3.3 19:00

明治安田J1 第3節 vs. 横浜F・マリノス
AWAYニッパツ三ツ沢球技場

試合終了

横浜F・マリノス 横浜FM
1
1
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半19分
    アンデルソンロペス
1
前半
1
0
後半
0

試合の見どころ

 王者への挑戦だ。今季初のアウェイゲームとなる今節、相手は2022年のJ1優勝チームであり、今季も開幕から2連勝と実力を示している横浜FM。昨季の広島はルヴァンカップを含めて3勝1敗と勝ち越した相手だが、7月に敵地で戦ったリーグ戦での敗戦(0●3)のショックが大きいのだろう。満田誠は「昨年は横浜FMに負けた印象が強い」と語る。今季、開幕から1分1敗と波に乗れていない広島は、ここでJ1覇者を倒して勢い付けることができるか。序盤戦の一つの試金石となる。
 今季も横浜FMの実力は確かだ。「日本で一番良いチームだと思っている」とミヒャエル・スキッべ監督が敬意を表するように、タレントは相変わらず充実している。昨季のMVPである岩田智輝と守護神・高丘陽平という守備の要が移籍しただけでなく、FWのレオ・セアラや仲川輝人も今季は他クラブへ活躍の場を求めたが、2023年はかつての正GKである飯倉大樹が復帰しただけでなく、柏の主力だったDF上島拓巳、大分から快足アタッカーの井上健太、長崎からストライカーの植中朝日を獲得。ピンポイント補強でダメージを最小限に抑えた。もともと、2チーム分の戦力を揃えるのが横浜FMというチームだ。現時点でも脅威な顔ぶればかりだが、ケガで長期離脱中の宮市亮などが戻ってくれば、さらに選手層に厚みが増す強豪だ。
 ただし、スキッべ監督も怖気づいてはいない。「自分たちのサッカーがしっかりできた時には、彼らにも十分対抗できる力はある」。もはや横浜FMの代名詞である強度の高いアグレッシブなサッカーはもちろん脅威だが、それを広島が上回ることができたのが昨季の横浜FMに対する3勝だった。特に4月に2-0で勝ったホームゲームでは、横浜FMに負けないハイプレスを機能させて主導権を握り続ける充実の勝利だった。自分たちのスタイルを発揮できた時に結果が付いてきているのは昨季が証明しており、今季も広島のアタッキングサッカーを突き詰めるのみだ。
 第2節にして今季1敗目を喫した前節・新潟戦。その悔しさはやはり試合でしか晴らせない。新潟に内容で圧倒された前半から一転、後半は圧力を強めて一方的に攻め立てた。その勢い、パワーこそが現在の広島のストロングポイント。「次の試合では90分間、自分たちのパフォーマンスを出せるようにしたい」(スキッべ監督)。紫軍団は王者に臆することなく、勇敢に挑んで勝点3を取りに行く。

監督 試合前日コメント

──横浜FMの印象は?
「昨年に続いて、すごく良いチームだという印象を持っている。両ウイングの選手も良いし、中央に素晴らしいストライカーがいる。攻撃に関してすごく良いチームだと思っているし、日本で一番良いチームだと思っている」

──昨季は公式戦で3勝1敗と勝ち越すなど相性が良いが、昨年に続いて勝つためには?
「昨年は昨年のこと。強い相手と戦うためには攻撃のバリエーションを豊富にしたいと思っているし、サイドから攻撃の形を作れればと思っている」

──相手のポゼッションをプレスでハメるために何が重要か?
「どっちがプレスを剥がせるか、どっちが良いスペースを作れるか。そして守る時にはスペースを作らせないかが重要になると思う。前節・新潟戦では相手にスペースを使われることがあったので、横浜FM戦はそういうことがないようにしたい」

──ここで横浜FMを倒せれば、チームにとって自信となり勢いも出るのでは?
「そのとおりだと思う。そのためには自分たちの100%のパフォーマンスを出し切らないといけない。新潟戦は後半はできたが、前半はそれができなかった。次の試合では90分間、自分たちのパフォーマンスを出せるようにしたい」

