5.13 19:30

明治安田J1 第13節 vs. 浦和レッズ
AWAY埼玉スタジアム2002

試合終了

浦和レッズ 浦和
0
0
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
0
0
後半
0

試合の見どころ

 ここから再び上昇ロードを突き進めるか、問われる一戦だ。4月上旬のリーグ戦3連勝から一転、3試合勝利のない(2分1敗)状況で迎えた前節の首位・鹿島戦は3-0の圧勝。前線から最終ラインまでのハードなプレスで相手の強力アタッカー陣を確実に封じ、逆に攻撃では鋭いビルドアップから効率良く得点を重ねる圧巻の試合内容にミヒャエル・スキッべ監督は「見れば見るほど良い試合だった」。練習でも試していなかった2トップの新システムに関しても「選択肢の一つになった」と指揮官は手応えを語るなど、強敵相手の勝利で得た自信は大きい。この勢いを持って、敵地での戦いに臨むことになる。
 もちろん今節も険しい戦いが待っているのは間違いない。相手は各ポジションに強力なタレントを擁すJ屈指のビッグクラブである浦和。今季ここまでリーグ戦2勝5分4敗の14位に甘んじているが、当然ながら地力はそんなものではない。日本代表SBの酒井宏樹や今季から加入したCB犬飼智也がケガで長期離脱はしているものの、安定感抜群の守護神・西川周作やアレクサンダー・ショルツ&岩波拓也の強力CBコンビ、江坂任や関根貴大といった力のある攻撃陣は充実。さらにFWアレックス・シャルクや左利きのアタッカーであるダヴィド・モーベルグといった新戦力も着実にフィットしてきている。グループステージを突破したACLとは反対にリーグ戦では4試合連続引き分け中と勝ち切れない試合が続いているが、その間の失点はわずか「2」。堅い守備は維持しており、攻略は決して簡単ではない。今節は浦和の堅守をいかにこじ開けられるかが一つのポイントだ。
 特に後方からパスを繋いでビルドアップをしてくる相手を封じながら、いかに押し込んでサッカーを展開できるか。最近のゲームではチャンスを多く作り出し、逆にピンチが少なくなっている要因について、「前線の守備意識が高くなったことで、相手のチャンスが少なくなっている」とスキッべ監督は分析。やはり前線からの効果的なハイプレスは今の広島の一つの生命線になっている。今節の浦和戦で指揮官がどのシステムを採用するかは当日のお楽しみだが、浦和を攻略するためにも前からのアグレッシブな守備は欠かせない。鹿島戦で披露した戦いを継続するのみだ。

監督 試合前日コメント

──浦和の印象は?
「順位表では下のほうにいるが、全体的に高いクオリティーがあり、良いサッカーをしているチームだと思っている。前節・柏戦を見てもすごく良いサッカーをしている印象がある」

──浦和は外国籍選手も良い選手が揃っているが?
「(前節出場していた)3人とも良い選手だと思っている。ダヴィド・モーベルグは右サイドから中に入ってきての左足がある。アレックス・シャルクについては、背は高くはないが、動き出しがいい。最終ラインのアレクサンダー・ショルツも大きくて素晴らしい選手。ただ、その他の日本人選手も全体的にレベルが高い」

──浦和戦に向けてのシステムは監督の胸の内にあると思うが、形はどうであれ、どのようなサッカーで挑みたいか?
「高い位置からプレスをかけて相手陣内でサッカーをすることを第一に考えたい。相手にFKなどのチャンスも与えないようにすることを考えると、高い位置からプレスに行くこと」

監督 ハーフタイムコメント

・ディフェンスはこのまま続けよう。
・相手をもっと走らせること。
・勝点3を取って帰ろう!

