5.18 19:00

ルヴァンカップ グループステージ第6節 vs. 清水エスパルス
AWAYIAIスタジアム日本平

試合終了

清水エスパルス 清水
2
1
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半34分
    岸本武流
  • 後半38分
    裕太
1
前半
0
1
後半
1
  • 後半17分
    永井

試合の見どころ

 まさにチームの総合力を証明する戦いだ。すでにルヴァンカップ・グループステージの首位通過を決めている広島は、今節のアウェイ・清水戦に向けて「試合経験の少ない選手にチャンスを与えたい。公式戦でどれだけできるのか、楽しみにしている」とミヒャエル・スキッべ監督は直近のリーグ戦からの大幅なメンバー変更を明言。ただし、ただの消化試合にするつもりは当然ながらない。「Bチームで戦うということではない。チームの代表として戦うんだ」と話すなど、決してサブ組という括りではなく、誰が出場しようとも“サンフレッチェ広島”の誇りを持って戦うことを指揮官は求めている。特に相手はプレーオフステージ進出には勝利が絶対条件とあって、強い気概を持って臨んでくることは必至。そんな清水を倒し、選手層の厚さを示す戦いとなる。
 今回はリベンジマッチでもある。4月にリーグ戦で戦った際には2-2のドローに終わったが、3月のルヴァンカップではホームで1-2の敗戦。試合は清水の堅い守備網を攻略できずにいると、前半に2失点を喫し、後半の猛反撃も1点に抑えられた。リーグ戦での戦いもそうだったが、組織的かつコンパクトな守備ブロックからハードなプレスを仕掛けてくる清水の攻略は難しく、攻撃に移った際のカウンターも鋭い。今節は勝利が絶対条件の中でリーグ戦と同じメンバーで来るのか、それともターンオーバーで臨んで来るのかは不透明だが、直近のリーグ戦でサブだった顔ぶれを見ても、193cmの大型FWであるオ・セフンやルヴァンカップの前回対戦で強烈な一発を叩き込まれたベンジャミン・コロリ、センス抜群のアタッカー・神谷優太、中盤のボールハンター・松岡大起など、タレントは揃っている。敵地に乗り込む広島は、そんな清水を上回らなければならない。
 逆を言えば、今回のサンフレッチェの選手たちはチャンスである。強敵かつモチベーションの高い清水相手に好パフォーマンスを見せれば指揮官への大きなアピールともなる。戦い方ももちろん不変だ。メンバーが変わろうが、ハイプレス・ハイラインで相手を押し込み、敵陣ではコンビネーションやサイド攻撃を織り交ぜながら全員でゴールを狙う。勝点3を奪うのは当然ながら簡単ではない。だが、今季は1分1敗の清水に勝つことができれば、今後のレギュラー争いを活性化する上でもチームが得られるモノは大きい。

監督 試合前日コメント

──今回は出場機会の少ない選手たちで臨むと言っていたが、その考えに変わりはないか?
「その考えは変わっていない。今から明日の試合をすごく楽しみにしている。彼らは普段の練習からすべて出し切り、良いパフォーマンスを見せてくれている。その選手たちが試合で自分のパフォーマンスを出してくれることを楽しみにしている」

──明日はいろんなことが試せると思うが、選手起用以外にやろうとしていることはあるのか?
「選手が変わる部分があるので、彼らの最大限のパフォーマンスを出せるようにと考えている。彼らが窮屈にならないよう、幸せにサッカーができることが重要。それ以上のことを求めることはしない」

──相手の清水には今季公式戦で1分1敗だが、勝利したい思いが強いのでは?
「もちろん勝ちに行こうと思っている。アウェイなので、少なくとも勝点1と考えているが、いつもどおり勝ちに行く。明日もアグレッシブで攻撃的なサッカーをやりたいと思っている」

──明日の内容が今後のリーグ戦にどうつながっていくか?
「もちろん明日はみんなに活躍してもらいたい。活躍することで今まで出ていた選手に良い影響を及ぼして、良い競争が生まれれば、それは良いこと」

──満田誠選手のようにカップ戦で活躍すれば、リーグ戦に絡んでくる可能性も出てくるか?
「今まで試合に出られていなくても、明日のパフォーマンス次第では絡んでくると思う。それを望んでいる部分もあるし、明日は楽しみにしている」

監督 ハーフタイムコメント

・失点はアンラッキー。もう一度、集中しよう。
・ボールを早く動かすこと。
・コンパクトな陣形からどんどん前へ行こう!

