4.17 16:00

明治安田J1 第9節 vs. ジュビロ磐田
AWAYヤマハスタジアム

試合終了

ジュビロ磐田 磐田
2
2
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半39分
    鈴木雄斗
  • 後半44分
    ファビアンゴンザレス
1
前半
0
1
後半
2
  • 後半1分
    オウンゴール
  • 後半16分
    満田

試合の見どころ

 “スキッべ・サンフレッチェ”が軌道に乗ってきた。前節・福岡戦で3年ぶりのリーグ3連勝を達成したのに続き、直近のルヴァンカップGS第4節では敵地で名古屋を退けて公式戦4連勝。戦い方にもブレはなく、その名古屋戦では相手が本来の4バックシステムから3バックに変更する奇策によって前半から苦戦したが、「自分たちのスタイルを貫こうと考えた」(ミヒャエル・スキッべ監督)。攻守で主導権を奪いに行くアグレッシブな戦いを継続した結果、0-1からの逆転に繋げた。チームの雰囲気も良好で、まさに勢いは本物である。
 さらなる上昇を狙う今節、倒しがいのあるチームとの激突だ。敵地で戦う相手は古豪・磐田。2019年以来のJ1復帰となったチームだが、選手の顔ぶれを見れば経験豊富なプレーヤーが充実している。システムは広島と同じ[3-4-2-1]。前線には187cmの大型ストライカー・杉本健勇を頂点に、大津祐樹と大森晃太郎という攻撃力の高い2シャドーが配置されている。そしてボランチは、今節で出場すればJ1通算650試合達成になる、もはや日本のレジェンドである遠藤保仁が君臨。ゲームを組み立てるパスの配給、戦術眼は健在で、相変わらず注意が必要だ。最終ラインにも37歳の大井健太郎といったベテランだけでなく、今季から加入したブラジル人DFのリカルド・グラッサは対人の強さに加え、攻撃の起点となる高精度の左足フィードを備えている。そんな攻守で質の高い選手が揃う磐田を今季から就任した伊藤彰監督が組織的でまとまりのあるチームへと仕上げている。
 勝負のポイントは、やはり前線からのプレスだ。磐田はポゼッション時にGKを含めて攻撃を組み立ててくるため、広島のハイプレスがハマれば狙いの押し込む展開が作れるだろう。一方で、左CBのリカルド・グラッサを筆頭に前節・湘南戦では後方から果敢にロングフィードを送り込んでおり、広島戦でもプレスを回避するために同様の方法で臨んでくる可能性は十分。特に最近は広島の積極的なプレッシングを逃れようと最終ラインからロングボールを放り込んでくるチームが出てきた。その影響で苦戦する時間帯も出てきているため、今節も相手のロングフィード攻勢への備えは必要だ。逆を言えば、その対応を隙なくできれば主導権は広島のモノ。「自分たちのサッカーを見せることが重要になる」(スキッべ監督)と今節も一貫したスタイルで臨むサンフレッチェは、リーグ3試合連続無失点の堅守を継続し、磐田撃破を目指す。

監督 試合前日コメント

──良い状態で磐田戦に臨めるのでは?
「すごく良い状況で臨めると思う。90分、90分+5分の戦いに耐えられるぐらい(選手たちは)回復していると思っている」

──磐田とはシステム上でもミラーゲームの戦いが予想されるが、相手の印象は?
「磐田は経験値の豊富なチームだと思っている。ベテランの選手が多くいる。遠藤(保仁)はチームを象徴する選手で経験値がある。特に彼が蹴るセットプレーは十分に注意しないといけない。それと同時に自分たちのクオリティーをピッチでしっかり表していくこと。自分たちのサッカーを見せることが重要になる」

──リーグ戦では3試合連続無失点だが、その要因は?
「経験を積んだ上でどんどん良くなっている。それからミスが減ったということ。自分たちの小さなミスで失点することが多かったが、それが減ってきている」

──磐田戦で勝てば、サンフレッチェはJ1通算400勝だが?
「週末はしっかりお祝いしましょう(笑)。それに向けて全力を尽くします」

監督 ハーフタイムコメント

・丁寧にスピーディーにパスをつなぐこと。
・積極的に背後を狙うこと。
・もっと戦うぞ!

