8.27 19:00

明治安田J1 第27節 vs. セレッソ大阪
AWAYヨドコウ桜スタジアム

試合終了

セレッソ大阪 C大阪
0
3
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
1
0
後半
2
  • 前半25分
    茶島雄介
  • 後半36分
    松本泰志
  • 後半45+10分
    ピエロスソティリウ

試合の見どころ

 どちらが勢いを加速させることができるか注目の一戦だ。互いにルヴァンカップと天皇杯で勝ち進み、リーグ戦でも上位につけるチーム同士の対戦。広島は2位に付けているとはいえ、勝点差3の6位・C大阪は消化が2試合少ないとあって、順位はほぼ同じ状況だ。リーグ終盤に抜けて、ここからどちらが抜け出していくのか分岐点にもなりえるゲームであり、お互いに勝点3が欲しい戦い。「C大阪がリーグで最後に負けたのは我々との試合。良いシーズンを送っているし、今も良い状態にある」(ミヒャエル・スキッべ監督)。6月18日のJ1第17節で広島が勝利して以降、7試合で負けのない(4勝3分)好調・C大阪に対し、公式戦5連勝中と同じく勢いに乗る広島はすべての力をぶつけて勝点3を目指すことになる。
 昨年8月から指揮を執る小菊昭雄監督率いるC大阪はまさに攻守でまとまりのあるチームだ。守備は組織的かつ前線からの強度の高いハイプレスを基本とし、攻撃では後方からの巧みなビルドアップに加え、スピーディーなカウンターは破壊力満点。攻撃の要であった清武弘嗣が6月に長期離脱になったが、不在を感じさせない選手層の厚さも今のC大阪にはある。特に攻撃陣はイキの良い人材が豊富だ。日本人ではチームトップの5得点を挙げている加藤陸次樹や山田寛人のストライカーに加え、毎熊晟矢、中原輝、上門知樹といった昨季はJ2クラブで活躍してC大阪に加入した勢いに乗るアタッカー陣がいる。そこに経験豊富な奥埜博亮や原川力が入ってチームを引っ張っており、中盤の構成力は高い。また、右サイドを駆け上がるスピードスターのジェアン・パトリッキ、183cmの大型FWアダム・タガートなど能力の高い外国籍選手も機能しているC大阪は、現在の好成績が納得のバランスの取れたチームだ。
 実力はおそらく五分と五分。その中で勝ち切るポイントは、最後までどちらが粘り強く戦えるかだろう。「(C大阪は)クオリティーが高いし、最後の最後まで諦めないメンタリティーがある」(スキッべ監督)。現在はリーグ戦2試合連続で逆転中の広島だが、終盤の巻き返す力はC大阪も同様にある。象徴的なのがルヴァンカップ準々決勝第2戦・川崎F戦だ。89分まで0-2で負けていたC大阪は勝ち抜くには2点が必要の中、90分、90+6分と執念の2ゴール。終盤に2-2に追い付いたC大阪が準決勝進出を果たすミラクルを起こした。
 高い総合力に加え、終盤になっても走り切る力、そして最後まで諦めないメンタリティーを備える広島とC大阪。「面白い試合になると思う」。スキッべ監督も対戦を楽しみにするゲームを何とか制し、紫軍団がさらなる高みへと行きたいところだ。

監督 試合前日コメント

──明日のC大阪戦は非常に重要な試合だが、ポイントは?
「先週の自分たちの高いレベルに到達すること。特にオフェンスはそう。それと同時にディフェンスも安定させる必要がある。C大阪の攻撃は非常に危険だと思っている」

──ここ2試合は複数失点が続いているが?
「やはり2点以上取られると苦しくなる。情熱的に熱意を持って前に進んで行くことはもちろんだが、後ろはもう少し一つにまとまって守る必要がある」

──C大阪の攻撃は具体的にどこが危険か?
「特にどこがと言うことはできないが、C大阪は前回の我々との試合で敗れて以降、ずっと負けずにきている(4勝3分)。全体的に見て、非常に強いチームだと言える」

──広島も好調でハイレベルなサッカーを展開している。明日は見ていて楽しい試合になるのでは?
「それは間違いないと思う。我々も良い状況にあるし、相手も良い状況にある。Jリーグでトップレベルの試合になるのは間違いない。我々にとってもそうだし、ファンや周りの人たち、指導者などにとっても非常に面白いゲームになると思う」

