4.10 14:00

明治安田J1 第8節 vs. アビスパ福岡
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
0
アビスパ福岡 福岡
  • 後半45+4分
    柴﨑晃誠
0
前半
0
1
後半
0

試合の見どころ

 ようやく“スキッべ・スタイル”の本領発揮だ。昨季2位の強豪・横浜FMをホームに迎えた前節は、前半の半分を過ぎた頃から一方的に相手を押し込み続ける戦いで2-0で勝利。シュート数でも広島が16本放ったのに対し、横浜FMはわずか4本。全体をコンパクトにした前線からの強度の高いプレスが見事にハマった完璧な内容であり、「今季一番の試合」(塩谷司)。チームが目指す理想的な戦いでリーグ2連勝を達成した。
 その勢いを持って3年ぶりとなる3連勝を目指す今節、広島としては一つの腕試しとなる。ホームに迎える相手は、難敵の福岡。昨季は1分1敗と苦手にしていた相手であり、ミヒャエル・スキッべ監督も「非常にやりづらい相手だと思う」と警戒。ストロングは、ハードな堅い守備からのカウンターで、その威力は抜群だ。速攻を機能させるサイドMFには、高性能の左足キックを持つジョルディ・クルークスやスピードスター・田中達也ら個性的な面々が揃い、ゴール前で待ち構えるFWにもフアンマ・デルガドやルキアンといった高さと強さを兼ね備える外国籍ストライカーがいる。横浜FMのように果敢に攻めてくる相手に広島は強さを発揮したが、苦戦した前々節・湘南戦と同じくハードかつ堅い守りを構築してくる福岡に対し、いかに攻略できるかが大きなポイントになる。
 「(福岡は)外国籍選手だけでなく日本人もサイズが大きい選手が揃っており、セットプレーは気を付けないといけない。また、良いカウンターも持っているので、そこを警戒しながら我々のプレスを機能させたい」(スキッべ監督)。どんな相手にもブレないスタイルで挑んでいる広島は、今節も当然ながら攻撃的な戦いを仕掛けるつもりだ。守備では主体的に高い位置からボールを奪いに行き、攻撃に移ればスピーディーにサイドを効果的に使いながらゴールを目指す。安易にボールを失えば、湘南戦同様に危険なカウンターを受けるリスクもあるが、恐れていては勝利も遠のくだけだ。福岡相手にもサンフレッチェは「魅力的で攻撃的なサッカー」(スキッべ監督)を表現し、3連勝を狙う。

監督 試合前日コメント

──今日の選手たちの様子は?
「雰囲気はすごく良かったし、集中したトレーニングができた。明日はやりやすい相手ではないのは分かっているが、そこに向けて良い準備ができたと思っている」

──福岡は守備が堅く、良い外国籍選手もいるが?
「福岡は非常にやりづらい相手だと思う。外国籍選手だけでなく日本人もサイズが大きい選手が揃っており、セットプレーは気を付けないといけない。また、良いカウンターも持っているので、そこを警戒しながら我々のプレスを機能させたい」

──広島のセットプレーも大きな武器では?
「我々のセットプレーもどんどん良くなってきている。最近のサッカーはセットプレーが非常に重要になっているので、ディフェンスは安定させながら、オフェンスはクリエイティブにやっていきたい」

──3連勝に向けて。
「もちろん3連勝を目指したい。少しでも順位を上げることが大切になる」

監督 ハーフタイムコメント

・ロングボールとセカンドボールの対応をしっかりすること。
・前半はゲームを支配できていた。続けること。
・最後までやり切ろう!