ゲームレポート

 リーグ戦4連勝を目指して磐田に乗り込んだ一戦は、最後の最後まで目の離せない熱戦となった。
 前半のサンフレッチェは苦戦した。ポゼッション率で相手を上回る展開になったものの、「磐田は経験値も豊富なチームなので、我々にスペースを与えてもらえなかった」とミヒャエル・スキッべ監督が話したとおり、組織的な守備組織を構築してきた相手をなかなか攻略できず。敵陣地へボールを運んでも最後の局面では崩し切ることができずに試合は進むと、次第に中盤でのボールロストからカウンターを受ける展開となった。すると39分に試合は動いた。ビルドアップのボールを奪われて広島の右サイドを攻略されると、最後は中央で鈴木雄斗に決められて失点。攻撃のリズムが出ない中でリードを許してしまった。
 だが、後半に入ると紫軍団がようやく目覚めた。「素早くボールを動かすこと」、「裏のスペースを狙うこと」というスキッべ監督の指示を受けた選手たちは、いきなりその言葉を体現して結果を残した。後半開始直後の46分、ボランチ・松本泰志が果敢な飛び出しで敵陣の左サイドへ進出すると、クロスがオウンゴールを誘って早くも同点。それから一方的に磐田を押し込み広島は、次々とチャンスを作り出していく。次第に逆転の雰囲気が漂う中、その瞬間は61分に訪れた。左サイドで佐々木翔のフィードに柏好文が抜け出すと、森島司へとパスが渡り、そのクロスを中央でフリーとなっていた満田誠がダイレクトで合わせてついに逆転。後半の早い時間帯でリードを奪うことに成功した。
 その後も広島は攻撃の手を緩めることなく、カウンターも織り交ぜながら決定機を何度も創出。ジュニオール・サントスや藤井智也など、複数回あった決定的チャンスを決め切れずにいると、やはりサッカーの流れは相手に傾いていく。終盤に息を吹き返した磐田の攻撃を受ける時間が長くなると、89分だった。左サイドを突破されてクロスを送り込まれると、混戦から最後はファビアン・ゴンザレスに詰められて同点に。リードを広げられる好機をモノにできなかった広島は土壇場で追い付かれ、2-2のドローに終わった。
「アウェイの難しい試合で勝点1を取ったのは良いことかもしれない。もう一方で、2-1とリードし、さらにリードを広げられるチャンスがありながら最後に追い付かれた。勝点を落とした気持ちと二つある」。試合後のスキッべ監督は、どちらかと言えば悔しい表情を見せる結果となった。

監督 試合後コメント

「率直な感想として、今日は勝てずに残念に思う。特に後半は素晴らしいサッカーを展開できたと思うが、その中で3-1、4-1とリードを広げることができたにも関わらず、それができずにこういう結果になった。ただ、我々のチームは90+5分まで走り続けたことは誇りに思う」

──前半は磐田の守備に苦しんでいたが、ハーフタイムにどんな指示を出したのか?
「後半は早くボールを動かすことと裏を取に行こうと話をした。磐田は経験値も豊富なチームなので、我々にスペースを与えてもらえなかった。そのため、スペースで勝負するよりも走って勝負すること。そこでうまくいったと思っている」

──今季リーグ初先発となった松本泰志選手について。
「前回のカップ戦でパフォーマンスが良かったので、引き続き起用した。ただ、今週末のカップ戦は累積警告で出場できないので、青山(敏弘)が戻ってくることになると思う」

──今週末のルヴァンカップ・徳島戦に向けて。
「ここまでの5連戦でチームも疲労している。今日も90分以上走り続けているので、疲れていると思う。そのあたりも考えて1週間準備しながら、カップ戦に臨んでいきたい」

──終盤の同点に追い付かれた場面について。
「相手が大きい選手を前に集めてロングボールを放り込んできた。それに対してうまく守っていたと思うが、難しい状況だったと思う」

──失点場面は足を滑らせるなどミスが続いたが?
「アンラッキーな形だったと思う。(荒木)隼人が足を滑らせたと思うが、起きてしまったこと」

──今日の勝点1の意味は?
「アウェイの難しい試合で勝点1を取ったのは良いことかもしれない。もう一方で、2-1とリードし、さらにリードを広げられるチャンスがありながら最後に追い付かれた。勝点を落とした気持ちと二つある。ただ、この経験を生かして次のアウェイの試合では勝点3を取れるようにやっていきたい」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い磐田でのゲームとなりましたが、約500名もの方にお越しいただきました。この悔しいドローは今後の糧にします。今日も熱いサポート、ありがとうございました。

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