ゲームレポート

 “攻撃スタイル”を標ぼうする両チームの戦いは見どころの多い激戦となった。
 試合をいきなり動かしたのは広島だった。4分、高い位置でのボールの競り合いからピエロス・ソティリウから右サイドへ抜け出した満田誠へとボールが渡って中央へクロスを送り込むと、東俊希が左足で合わせて先制。早くもリードを奪った。
 その後もナッシム・ベン・カリファとピエロスの2トップを活かして相手に圧力を掛け続けた広島が主導権を掌握。「特に前半の15分ぐらいまでは前からアグレッシブに攻撃的に行けた」とミヒャエル・スキッべ監督も振り返ったように、横浜FMの自由を奪って押し込み、決定機を作り出していった。
 だが、その15分以降は、やはり王者も黙っていなかった。「その後(15分以降)は前から行くというよりもボールを失わないように後ろに下がるシーンが増えていった。そのため、相手に押し込まれる時間が増え、3つ4つのチャンスを作られた」(スキッべ監督)。今度は横浜FMの前からの圧力を広島が受けることになり、さらに相手のスピーディーな攻撃陣に手を焼く展開に。すると、打開されてしまったのは19分だった。右サイドでエウベルに抜け出されると、中央へのクロスをアンデルソン・ロペスに合わせられて追い付かれてしまった。その後も横浜FMに主導権を握られる中、何とか1-1で前半を折り返した。
「後ろに下げるのではなく、前に前に行こう!」
 ハーフタイム、スキッべ監督からそう活を入れられた紫軍団は、後半に入ると再び目覚めた。前半よりも縦への意識を持つことで後半は互角の展開に。相変わらず横浜FMの速い攻めには手を焼いたが、広島も川村拓夢のミドルやCKから荒木隼人がヘディングでチャンスを狙えば、ナッシムが右サイドから決定的なクロスを送り込むチャンスを作った。さらに77分、相手DFの永戸勝也が中野就斗へのファウルで一発退場となると、流れは完全に広島へ。数的優位となって横浜FMゴールへ迫り続けると、ナッシムが決定機を迎えるなど勝ち切るチャンスはあったが、あと一歩が足りず。
「我々がボールを握っていた時間帯が多かっただけに勝てたかもしれないと思う部分はあるが、最後のカウンターを食らったシーンで失点せず、負けなかったのは満足している」(スキッべ監督)と言う最後まで目の離せない攻防は1-1の痛み分けに終わった。

監督 試合後コメント

「今日の全体的なパフォーマンスは満足している。特に前半の15分ぐらいまでは前からアグレッシブに攻撃的に行けた。その後は前から行くというよりもボールを失わないように後ろに下がるシーンが増えていった。そのため、相手に押し込まれる時間が増え、3つ4つのチャンスを作られた。後半はまた前へ出るようになり、特にワイドから良い攻撃ができるようになった。ただ、横浜FMは前に速い選手がたくさんいるので、我々が攻めている状態でもカウンターのリスクが常にあると思っていた。我々がボールを握っていた時間帯が多かっただけに勝てたかもしれないと思う部分はあるが、最後のカウンターを食らったシーンで失点せず、負けなかったのは満足している」

──前半15分まで良かったが、その後に下がってしまった原因は?
「相手が出てきたのはある。速い選手が前にいるので、ボールを失わないように後ろにパスをする回数が増えたと思う。また、早いパスを回せなかったため、パスを受ける選手の判断の時間を奪ってしまった。そのため、どんどん後ろに下がり、GKが長いボールを蹴る展開が多くなったと思っている」

──前半から広島の左サイドの守りがリスクを負っているように見えたが、プランどおりだったのか?
「普段はしっかりオーガナイズされた組織だった守備を心掛けているが、横浜FMには前に速い選手がいる。そこでワン・ツーで縦に抜かれることが起きると想定した中で、ああいう守り方になったり、ときには突破されたりした」

──今日は満田誠選手を右ウイングバックで起用したが?
「彼自身、ポジションはフレキシブルに対応できる。今日は右でスタートしたが、彼が昨年デビューしたときは、左のワイドでプレーしていた。最近は前目のポジションで起用することが多いが、オフェンシブの中盤の選手と後ろの川村拓夢を含めて前にパワーを持って行けるようにと考えている」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は平日のナイトゲームにも関わらず、約1,300名もの方にお越しいただきました。次こそは勝利を掴めるよう精進していきます。最後まで熱い応援、ありがとうございました。

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