8.9 19:03

明治安田J1 第23節 vs. アビスパ福岡
AWAYベスト電器スタジアム

試合終了

アビスパ福岡 福岡
1
1
サンフレッチェ広島 広島
  • 後半45+7分
    寛之
0
前半
0
1
後半
1
  • 後半22分
    ジュニオールサントス

試合の見どころ

 反撃の夏が始まる。東京五輪の影響で約1カ月間中断していたリーグ戦が、いよいよ8月9日から再開。ここまで22試合を終えて7勝9分6敗の9位に位置するサンフレッチェとしては、上位追撃に向けて残り16試合はとにかく勝ち続けるしかない。リーグ中断前最後のゲームでは、最下位・横浜FCに敗れるなど、今季は決して順風に進んでいるわけではないが、この中断期間にチームとして取り組んできた成果をここから発揮するのみ。まだまだ上位浮上のチャンスは残っている。
 勢いをつけたい再開初戦はリベンジマッチとなる。相手の福岡とは4月の第11節でホームで戦い、1-2の敗戦。相手のアグレッシブかつ縦に早いサッカーの前になかなか主導権を掴めずに負ける何とも悔しいゲームだった。あれから約3カ月半、「やり方がハッキリしている」と城福浩監督が話すように、福岡の戦いに変化はなく、攻撃では縦へのスピーディーな攻めに加えて、サイドからのクロス攻撃をメインに仕掛けてくる。なかでも、ベルギーの年代別代表経験のあるジョルディ・クルークスは福岡攻撃陣の最大のキーマン。左利きだが右サイドハーフに配置され、カットインから鋭い左足のクロスを送り込んでくる。これにフアンマ・デルガドや山岸祐也といったストライカーが飛び込む形が福岡のストロングポイントなだけに、広島としては大きな注意が必要だ。また、一時は6連勝を達成するなど勢いのあった福岡だが、現在は5連敗中。ここから巻き返すべく広島との戦いに挑んでくることが予想されるため、その勢いに飲まれないことも重要となる。
 その上で広島の戦いとしては、やはり「いい守備からのいい攻撃」(城福監督)を研ぎ澄ませたい。中断期間でも前線からの組織的な守備に磨きをかけ、そしてゴール前でのクロスへの入りを徹底して練習し続けた。リーグ中断前は4試合連続で複数得点がなく、それが1勝しかできなかった(1勝2分1敗)原因でもあるだけに、得点力アップは今後に向けても必須。3バックシステムに変更してから、ボールポゼッション率は確実に上がっており、あとはゴール前でバリエーション多く相手を崩す形を作れるかがポイントとなる。
 上昇に向けた初戦となる福岡戦。紫の戦士たちは、中断期間で取り組んできた成果をいかに発揮できるか。まずはお手並み拝見だ。

監督 試合前日コメント

──明日からいよいよリーグ再開だが?
「その状況、状況で、個別のこと、あるいはグループについて、我々が考えるベストな準備をしてきた自負がある。あとは思い切って、選手がやってくれると思う」

──相手のFWの先発は読みづらいが?
「やってくるサッカーは同じ。(出てくる選手によって)特長が違うのは頭に入れないといけないが、山岸祐也ともう一人がどうなるかは、いろんな想定はしている」

──リーグ戦ではなかなか得点が奪えていない状況だったが?
「チャンスの数はもっと増やせると思うし、ペナルティーエリアに侵入していく数ももっと増やさないといけない。それと同時にペナルティーエリアの中でボールを待っていては点は取れない。やはりボールを呼び込んだり、動き直したりするところが足りない。自分はそう信じて、選手に伝えている。『あれを決めていれば』とか『あれがこぼれてくれば』などは、自分の立場で言うことでない」

──夏の暑さで交代カードも重要だが、ベンチスタートの選手に期待することは?
「とにかくシチュエーションを理解して、かつアグレッシブにやってほしい。負けている状況であれば、やはり前に進んでほしいし、後ろにボールを下げないでほしい。前にボールを奪いにいってほしい。そのアグレッシブさの中でスコアを意識できればと思う。とにかく消極的なプレーにならないこと。ピッチに出た選手がみんなアグレッシブな判断ができるようなチームにしたい」

試合前情報

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本日は福岡でのゲームとなりましたが、約500名もの方にお越しいただきました。勝利を分かち合えず、悔しい気持ちでいっぱいです。応援、ありがとうございました。

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本日のスターティングイレブンです! チーム一つになって前回対戦のリベンジを狙います!

