8.14 18:30

明治安田J1 第25節 vs. 柏レイソル
AWAY三協フロンテア柏スタジアム

試合終了

柏レイソル
2
3
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半41分
    武藤雄樹
  • 後半2分
    オウンゴール
1
前半
1
1
後半
2
  • 前半4分
    ナッシムベンカリファ
  • 後半16分
    松本泰志
  • 後半22分
    藤井智也

試合の見どころ

 紫軍団の勢いが蘇ってきた。リーグ戦で1勝2分2敗と停滞していた7月から一転、本格的な暑さがやってきた8月は好調だ。敵地で戦った6日(土)の前節・鹿島戦では、粘り強い戦いで2-0で勝ち切ると、3日(水)と10日(水)に開催されたルヴァンカップ準々決勝は、J1で首位を走る横浜FMを2戦合計5-2で撃破(3-1、2-1)。今季の大きな武器である前線からのアグレッシブな守備は夏場になって衰えるどころか相手の脅威となり続けており、スタイルに揺るぎはない。今節は中3日や中2日の戦いが続いた5連戦のラスト。力を振り絞り、公式戦4連勝を目指すことになる。
 今節も強豪との対戦だ。前節は2位・鹿島を撃破したばかりだが、変わって現在は2位へ浮上したのが、今回の柏レイソルである。「非常に強い相手。ホームで戦った前回対戦は最後の最後で点を取られて敗れている。今も高いレベルを保っているチーム」とミヒャエル・スキッべ監督もその力を認めており、さらに現在はリーグ戦4連勝中と勢いもある。名将・ネルシーニョ監督は、今季も勝負強いチームを作り上げている。
 そんなレイソルのストロングポイントは、堅い守備力だ。失点数23は福岡に次いでリーグで2番目に少ない数字。リーグ戦4連勝の内、3勝は1-0であり、1点を奪えば勝ち切る強さを示した。また、前節・京都戦では、先制点を許しながらも後半アディショナルタイムの決勝点で逆転勝ち。組織的かつ粘り強い堅守からの速攻は相手にとって脅威となっており、わずかな隙を狙ってくる。前線の細谷真大や小屋松知哉を筆頭に中盤のドッジや椎橋慧也ら能力の高い選手らもチームのために献身的にプレーするのが特長で、チーム力は高い。まさに2位にいるのが納得の手強い相手だ。
 そのレイソルのホームに乗り込む広島はいかに立ち向かうか。今節は1週間の準備期間があった相手に対し、広島は中3日。チームは10日の横浜FM戦が終わっても広島に帰らず関東で調整を進めてきたが、コンディション面で不利なのは変わらない。だが、今の紫軍団に日程のディスアドバンテージなど関係ないのかもしれない。前節・鹿島戦も今回と同じような不利な日程の中、相手に走り勝ったのは広島だった。連戦でも選手を大きく変更しないスキッべ監督は「その都度のベストの選手がフィールドに立つ」という指針を示しており、走り・戦える選手を見極めてピッチへ送り出している。レイソル戦も攻撃的でアグレッシブな“スキッべ・スタイル”を体現できる11人がピッチへ立ち、堅守攻略へ取り掛かることになる。

監督 試合前日コメント

──柏レイソルの印象は?
「今シーズンは良い形で入っているし、すごくレベルの高いチーム。試合の終盤に得点を取ることが多いのも特長だと思っている」

──前線にはカウンターに強い選手も多いが?
「カウンターにも気を付けないといけないと思っている。現状は2位にいる中、どのチームに対しても良いサッカーをしている。我々も前回対戦でやられたように、やりづらいサッカーをしてくる。警戒しないといけない」

──広島はメンバーを代える可能性はあるか?
「対戦相手もすごく良い状況にあると思うが、我々も公式戦3連勝をしている。今日のトレーニングを見る限りでは、全員回復できていると思っている」

──最近はシュートを多く打っている中で、なかなか得点に結び付いていないが?
「シュートまで行く形はだいぶ作れているし、その回数が増えているのは満足している。ディフェンスラインの選手もセットプレーから点を取れるし、中盤の選手も取れる。前線もナッシム(・ベン・カリファ)が横浜FM戦で点を取ったのは嬉しいこと。これからもいろんなバリエーションの中で点を取れたらと思っている」