ゲームレポート

 最後の最後に劇的なドラマが待っていた。
 2連勝中の勢いを持って臨んだ一戦は、前半から我慢の時間が続いた。組織的な守備ブロックを形成する福岡に対し、広島は最終ラインからじっくりとボールを繋いで攻撃を繰り出す時間が多くなったものの、ペナルティーエリア内へ進出できず、なかなかシュートまで持ち込めない展開に。時間の経過とともに広島はCKを何本も獲得した他、サイド攻撃中心に仕掛けてゴールを目指したが、中央を固める福岡を完璧に崩すことはできなかった。前半のシュート数は広島が5本で福岡が1本。試合前に「福岡は非常にやりづらい相手」とミヒャエル・スキッべ監督が話したとおり、膠着した戦いとなった。
「前半はゲームを支配できていた。続けること」。ハーフタイム、そうスキッべ監督から指示を受けた紫の選手たちは、後半もブレずに攻撃姿勢を貫いた。すると、絶好のチャンスは60分にやってきた。セットプレーの流れから佐々木翔のクロスのこぼれ球に反応した満田誠が相手に倒されてPKを獲得。キッカーの永井龍が放ったシュートは相手GKに止められてしまったが、試合はようやく得点の匂いが漂い出した。
 その後は63分にジュニオール・サントスと柴﨑晃誠を同時投入するなど、広島は選手交代を使いながらゴールを目指した。フアンマ・デルガドやジョルディ・クルークス、田中達也といった攻撃的なカードを切ってきた福岡のカウンターにも隙を作ることなく対応してボールポゼッション率を高め、敵陣地へ攻め込んで行く中、ゴール前では最後の精度を欠いて崩せない。それでも諦めることなく圧倒的に相手を押し込み続けて猛攻を見せると、「ファミリーの皆さまが後押ししてくれたおかげで、『絶対に勝たないといけない』という雰囲気が生まれた」(スキッべ監督)。後半アディショナルタイムは4分が表示され、まもなく試合終了かと思われた90+4分だった。観客からの力強い手拍子が湧く中、左サイド・東俊希のクロスに中央で頭で合わせたのは柴﨑。終了直前に決勝点を奪った広島が実に3年ぶりとなるリーグ戦3連勝を達成した。
 試合前に新型コロナウイルスの陽性者が判明するアクシデントがありながらの勝利に「今日は試合に出た選手や(新型コロナウイルスの影響で)出られなくなった4人の選手を含めて、『おめでとう』という言葉をかけたい」とスキッべ監督は選手に賛辞を贈った。

監督 試合後コメント

「今日は来てくれたファミリーの方々に感謝したい。ファミリーの皆さまが後押ししてくれたおかげで、『絶対に勝たないといけない』という雰囲気が生まれた。今日はとても難しい試合になった。それは対戦相手がロングボールを採用してきたから。それでも15分を過ぎたあたりから、我々のボールを繋ぐサッカーができたと思う。走力や戦うところなど、サッカー選手として必要な部分で選手は頑張ってくれた。その結果、最後の最後でゴールに結び付いたと思う。今日は試合に出た選手や(新型コロナウイルスの影響で)出られなくなった4人の選手を含めて、『おめでとう』という言葉をかけたい。また、佐々木翔が中心となり、キャプテンらしさを表に出してチームを導いてくれたことに感謝している。青山敏弘も今日はボランチで出場したが、彼の経験を最大限に生かして守備も攻撃もすごく良いプレーを見せてくれたと思っている」

──ボランチで出場した東俊希選手に期待したことと今日の成果について。
「慣れないポジションでのプレーで彼は驚いたと思う。ただ、ボールを安定させることもできるし、しっかりパスを繋ぐことができることから彼をボランチに置いて、青山に助けてもらおうと思った。左サイドをメインにやっているが、オフェンスでもディフェンスでもヘディングが強い選手なので、セットプレーも期待できると思った」

──決勝点を決めた柴﨑晃誠選手について。
「彼は経験値もあるし、すごく賢い選手。彼が入ったら、展開が良い方向に変わるのは分かっていた。PK失敗の後に入ってきたが、ジュニオール・サントスと一緒に攻撃のアクセントになってくれたと思う。得点を取る30秒ぐらい前に彼自身がボールを奪って攻撃に繋げた。その後の得点だった。そこが素晴らしいと思う」

──柴﨑選手はリーグ戦では試合の終盤に起用しているが、その意図は?
「彼が入ることでクオリティーと経験を存分に生かしてもらいたいと考えた時に、(終盤は)自分たちのチームはもちろん疲れているし、相手も疲れている状態で試合に入ればより効果が発揮できるのではないかと思っている」

──3年ぶりのリーグ戦3連勝だが?
「すごく嬉しいこと。特に3年前から在籍していた選手たちは、良い思い出として残っていくのではないか。特に今日は11時ぐらいの時点で突然(新型コロナウイルスの影響で)選手を代えないといけない状況に追い込まれた。バタバタした状況だったが、最後まで戦い抜いたチームに『おめでとう』と伝えたい」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

photo 今日のPLAYER OF THE MATCHは、柴﨑晃誠選手!
ゲームスポンサーの広島ガス様より、「広ガスクーポン3万円分」が贈られました!

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