9.21 19:00

ルヴァンカップ プライムステージ 準決勝 第1戦 vs. アビスパ福岡
AWAYベスト電器スタジアム

試合終了

アビスパ福岡 福岡
2
3
サンフレッチェ広島 広島
  • 後半27分
    フアンマデルガド
  • 後半45+4分
    フアンマデルガド
0
前半
1
2
後半
2
  • 前半22分
    川村拓夢
  • 後半4分
    塩谷
  • 後半10分
    川村拓夢

試合の見どころ

 2014年以来、8年ぶりとなるファイナル進出に向けた戦いがいよいよ始まる。
 ホーム&アウェイ方式となる準決勝の1戦目の会場は、敵地・ベスト電器スタジアム。相手は難敵・福岡だ。今季はリーグ戦で2戦2勝と広島が相性の良さを見せているが、どちらも1点差での勝利であり、決して簡単なゲームではなかった。「ディフェンスに特長があり、体が大きく、強い選手がいる。そして前線にも強いストライカーがいるという意味では、名古屋と似たようなチーム」とミヒャエル・スキッべ監督も直近のリーグ戦でスコアレスドローに終わった名古屋との共通項を挙げており、“堅守”を誇る福岡の攻略はなかなかの難題だ。さらに相手は17日(土)のリーグ・清水戦で9試合ぶりの勝利を挙げて降格圏から抜け出すなど、一つ吹っ切れたことで、より勢いを持って臨んでくるのは間違いない。
 そのスタイルは不動だ。システムはオーソドックスな[4-4-2]。前線からの献身的かつ組織的な守備がまずベースにあり、最初から最後までタイトにハードに守ってくる。そして攻撃に移れば、個の能力の高いジョルディ・クルークスや金森健志といったワイドアタッカーを生かしたカウンターが強烈である。また、アバウトなロングボール攻勢にも注意が必要であり、FWのルキアンやフアンマ・デルガドらのパワーを使いながら相手を押し込み、ゴールに迫る術もある。前節・清水戦で2得点を奪った山岸祐也という力のあるストライカーもいる。就任3年目を迎えた長谷部茂利監督の下、攻守で強いまとまりがあるのが福岡というチームで、やはり手堅い印象が強い。今季3度目の戦いも難しい戦いになるのは必至だ。
 準決勝第1戦の一番の理想はアウェイゴールを奪って勝ち切ること。そのためのポイントは粘り強く攻略に取り掛かることだ。もちろん、早い時間帯に点を取れればいいが、いつもどおり福岡は序盤から守備に力を注ぎ、集中して守ってくるだろう。広島としては、攻撃ばかりに意識がいけば、そんな福岡のカウンターの餌食となってしまうだけに、「しっかりとディフェンスをしてくるチームに対しても、時間が経つにつれてどんどん強くなっていく我々の強みを見せていきたい」(スキッべ監督)。大切なのは90分で勝負を決めること。根気強く、焦れずにゲームを進め、後半に強さを発揮する紫軍団のストロングを見せたいところだ。

監督 試合前日コメント

──ルヴァンカップ準決勝は福岡が相手だが?
「フィジカルで言えばリーグでもNo.1だと思っている。今季は2回対戦したが、そういった部分で長い時間苦しめられた。明日もハードな試合になると思う」

──名古屋と似ていると言っていたが、守備の違いは?
「違いよりも似ているところが多い。しっかり守備を固めて前に当て、そしてセカンドボールを拾うという形が多いと思っている。そういった部分も踏まえて、非常にタフな戦いになると思っている」

──堅い守備を崩すために大事なポイントは?
「ボールをしっかり転がしながらコンビネーションで攻略することが非常に重要になってくる」

──直近の名古屋戦でもそうだったが、ボールを奪い、攻めようとしたところで再び奪われてカウンターを受ける場面もあったが?
「もっと正確なサッカーをやるべきだと思っている。ボールを奪った後は確実にマイボールにすること。前に早く進むというのも一つの手だし、まずは確実なサッカーをやることが大事」

──ホーム&アウェイの戦いでは第1戦は90分ハーフのようなものだが、初戦はどういった結果が最善か?
「もちろん、一番良い結果で広島に戻って来られるのがいいと思っているが、それは相手の福岡も同じ思い。ただ、2試合を戦うということで、やはりホームにはできるだけ良い結果で戻ってきたい」

監督 ハーフタイムコメント

・最初の5分以降は良いサッカーができている。
・早く正確にパスをつないでいこう。
・後半も勇敢に戦おう!