ゲームレポート

 雨中の一戦は両者がハードにぶつかり合う激闘となった。
 前半はどちらかと言えば、浦和に主導権を握られる展開となった。「前半は中盤がいまいち機能していなかった」とミヒャエル・スキッべ監督が振り返ったように、相手の巧みなボールポゼッションから押し込まれる時間帯が多くなり、攻撃が停滞。14分には馬渡和彰の直接FKからゴールネットを揺らされるも、VAR判定の結果、オフサイドで取り消される運もあった。そこからは、次第に広島もカウンターなどで応戦。前節に続いてコンビを組んだナッシム・ベン・カリファとジュニオールサントスの2トップを生かしながらゴールへと迫り、MF満田誠のシュートがポストに直撃するなど、押し込まれる中でも機を見た攻撃を随所に見せる。だが、なかなか主導権を掌握できないまま前半をスコアレスで折り返すことになった。
 すると後半、スキッべ監督は早くも動いた。ナッシムを下げて、ボランチ・松本泰志投入。システムを慣れ親しんだ[3-4-2-1]へ変更すると、その策が当たった。後半開始からボールの回りがスムーズになり、相手を圧倒。ボールを奪われてもすぐに回収して敵陣地で押し込みながらゲームを進め、ゴールへと迫る。相手の強烈なカウンターから、ダヴィド・モーベルグやキャスパー・ユンカーに決定機を作られたが、GK大迫敬介のビッグセーブで切り抜けると、最後の最後まで決勝点を目指して戦い続けた。78分には、松本のクロスから柏好文がこの日最大のビッグチャンスを迎えたが、枠を捉えることができず。互いに受けに回ることなく最後まで勝利を目指して戦い抜いた好ゲームは、互いに決め手を欠いてスコアレスドローに終わった。
「0-0で終わってしまったが、面白い試合だったと思う。両チームともシュートチャンスがあったし、どちらのGKも活躍をした試合だった。今日の試合はJリーグの中でも良い試合だった思う。レベルの高い2チームが競い合った素晴らしいゲーム展開の中で行われた試合だったと思っている」。勝ち切ることはできなかったが、難しい敵地での好内容にスキッべ監督も好感触を語った。

監督 試合後コメント

「0-0で終わってしまったが、面白い試合だったと思う。両チームともシュートチャンスがあったし、どちらのGKも活躍をした試合だった。その中で我々のチームは最後の最後までゴールを目指して頑張ってくれた。最後にラッキーパンチが起これば、という可能性を残したままプレーしてくれた。今日の試合はJリーグの中でも良い試合だった思う。レベルの高い2チームが競い合った素晴らしいゲーム展開の中で行われた試合だったと思っている」

──試合後にピッチで円陣を組んでいたが、どんな話をしていたのか。
「今、話したようなことを選手の前で総括として話した。ホームでも、アウェイでも(試合後の円陣は)毎試合やっている。試合後すぐにフィードバックし、今日の試合で私がどれだけ満足しているのか、といった話をしている」

──ハーフタイムにナッシム・ベン・カリファ選手を下げて松本泰志選手を入れ、1トップ2シャドーへ形を変えたが、その意図は?
「ナッシムは前半にイエローカードを貰っていたこと、その後も彼の売りではあるが、アグレッシブなプレーが続いていたためレッドカードを貰わないように交代することにした。それと同時に、前半は中盤がいまいち機能していなかった。そのため、松本を入れて中盤を支配しようと考えた。そこはうまくいったと思う」

──後半は圧倒していた中で、最後の20分ぐらいは押し込まれていた。疲労が原因か?
「疲れではないと思っている。むしろ、相手が良い時間帯になったと思っている。我々の中盤でボールを奪われたところからミドルシュートやCKのセットプレーから我々にとって危険なシーンを多く作られてしまった。相手のクオリティーもあったので、ゲームを支配できない時間帯もあったと思っている」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い浦和でのゲームに加え、悪天候となりましたが、約800名もの方にお越しいただきました。悔しいドローを次のホームゲームにぶつけます。今日も熱いサポート、ありがとうございました。

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