4.13 19:30

ルヴァンカップ グループステージ第4節 vs. 名古屋グランパス
AWAY豊田スタジアム

試合終了

名古屋グランパス 名古屋
1
2
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半10分
    マテウスカストロ
1
前半
0
0
後半
2
  • 後半5分
    ジュニオールサントス
  • 後半39分
    森島

試合の見どころ

 リーグ戦の勢いを繋げたい一戦だ。4月10日(日)のJ1第8節・福岡戦では柴﨑晃誠の劇的なアディショナルタイムでの決勝点が生まれて1-0で勝利し、実に3年ぶりとなるリーグ3連勝を達成。「(連勝する前から)良い内容の戦いはできていた」とミヒャエル・スキッべ監督が手応えを掴んでいたとおり、FC東京と川崎Fに敗れた2連敗中の時でも主導権を掴む戦いができていた紫軍団は、最近の“結果”という自信により上昇気流に乗ってきた。前線からのアグレッシブな守備で相手を押し込み、攻撃を仕掛け続ける現在のスタイルはどんな相手にも脅威になっているのは間違いない。
 その福岡戦から中2日で戦う今回のルヴァンカップ第4節・名古屋戦は、グループステージ突破への一つの関門だ。2勝1敗の勝点6で首位に立つ広島だが、わずか1差で2位・清水、2差で3位・名古屋が追いかける混戦模様。勝てば名古屋に対して勝点差5をつけられるため、プレーオフステージ進出へ大きく近付くが、万が一、負けるようなことがあれば逆転されてしまう。今節を入れて、残り3試合。名古屋戦は今後を占う重要な一戦となる。
 特に今回は相手の気合いも相当なものだろう。ホームで戦った3月2日(水)の前回対戦では、マテウス・カストロや柿谷曜一朗、稲垣祥ら主力を投入してきた名古屋に対し、リーグ戦から半分以上のメンバーを入れ替えた広島が2-0の勝利。しかも、敵将・長谷川健太監督が「完敗だった」と認めるほどの内容を紫軍団が披露したゲームであり、築き上げている前線からのハイプレスが完璧に機能した試合だった。それから約1カ月、名古屋は直近のリーグ戦で札幌に0-2で敗れるなど調子が上がっていないが、前回対戦の屈辱は胸に刻まれているのは間違いなく、今度はホームで借りを返そうと相当なモチベーションで臨んでくるのは必至だ。
 試合のポイントは、やはりJ1トップクラスの破壊力あるカウンターを阻止し、堅守をいかに攻略するか。マテウスや柿谷、相馬勇紀ら2列目のタレントは相変わらず豊富に揃っており、彼らのハマった時の速攻はかなりの脅威。今回も広島はブレずに前からアグレッシブにボールを取に行くだろうが、前回同様、押し込み続ける時間を長くし、相手陣地でボールを保持しながら堅守・名古屋の攻略に取り掛かりたいところ。敵地での難しい戦いが予想されるが、恐れることなく勝点3を目指すことが重要だ。

監督 試合前日コメント

──昨日は練習がオフでも選手は練習場に集まっていたそうだが?
「いろんな状況がある。試合に出た選手は体のケアが必要だし、試合に出ていない選手は足りない部分を補わないといけない。ほぼ全員、来ていたのではないか」

──明日の相手である名古屋の印象は?
「2-0で勝った前回対戦は勝利に値する素晴らしい試合だった。ただ、今回はまた別の試合になる。前回のルヴァンカップ・清水戦ではホームで良いサッカーをしながら(1-2で)負けてしまった。そこから状況は変わってきて、良い雰囲気でやれているので、このまま続けていきたい」

──中2日の連戦となるが、選手の状態は?
「コンディションは非常に良いと思っている。前の試合でケガ人も出ていないし、(直近の福岡戦のメンバーは)全員出られる状況にあるので心配はしていない。サッカー選手にとっては、練習が長く続くより、試合が連戦できてくれるほうが喜ばしいことだと思う(笑)」

──メンバーの入れ替えについて。
「変更はあると思ってもらっていい。今回は20人のメンバーで行くので、それを踏まえて明日まで考えたい」

──勝てばグループステージ突破へ大きく近付くが?
「もちろん目標なので勝ちに行きたいと思う。ただ、名古屋もJリーグの中で良いチームの一つ。そこも考えて戦わないといけない。最終的に笑って広島に帰ってこられればと思っている」

──リーグ・福岡戦に続いて総力戦になるが?
「我々のチームは数人が不在になるが、全部のポジションに適した選手がいる。福岡戦も急きょ、外れた選手はいたが、試合を見たら分かるとおり、不在を感じさせない、誰が出ても大丈夫だということを証明できたと思っている」

監督 ハーフタイムコメント

・もっと正確にパスを繋いでいくこと。
・ゲーム全体のスピードを上げていくこと。
・集中してシュートまで持っていこう!