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J1通算300試合という節目のゲームとなる柏好文選手。勝利で飾るべく、今日もガンガン仕掛けていきます!

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選手を乗せたバスがスタジアムに到着しました。それぞれ気合い十分です!

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「ベスト電器スタジアム」のロッカールームです! 期限付き移籍から復帰した松本泰志選手はさっそく昨季所属した福岡との対戦となりました。ベンチスタートとなりますが、ピッチに立った際は成長した姿に期待です!

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本日はアウェイ・アビスパ福岡戦! 東京五輪により約1カ月間中断していたリーグ戦がいよいよ再開します。相手は現在5連敗中と結果が出ていませんが、力のある難敵です。ホームでの前回対戦では1-2と悔しい敗戦を喫しているだけに、そのリベンジを含めて勝利を目指しますので、後押しをよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・守備はこのまま続けること。
・ビルドアップの時には距離感を意識してボールを回そう。
・後半も頭から出しきるぞ!

ゲームレポート

リーグ再開初戦、敵地・福岡での一戦はショッキングな結末が待っていた。
「勝たないといけない試合だった」。そう城福浩監督が試合後に振り返ったように、90分をとおして試合を優勢に進めたのは広島だった。序盤からテンポの良いパスワークを繰り出して福岡陣地へ果敢に進出。左サイドに展開すれば、藤井智也が持ち味のスピードを生かして積極的に仕掛ければ、右サイドでもこの日がJ1通算300試合出場という節目を迎えた柏好文が味方との連係を織り交ぜながらチャンスを作り出した。また、中央でもジュニオール・サントスの個人技やポストプレーを加えて好機の一歩手前まで進むなど、広島の柔軟な攻撃が際立つゲームだった。それでも前半はハードなプレスかつ後方に人数を割く福岡守備陣を最後の局面では崩すことができず、0-0で折り返した。
勝負の後半、58分頃までは福岡の圧力の前にCKを立て続けに与えてピンチもあったが、その時間帯を粘り強い守備でしのいだことが大きかった。その後、右サイドを柏が攻略すると背後から志知孝明に倒されてPKを獲得。これをジュニオール・サントスが冷静に決めて、67分に待望の先制点を奪うことに成功した。
これで広島の勝利は大きく近付いたはずだった。柏を倒した志知が2枚目のイエローカードを受けて退場したことで、リードした上に相手は一人少ない状況。その後もサンフレッチェは危なげない戦いで試合を進め、さらに79分にはサントスが追加点を奪ったかと思われたが、これはVARによって取り消された。そして、福岡の最後の反撃を受けながらも1-0のまま試合は推移していく中、まさかの結末は90+7分だった。前寛之のミドルシュートが味方に当たってコースが変わり、そのままゴールイン。アディショナルタイムの表示は8分までだったが、残り1分で同点に追い付かれる悔しい勝点1で終了した。
試合後、「負けに等しい気持ち」とはサントス。人数でも数的優位でありながら勝ち切ることのできなかったサンフレッチェにとって、辛い現実を突きつけられる再開初戦となった。

監督 試合後コメント

「見に来てくださったファミリーの方々に悔しい思いをさせてしまった。勝たなければならない試合だったので、これをしっかり受け入れて、リセットして次の試合に向かいたい」

──前半からチャンスは作っていた中で後半はカウンターを食らうようになったが、ハーフタイムの指示は?
「最終ラインの立ち位置は修正したが、しっかりと気持ちを持って攻守にプレーしていた。事故でピンチはあるかもしれないが、我々らしく試合を進めたいという思いがあった」

──VARで2点目が取り消されてしまったが?
「やはり2点目を取らないといけなかったし、1-0で終えないといけなかった。その思いでいっぱい。VARについては何も感情はない」

──次節・神戸戦に向けて。
「みんなで我々らしく戦えるように良い準備をして、今日のように気持ちを持って臨みたい。今日は決して気持ちがなかった試合ではない。それをもう一度、みんなで見せたい」

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