6.16 18:00

天皇杯 2回戦 vs. おこしやす京都AC
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試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
5
おこしやす京都AC おこしやす京都AC
  • 前半45+1分
    柴﨑晃誠
1
前半
2
0
後半
3
  • 前半28分
    青戸
  • 前半38分
    高橋康平
  • 後半32分
    高橋康平
  • 後半35分
    祥太
  • 後半44分
    イブラヒム

試合の見どころ

 自らの力を証明する戦いだ。4月と5月の2か月間に渡って続いた怒涛の17連戦が終わり、2週間半ぶりとなる公式戦の舞台は天皇杯2回戦。相手は関西1部リーグに所属するおこしやす京都ACである。天皇杯と言えば、プロとアマチュアが戦う唯一の大会であり、下のカテゴリーのチームにとっては“怖いものなし”のメンタルで戦えるのに対し、Jクラブは“勝って当たり前”の空気感が漂う何とも「難しい」(城福浩監督)戦い。すでに開催された2回戦では、横浜FMやFC東京、甲府、山形といったJクラブがJFLや地域リーグ、大学のチームに敗れる“ジャイアントキリング”が頻発した。初戦を迎える広島にとっても、まさに油断のできない一戦となる。
「相手がやりやすいのが覚悟の上で、自分たちがどういうサッカーを目指すのか表現すること。自分たちに目を向けたい」と城福監督。実力で言えば、当然ながら広島の方が上だ。だからと言って、相手を舐めてかかるのではなく、自分たちの力をすべて出し尽くし、目指すスタイルを発揮した上で勝利を掴むことが重要となる。相手の京都ACは、今季ここまで関西リーグ1部で首位を走り、さらに選手に目を向けてもG大阪や横浜FCに在籍していた寺田紳一や原一樹(元清水など)といったJリーグでの経験豊富なプレーヤーも在籍するなど個のレベルも侮ることはできないが、広島は17連戦後のリーグ中断期間の練習で取り組んできたチームのアップデートした姿を公式戦の舞台で発揮してこそ意味がある。
 特に期待したいのが攻撃だ。ひさびさにトレーニングに集中できたこの2週間半では、後方からのビルドアップや前線での連係・連動、そしてクロス攻撃に多くの時間を割いて選手の体にしみ込ませた。また、ピッチ上では、監督の指示だけでなく、時には選手同士がプレーに関して熱くコミュニケーションを図るなど、チーム力アップに向けて全員が本気で向き合い続けた。その成果をいかに発揮できるかが勝利への大きなポイントだ。
「出た選手は全力でやってくれると思う。モチベーションは高い」と指揮官。この試合が終われば中2日でリーグ戦が控える連戦とあって、再びチームの総合力で臨むことになる。まずは京都AC戦。どの顔ぶれが先発のピッチに立とうとも、目指すスタイルを発揮して勝利を掴みに行くだけだ。

監督 試合前日コメント

──おこしやす京都ACの印象について。
「分析担当もよく情報収集をしてくれているので、戦い方の大枠は我々も掴めている。[4-4-2]システムのオーソドックスなチームという印象。得点力があるチームなので、相手の特長も把握しながら失点しないことが大事になる。我々のやるべき、やりたい攻撃と守備をやることが非常に大事だと思っている」

──天皇杯2回戦は他のJクラブも敗れているが、自分たちに目を向けて戦う?
「この中断期は攻撃のところの3つのゾーンを少し整理してやったが、試合となればまずは安易な失点をしないこと。緩い守備をすれば致命傷になるので、そこは常に我々らしく守備の絶対のところをしっかり見せながら戦いたい。後半戦のスタートはたまたま天皇杯になったが、リーグであろうが、天皇杯であろうが、もう一度ここから巻き返していく気持ちが伝わるような試合ができればと思っている」

──カウンターには注意したいのでは?
「もちろん、まったくボールを奪われないで攻め切ることができればいいが、サッカーはそういう競技ではない。奪われた時に何をやるかと奪われ方については、我々が目指している3つのゾーンの質を高めることでボールの奪われ方も改善されるはず。何よりもずっとやってきた切り替えや集結のところまでをやれば、相手のチャンスがゼロというわけにはいかないかもしれないが、数少なくはできると思う。打ち合いの試合にさせない自信はある」

──天皇杯のタイトル獲得に向けて。
「私自身、天皇杯はベスト4が一番いい成績でファイナルまで行ったことがない。タイトルを獲ってみんなで喜び合いたい。それはリーグだろうがカップ戦だろうが、獲った者でしかその時に弾けられない。苦労しているが故にファミリーと関係者と一緒に、そういう瞬間を作れればと思っている」

試合前情報

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本日のスターティングイレブンです! 普段のリーグ戦とは違ったアマチュアを相手に戦う難しさはありますが、全員の力を結集して戦います!

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選手がピッチに登場! 長沼洋一選手は、初となるDFでの出場となります。最終ラインでどのようなプレーを見せてくれるのか、ぜひ、ご注目ください!

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昨年は大会が行われなかったため、今日は鮎川峻選手にとって初の天皇杯出場となります。勝利を手繰り寄せるゴールに期待です! 

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本日のロッカールームです。スタメンGKは、増田卓也選手! サンフレッチェ復帰後、初の出場となります。地元・広島のファミリーの皆さまの声援を受け、力を出し尽くします!

