9.17 19:00

明治安田J1 第30節 vs. 名古屋グランパス
AWAY豊田スタジアム

試合終了

名古屋グランパス 名古屋
0
0
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
0
0
後半
0

試合の見どころ

 仕切り直しの一戦だ。公式戦8連勝(リーグ5連勝)で迎えた前節・川崎F戦は、0-4の完敗。リーグタイトル獲得のために勝利が欲しい上位対決だったが、前半途中から相手の巧みな攻撃に翻弄され続けるなど、「(横浜FMと川崎Fは)現状では自分たちより力は上だと思っている」(ミヒャエル・スキッべ監督)と力の差を認めざるを得ない敗戦だった。ただし、ここですべてが終わったわけではない。1試合消化の多い3位・広島と首位・横浜FMとの勝点差は「8」で2位・川崎Fとは3差。リーグ戦は残り5試合、可能性がある限り、とにかく勝ち続けるのみだ。
 その一発目となる今節、広島のリバウンドメンタリティーを図るには格好の相手だ。敵地で戦う相手は強豪・名古屋。今季はルヴァンカップのグループステージを含めて3戦3勝するなど相性は良いが、最後に戦った5月のホーム戦から相手はより成熟されており、やはりチーム力は高い。14日(水)に行われた川崎F戦は1-1のドローに終わったものの、持ち前の高い守備力で強力・川崎F攻撃陣をほぼ封じ込めた他、特に後半は相手を押し込み続ける地力の高さを見せた。
 スタイルは“堅守速攻”だ。昨季まで指揮を執っていたマッシモ・フィッカデンティ監督時代から備わる名古屋の武器だが、日本屈指の名将・長谷川健太監督はそのストロングを生かしながらより研ぎ澄ませている。システムは[3-4-2-1]。J屈指の守護神・ランゲラックや丸山祐市、中谷進之介を中心とした3バック、日本トップクラスのボールハンター・稲垣祥らが君臨する堅守は健在であり、日本代表の相馬勇紀を筆頭したカウンターも破壊力十分。金崎夢生が大分へ移籍し、攻撃の中心だったマテウスも負傷離脱するなどアタッカーの駒不足かと思いきや、今夏にはFC東京からスピードスター・永井謙佑を獲得した他、福岡から重廣卓也、そして中国から184cmの大型ストライカーであるレオナルドを加えた。選手層の厚さは相変わらずJ1でもトップクラスであり、全体的な能力も高い。今節に向けて1週間の準備期間があった広島に対し、名古屋は中2日だが、コンディションに関係なく難しい戦いになるのは必至だ。
 広島の勝利のポイントは、ブレない姿勢となる。序盤は攻撃的な姿勢を見せながら前半途中から押し込まれ続けた前節・川崎F戦の反省を踏まえ、「前からアグレッシブに行くこと。それを再確認した」(スキッべ監督)。やはり自分たちからアクションを起こしてアグレッシブに前からボールを奪い、主導権を握ることが今季の広島のスタイル。それができた時は、結果もしっかり付いてきた。名古屋のカウンターは強烈だが、恐れることなく前線から圧力をかけてゲームを支配すること。「名古屋に勝って新しい流れ、勢いを付けていきたい」(野津田岳人)。川崎F戦の敗戦を受け、“進化”した紫軍団に期待だ。

監督 試合前日コメント

──名古屋の印象は?
「非常にディフェンスが強いチームだと思っている。失点が少ないし、ゼロに抑えている試合も多い。そこをどう攻略するかがカギになる。アウェイの戦いなので、難しい試合になると思っている」

──名古屋の堅い守備を攻略するためにセットプレーも重要になるのでは?
「セットプレーは攻撃でも守備でも重要なポイントになると思う。前回対戦でも我々はセットプレーから点を取れた。シーズンの最初はうまく守れていながらもセットプレーでやられてしまった試合もあったが、そこは改善されてきた。我々の守りについては自信を持ってできるようになっている。攻撃も試合を重ねるごとに良くなっている」

──前節・川崎F戦後は、前への意識を再確認したいと言っていたが?
「今週はうまくできたと思っている。後ろで相手に合わせて守るのではなく、自分たちから、前から、前からボールを奪いに行こうという部分は再確認できた」