監督 ハーフタイムコメント

・相手にセットプレーを与えないこと。
・もっとサイドチェンジを使っていこう。
・ボールを支配すること。

ゲームレポート

 紫軍団が強いリバウンドメンタリティーを見せるゲームとなった。
 6位・広島が2位・柏のホームに乗り込んだ一戦。このゲームを合わせてリーグ戦は残り10試合となり、上位に食いとどまるためにも負けられない戦いとなったが、前半の広島は大いに苦戦した。開始早々の4分、野津田岳人の右サイドのFKからナッシム・ベン・カリファが頭で合わせて先制点を奪うまでは良かったが、その後は次第に圧力をかけてきたレイソルに押し込まれる展開に終始。「前半はビルドアップのところで簡単なパスミスが多かった」とミヒャエル・スキッべ監督が振り返ったように、後方からじっくりとボールを繋いで攻撃を組み立てようと試みるも、すぐにボールを奪われてはレイソルの鋭いカウンターを浴び続けてしまった。すると、我慢できていた守備が決壊したのは41分だった。自陣へ攻め込まれて中央を攻略されると、最後は武藤雄樹に決められて失点。悪い内容の中で同点に追い付かれてしまった。 「簡単なパスミスが多い。もっと良いサッカーができるはずだ。後半はボールを支配しよう!」。ハーフタイムに指揮官からそう活を入れられて臨んだ後半、47分にオウンゴールで逆転を許す苦しい立ち上がりとなったが、ここから広島がようやく目覚めた。
 後半から投入された1トップのドウグラス・ヴィエイラを起点に徐々に攻勢を強めて敵陣地へ攻め入ると、チャンスをモノにしたのは61分だった。左サイドで柏好文が果敢にエリア内へ進出して相手DFを攻略すると、中央への折り返しから満田誠、ドウグラスと繋がり、最後は松本泰志が豪快にミドルシュートを突き刺して同点。背番号17のJ1初ゴールはチームを救う貴重な1点となった。
 これで勢いに乗ったサンフレッチェは、逆転を目指してさらに猛攻を仕掛けていく。相手を押し込んで攻撃を展開すると、迎えた67分だった。右サイド・藤井智也がカットインから左足クロスを送り込むと、中央のドウグラスの頭には届かなかったが、そのままゴールへ吸い込まれてついに逆転。再びリードを奪うことに成功した。
 その後も相手に付け入る隙を与えずに試合を進めた広島は、3-2で勝ち切ってリーグ戦2連勝を達成。レイソルとの勝点差を1へ縮め、上位戦線に踏みとどまる貴重な勝点3を奪った。「5連戦の最後の試合でこれだけ走れて良いサッカーができたのは良かった。今日の勝利により、上位に留まることができて嬉しく思う」(スキッべ監督)。公式戦アウェイ3連戦のハードな戦いとなったが、相手に走り負けることなく戦い抜いた選手たちを称えた。

監督 試合後コメント

「技術的にも戦術的にもJリーグの中でもすごく魅力的なサッカーができたと思っている。最初の10分~15分は良いスタートが切れたが、その後は自分たちのパスミスから相手に多くのチャンスを与えてしまい、その中の一つのチャンスをモノにされた形となった。後半はアンラッキーなオウンゴールでスタートした。その後は魅力的なバリエーション豊富なサッカーができた。5連戦の最後の試合でこれだけ走れて良いサッカーができたのは良かった。今日の勝利により、上位に留まることができて嬉しく思う」

──前半は苦しい内容となったが、ハーフタイムの修正ポイントは?
「前半の我々はビルドアップのところで簡単なパスミスが多かった。後半はドウグラス・ヴィエイラを入れて、前でボールをキープできるようにし、チーム全体が後ろでパスミスを減らしながらボールを繋ぐことを意識した。今日の後半に関しては素晴らしい出来で、Jリーグの中でも良いチームだということを証明できたと思う」

──松本泰志選手はJ1初ゴールを奪い、藤井智也選手は今季初得点となったが?
「時が来たということ」

──上位の柏レイソルに勝利した、この1勝の意味は?
「上位に食いとどまっていることが一つ挙げられる。また、前々節のFC東京戦は最後の最後で失点してポイントを失ってしまったが、その後は2試合連続Jリーグではアウェイゲームの中で3ポイントずつ取れた。価値のある勝点3だと思っている」

──今日は球際が激しかったが、ファウル気味のプレーも取らずに流していた。もっとファウルを取ったほうがいいのか、このままでいいのか?
「球際で(ファウルかどうか分からないプレーを)流すことに関しては良いと思っている」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い柏でのゲームとなりましたが、約1,300名もの方にお越しいただきました。皆さまの後押しが逆転勝利に繋がりました。ゴール裏を紫で染めていただき、ありがとうございました。

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