2.23 14:00

ルヴァンカップ グループステージ第1節 vs. 徳島ヴォルティス
AWAY鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム

試合終了

徳島ヴォルティス 徳島
0
3
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
2
0
後半
1
  • 前半24分
    住吉ジェラニレショーン
  • 前半33分
    永井
  • 後半12分
    俊希

試合の見どころ

チャレンジングな戦いを続けるだけだ。J1開幕戦となった2月19日の鳥栖戦は0-0のドロー。ミヒャエル・スキッべ監督が来日できない中でも、キャンプで磨き続けてきた“強度の高いプレッシング”が機能する時間帯もあったが、マークを剥がされ、押し込まれることが長くなったのも事実。だが、今はスタイル習得への道半ばである。「その回数を増やしていく、チャレンジしていくことは非常に大事」(佐々木翔)であり、どんな相手にも今季目指す戦いをぶつけていくことがチーム力を高めていくのは間違いない。
 それは今節のゲームでも当然ながら同じだ。明日から始まるJリーグYBCルヴァンカップ・グループステージ初戦の相手は徳島。J2所属のクラブとはいえ、昨季はJ1でも戦っていた力のあるチームだ。昨季最終節では敵地で戦い4-2の勝利を収めたが、今回も簡単に勝てるほど甘い相手ではない。
 広島のプレッシングを試すには、うってつけのチームだろう。今季の徳島は、GK上福元直人を筆頭にDFジエゴやMF岩尾憲、鈴木徳真、藤田譲瑠チマ、FW宮代大聖、垣田裕暉など昨季の主力の多くが抜ける苦しいチーム編成となったが、就任2年目を迎えたダニエル・ポヤトス監督は現状の戦力を最大限生かして、自らのスタイルである“ポゼッションサッカー”を継続している。今季開幕戦となった金沢戦でも、後方からの巧みなビルドアップに加え、素早い攻守の切り替えや前線からのプレッシングで主導権を握り続けた。また、両サイドには西谷和希と浜下瑛という個で突破できる力のあるアタッカーも揃っており、確かな攻撃力を備えている。
 そんな相手だからこそ、今節も広島の前線からの守備は重要だ。ポゼッション力に秀でた徳島に自由を許せば、鳥栖戦同様に広島は押し込まれてしまうだろう。引いた状態からの堅守速攻でもチャンスはできるが、やはり決定機になりやすいのは高い位置からのプレッシングであり、それを今季はチームの大きなテーマとしている。「我々はまだどんどんチャレンジしていく部分があると思っている。自分たちに目を向けて続けていきたい」(迫井深也ヘッドコーチ)。相手に合わせて受け身になるのではなく、敵にアタックし続けること。攻守で主導権を握り続けるサッカーで勝利を掴み取りたいところだ。

監督 試合前日コメント

──ルヴァンカップがスタートするが?
「新しいコンペティションではあるが、我々としては同じサッカー、スタイルを目指していくという意味では、選手土曜日の開幕戦と同じようなスタンスで向かって行きたい」

──J1開幕戦を振り返って、収穫と課題は?
「収穫は、いろんな条件がある中で勝点を奪うのは大事なこと。スタートとしては素晴らしいものだと私は思っている。ただ、目指しているスタイルがある中で、より前で守備をしていく、より前でプレーしていくという意味では、難しい状況ではあったが、もっともっと前へ進んでいくべきだと感じている」

──徳島をどう分析している?
「開幕戦もそうだったが、今向けるべきは対戦相手というよりも我々だと思っている。チャレンジしていることを勇気を持って前に一歩踏み出せるか。徳島の対策ももちろんだが、もっともっと自チームに目を向けてやっていくべきだと感じている」

──徳島戦が終われば、中2日でリーグ・札幌戦もあるが?
「もちろん札幌戦にも目を向けなければならないが、まずは目の前の試合。これまでやってきたように、目の前で起こっていることに対して取り組んでいくという意味では、チームのスタイルを踏まえてすべてが大事な試合。変わりなく進んで行きたい」

試合前情報

photo 本日のスターティングイレブンです! 直近のリーグ・鳥栖戦から先発9人が入れ替わりました。今日も全員の力で勝利を目指します! photo サンフレッチェでは公式戦初先発となった住吉ジェラニレショーン選手。力強いディフェンスに注目です! photo 選手を乗せたバスがスタジアムに到着しました。それぞれ気合い十分です! photo 「鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム」のロッカールームです! 川村拓夢選手はサンフレッチェ復帰後初スタメンとなりました。攻守での躍動に期待です! photo 本日はルヴァンカップ・グループステージ初戦の徳島ヴォルティス戦です! 相手は今季からJ2に舞台を移すことになりましたが、地力のあるチームなのは間違いありません。敵地での難しい戦いが予想されますが、チーム一つになって勝利を目指しますので、後押しをよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・ボールを奪った後は簡単に下げないこと。
・セカンドボールの勝負に負けないこと。
・もっと前へ行くこと、もっと取りに行くこと。

