ができるが?
「もちろん連戦については、我々の抱えている人数からしたら非常に厳しいものだったが、できることならオフではなくルヴァンカップのプレーオフステージを戦いたかったのが正直なところ。それができなかったからこそ、それを引き換えに何かを手に入れなければいけないという意味では、しっかりリセットすることと、次の再開に向けてチームを作っていくこと。この二つに集中したい」
──ハーフタイムにクロスの入りを指摘していたが?
「サイドで崩すことはできていたので、そこから相手のCBを動かすような中の動きが足りなかった。そこは1トップのジュニオール・サントスを含めて、みんなで共有した。後半は良くなったと思うし、ああいうクロスの入りを前半からやってほしいと伝えていたが、もっともっと早くからやれるとよかった。また、クロスの精度は個人の反省もあるかもしれないが、あの崩しをチームとしてもっと多く作っていくのは取り組んでいきたいと思っている」
──明日から4連休を挟んだ後は、攻撃と守備のどちらに力を注いで練習していくか?
「今日、ある程度90分で見せられた攻守を両方ともブラッシュアップしたいと思うし、ケガをしている選手も戻ってきそうなので、選手層や競争のところを促したい。我々はルヴァンカップは失ったので、天皇杯とリーグ戦の両方をモチベーション高く臨みたいと思う」
──チャンスの数も含めてFC東京を上回った試合だと思うが、そのサッカーをできた最大の要因は?
「4バックでも3バックでも我々が今年求めるものは変わらないという共通認識を持っていた。4バックでやっていた横ズレやラインの高さを意識しながら、中をしっかり堅くしながら、プレッシャーをかけることができたのが一つ。もう一つは、サイドでしっかりフットボールをして、辛抱強く繋ぎながら崩しを狙っていくところは、みんな共有できている。ここもある程度はやれたと思う。最後のシュートとクロスの精度、クロスの入りのところは、我々の宿題として6月のJリーグでお見せしたいと思うが、この内容は手応えがあったし、続けていければと思っている」
──83分に藤井智也選手を代えて、井林章選手を投入したのは、疲労なのか。それともアダイウトン選手の対策なのか?
「両方あった。相当、藤井も走っていたし、何か起こるとしたらアダイウトンのところだと思っていた。そこをしっかり蓋をしたかった。また、セットプレーも何回か取れると思っていたので、井林を入れてセットプレーの得点の可能性を高めたかったのはある」
──17連戦が終わり、次の試合までじっくりと調整ができるが?
「もちろん連戦については、我々の抱えている人数からしたら非常に厳しいものだったが、できることならオフではなくルヴァンカップのプレーオフステージを戦いたかったのが正直なところ。それができなかったからこそ、それを引き換えに何かを手に入れなければいけないという意味では、しっかりリセットすることと、次の再開に向けてチームを作っていくこと。この二つに集中したい」
──ハーフタイムにクロスの入りを指摘していたが?
「サイドで崩すことはできていたので、そこから相手のCBを動かすような中の動きが足りなかった。そこは1トップのジュニオール・サントスを含めて、みんなで共有した。後半は良くなったと思うし、ああいうクロスの入りを前半からやってほしいと伝えていたが、もっともっと早くからやれるとよかった。また、クロスの精度は個人の反省もあるかもしれないが、あの崩しをチームとしてもっと多く作っていくのは取り組んでいきたいと思っている」
──明日から4連休を挟んだ後は、攻撃と守備のどちらに力を注いで練習していくか?
「今日、ある程度90分で見せられた攻守を両方ともブラッシュアップしたいと思うし、ケガをしている選手も戻ってきそうなので、選手層や競争のところを促したい。我々はルヴァンカップは失ったので、天皇杯とリーグ戦の両方をモチベーション高く臨みたいと思う」