ゲームレポート

 紫軍団が粘り強い戦いを披露して関門を突破した。
 グループステージで首位に立つ広島が名古屋の本拠地・豊田スタジアムへ乗り込んだ一戦。前回対戦ではホームで2-0の勝利を収める完勝となったが、今回は敵地での戦いであり、リベンジに燃える相手のことを考えれば「難しい戦いになるのは分かっていた」(ミヒャエル・スキッべ監督)。その言葉どおり、序盤から広島は苦戦した。前線から名古屋がアグレッシブにプレスを仕掛けてきたことに加え、本来は4バックの相手が広島のシステムと同じ3バックでマッチアップさせる対策を講じてきたことも一つの原因となった。すると、早々に試合は動いた。10分、柿谷曜一朗のスルーパスからマテウス・カストロに抜け出されると、左足で強烈なシュートを叩き込まれて失点。いきなり追いかける展開となってしまった。
 その後もなかなかリズムが出ない広島は我慢の展開となった。「前半は難しかった」と森島司がこぼしたように、後方からじっくりとビルドアップしながら攻撃を構築していくが、なかなかゴール前まで進出できず、逆にボールを奪われては名古屋の武器であるカウンターを浴びることに。あわやのピンチも凌ぎながら、前半を0-1で折り返した。
 だが、後半は広島の攻撃的姿勢が主導権奪取に繋がった。相手の対策があろうとも「自分たちのスタイルを貫こうと考えた」と言うスキッべ監督にブレはなし。前線からのハイプレスをメインとした戦いで後半も臨むと、チャンスはすぐにやってきた。50分、敵陣地でのペナルティーエリア内でハンドを誘ってPKを獲得。これをジュニオール・サントスが冷静に決めて早くも同点に追い付いた。
 これで勢いに乗った広島に、さらに流れが引き寄せられたのは56分だった。相手DFの宮原和也がこの日2枚目の警告を受けて退場。数的優位となった紫軍団の波状攻撃がここから始まった。
 一人少ない相手に対し、ポゼッション率を高めて圧倒的に攻め立てる中、「深い位置でブロックを敷いて守るようになったので、なかなか大きなチャンスは作れなかった」(スキッべ監督)という展開が続いたが、我慢強く攻撃を仕掛け続けた成果は84分にやってきた。右サイドで途中出場・柏好文のパスに抜け出した野上結貴が柔らかなクロスを中央へ送ると、頭で合わせたのは森島。「練習でやっていた成果を出せた」というクロスからのシュートを完結させて、ついに逆転に成功した。
 その後は最後の猛攻を仕掛けてきた相手を何とか封じて2-1の勝利。グループステージ3勝目を挙げたサンフレッチェが、プレーオフステージ進出へ王手をかけた。

監督 試合後コメント

「難しい試合になるのは分かっていた。相手には速い攻撃の選手がおり、その選手に早い時間帯に得点を決められてしまった。ただ、我々はコンセプトを崩さず、高い位置から戦うことを続けた。後半は我々が主導権を握れたと思う。特に相手が一人退場してからは完全に主導権を握ることができた。相手は一人少なくなったことで深い位置でブロックを敷いて守るようになったので、なかなか大きなチャンスは作れなかったが、我慢強く攻め続けることができた。我慢し続けた結果、野上(結貴)のクロスから森島(司)がヘディングで合わせる素晴らしい展開のゴールが生まれたと思っている。今回の勝利でグループステージで下と差を付けることができて満足している。今回の勝利をこの後も続けるために、連戦の最後であるリーグ・磐田戦に向けてしっかり準備していこうと思う」

──相手が3バックシステムで少し戸惑ったと思うが、どう修正したのか?
「相手に合わせて何かを修正したというよりも、自分たちのスタイルを貫こうと考えた。例えば、湘南のように5枚が後ろに引いたり、直近の対戦相手である福岡が4バックで臨んできたが、あまり我々のサッカーには関係ない」

──交代選手にはどんな指示を送ったのか?
「まずは柴﨑(晃誠)を青山(敏弘)に代えて投入したが、その時はより攻撃的にサッカーをする狙いがあった。青山もそれまでは素晴らしい働きをしていたが、より前のほうでサッカーをしたくて柴﨑に代えた。その他は、疲労度や連戦のことを考えての交代となった」

──次の試合で勝てばグループステージ突破だが、ルヴァンカップの次節に向けて。
「今日の試合に勝てたが大事なこと。まずは次のリーグ・磐田戦に集中して、その後に考えようと思う」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い名古屋でのゲームとなりましたが、約150名もの方にお越しいただきました。皆さまの後押しが逆転勝利に繋がりました。熱いサポート、ありがとうございました。

試合情報をシェア!

x