監督 ハーフタイムコメント

・よいレベルを保つことができている。この状態を保つこと。
・判断を早くすること。

ゲームレポート

 互いにリーグ3連勝同士。首位追撃への注目の上位対決は、戦前の予想どおり緊張感のある攻防となった。
 どちらかと言えば、序盤の広島は苦戦した。試合開始から激しい球際の攻防が繰り広げられる中、広島はいつもどおり前線からのプレスで主導権を奪いに行くも、C大阪のGKを含めた巧みなビルドアップをハメることができず押し込まれる展開に。さらに広島も後方からじっくりとボールを繋いで攻撃を組み立てようと試みたが、相手の鋭いプレスにあってシュートまで持ち込めない我慢の展開が続いた。
 だが、そんなじれったい内容でも、今季は複数のゴールパターンを備える広島攻撃陣はやはり好調だった。25分、左サイドで柏好文がボールを持つと、右足でのアーリークロスに頭で合わせたのは茶島雄介。今季リーグ戦17人目となる貴重なゴールが生まれて広島が先制に成功した。
 その後は広島の堅い守備ブロックが際立った。前半のシュート数はC大阪が5本で広島が3本。相手に攻められる回数は多かったが、組織的な守りでC大阪に攻め手を与えずにゲームを展開。後半に入っても同点に追い付こうと圧力を強めてきた相手を粘り強く封じて戦い続ける。C大阪の積極的な選手交代にも屈せずに無失点で耐え抜くと、狙い続けたカウンターが決まったのは81分だった。スピーディーな攻めから敵ゴール前で満田誠が強烈なシュートを放つと、GKが弾いたこぼれ球に詰めたのは松本泰志。背番号17の3試合連続ゴールはC大阪を突き放す貴重な追加点となった。  2-0にすれば、試合はもう広島のモノだった。それからも堅い守備組織は乱れることなく無失点で試合を進め、速攻でチャンスを演出。すると、勝利を決定付ける3点目が生まれたのは試合終了直前だった。90分+10分、CKのこぼれ球をキッカーの満田が拾うと、パスを受けたピエロス・ソティリウがJリーグ初ゴールを決めて3-0。圧巻の攻撃力を見せ付けた広島が上位対決を制した。
「Jリーグの中でも高いレベルの試合だった。前半はセレッソのペースで数多くのチャンスを作られたが、後半は我々が多くのチャンスを作り出し、勝つことができた」。ミヒャエル・スキッべ監督も納得のリーグ4連勝となった。

監督 試合後コメント

「Jリーグの中でも面白い試合になったと思っている。前半はC大阪にたくさんのチャンスを作られ、我々の陣内でサッカーをやられる時間が長かった。後半は我々が盛り返し、自分たちのサッカーができるようになった。ただ、今日はC大阪が長い時間、試合を支配していた。結果的に3-0となったが、僅差が妥当だったと思っている」

──前半はC大阪のペースだったと思うが、ハーフタイムにどのような指示を出したのか?
「『早くサッカーをやろう』と話した。前半は自陣でのパスミスからボールを奪われてピンチを招くことが多かった。ガク(野津田)と(松本)泰志がディフェンスラインに寄ってボールを貰おうとしてしまったため、狭いサッカーになってしまった。後半はそこが改善されて、我々はすごく良いサッカーができるようになった。後半から入った住吉(ジェラニレショーン)に関しても、素晴らしい活躍をしたと思っている」

──なかなか出場機会を得られなかった茶島雄介選手は前節が今季初先発で、ここまで腐らず続けてきた。彼の評価について。
「チャジに関しては前半の得点を取った部分だけでなく、2点目も彼が縦に抜けることができたため、マコ(満田誠)がシュートを打ち、そのこぼれ球に泰志が詰めることができた。どちらの得点にも絡んだ素晴らしい活躍だったと思っている」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日はアウェイゲームにもかかわらず、約1,300名もの方にお越しいただきました。ゴール裏を紫に染めて、力強い後押しをいただいたことが、6連勝につながりました。ともに戦っていただき、ありがとうございました。

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