ゲームレポート

サンフレッチェが今季目指すスタイルを存分に表現する一戦となった。
 試合開始から、紫軍団は徳島に襲い掛かった。今季のテーマである“前線からの強度の高い守備”を発揮すべく、1トップ・永井龍を筆頭にシャドーの森島司やエゼキエウらも積極的にプレッシングを発動。ロングボールを放り込まれても、最終ラインを中心に跳ね返し続けて徳島を相手陣地へ押し込む一方的な展開となった。それでもなかなかシュートまで持ち込めない時間が続く中、「押し込んでいるぶんだけ、もう少し足が振れればと思っていた」(迫井深也ヘッドコーチ)と言う思いにエゼキエウが答えた。右サイドからカットインして左足で放ったシュートがGKを強襲。CKを獲得すると、ついに徳島ゴールをこじ開けることに成功した。24分、野津田岳人の右サイドのCKから最後は住吉ジェラニレショーンが左足で押し込んで先制。昨季途中に加入した男の移籍後初ゴールでようやくリードを奪った。
 そうなると、試合はもう広島のモノだった。前線からのプレスを緩めることなく2点目を狙いにいくと、何度もチャンスを作り出す。すると、追加点が生まれたのもやはり“ハイプレス”だった。33分、相手GKへの森島のチェイシングがミスを誘い、ガラ空きのゴールに永井が確実に決めて2点目。複数得点で前半を終えた。
「もっと前へ行くこと、もっと(ボールを)取りに行くこと」
 後半に向けて、まだまだ“前へ”の意識を迫井ヘッドコーチに植え付けられたサンフレッチェの選手たちは、攻め続けた。47分の失点かと思われた場面はハンドで取り消されると、その後は落ち着いて試合を進めていく。そして57分、試合を決定付けるゴールが生まれた。川村拓夢の強烈な左足のミドルシュートを相手GKが弾くと、東俊希が詰めて3-0。大量リードを得た広島は、それからも5枚の選手交代を活用しながら最後まで焦れることなく戦い抜いて勝利。ミヒャエル・スキッべ監督不在の中で今季初の勝点3を奪った。
 4日前のJ1開幕戦では、前線からのプレスをうまく機能させることができず0-0のドロー。一転してこの日はスタイルを十分に発揮しての勝利について迫井コーチは「選手が試合開始早々から攻守ともにアグレッシブにチャレンジしてくれた結果だと思っている」と手応えを掴む一戦となった。

監督 試合後コメント

「(今日の勝利には)流れがある。J1開幕戦で勝点1を取ったことの意味、また新たな答えを出していこうという意味では、選手が試合開始早々から攻守ともにアグレッシブにチャレンジしてくれた結果だと思っている」

──今日のメンバーには試合前にどういう言葉をかけて送り出したのか。
「今日のメンバーに関しては、私自身がずっと見てきたメンバー。いろんな思いを抱えてきた選手、ケガから復帰してきた選手、試合に出られず苦しんでいた選手、なかなかプレーが思うようにいかなくて悩んでいた選手、いろんな思いを持った選手が自分を表現できる場所に戻ってこられるという意味では、それを発揮すべきタイミングではないかと。いろんなミスはあるかもしれない。不安もあるかもしれない中で思い切ってチャレンジしてほしいという意味で彼らを送り出した」

──得点を取った住吉ジェラニレショーン選手と永井龍選手について。
「もちろん彼ら二人についてコメントしたい部分はあるが、彼らが試合に出ていない状況の時にグラウンド内で戦っている姿を見ていた。そういった意味で報われた瞬間ができたのはすごく嬉しい。これがサッカー界であってほしいと願っている。やっている人間には報われるサッカー界であってほしいという意味では、彼らはそれまでグラウンド内で思うようにいかない中で真摯に向き合ってきた結果だと思っている」

──チャレンジする中で前からのプレスやコンパクトさが見られたが、どこが良くなったのか?
「今いる選手の最大限を発揮するという意味では、よりコンパクトに、選手同士の距離を近くして攻守ともにプレーしていくことが今の選手たちの特長がより発揮できることだと思っている。開幕戦が終わってから時間は短かったが、そのコンパクトは明確にできた。選手がトライしてくれた結果だと思う」

──徳島を無失点に抑えられた要因は?
「プレスに行くことで剥がされて戻らないといけない部分はあったが、そのリスクは選手とも共有できている。そうなった場合にどうすべきか。選手の立ち振る舞いに関しては、練習中からリスクを共有しながらしっかりやっていこうという意味では、みんな付いて戻ってこれていた。逆サイドの選手もしっかりバランスを取りながらやってくれた。その結果が無失点になったと思っている」

──徳島の攻撃の印象は?
「昨季からしっかりポジションに立って相手とのミスマッチを作りながら数的優位を作った中でサイドでの突破を強みにしていると感じていた。そこを出させないつもりでやってきた。もちろん100点ということはないが、できる限りそういう状況を作らせないで我々が目指している部分の回数をより多くできるようには準備してきた」

──前半は風上だったが、その中で奪った1点目と2点目について。
「(1点目の)CKになる前にプレッシャーも徐々にかけ始めていた。ベンチではもう少しシュートを打ちたいという話はしていた。押し込んでいるぶんだけ、もう少し足が振れればと思っていた。そこでエゼキエウが足を振ってくれたおかげで、あのCKを得られた。その前に前線からの守備ができた部分があって、シュートシーンまで持っていけた。2点目に関しても同じように、前線からのプレスを森島がかけてくれたおかげで、そういう(2点目の)結果が出た。シュートを決めた選手は評価されるべきだが、私自身は攻撃の1点と守備でプレッシングをかけるのは同じ価値だと思っている。同じようにプレッシングをかけた選手、後ろでカバーしている選手、バランスを取った選手もすべて同じ価値だと伝えているので、それをみんなしっかりやった結果があの形になったと思っている」

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