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本日は天皇杯2回戦・おこしやす京都AC戦! 相手は関西リーグ1部所属のチームですが、元Jリーガーを複数擁すなど、侮ることはできません。チャレンジャー精神で挑んでくる相手に対して難しい戦いが予想されますが、隙を見せることなく力を出し尽くして勝利を目指しますので、熱い後押しをよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・ビルドアップの時にポジショニングをハッキリすること。
・アタッキングサードでは慌てないこと。
・まずはこのメンバーで同点に追い付くぞ!

ゲームレポート

辛い現実を突きつけられる結果となった。
関西リーグ1部に所属する相手に対し、前半から広島は大いに苦しんだ。ボールを保持して主導権を握った序盤はパワーを強めて京都ACゴールへ攻め込み、ドウグラス・ヴィエイラのヘディングシュートなどチャンスを作っていく。だが、攻略にはあと一歩が足りずにゲームは推移すると、一瞬の隙を突かれてしまった。28分、自陣ゴール前で相手のパスワークに揺さぶられ、青戸翔に決められて失点。これで相手を勢い付かせると、38分にはカウンターから高橋康平にもゴールを奪われ、広島は早くも2点のリードを許してしまった。
その後、前半アディショナルタイムに柴﨑晃誠のゴールで1点差に迫った広島だったが、後半も相手の効果的な攻撃を浴び続ける苦しい展開となった。ボール保持はするものの、なかなかゴールを割れない中、城福浩監督は選手交代を活用しながら攻撃への圧力を強めていく。60分、まずはジュニオール・サントスと森島司、ハイネルを同時投入。さらに66分にも浅野雄也を投入して前線3枚すべてを入れ替えると、自陣に引いて守る京都ACゴールへ迫り続ける。だが、前半同様にサイドを攻略しても中央を固める相手をこじ開けられずにいると、決定的な連続失点を喫してしまう。77分、CKから高橋にこの日2点目を決められると、80分には自陣ゴール前を林祥太に割られて1-4。さらに89分にもイブラヒムに豪快なヘディングシュートを突き刺され、1-5の大差で敗れる結果となった。
5失点という屈辱的な敗戦に城福監督は「前半の2失点はもちろん我々が想定していなかったことだが、やはり3失点目でバランスを崩してしまった。あれで前がかりにならざるを得なかった。そこで点を取っていければ良かったが、取り切れずに失点を重ねるのは、自分が広島で指揮をしてから一番悪いサイクルに入ってしまった。そういう試合をさせてしまった選手やそういう試合を見せたファミリーに申し訳ないと思っている」とコメント。さらに「我々に残されたのはもうJリーグしかない。何を見せるか。我々が何を見せられるかというところが本当に大事になる」と3日後にやってくるリーグ戦での巻き返しを誓った。

監督 試合後コメント

「本当に申し訳ない試合をしてしまった。勝つための準備をしてきたが、チームを勝たせることができなかったのは監督である私の責任だと思っている。3点目が入って、前がかりになったところで4失点目、5失点目をしてしまい、勝つ可能性がなくなった状態で最後の終盤を迎えてしまったのは悔しいし、申し訳なかったと思っている。今日来てくださったファミリーの方々は声を出せない中で我々の背中を押しに来てくれたが、最後は相手チームのプレーに拍手を贈っていたのを聞いて、これは真摯に受け止めないといけない。来てくださったファミリーの方々がせめてできることだそうだったんだと心に刻んだ」

──ゲームプランとして前半の2失点が痛かったのでは?
「入りは悪くなかったし、点が入りそうな空気があった中で決め切れずに最初の相手のチャンス(の先制点)だったと思う。2失点してしまい、選手が少し慌てた感じだった。ただ、前半終了間際に1点を取ったので、ゲームとしてはまだまだ分からない状況を作れて後半に入れた。後半は非常に良い状況で試合に入れたと思う。前半の2失点はもちろん我々が想定していなかったことだが、やはり3失点目でバランスを崩してしまった。あれで前がかりにならざるを得なかった。そこで点を取っていければ良かったが、取り切れずに失点を重ねるのは、自分が広島で指揮をしてから一番悪いサイクルに入ってしまった。そういう試合をさせてしまった選手やそういう試合を見せたファミリーに申し訳ないと思っている」

──監督が就任してから大事にしてきた、靴一足分の寄せや集結が後半の失点のところでは足りなかったのでは?
「もちろん我々はボールホルダーへのプレッシャーをもっとかけたい。それはシュートだけでなく、クロスのところもそう。そこは間違いなく足りなかった。ただ、前がかりになる展開にならざるを得なかったという意味では、全体が真摯に受け止めないといけない。また、チャンスで得点を取れなかったことも含めて、全員で受け止めたい。我々に残されたのはもうJリーグしかない。何を見せるか。我々が何を見せられるかというところが本当に大事になると思う」

──試合後の選手にかけられた言葉は?
「このゲームに対する矢印は全部自分が引き受けるので、我々は土曜日の試合で何ができるか。どういう準備をして、どういう試合ができるか集中しよう。このチームならできる。そう話した」

──前半と後半でシステムを変えた意図は?
「フォーメーションは変えていない。ただ、そのように見えた指示は出した。ウイングバックをもっと高い位置に取らせたかった。それはゲームの状況を見て、もう少し前線の躍動感を出したかった。そういう意味では、相手を広げさせたかったので、点差に関係なく、そういう指示をハーフタイムに出した。もちろん後半は1点のビハインドだったので、より攻撃的な立ち位置だったが、自分たちはもっと試合の開始からそのような立ち位置に立たせられるように次は良い準備をしたい」

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