監督 ハーフタイムコメント

・サイドチェンジを使っていこう。
・相手DFの背後を狙うこと。
・ボックス内を支配して、もっとチャンスを作っていこう。

ゲームレポート

 堅守・名古屋とのアウェイゲームは、「難しい戦いになる」(ミヒャエル・スキッべ監督)との予想どおり、拮抗した戦いとなった。
 試合は、やはりポゼッションの広島に対し、名古屋がカウンターを狙う構図で進んだ。「相手が引いて守ることは分かっていた。そこに対して我々はオフェンスでポテンシャルのある選手を多く入れようという意図で今日の11人になった」(スキッべ監督)。広島はナッシム・ベン・カリファとドウグラス・ヴィエイラの2トップを今季初めて先発から送り出し、トップ下に森島司、そして右のアウトサイドに満田誠を起用。攻撃的な11人で序盤からボールを持って名古屋ゴールに迫る中、安易な奪われ方をした際には名古屋の1トップ・永井謙佑やサイドアタッカー・相馬勇紀らのスピードあるカウンターを受けてピンチを招く時もあった。
 それでも互いの守備も集中が切れず、0-0で前半は終了。後半に向けて広島はさっそくボランチ・松本泰志を下げて川村拓夢を投入し、「中盤のところからもっとダイナミックな攻撃がしたい」と選手交代でより攻勢を強めにいった。
 後半の途中までは名古屋の勢いに押され、GK大迫敬介のビッグセーブが3つも飛び出す難しい展開となったが、60分以降からは広島も反撃。59分から入ったエゼキエウの推進力も生かしながら相手を押し込む展開へと試合の様相は変化した。
 ただし、やはり名古屋の守備も堅かった。柏好文と満田の両サイドを使った攻撃や中央での連係を駆使して何とかゴールを奪おうと攻め続けたが、最後の局面では粘り強く守ってきた相手守備陣を攻略できず。後半に放った7本のシュートはミドルシュートが多く、決定的なチャンスを作れずに0-0で終了した。
「60分以降は我々が主導権を握れたと思うし、そこから数多くのチャンスを作れた。ただ、我々が攻めながらも相手にもチャンスがあった中での0-0だったので、勝点1には満足したいと思う」。勝ち切ることはできなかったが、スキッべ監督も認める妥当なスコアレスドローとなった。

監督 試合後コメント

「Jリーグの中でも面白い試合になったと思う。0-0という結果だったが、お互いが良いところを出し合おうとしながら、お互いがよく守った試合だった。特に相手は全体的にコンパクトにタイトに守ってきた印象がある。名古屋はカウンターで2つ、3つ素晴らしい攻撃があった。それに対して、大迫敬介がよく止めてくれた。60分以降は我々が主導権を握れたと思うし、そこから数多くのチャンスを作れた。ただ、我々が攻めながらも相手にもチャンスがあった中での0-0だったので、勝点1には満足したいと思う」

──今日は2トップで森島司選手をトップ下にし、右サイドに満田誠選手を置いて名古屋の相馬勇紀選手とマッチアップさせたが、その意図は?
「相手が引いて守ることは分かっていた。そこに対して我々はオフェンスでポテンシャルのある選手を多く入れようという意図で今日の11人になった。今日のマコ(満田誠)と相馬選手のところは、お互いがスピードを持って攻めるし、守る選手であり、似たようなタイプ。彼らを当てた中で、マコに関しては素晴らしいプレーだったと思っている。後半はエゼキエウを入れたが、彼も素晴らしいプレーを見せてくれたので攻撃に厚みが出た。また、川村拓夢も前からのパワーを持って全体的にオフェンシブなプレーができた。素晴らしい活躍をしてくれたと思っている」

──川村拓夢選手を後半から投入したのは戦術的な理由からか?
「中盤のところからもっとダイナミックな攻撃がしたいという戦術的な理由で、松本泰志から川村に変更した」

──来週はルヴァンカップ準決勝が待っているが、意気込みを。
「福岡は今日の相手に少し似ていると思っている。特にディフェンスに特長があり、体が大きく、強い選手がいる。そして前線にも強いストライカーがいるという意味では、名古屋と似たようなチーム。しっかりとディフェンスをしてくるチームに対しても、時間が経つにつれてどんどん強くなっていく我々の強みを見せていきたい」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い名古屋でのゲームとなりましたが、約1,000名もの方にお越しいただきました。勝利をお届けできず、申し訳ありません。最後まで熱い声援、ありがとうございました。

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