ゲームレポート

 敵地へ乗り込んだ準決勝第1戦は壮絶な激闘となった。
 終盤までは広島の理想的なゲーム展開だった。試合の入りこそ福岡の圧力に押し込まれる時もあったが、時間の経過とともに紫軍団がゲームを支配。フアンマ・デルガドとジョン・マリのパワーのある2トップを確実に封じながら、後方からパスをじっくりと繋いでゲームを組み立て、福岡ゴールへ迫っていく。17分には左サイドでの細かなパス交換から背後へ抜け出した野津田岳人が惜しいクロスを送り込むなど、少しずつ得点の匂いが漂い始めると、堅い福岡守備陣を攻略したのは22分だった。右サイドのスローインから佐々木翔がアーリークロスを送り込むと、セットプレーで残っていたDF荒木隼人がヘディングで競り勝ち、そのこぼれ球を川村拓夢が詰めて先制。これまでルヴァンカップで無得点だった男が貴重なゴールを奪った。
「最初の5分以降はいいサッカーができている。後半も勇敢に戦おう」。ミヒャエル・スキッべ監督から、ハーフタイムにそう声をかけられて迎えた後半、序盤から広島は福岡に襲い掛かった。49分、右サイドの野津田のFKから塩谷司が頭で合わせて追加点を奪えば、55分にはショートカウンターから左サイド・柏好文、満田誠とパスが繋がり、最後はゴール前へ走り込んだ川村がこの日2点を奪って3-0。後半開始早々で大きなリードを奪った。
 これで試合は決まったかに思われたが、やはり勝負は甘くはなかった。ルキアンなど選手交代で前線へのパワーを強め、さらにロングボール攻勢を繰り返してきた福岡に次第に押し込まれ始めると、72分、フアンマにゴールを奪われて1-3。そのゴールによって勢いに乗った福岡の圧力を受ける展開へと変化し、90+4分にもサイドからのクロスから再びフアンマに決められて1点差に詰められてしまった。
 その後もあわやの場面はあったが、何とか凌いで逃げ切った広島が3-2で勝利。「終盤は福岡のフィジカルを押し出してきたロングボールの戦いに苦しめられたのは間違いない。次のホームもそういった展開になると思うが、自分たちのサッカーをもう一度やっていきたい」(スキッべ監督)。苦しみながらもアウェイゴール3得点を奪って勝利した広島は、有利な条件を持って第2戦のホームゲームに臨むことになった。

監督 試合後コメント

「結果的にリードして次はホームでの試合を迎えられる。終盤は福岡のフィジカルを押し出してきたロングボールの戦いに苦しめられたのは間違いない。次のホームもそういった展開になると思うが、自分たちのサッカーをもう一度やっていきたい。今日は緊迫した良いゲームだったと思っている。日曜日もルヴァンカップ準決勝に相応しいような試合をしたい」

──3-2の勝利となったが、終盤は相手のセットプレーとロングボールで相手2トップの強さが際立っていた。日曜日はどう戦うか?
「リードされている状態であれば、リードされている側がロングボールを入れる。そして、前線のフィジカルの優れた選手に当てていくのは普通のことだと思っている。ただ、日曜日はもう一度、自分たちに目を向けて、自分たちのサッカーをやることを徹底していきたい」

──2得点を決めた川村拓夢選手の成長について。
「彼の成長には満足している。ケガで少し遅れたが、彼は早い、強い、うまい、とすべて揃っている。今日の得点感覚も成長している部分。非常に満足している」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は福岡での平日ナイトゲームとなりましたが、約500名の方にお越しいただきました。皆さまの力強い声援が勝利に繋がりました。ゴール裏を紫に染めていただき、ありがとうございました。

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