9.18 18:03

明治安田J1 第29節 vs. 柏レイソル
AWAY三協フロンテア柏スタジアム

試合終了

柏レイソル
0
3
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
1
0
後半
2
  • 前半30分
    ドウグラスヴィエイラ
  • 後半9分
    ドウグラスヴィエイラ
  • 後半15分
    ドウグラスヴィエイラ

試合の見どころ

 今シーズンもいよいよ残り10試合。ここまで8勝12分8敗の11位につけるサンフレッチェは、ここから多くの勝利を積み重ねることができれば上位浮上の可能性も残す一方、負けが続けば残留争いに巻き込まれてもおかしくない中間の位置にいる。さらに、残り10試合の相手は広島より上の順位のチームが4つで下が6つ。15位・湘南、16位・清水、17位・徳島、18位・仙台と残留争いの渦中にいるチームとの試合が残っているとあっては、難しい戦いになるのは必至だ。だが、城福浩監督は相手の状況よりも、自分たちに目を向ける。「相手のモチベーションは関係ない。それよりも、(下位の相手は)我々が悔しい思いをしてきたチームばかり。1戦1戦、最善の準備をしたい」(城福浩監督)。広島が目指すのは、ホームで敗れた湘南や徳島へのリベンジを含めて、目の前の試合に勝つのみ。ここから終盤戦の反撃といきたいところだ。
 その初戦となる今節、いきなり難敵との戦いとなる。広島が敵地に乗り込む相手は知将・ネルシーニョ監督率いる柏レイソル。前半戦19試合は4勝2分13敗と下位に低迷したが、後半戦に入ると調子は上向き傾向だ。ここまで9試合を消化して、6勝1分2敗。現在は3連勝と勢いも出てきている。
 警戒するのは、やはり堅い守りからのカウンターだ。最近では3バックシステムをメインに戦い、守備時には5バックとなって堅いブロックを構築。そしてボールを奪えば、前線のクリスティアーノや瀬川祐輔、プロ2年目の若きストライカー・細谷真大らが一気にスピードアップしてゴールを目指す。前節・FC東京戦でも開始9分にカウンターから細谷が先制点を奪うと、その後は守備に重心を置いて1-0で逃げ切った。現実的な戦いで勝利を追求するネルシーニョ監督のスタイルは健在であり、後半戦になってより研ぎ澄まされてきた印象だ。
 そんなレイソルの攻略のポイントは、1-0で勝利した前回対戦が参考になるだろう。6月にホームで激突した試合では、守備を固めてカウンターを狙う相手に対し、前半から紫軍団が16本のシュートを放つなど圧倒した。なかなか得点を奪えない中でも焦れることなくレイソルの速攻を潰し、敵陣地へ押し込んでゴールを目指し続けたことが78分の佐々木翔の決勝点に繋がった。今回もボールを保持し続けて主導権を握る展開になっても、敵のカウンターを確実に封じてゴールに突き進められるか。先に先制点を与えてしまえば命取りになる可能性は高いだけに、0-0でも焦れずに試合を進め、得点を奪う展開が理想だ。

監督 試合前日コメント

──レイソルの好調の要因をどう見ている?
「戦い方がすごくハッキリしてきた。もちろんメンバーも外国籍選手を含めて実績豊富な選手たちがいるが、その中でも前線を日本人で固めてクリスティアーノのスルーパスに日本人が走ることが徹底されている。そこの機動力は前回対戦より確実に上がっている。ブラジル人選手がFWで出た時にはキープ力や強さ、一発の怖さがあった。ただ、機動力という意味では、守備から攻撃への切り替えからの人数のかけ方を含めて、日本人でやっている分、特に走れる選手が前に揃っている。そこは走り負けないようにしたい」

──中盤の戸嶋祥郎選手も警戒だが?
「彼はボランチでありながら、シャドーを兼ねるぐらい前線に絡んでくることで相手の守備が混乱しているシーンがここ何試合かあった。そこは頭に入れながら我々らしくサッカーができればと思っている」

──レイソル戦もこれまでどおり前からの守備を意識していくか?
「ずっと継続してやってきたし、やれていると思う。もちろん練習の時から良い奪い方をしてネットを揺らせれば一番いいが、こればかりは(練習から)その場面に慣れていくしかない。しっかり守備をして、奪った後の絶好のチャンスに慣れれば、自ずと決定機を決める確率も高くなっていく思う」

──明日の試合は台風の影響もありそうだが?
「どれだけボールを動かせる状況を保てているかは、行ってみないと分からない。雨は降り続いている状況だと思うが、それがどのぐらいの量なのかも分からない。いろんな準備をしたいと思うし、選手全員が出る準備をし続けてくれれば、自ずとそういうアクシデントを我々の味方につけられると思う」

試合前情報

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本日のスターティングイレブンです! 前節から先発3人が入れ替わりました。今日もチーム一つになって3試合ぶりの勝利を目指します!

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8月9日のJ1第23節・福岡戦以来、今季リーグ戦3度目の先発となった林卓人選手。頼れるベテランがチームに落ち着きを与えてくれるはずです!

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選手を乗せたバスがスタジアムに到着しました。それぞれ、勝利に向けて気合い十分です!