ゲームレポート

 すでにグループステージ首位通過を決めている広島が清水に乗り込んだ一戦。「パフォーマンスを楽しみにしている」(ミヒャエル・スキッべ監督)と普段のリーグ戦で出番の少ない選手を多くつぎ込んだゲームは、白熱の戦いとなった。
 序盤から広島の出来は悪くなかった。組織的な守備ブロックを築く清水に対し、後方からのビルドアップでポゼッション率を高め、果敢に相手ゴールへ迫っていく。ボールを奪われても1トップ・永井龍を筆頭にスピーディーなプレスを仕掛けて敵陣地へ押し込むなど、なかなかシュートまで持ち込めない中でも相手にもチャンスを作らせず、試合は一進一退の攻防が続いた。だが、指揮官が「アンラッキー」と悔いた失点は34分だった。CB今津佑太が足を滑らせてボールを奪われ、GK川浪吾郎のビッグセーブで凌いだ後のCK。西澤健太のキックから最後は岸本武流にヘディングで押し込まれて先制点を許してしまった。
「良い戦いができている。コンパクトな陣形からどんどん前に行こう!」。リードを許した中でも内容に手応えを感じていたスキッべ監督のポジティブな指示が飛んだハーフタイム。その声に応えるように、紫軍団は後半はよりギアを上げて清水に襲い掛かった。
 前半同様に後方からじっくりとビルドアップを繰り出して攻めに出ると、52分に東俊希が強烈なミドルシュートを放てば、57分には棚田も積極的な仕掛けからゴールを狙う。次第に得点の匂いが漂う中で迎えた62分、ついに広島が清水守備陣をこじ開けてみせた。ゴール前で棚田から仙波大志、永井へとパスが渡り、背番号20は左足を一閃。これが決まって試合を振り出しに戻した。
 だが、この日はここから突き放すことができなかった。終盤に前への圧力を強めてきた清水に押し込まれる時間が長くなると、勝負が決まったのは83分だった。右サイドを崩されると、最後は滝裕太に冷静に決められて1-2。「結果が伴わなかったことが課題になるが、それ以外のパフォーマンスは収穫だったと思っている」。スキッべ監督も称える内容を見せた広島の選手たちだったが、結果は悔しい敗戦となってしまった。

監督 試合後コメント

「まずは勝利した清水エスパルスにおめでとうと言いたい。今日の試合は引き分けでもよかったと思うような内容だった。後半は引き分けで終わりそうな展開が長く続いたが、最後に点を取られてしまった。今回の敗戦は残念だが、普段試合に出られていない選手が今日は多く出ていた中でパフォーマンスは満足できるものだった」

──前半は仙波大志選手と棚田遼選手が弱気な感じに見えたが、後半は良くなっていた。ハーフタイムにどんな指示を出したのか?
「試合勘があまりないことが原因だったと思う。いきなり100%機能するのは難しい。ハーフタイムには『もっと裏に抜けること』、『もっとボールを受けること』、『もっとゴールに向かうプレーをすること』といった指示を送った。後半の出来に関しては、永井龍も含めた3人でコンビネーションから素晴らしいゴールも生まれたし、後半の25分ぐらいまでの出来は素晴らしかったと思っている」

──永井龍選手のゴールは今後に向けて良いキッカケになりそうか?
「そうなってほしいと思っている。今日は負傷交代だが、それほどひどくないようなので、これが良いキッカケになってほしい。このゴールをキッカケに自信を持ち、以前より良いプレーができればと思っている」

──今日の収穫と課題は?
「結果が伴わなかったことが課題になるが、それ以外のパフォーマンスは収穫だったと思っている。今まで出番の少なかった選手が良いパフォーマンスを見せたこと。永井に関しては、ケガがなければそのまま使い続けていたと思う。他の選手も含めて、パフォーマンスは収穫だったと思っている」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い清水に加え、平日のナイトゲームとなりましたが、約50名の方にお越しいただきました。勝利をお届けできず、申し訳ありません。最後まで熱いサポート、ありがとうございました。

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