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「三協フロンテア柏スタジアム」のロッカールームです! 前々節・神戸戦以来の先発復帰となった柴﨑晃誠選手。巧みなゲームコントロールは必見です!

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本日はアウェイ・柏レイソル戦! 相手は知将・ネルシーニョ監督率いる難敵です。現在は3連勝中と勢いのある相手に対し難しい戦いが予想されますが、チーム一つになって勝利を目指しますので、後押しをよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・守備は中央を閉じながら守ること。
・前から行く時と引く時のメリハリをハッキリすること。
・この戦いを続けるぞ!

ゲームレポート

今季はケガに苦しんだ背番号9が圧巻のパフォーマンスで完全復活した姿を披露した。
序盤から1トップに入ったドウグラス・ヴィエイラの攻守が機能し続けた。相手ボールになれば、後方の味方との連係を駆使して守備に奔走し、ボールを奪えば背後への飛び出しや相手DFに競り負けない確かなポストプレーでボールを収めて味方へと確実に繋げる。「チーム全員で良いスイッチを入れて、良いボールの奪い方をして、相手陣地深くへ入っていく。そこでボールを失っても取り返す。彼がそのスタートになり続けてくれた」。城福浩監督が試合後にそう称えたように、相手を押し込み続けるサッカーを展開した広島のスイッチ役として高パフォーマンスを見せたドウグラスにチャンスが訪れたのは30分だった。中盤でボールを持った青山敏弘の針の穴をも通すような鋭いスルーパスに抜け出すと、冷静にネットを揺らして先制。チームの、そして自身に勢いを付ける貴重なゴールとなった。
この日のドウグラスはもう止まらなかった。後半の出だしこそ広島はレイソルの圧力を受けたが、そこを跳ね返したのはまたも背番号9だった。54分、今度はエゼキエウのフィードに抜け出すと、相手GKが前に出てきたのを見逃さず、ガラ空きのゴールに落ち着いてロングシュートを放って追加点。さらに60分には、左サイド・東俊希のクロスのこぼれ球をエリア内で強烈なシュートを放って早くもハットトリックを達成した。
その後は71分にジュニオール・サントスと交代して退いたドウグラスだが、チームは粘り強い守備で相手に得点を許すことなく3-0の勝利。「今年はケガから復帰したと思ったらまたケガをした。辛い、辛い時期だった。その時でもチームの頑張りは見ていたし、早く力になりたいと思っていた。今日はみんなに感謝したい」(ドウグラス)。今季はケガによって2カ月近く離脱するなど、苦しんだストライカーの息を吹き返す3得点。「守備だけでなく攻撃でもハードワークしてくれた。そのご褒美が彼のところにいって本当に良かった。チームのために動けば、チームのやろうとすることを目指せば点が取れると彼自身も自信になったと思う」と城福監督も背番号9の活躍にほほを緩ますゲームとなった。

監督 試合後コメント

「ここ7~8試合は自分たちらしい安定した試合の入りができていた。ただ、必ず勝点3が取れたかと言うと、そういう試合ばかりではなかった。非常に悔しい思いもしてきた。それでも自分たちがやれていることを信じてやり抜くこと。変えずにブレずにやり抜くことを選手と共有して試合に入った。選手は試合の入りから非常に良い攻守を見せてくれたと思うし、選手の頑張りに相応しい結果だったと思う。4点目を取れるシーンがいくつかあったので、できれば4点目を取りたかったが、大事なのは失点ゼロで抑えたこと。最後まで締まったゲームができたこと。これはチームとしても大事にしたい」

──ハットトリックを決めたドウグラス・ヴィエイラ選手について。
「チーム全員で良いスイッチを入れて、良いボールの奪い方をして、相手陣地深くへ入っていく。そこでボールを失っても取り返す。彼がそのスタートになり続けてくれたと思う。それによって最後は彼のところにボールが来たし、守備だけでなく攻撃でもハードワークしてくれた。そのご褒美が彼のところにいって本当に良かった。チームのために動けば、チームのやろうとすることを目指せば点が取れると彼自身も自信になったと思う」

──先制点をアシストした青山敏弘選手は攻守において機能していたが?
「ここ何試合かは、おそらく青山の走行距離が一番長かった。彼はそれぐらいずっとハードワークしていた中で、どの試合でもあれぐらいのスルーパスは出せたはず。ただ、引き出す側があのエリアでスペースを見つけて、彼にボールが渡る瞬間に動き出すことがなかなかできなかった。青山であれば、あのタイミングであのパスが出てくるのをみんなが感じれば、もっともっと引き出しの数が増えてくると思う。とにかくあのエリアで、青山がスルーパスを出したエリアでサッカーをする。そこでボールを奪い返す。そこからショートカウンターをする。その繰り返しが今日はできた。あのシーンをもっともっと増やしていきたい」

──次節・C大阪戦に向けて。
「我々は今までの勝点は満足していない。ただ、目指すモノは共有できている。これをやり通すこと。やれる選手が出て行って、やり切って、次のベンチメンバーに繋いで行く。このサッカーをしっかり次の試合でもやり切って、勝点3を取りたいと思っている」

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